AI(人工知能)の進化が目まぐるしい現代、その裏で「Python」というプログラミング言語が注目と人気を集めています。聞いたことがあっても、どのような用途で使われるのか、イメージできない方も多いでしょう。
PythonはAI開発やデータ分析に強いことはもちろん、他のプログラミング言語同様、Webシステムやスマホアプリの開発にも適しているのが特徴です。
今回の記事では、Pythonを用いてできることの具体例や、Pythonエンジニアになるための方法について紹介します。
Pythonでできること5つ
Pythonを駆使してできることは多岐にわたりますが、代表的な例としては次の5つです。
- 機械学習によるAI(人工知能)開発
- データ収集や分析
- Webシステムやアプリの開発
- スマートフォンアプリの開発
- ブロックチェーン技術の開発
それぞれくわしく解説します。
1.機械学習によるAI(人工知能)開発
AI(人工知能)の開発は、Pythonでできることの代表的な例として挙げられます。Pythonは他の言語に比べ、AIを開発するためのフレームワークやライブラリがより充実しているためです。
基本となる機械学習はもちろん、画像や音声、自然言語を処理する「ディープラーニング」の分野の開発も、効率的に行うことが可能となっています。
2.データ収集や分析
データ収集や分析も、Pythonが得意とする分野のひとつです。
具体的には「クローリング」や「スクレイピング」といった技術が挙げられます。
クローリングはWebサイト上を巡回し、監視するプログラムのこと。一方のスクレイピングは、Webサイト上の情報を抽出・収集するプログラムを指します。
また、データベースやExcelにアクセスできるライブラリやソフトもあるので、圧倒的な作業効率化が実現可能です。
3.Webシステムやアプリの開発
PythonはWebシステムやアプリ開発にも活用されています。
これらを開発するためのフレームワークやライブラリが充実しているためです。
Webシステムやアプリの開発で用いられるのは、一般的には「Django」というフレームワークです。目に見えるフロントエンド箇所から、データベースやサーバーなどのバックエンド箇所まで兼ね添えていることから、あらゆる現場で重宝されています。
4.スマートフォンアプリの開発
PythonはWebシステムのみならず、スマートフォンアプリの開発も得意としています。
「kivy」をはじめとするスマートフォンの開発に適したフレームワークも充実しているためです。
実際にMeta社が運営するSNSアプリ「Instagram」、また動画プラットフォームの「YouTube」も、Pythonを用いて制作されています。
5.ブロックチェーン技術の開発
一見難易度が高そうなブロックチェーン技術の開発も、Pythonの得意分野です。
Pythonはライブラリやフレームワークが充実していますが、それはブロックチェーンに関しても例外ではありません。
具体的にブロックチェーン分野では、「hashlib」というライブラリが重宝されています。
また実際にPythonは、フィンテック分野の主要技術としても役立てられているのが現状です。
Pythonで実現するのが難しいこと3つ
活用用途が多岐にわたるPythonですが、実現が難しい分野もゼロではありません。
ここでは、Pythonでの実現が適さない3つのことについて解説していきます。
- Windows系のデスクトップアプリの開発
- 処理速度が重要なシステムの開発
- ゲームの開発
Windows系のデスクトップアプリの開発
Windows系デスクトップアプリを作成するなら、Windowsとの互換性が高く、相性もいい「C#」などの言語を使用したほうがいいでしょう。Pythonでも実現不可能ではありませんが、向き不向きを考えるとC#に軍配が上がります。
OSに依存しないアプリケーションの開発なら、Pythonを用いることで高い利便性を感じられるでしょう。
処理速度が重要なシステムの開発
Pythonは処理スピードが早いとは言えないので、処理速度が重視されるシステムにも不向きです。たとえば大規模なゲーム関連のシステムなどでは、他の言語を比較したときと比べると、処理速度は落ちてしまいます。
速度重視のシステムを開発するなら、JavaやC++などを用いるのが賢明といえるでしょう。
ゲームの開発
ゲームは一般的に、高い処理速度が求められるものです。そのため速度の観点で劣るPythonは、どちらかというとゲームには不向きとなります。
ゲーム開発自体は不可能ではありませんが、より快適な操作性を追求するためにも、C++やC言語を使用するほうがいいでしょう。実際のゲーム開発現場でも、Pythonを用いるケースはほとんどありません。
初心者からPythonエンジニアを目指す学習方法
初心者の状態からPythonエンジニアを目指すなら、学習方法としては以下が挙げられます。
- 書籍などを購入して独学で学習する
- ネットの情報や教材を活用して学習する
- プログラミングスクールを活用する
自分に合った学習方法を見つけるためにも、参考にしてください。
書籍などを購入して独学で学習する
書籍などを購入し、独学で習得する方法です。Pythonは人気の言語ということもあり、書店はもちろん、図書館などにも参考書はたくさんあります。
ゼロの状態から体系的に学ぶにあたって効果的な手段といえますが、書籍によっては内容が難しく、理解が追いつかないケースもあります。書店などで実際に手にとってひととおり目を通し、理解しやすそうなものを選ぶのがいいでしょう。
ネットの情報や教材を活用して学習する
