Pythonの活用事例5選!GoogleやAmazonでのPython活用を見てみよう

IT業界では、常に新しいプログラミング言語が登場し、今までできないと思われたことを、次々と実現してきました。
現代でも新しいプログラミング言語が生み出されていますが、その中でも注目されている一つが、AI開発などで利用が進むPythonです。
Pythonは、どんなところで活用が進んでいるのでしょうか。

こちらでは、Pythonの活用事例や活用方法を取り上げ、その特徴とともに他の言語と比べた優位性を考えます。

Python活用事例5選

新しいプログラミング言語を学ぼうと思っている人、開発現場でどのプログラミング言語をメインにすべきか迷っている企業にとっては、その言語の使用状況や将来性に目をとめるとよいかもしれません。
こちらでは、世界的に活躍する企業やサービスでのPython活用事例を見ていきたいと思います。

Python活用事例①Google

Python活用事例①Google

Pythonを積極的に活用している企業として、巨大IT企業として知られるGoogleがあります。

Googleには、Pythonの開発者が在籍していたこともあり、オフィシャル言語のような形で使用してきました。そのような経緯から、社員の多くがPythonを活用しています。

Googleでは、Pythonを検索エンジンのほか、Android開発や動画投稿サイトサービスであるYoutubeなどで使用しているようです。
特に、世界中にユーザーがいるYoutubeは、常に動画がアップロードされる状況で、大容量の動画を高速で処理するプラットフォーム開発に、Pythonが威力を発揮しています。
加えて、Googleが提供するWebアプリケーションでも、Pythonが使われています。

Python活用事例②Amazon

同じく巨大IT企業として知られるAmazonでも、Pythonの利用が進んでいます。

Amazonでは、商品と取引に関するシステムとして、Pythonが実装されたものを推奨しています。
Amazonは、ロングテールと呼ばれる、すそ野の広い品目を抱えており、変化していく情報を制御しつつ、拡張性があり、他のプログラミング言語とも連携しやすいPythonを積極的に使用しています。

Amazonでは、顧客が検索した情報などをもとにレコメンドを表示させる機能がありますが、機械学習に適しているPythonを使って、それぞれの顧客のニーズを分析し、購買意欲を高めるのに一役買っています。

Python活用事例③Dropbox

オンラインストレージサービスを提供しているDropBoxも、Pythonを導入する企業の一つです。

DropBoxでは、Googleで勤務していたPythonの開発者が移籍し、DropBoxのプロトタイプからPythonが採用されました。
現在提供されているDropBoxは、サービスを構成するプログラムすべてがPythonのコードで書かれています。

DropBoxの利点は、OSを問わずに、様々なデバイスでサービス利用ができることです。
DropBoxは、2007年に創業のスタートアップ企業ですが、これほど多くのユーザーを持つ企業に成長した背景には、Pythonの利用が関係しているのかもしれません。

Python活用事例④Netflix

動画配信サービス大手のNetflixも、Pythonを使用しています。

プラットフォームの開発にPythonを採用するほか、セキュリティや顧客分析などの分野でもPythonをフル活用しています。
NetflixがPythonを活用していることは、実際に使用しているライブラリの名前を挙げて公開している点からもよくわかります。
例えば、保守運用にかかる数値分析には、NumPyやSciPy、統計分析にはNumPy、SciPy、ruptures、Pandasなどを使い、アラート後に出される信号の分析にも役立っていると明言しています。
また、映画の中のベストなワンシーンを探し出して切り取る作業にも、Pythonの機械学習を採用しているとしています。

Python活用事例⑤Instagram

写真や映像を共有できるサービスとして広く普及しているInstagramも、Pythonの活用に積極的です。

Instagramは、Pythonで実装されたWebアプリケーションフレームワークであるDjangoを使用して構築されたことで知られています。
Instagramは、当初2人だけで設立した企業ですが、あっという間にユーザーが膨れ上がりました。
Pythonは、少ないコードで高品質なWebアプリを作成できる言語なので、急激な変化に対応可能で、ユーザーのニーズをつかみました。

