Ubuntuの環境でPythonが使えるため、この2つのワードがセットで出てくることもは珍しくありません。
そこで、UbuntuとPythonのについて簡単に説明した上で、インストールの手順やできることを紹介します。
この記事を読めば、初心者でもUbuntuとPythonを使い始めることが可能です。
UbuntuとPythonとは
ここでは、UbuntuとPythonの概要について解説します。
Ubuntu(ウブントゥ) とは
Ubuntu(ウブントゥ) とは、Linuxディストリビューションの中の1つです。
LinuxはカーネルのみではOSとしてすぐに使用することができず、1つにまとめたアプリケーションを活用することですぐに使えるようにしています。
それがディストリビューション(「配布」の意味)です。Ubuntuは、オープンソースを基本に開発しており、無料で利用することができます。
Unix系システムの「Debian」を下地にしたデスクトップとして、初心者でも手軽に使い始められるのが特徴です。
使いやすい理由は、デスクトップ環境として、デフォルトで「GNOME」(インターフェイス)が提供されており、直感的な操作が可能だからです。
その上、幅広いユーザーコミュニティがあり情報が得やすく、公式のサポート体制も整っています。
Pythonとは
Pythonは、java言語よりもシンプルで読みやすい構文が特徴のプログラミング言語です。
近年、技術発達の目覚ましいAIの機械学習や人工知能の開発に広く使用されています。
シンプルでわかりやすい構文は、数学の複雑な式を含むAIの開発において大きなメリットです。
特に、Pythonには機械学習や人工知能の開発に役立つ豊富なライブラリやフレームワークが存在します。
例えば、NumPyやPandasといったデータ処理や解析に特化したライブラリ、Scikit-learnやTensorFlow、PyTorch、Kerasといった機械学習やディープラーニングのフレームワークがあります。
これらのツールを使用することで、複雑なAIモデルの構築やデータの処理が容易になります。
こちらの記事では他のプログラミング言語と比べたPythonの優位性について解説していますので、読んでおくといいでしょう。
UbuntuとPythonのインストール手順!
次に、UbuntuとPythonのインストール手順を解説します。
Ubuntuのインストール手順
まずはUbuntuをインストールする流れです。
- 日本版の公式サイトを開く
自分のシステムのアーキテクチャ(32ビットまたは64ビット)に対応した最新版(ISOイメージ)をダウンロード入手します。 - インストールメディアの作成
ダウンロードしたISOイメージをDVDに書き込むか、USBフラッシュドライブに書き込んでインストールメディアを作成します。USBフラッシュドライブを使用する場合は、RufusやEtcherなどのツールを利用することができます。 - インストールメディアのセットアップ
作成したインストールメディアをコンピュータに挿入し、システムを再起動します。再起動時に、コンピュータのBIOSまたはUEFI設定にアクセスして、ブートデバイスの順序を変更し、インストールメディアからの起動を有効にします。 - Ubuntuのインストール
コンピュータを再起動すると、Ubuntuのインストーラが起動します。言語の選択、キーボードレイアウトの設定などの基本的な設定を行います。その後、インストールのタイプを選択します。
例えば、「Ubuntuを alongside 他のOS と並べてインストール」を選ぶと、既存の別のオペレーティングシステムとデュアルブートが可能になります。「Ubuntuを wipe してインストール」を選ぶと、ディスク全体をUbuntuに割り当ててインストールします。「その他のオプション」を選ぶと、パーティションのカスタマイズや暗号化などの詳細な設定が可能になります。 - パーティションの設定
必要に応じてパーティションの設定を行います。デュアルブートを選択した場合は、既存のオペレーティングシステムが「インストールされているパーティション」と「Ubuntuのための新しいパーティション」を作成します。 - ユーザー情報の入力
ユーザー名、パスワード、コンピュータの名前などのユーザー情報を入力します。 - インストールの完了
設定が完了したら、インストーラがUbuntuをインストールします。インストールが完了すると、システムが再起動されます。 - 追加のドライバのインストール
必要に応じて、追加のハードウェアドライバをインストールします。Ubuntuのデスクトップ画面にアクセスし、「ドライバ」などの設定メニューから利用可能なドライバのチェックとインストールを行います。