インターネット上にある情報、およびネット教材などを活用して学習する方法です。体系的に学んでいるさなかで不明点を見つけたとき、ピンポイントで検索する用途でたいへん役立ちます。
ただインターネットの情報の多くは、発信源が匿名の個人です。
有料の教材や書籍のように、必ずしも実績のある人が発信しているわけではないので、自己責任で情報の取捨選択を行う必要があります。
プログラミングスクールを活用する
プログラミングスクールの活用も、初心者からPythonを学ぶために有益な方法といえます。
前述した「書籍やネットを用いた独学」では、どうしても挫折率が高くなってしまうためです。
スクールを活用することで、同じ志を持った仲間との交流や、不明点を講師に聞ける環境が手に入ります。これにより挫折率を大きく減らし、さらに学習の効率化を図れるでしょう。
ただその分まとまったお金が必要になりますので、本気で短期集中でプログラミングを習得したい方におすすめです。
Pythonを効率よく学びたい方に適したサービス3選
Pythonを効率よく学びたいなら、一般的に以下の3つのWebサービスがおすすめです。
- Progate
- ドットインストール
- VOST(Pythonセミナー講習)
いずれもプログラミングスクールよりお金がかからず、かつ初心者に向いたPythonのサービスなので、ぜひ参考にしてください。
1.Progate
Progateは2014年に運営を開始したプログラミング学習サービスです。
初心者でもわかりやすいインターフェースや親しみのあるキャラクターが特徴的で、手を動かしながら楽しくプログラミングを学ぶことができます。
Pythonは全7レッスンで構成されており、その他にもさまざまな言語に対応しています。
月額で約1,000円かかりますが、ゼロの状態からプログラミングを始める方なら、かならず登録したいサービスです。
2.ドットインストール
ドットインストールは、短編動画視聴型のプログラミング学習サービスです。
レッスン動画はすべて約3分間の動画で細かく区切られているので、スキマ時間や移動時間にサクッと学習できる利便性が大きな特徴となります。
月額約1,000円のプレミアム会員になることで、「レッスン動画の不明点を現役エンジニアに質問できる」という特典がつきます。空いた時間を有効に活用し、効率よく勉強に取り組みたいという方におすすめです。
3.AI研究所(Pythonセミナー講習)
AI研究所が実施するPythonセミナー講座は、前提知識がない初心者でも、たった2日間でマスターレベルにまで到達できる講座です。「実務でよく使われる技術やノウハウ」にフォーカスしたカリキュラムが組まれ、仕事や転職、および独立で大いに役立ちます。
またPython関連資格「Python 3 エンジニア認定基礎試験」や「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」の対策としても有効です。ムダな勉強を省き、最短効率で習得したい方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
Pythonを習得した後のおすすめキャリア
Python言語をマスターした後のキャリア像としては、次のようなものが挙げられます。
- AI(人工知能)エンジニア
- Webシステム・アプリ開発エンジニア
- データサイエンティスト
Pythonを習得し、IT業界で活躍したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
AI(人工知能)エンジニア
Python習得後のキャリアとしてもっとも有力視されるのが、AI(人工知能)エンジニアです。
ここ近年でAIは目まぐるしい進化と発展を遂げ、ロボット掃除機やスマートスピーカー、自動運転など市場を大きく拡大させました。
それに伴ってAIエンジニアは今後の将来性も明るいとされています。
AIエンジニアになるなら、Pythonは欠かすことのできないスキルです。
Webシステム・アプリ開発エンジニア
Python習得後のキャリアなら、Webシステムおよびアプリケーション開発エンジニアも挙げられます。PythonはAIのみならず、一般的なWebシステムなどを開発する用途にも適している言語だからです。
Pythonはシンプルな構文やライブラリの充実から、その利便性と汎用性の高さが注目されています。現状Python言語での開発案件は増えているので、習得後の代表的なキャリアと考えて差し支えありません。
データサイエンティスト
Python習得者のキャリアなら、データサイエンティストも外せません。データサイエンティストとは一般的に、「AIおよびITスキル」と「統計学の知識を」をかけあわせ、企業データ分析や集計を行って、売上向上につなげる専門家のことを指します。
統計学などの難解な知識が必要になるものの、ベースとなるのはPython言語の習得であるため、習得後のキャリアのひとつとなっています。専門性が高い分、高年収を期待できるモダンな職種です。
Pythonを使うと何ができるのかについてまとめ
Pythonを使ってできることの代表例、およびPythonエンジニアを目指す方法などについてご紹介しました。PythonはAI(人工知能)開発のみならず、Webシステムやアプリ、ブロックチェーンの開発など、使い道は多岐にわたります。
粘り強い学習は必要になりますが、他の言語と比較して構文はシンプルなので、スクールなどをうまく活用することで効率よく習得可能です。中でもProSkilllのPythonセミナー講習は、完全未経験者でも2日の集中講座でPythonを習得可能です。
将来性の明るいPythonを、ぜひ取得してみてはいかがでしょうか。
