2024年3月に韓国サムスンは、AI(人工知能)技術を搭載したテレビを発売すると発表しました。従来の映像処理能力の2倍のAI半導体を搭載しており、映像を鮮明に映し出すことが可能です。
国内でもすでにAI技術が搭載されたテレビが発売されており、従来までの映像や音質がAIの最新技術を用いて調整され、よりエンターテイメントを楽しめるようになりました。
今回は、AIテレビの特徴やおすすめのAIテレビをご紹介します。
AIテレビとは
AIテレビとはAI(人工知能)技術を搭載したテレビのことです。AIが搭載されているため、従来のテレビとは異なる機能があります。
テレビによりAI機能は異なりますが、具体的には以下のような機能を持ちます。
機能 | 内容 |
音声認識 | 音声で入力でテレビ操作が可能 |
おすすめ | AIが視聴履歴などから、関連・おすすめ番組を提案 |
画質・音質調整 | 画質や音質をAIが自動調整 |
スマートスピーカーと連携 | 他の家電製品の操作・音楽再生などが可能 |
また、AIテレビによってはユーザーの声や顔を認識し、1人1人に合わせたコンテンツを表示する機能もあるようです。
AIテレビのメリット
AIテレビはテレビとしてだけでなく、私たちの生活を変革する技術として注目されています。従来のテレビとは一線を画し、高度なAI処理と最新技術との連携で、様々な機能を実現しており、これまでにない視聴体験を向上させるでしょう。
以下でAIテレビのメリットを具体的に解説します。
利便性が向上する
従来のようにリモコン操作を行わず、テレビに話しかけるだけでAIの音声認識機能により、番組検索などの操作が可能です。また、ユーザーの過去の視聴履歴や興味関心に基づき、おすすめのコンテンツを提案してくれます。
さらに、AIが視聴環境に合わせて画質や音質を自動的に調整してくれるため、ユーザーが自ら調整することなく快適に視聴できます。例えば、AIテレビを設置している部屋の明るさに合わせて画面の明るさを調整したり、視聴者の視聴環境に合わせて、字幕を追加したりすることもできるでしょう。
これまでにない視聴体験が楽しめる
AIテレビは個々の視聴者に合うようにパーソナライズされた視聴体験ができます。AIは、ユーザーの過去の視聴履歴や視聴時間・興味関心のあるコンテンツなどを分析し、ユーザー個人の情報に基づいた様々な提案をします。
例えば、ユーザーの好きなニュース番組やドキュメンタリー番組・過去に視聴した番組と似たような番組を提案したり、ユーザーと似たような視聴傾向を持つ他のユーザーがよく視聴している番組を提案することが可能です。ユーザーはAIのおすすめ機能により、新しい番組に出会うきっかけができるでしょう。
常に進化することができる
先述したように、AIテレビはユーザーの好みや視聴履歴から、パーソナライズされたおすすめコンテンツを提供します。AIは常に学習し分析し続ける特性があるため、常にユーザーのニーズや環境に合わせて進化することが可能です。
AIテレビはユーザーの検索内容や操作内容なども取り込み、まるでユーザーの思考を読むようにニーズを深く理解し、常に最適な提案や情報提供を実現するでしょう。例えば、同じ映画俳優の過去の作品や関連した情報を提供したり、視聴中のコンテンツの内容を理解し、関連するグッズなどを提案したりも可能です。
AIテレビのデメリット
最新のAI技術とIT技術を融合したAIテレビは、新たな可能性を提示する画期的技術ですが、常にメリットだけではありません。AIテレビは、従来のテレビとは異なる機能とメリットを持つ一方で、いくつかのデメリットも存在します。
初期費用が高価である
AIテレビは、最新のAI技術とIT技術を融合したシステムです。そのため、テレビ本体に加え、AIチップやクラウドなどのハードウェアを搭載しており従来のテレビと比べると高額です。
購入して後悔しないためにも複数のメーカーの製品を比較検討して、ご自分の予算や目的に合った製品を選択してください。
プライバシーへの懸念が生じる
ユーザーの視聴履歴や興味関心などのコンテンツ情報は、AIにより分析されます。そのため、ユーザーのプライバシーの侵害が懸念されています。
ユーザーの音声情報や行動・好みに関する膨大なデータを取得するためです。これらの情報は、AIの分析に活用され、一人ひとりに最適な情報を提供します。
しかし、ユーザー情報が適切に管理されないと、情報漏洩などのリスクにつながる恐れがあるでしょう。
情報の偏りが生じる可能性がある
AIがユーザーに提案するコンテンツは、視聴履歴や興味などに基づき決定されます。そのため、視聴履歴や興味関心によっては、偏ったコンテンツしか提供されない可能性もあるでしょう。
そのため、情報過多になると、新たな視点や異なる考えを知る機会が減少し、ユーザーにおすすめするコンテンツが似たり寄ったりになる可能性もあるのです。多様なジャンルのコンテンツを視聴したり、視聴履歴に基づいた情報提供を無効化したりすることで、情報の偏りを軽減できるケースがあります。
AIテレビの選び方
AIテレビは、音声操作やスマートスピーカー連動など、様々な機能が搭載されています。しかし、すべてのAIテレビが同じ機能を持っているわけではありません。そこで、自分に合ったAIテレビを選ぶために、以下のポイントをチェックしましょう。
利用したいAIの機能で選ぶ
AIテレビは、一人ひとりのニーズに合わせた様々なAI機能を搭載しています。ご自分が利用したいAI機能を明確にすることで、最適なAIテレビを見つけることができるでしょう。
例えば、スケジュール管理などを行いたい場合は、スマートスピーカーを連携できるモデルやゲームや映画でより美しい映像を楽しみたい場合は、高画質に特化したAIが搭載されているモデルを選んでください。購入前に、家電量販店などで実際に映像を確認したり、レビューや口コミを参考にしたりするのも良いでしょう。
価格で選ぶ
先述したように、AIテレビは最新AI技術による多彩な機能があるため、高機能なモデルほど価格も高額になります。AIテレビの価格は、メーカーにより幅広いバリエーションがあります。
まずは、ご自分の予算を明確にすることが重要です。ある程度の予算が決まれば、希望価格帯でどのようなAI機能があるAIテレビが選べるのかが絞り込まれるでしょう。予算はあくまでも目安です。必要な機能や性能をしっかり確認した上で、自分に合った価格帯を見極めましょう。
おすすめのAIテレビをご紹介!