Pythonのインストール手順
Ubuntu環境でPythonをインストールする手順は以下の通りです。
- ターミナルを開く
Ubuntuのデスクトップ環境で、「Ctrl + Alt + T キー」を押すことでターミナルを開くことができます。ユーティリティからアイコンをクリックすることで起動するケースもあります。 - システムのアップデート
インストール前にシステムを最新の状態にアップデートすることをおすすめします。そこで以下のコマンドを実行します。 - Pythonのインストール
UbuntuにはデフォルトでPythonがインストールされていますが、最新のバージョンをインストールする方法は次の通りです。
Python 3をインストールする場合は、「sudo apt install python3」のコマンドを実行します。Python 2は「sudo apt install python」です。
ここで、パスワードの入力を求められる場合もあります。 - インストールの確認
インストールが正常に完了したかを確認するために、以下のコマンドを実行します。python3 –version # Python 3の場合
python –version # Python 2の場合バージョン番号が表示されれば、Pythonのインストールが成功しています。
Pythonのパッケージ管理ツールであるpipを使用する場合は、別途インストールする必要があります。以下のコマンドを実行してpipをインストールします。sudo apt install python3-pip # Python 3の場合
sudo apt install python-pip # Python 2の場合以上で、UbuntuにPythonのインストールが完了です。必要に応じて、追加のパッケージやライブラリをインストールすることもできます。
OS別のPythonのインストール手順についてはこちらの記事で解説しています。
UbuntuとPythonでできること
UbuntuとPythonには、それぞれの特徴からさまざまなことができます。
Ubuntuでできること
Ubuntuは多機能で柔軟な操作性を持つシステムです。そのため、個人や企業のさまざまな使い方ができます。
- WEBブラウジング(標準でウェブブラウザ搭載によるインターネット閲覧)
- メールやメッセージング(メール・メッセージングアプリ)
- オフィススイート(LibreOfficeで文書・プレゼンテーション作成など)
- マルチメディアの再生(音楽やビデオの再生)
- グラフィックデザイン(写真の編集やイラスト、ベクターグラフィックの作成)
- プログラミング(Python、Java、C++のサポート、統合開発環境(IDE)による開発)
- サーバー運用(さまざまなサーバーを構築・運用)
さまざまなソフトウェアが用意されていることもあり、ウェブブラウザ、オフィススイート、メディアプレーヤー、開発ツールなど、幅広い用途に対応しています。
Pythonでできること
Pythonは、シンプルな構文と豊富なライブラリエコシステムにより、さまざまな用途に応じたプログラミングが可能です。具体的には、以下のことができます。
- ウェブ開発(ウェブアプリケーションを開発。Django、Flaskなど)
- データ分析(PandasやNumPyといったライブラリでデータの解析、処理、可視化)
- 機械学習(Scikit-learnやTensorFlow、PyTorchのライブラリを使って学習モデルの構築やトレーニング)
- 自然言語処理(NLTKやSpaCyのライブラリでテキストデータの解析)
- デスクトップアプリケーション(PyQtやTkinterのツールキットでGUIアプリケーションの作成)
- ゲーム開発(Pygameのライブラリで、2Dゲームの作成やゲームエンジンの開発)
- 自動化(ファイル操作、データ処理、スクリプトの作成など、さまざまな自動化)
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UbuntuとPythonのインストール手順とできることを押さえよう
今回は、UbuntuとPythonのインストール手順について押さえておきたいポイントを整理しました。
UbuntuとPythonは両方とも英字で混同しやすいですが、Ubuntuはアプリケーションを提供するシステムのディストリビューション、Pythonは高度なプログラミング言語です。
それぞれの導入手順は異なるため、1つずつ順にインストールを完了させます。できることを知り、さまざまなことに挑戦してみましょう。
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