AI PCとは？その条件や特徴・できることを詳しくご紹介！

ダイナブックが4月下旬に、AI(人工知能)に対応したPC「dynabook R9」を発売しました。dynabook R9は、Intel(インテル)のCore Ultraプロセッサーを搭載しているのが特徴です。

国内のメーカーでCore Ultraを搭載するのは初めてのため、話題になっています。Core Ultraは、AIの処理を高速化するNPUを搭載していて、AIを処理する能力が大幅に向上しています。

今回は、AI PCの条件やAI PCの特徴・できることを解説します。最後にAIのノウハウと知識を最短で習得できるセミナーと講座をご紹介しますので、ぜひご活用ください。

AI PCとは

AI PCとは、AIの処理をCPUやGPUだけでなく、NPU(ニューラルネットワーク)を搭載した高速化したパソコンのことです。AIテクノロジー内蔵PCとも呼ばれ、2024年1月にIntelが発表した第14世代Coreプロセッサーから、NPUが内蔵され始めました。

従来のパソコンではAI処理はCPUやGPUで行われており、生成AIなどの大規模なAI処理はクラウドで処理をし生成結果をPCで利用していました。インターネットを介してデータをやり取りしているため、通信の遅延が発生することもありました。

しかし、AI PCではPC自体にNPUを搭載することで、AIの処理を大幅に高速化することができます。

AI PCの条件

AI PCは具体的にどのようなPCを指すのでしょうか。IntelとMicrosoftはAI PCの定義を策定しており、以下の条件を満たすPCのことをAI PCと呼んでいます。

• CPUとGPUに加えNPUを搭載している
• Copilot in Windowsに対応している
• Copilotキーを搭載している

それぞれの条件の詳細を具体的に見ていきましょう。

CPUとGPUに加えNPUを搭載している

通常、PCにはCPUとGPUが搭載されています。CPUはCentral Processing Unitの略で、中央処理装置または中央演算処理装置と訳されるパーツです。

PCはもちろん、スマートフォンにも搭載されている頭脳のような役割を担います。一方、GPUはGraphics Processing Unitの略で、グラフィック処理装置と訳される画像や動画の処理を行うパーツです。

AI PCにはCPU・GPU以外にNPUを搭載していることが条件とされています。NPUはNeural Processing Unitの略で、「AIプロセッサー」とも呼ばれるAIの処理を高速化するための専用パーツです。

AIの処理には膨大な計算量が必要なため、NPUを搭載することで通常のPCよりも早く処理することができます。2024年5月現在、搭載が発表されているNPUは以下の通りです。

Copilot in Windowsに対応している

Copilot in WindowsはAIアシスタントとも呼ばれるWindowsのAI機能です。Windows 11に新たに搭載されており、音声操作で翻訳や画像生成・タスク管理、質問への応答など、様々な機能があります。

Copilot in Windowsの利用で、作業効率の向上やPCの利便性が高まるでしょう。

Copilotキーを搭載している

Copilotキーとは、Windows 11のキーボードに追加されているキーです。現行のキーボードのアプリケーションキーの位置に配置されています。

CopilotキーはCopilot in Windowsを呼び出すことができるため、AIアシスタントをよく利用する方に最適でしょう。Copilotキーを長押しすると音声認識が開始される仕組みです。

AI PCが持つ特徴

AI PCには、どのような特徴があるのでしょうか。AI PCはNPUを搭載することで、従来のパソコンとは比べ物にならない処理速度と精度を実現しました。

以下でAI PCが持つ特徴を詳しく解説します。

AI処理の高速化

AI PCには先述したNPUが搭載されているため、従来のパソコンと比べてAI処理を高速化できるメリットがあります。NPUは人間の脳の神経細胞のような働きを行うため、AI処理に必要な複数の演算をリアルタイムで処理可能です。

また、AI処理を行う際は電力消費を抑えることや回路の小型化もできます。NPUはAI処理に特化したチップのため、クリエイティブな作業やビジネスなどでも作業の効率化が期待できるでしょう。

セキュリティーの安全性

AI PCはNPUを搭載しているので、従来のようにクラウド上にデータを上げる必要がありません。そのため、セキュリティーが第三者にさらされる危険性がなく、セキュリティー面に不安を持つ法人はもちろん、個人でも安心して利用できるでしょう。