Pythonの利用分野別での活用方法

Pythonの利用分野別での活用方法

Pythonを考えるうえで、利用分野別の活用方法を知っておくことは大切です。
Pythonが最も活用を期待される分野が、AI技術や機械学習です。
AI技術や機械学習を効率よく行うには、データの前処理がカギを握ります。

利用分野別活用事例①情報収集

情報を収集したり、収集した情報を分析可能なデータに変換したり、データを扱いやすくクレンジングや統合するなどの前処理には、Pythonが適しています。
そのため、楽天ではビッグデータを使って物流戦略を立てるのに活用されたり、マクロミルはマーケティングリサーチ、ぐるなびはポータルサイトのデータ解析に利用しているようです。

利用分野別活用事例②画像処理や画像解析

さらに、画像処理や画像解析にもPythonが広く用いられています。
文字データと比べ画像は、データ分析が困難で、ビジネスの利用が難しいとされましたが、画像処理や機械学習でよく用いられるライブラリ・OpenCVや、数値計算や解析ができるTensorFlowなどのライブラリを使い、顧客の識別や商品カテゴリの自動振り分け、ユーザーの好みに合わせた画像の表示などを行うことができるようになりました。
この点を利用している例としては、Googleの「Googleフォト」による写真管理、フォトクリエイトの顔認証エンジン「Faceee」の開発、エルピクセルが開発した研究者向けの画像解析システムなどが挙げられます。

利用分野別活用事例③金融系

Pythonは、金融関連サービスでも利用が進んでいます。
特に活用されているのが、ブロックチェーン技術です。
Pythonに標準で装備されているハッシュ関数や外部との通信機能、様々な数値計算ができるライブラリなどを組み合わせて用いることで、ブロックチェーン開発を効果的に行えます。
活用している例としては、LINEの仮想通貨・ブロックチェーン事業、中国の大手取引所の一つであるOKCoinでの仮想通貨取引のプラットフォーム運営、チケット転売防止システムを開発したKraftwerkなどがあります。

Pythonの特徴と他の言語と比べた優位性

比較的新しいプログラミング言語であるにも関わらず、これほどの有名企業や、幅広い分野での活用が進む背景には、Pythonの特徴が関係しています。
まずPythonは、読みやすい言語として知られています。
人が読んでも理解しやすい言語なので、初めてプログラミング言語に接する人でも抵抗なく学ぶことができます。

また、プログラムを簡単に作るのに役立つライブラリが豊富で、無料で利用できるものが多いのもメリットです。
開発に使われる範囲が比較的広いので、Pythonを身に着けていれば、様々な分野で活躍できる点も、学習者にとっては利点といえるでしょう。

他の言語と比較したPythonのメリットの一つは、プログラムをコンピュータに読み込ませるのに、コンパイラと呼ばれる翻訳作業を必要としない点です。コンパイラの工程を必要としないので、必然的に実行スピードが速くなります。
構造がシンプルで大量のデータをさばける点が、Pythonの良いところです。
WebサイトやSNSなどでよく用いられてきたRubyですが、データ量の多いサービスなどでは、Pythonの使用が目立っています。
習得するまでにかかる期間や学習コストの点でも、Pythonは優れています。
OSや組み込み系の開発、ゲーム機のプログラムなどに利用されてきたC言語やその派生語は複雑で理解しにくい言語といわれますが、同様の開発ができるPythonは、短期間に習得可能な点がメリットです。

そのほかのPythonでできることに関しては下記記事を参考にしてください。

初心者がPythonで作れるもの5選!すぐに作れるものを徹底解説

AI事業に利用されるPythonの活用事例まとめ

Pythonは、世界的に有名なIT企業などでの活用事例が多くあります。
利用分野別の活用方法としては、AI開発や機械学習、今まで効率的な運用が難しかった画像処理や画像解析、金融サービスのブロックチェーンなどがあります。

Pythonは扱いやすいプログラミング言語で、プログラムを作るのに役立つライブラリなども豊富です。習得するまでの時間やコストを抑制でき、今後も開発に多用されるに違いありません。
ぜひPythonの活用事例からAI事業やプロジェクトに役立ててみてください。

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