本日のtopicsは、設備保全現場の点検課題を解決するIoT・AIサービス LiLz Gaugeを提供するLiLz株式会社が取得した「希望解像度送信」について解説します。
そもそもLiLz Gaugeとはどんなサービス?
LiLz Gaugeは、低消費電力IoTカメラと機械学習を活用し、アナログメーターなどの目視巡回点検を遠隔地から行うソリューションです。
工場などの設備を常時正常運転するためには、定期的に計器(メーター)の確認をする必要があります。これらの計器は、従来は人間が日々現場を巡回し、値を記録及びチェックしていました。しかし、設備保全現場には確認しなければならない計器が非常にたくさん存在します。なかには人が立ち入りにくい高所や危険区域に設置されているものもあり、日々の巡回はとても労力のかかる作業でした。
LiLz Gaugeは、確認しなければならない計器の付近にカメラを設置することで、1日に複数回自動で計器を撮影します。撮影した画像から数値を読み取り、クラウド上に記録できるため、遠隔地からメーターの目視巡回点検が可能になるという訳です。
目視巡回の自動化サービスについては、すでにいくつかの企業が展開していますが、 LiLz Gaugeのメリットは、
- 簡単
- リーズナブル
といった点でしょう。
メーターの自動記録システムを導入するためには、工場内の全てのメーターをデジタル化するなどの初期投資が必要な場合がありますが、LiLz Gaugeでは専用のIoTカメラを設置すればすぐに運用が開始できます。画像から数値が記録できるので、アナログメーターもアナログのままで良いという訳です。
このカメラはリチウムイオン電池で動くため、外部電源の場所を気にせず設置できます。
さらに、1日3回撮影の場合、1回の充電で約3年連続動作できるという優れものなのです。
特許技術「希望解像度送信」とは?
それでは、今回LiLz株式会社が取得した基本特許技術「希望解像度送信」とはどのようなものでしょうか。
画像:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000042105.html
この技術は、「希望する解像度で計器の画像を撮影してサーバに送信が可能になる」というものです。
LiLz GaugeのIoTカメラは、メーターを撮影して数値を読み取りますが、解像度の高い画像を撮影することで電池の消費が大きくなります。
外部電力に頼らずにカメラを設置できるのがLiLz Gaugeの大きな長所であることから、カメラの消費電力を抑え、電池を長持ちさせる必要がありました。
「希望解像度送信」は、値を読み取ることができる「最小の解像度」を選択することで、データ量を削減し、カメラの消費電力を低減できるという訳です。
特許技術「希望解像度送信」の価値は?
本特許の権利範囲は非常に広く、リモート目視巡回点検の効率化を実現するだけでなく、さまざまな事業における転用が可能です。
本特許を取得したことにより、LiLz株式会社は今後独占的に「希望する解像度で計器の画像を撮影してサーバに送信する技術」を提供できるようになります。基本特許技術だけに、売上・利益にもプラスの影響を与えるでしょう。
他社とのアライアンスへの活用も計画されているとのことで、事業領域の拡大にも寄与しそうです。
長年現場における大きな負担だった目視巡回点検という課題が、また一歩解決に近付いたということですね。
特許概要
特許番号:特許第7144810号
登録日:2022年9月21日
特許権者:LiLz株式会社、高砂熱学工業株式会社
発明の名称:計器読み取りシステム、計器読み取り方法、及び撮像装置
LiLz株式会社について
設備保全現場の点検課題を解決するIoT・AIサービス LiLz Gaugeを提供中。
CEATEC AWARD 2019トータルソリューション部門グランプリ、第6回JEITAベンチャー賞など受賞多数。
「機械学習とIoTの技術融合で、現場の仕事をラクにする」をミッションに掲げている。
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