新しいAIアプリケーションの利用

AI PCは従来のPCと比べ、AI処理に特化したハードウェアを搭載することで、新しいAIアプリケーションの利用も可能になります。そのため、従来のPCでは処理が困難だったような複雑なAI処理も短時間で処理することが可能です。

例えば、AI PCの普及により将来的には流通業での需要の予測や小売業での店舗運営の効率化など様々な分野で利用できるでしょう。

AI PCができること

AI PCは従来のPCとは異なり、革新的な技術を搭載した次世代のPCです。AIの力でこれまで難しかった作業も簡単にこなせるようになるため、創造性や生産性を飛躍的に向上させてくれるでしょう。

以下ではAI PCでどのようなことができるのか具体的に解説します。

クラウドではなくエッジAIを活用できる

AIモデルの学習は全てクラウド上で行われています。しかし、AIの活用が多くなるとデータ量やクラウドとやりとりする頻度が増えます。

そのため、通信が遅くなったりAIの生成レスポンスが低下したり、通信コストの負担が増えたりといった問題がありました。しかし、AI PCはエッジAIを活用できるため、パフォーマンスが落ちることなく作業が最適化できるのです。

エッジAIとは、デバイスに直接搭載したAIを指します。デバイス側でデータ処理が行われるため、素早く結果を処理できます。

ユーザー個人のためにパーソナライズされる

PC内にはユーザーが作成した様々なデータやWebサイトの閲覧履歴など、パーソナルなデータが保存されています。PC内の個人情報をAIでPCに学習させることで、ユーザー1人1人に最適化されたPC環境が実現可能です。

特に、ビジネスで利用するPCは将来的に全てAI PCに変わっていくのが予想されます。

AI PCの効果を最大化するにはAIのノウハウと知識が必要

AI PCの効果を最大化するには、ユーザー自身がAIのノウハウと知識を持つことが重要です。ノウハウや知識の習得には一定の時間が必要なため、AI PCの動向を見ている間にすでに導入したライバルとの差は広がっていくでしょう。

以下では、最短1日間で習得できるAI研究所のAIに関するセミナーと講座をご紹介します。ご紹介するセミナーと講座は、オンラインと会場での受講が選択可能なため、自分の予定に合わせることが可能です。

なお、会場受講の場合、当日使用するPCは全て貸し出しいたします。

ビジネス向けAI完全攻略セミナー

1日間でビジネスで使えるAIプロジェクトを進められるようになるセミナーです。AIの基礎知識からディープラーニングの基礎・AIモデルの構築・ビジネスへの応用まで幅広い内容を学べます。

そのため、AI学習初心者の方からすでにAIをある程度理解している方まで、どなたでも参加可能です。AIの実践的な内容を学べるため、AIをビジネスに活用するためのスキルを習得できます。

AIエンジニア育成講座

3日間でAIプログラミングのプロになるための育成講座です。AI研究所のAIエンジニア育成講座は、東大松原教授監修の実践的なAIのプログラムや基礎文法・Python基礎・AIの応用的な知識な実装などを幅広く学べます。

AI初心者はもちろん、AIエンジニアを目指している方・AIについて基礎から学びたい方・AIを活用したビジネスを展開したい方などにおすすめです。

AIプロフェッショナル人材育成コース

未経験でも短期間でAIプログラミングについて理解することができる3日間のコースです。AIの基礎から応用まで体系的に学べるため、AI初心者でも安心して受講できるでしょう。

ビジネスにおけるAI活用に必要な考え方や知識、AIのプログラミングスキルを習得できるため、受講後はすぐにAI技術を業務で活用できます。AIを業務に活用したい方はもちろん、AIの基礎知識を体系的に学びたい方・AIのプログラミングスキルを習得したい方におすすめです。

先述した2つの講座に比べると受講料は高額ですが、質の高い内容と質問への回答など充実したサポートを受けることができます。

AI PCの導入でAI活用の効果が期待できる

今回は、AI PCの条件やAI PCの特徴・できることを解説しました。Intelは2023年のイベントで、2025年末までにNPUを搭載したAI PCが1億台出荷するという見通しであることを明らかにしています。将来的にAI PCの導入が増えることで、様々な業界での活用が期待されるでしょう。

AI研究所のセミナーと講座では、AIの学習方法の進め方がわからない方や全くの素人の方でも分かりやすいように一から丁寧にご説明いたします。各AIツールの使い方や各分野での実装方法の基本も学べるため、実際にビジネスで活用できるでしょう。

ぜひ、ご活用ください。