AIテレビには様々な機能が搭載されており、各メーカーによっても価格や機能は様々です。種類が豊富なため、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。以下では、おすすめのAIテレビをご紹介します。
それぞれの特徴やサイズや価格例も参考にしていただければ幸いです。なお、価格は店舗によって異なるため、あくまでも参考に留めてください。
ソニー ブラビア XR X95J【65インチ】¥249,000〜
ソニー ブラビア XR X95Jは、ソニー独自の認知処理エンジン「XRプロセッサー」を搭載した4K液晶テレビです。XRプロセッサーは、AIと人の知能を併せ持っていると言われており、高画質・高音質で多彩なAI機能を実現しています。
人間の見る・聞くというプロセスを反映させ、画像と音声をかつてないほど高精度に最適化するようです。従来のAIでは、色やコントラストなどの要素を検出して、分析することしかできませんでしたが、XRプロセッサーは人間の脳と同様に様々な要素を一度に分析することが可能です。
また、Googleアシスタントに対応しており、スピーカーと組み合わせることでリモコンを使わずに声でのテレビの操作・番組検索ができます。さらに、Googleがユーザーの視聴履歴やユーザーの好みに合わせたコンテンツをおすすめする機能もあります。
シャープ AQUOS QD-OLED 4K GS1【55インチ】¥440,000〜
シャープ AQUOS QD-OLED 4K GS1は、最新世代の量子ドット有機ELパネルを採用した高画質の4Kテレビです。量子ドット有機ELパネルは、従来の有機ELパネルより高画質・高輝度・広い色域を実現し、従来よりも15%輝きが向上したようです。
従来の有機ELパネルでは、青色光を白色光に変換して緑色や赤色を発光させていました。一方、量子ドット有機ELパネルは半導体ナノ結晶を用いて、青色・赤色・緑色の光を発光させます。明るいシーンでも多くの色を表現できるため、より映像を楽しめるでしょう。
また、次世代AIプロセッサー「Medalist S5X」を搭載しており、視聴シーンに合わせた画質・音質の自動調整・精細感を高める機能やグラデーションの補正機能が特徴です。音声操作対応のため、音量調節やYoutubeなどのアプリ起動などの操作ができます。
パナソニック VIERA TH-65LX950【65インチ】¥205,000〜
パナソニック VIERA TH-65LX950は、AI技術を搭載した自動画質調整が可能な4K液晶テレビです。ディープラーニングを活用したアルゴリズムによりシーンに応じた画質・音質の調整ができる「オートAI画質・音質」が特徴です。
ユーザーは自ら画質を変更することなく、AIが自動で画質や音質を最適化してくれるため、映像を快適に楽しむことができます。また、環境光センサー機能で、部屋の明るさや照明の色を考慮した画質調整も可能です。
加えて、AI HDRリマスター機能では、パネルの輝度を最大限に活かした高いコントラスト映像を提供します。テレビ背面の上部には「イネーブルドスピーカー」を搭載しており、立体音響技術のDolby Atmos®に対応しているのが特徴です。
そのため、テレビのスピーカーのみで音に包み込まれる迫力の立体音響が楽しめるでしょう。
東芝 48X8900L REGZA【48インチ】¥136,980〜
東芝 48X8900L REGZAは、東芝独自のレグザエンジンを搭載している有機ELテレビのスタンダードモデルです。最新技術でさまざまな高画質処理を行い、精細感をアップしてノイズを低減しており、高画質を実現しています。
東芝 48X8900L REGZAには、以下のように様々なAI機能がついています。
AI機能 | 内容 |
クラウドAI高画質連携 | クラウドからアニメやドラマなどのジャンルやコンテンツごとの画質の特性を取得し、視聴中のコンテンツをAI高画質処理する |
地デジAIビューティZRⅡ | ノイズ抑制や様々な高画質処理で、地デジ番組をくっきり高画質に楽しめる |
おまかせAIピクチャーZRⅡ | 室内の明るさや照明・光の色温度の違いを検出し、環境に合わせた画質に自動調整する |
また、夜間に浴びると睡眠に影響があると言われるブルーライトを約20%抑制し、テレビ視聴をより快適にします。
生活を豊かに彩るAIテレビで革新的な視聴体験を
今回は、AIテレビの特徴やおすすめのAIテレビをご紹介しました。AI技術の進化により、テレビ視聴のあり方にも大きな変化をもたらしました。
ユーザーのニーズや興味に合わせてパーソナライズされたAIテレビは、これからの生活を豊かにする存在となりつつあります。今後もさらに、AIテレビは進化し続けるでしょう。
AIテレビを選ぶ際はご自分の予算を明確にし、目的に合わせたAIの機能を選んでください。インターネットでレビューや口コミを参考にし、家電量販店などで実際の映像を確認するのもおすすめです。
AIテレビで革新的な視聴体験をして、生活をより便利で快適なものにしてください。