急速に、AI(人工知能)を導入する企業が増加しています。
AIを導入するメリットは多々ありますが、中でも大きなものは生産性アップと各種コストの削減につながることでしょう。
しかし、AIを導入するにあたり、質の高いデータやAIに精通した人材が必要となるなどのデメリットがあるのです。
今回は、ビジネスにAIを導入するメリットとデメリットを解説します。
AIとは?
AIの明確な定義はまだ決まっていませんが、一般的に人間の脳のように働く機械やシステムのことをAIと呼びます。
AIは、人間の脳では行えない膨大な情報処理や計算・分析ができるため、多くの企業が活用を始めているのです。
実際に、世界的コンサル会社のガートナーが実施した調査によれば、2018年と2019年にかけて企業のAI導入率は、4%から14%まで上昇したと判明しています。
AIはすでに生活を変えるテクノロジーとなっています。
ビジネス成功のためにも、遅かれ早かれAIを導入するのが当然となる未来がくるでしょう。
AIを導入する8つのメリット
企業がAIを導入するメリットは数多くあります。
厳密に言えば業界や使用用途に応じて、得られるメリットは異なりますが、ここではどの業種にも通じる6つのメリットを解説します。
①生産性の向上
AIをビジネスに導入する最大のメリットは、社員の生産性が大幅に向上することでしょう。
AIは事務や製造、問い合わせへの回答などの低次元のルーティーンワークが得意です。
毎日行っている面倒な仕事が、なくなった未来を想像してみてください。
ほかの仕事に一層励めますよね。
誰でも行える仕事をAIに任せることで、各社員の生産性は劇的に上昇します。
さらに、AIは24時間ミスなく働き続けることが可能なので、余計な人件費や育成費用などの削減にもつながるのです。
②付加価値の高い仕事に従事できる
AIは人間の仕事を奪うとは言われますが、多くのケースで人間とAIは共に働いています。
AIが簡単な仕事をしてくれている間、人間は創造性の高い仕事を行えるようになるのです。
例えば、チャットボットAIに基本的な問い合わせを任せている間、社員は特殊性の高い問い合わせに個別対応できますよね。
もしくは支払い対応をAIが行っている間、人間はカスタマー対応に注力するということもできます。
これからは単純な仕事をAIに任せ、人間は付加価値の高い仕事に従事するのが理想となるでしょう。
③データ分析時間の短縮
現在、どのジャンルの業界においても、データ分析は必須です。
顧客情報や業績情報などを細かに分析することで、課題や現状が分かり、目標到達までの最短ルートをとれるようになるからです。
しかし、正確な結果を算出するには、膨大な量のデータ分析が必要となります。
データが多くなるほど、時間や労力がかかるのは言うまでもありません。
AIを使えば、データ分析にかかる時間を大幅に短縮できます。
すでに正確なデータが揃っているのなら、データ分析にAI導入を検討するといいかもしれません。
④データに基づいた意思決定が行える
AIが正確なデータ分析をすることで、企業は優れた意思決定が行えるようになります。
人間はどうしてもビジネスを行う上で感情が邪魔をすることがあります。
そこでAIを使います。
AIは感情に左右されずデータにだけ左右されるので、正確な意思決定が行えるのです。
AIを意思決定に活用することで、ビジネスがより良い方向に向かうでしょう。
⑤設備メンテナンス費用の削減
製造現場などでは、設備メンテナンス費用は大きな額となるので、寿命を縮めないようにすることが重要となります。
そうは言っても、設備寿命を縮めない方法が分からないのが問題です。
適切に使用していたと思っていても、実際は寿命を縮めていることが多々あります。
そこでAIを活用するのです。
設備の設置場所やメンテナンス履歴、使用材料などをAIにインプットすると、劣化原因を特定できます。
劣化原因を回避することで、設備の寿命が延び、結果的にメンテナンス費用の削減につながるのです。
⑥人間のミスが少なくなる
AIは機械だけではなく、人間もスマートにします。
どういうことかと言うと、AIに仕事を任せられるようになることで、人間は1つの仕事により集中できるようになるのです。
例えば、8時間で3つの仕事を行うのと、1つの仕事を行うのとでは、1つの仕事の方が集中して行えますよね。
AIは、人間の仕事を奪う敵ではありません。
AIは、人間の手助けをしてくれる仲間なのです。
AIに仕事を任せることで、人間は目の前の仕事に集中できます。
結果的に全体的なミスが減ったり、良い成果が出たりするのです。
⑦労働力不足にも対応出来る
日本では少子超高齢化時代に突入し、労働人口の減少、高齢化から、労働力の確保が非常に難しくなっています。
また、今後更により多くの企業が遅かれ早かれこの問題に直面することになります。
AIは、単純な作業や定型作業を行う事が出来る為、労働負担を補ってくれる為、労働力不足の解消にも大きく役に立ってくれます。
特に、労働力不足が問題視されている、農業や漁業では積極的にAIを導入する事で、作業の自動化を図る事で労働力の確保が可能で、また、仕事自体の負担の軽減にも繋がる為、若者が選ぶ職業としての選択肢が増える可能性もあります。
⑧従業員が本来の仕事に集中出来る
AIを導入する事で、今まで人間が行っていた面倒な作業や、単純作業をAIが行ってくれる為、必然的に人間が担当する分野は重要な仕事や、責任のある仕事へと棲み分けがされます。
マネジメントなどの役職層は、事務処理等の雑務が軽減する事で、より従業員のマネジメントに注力する事が出来、本来やるべき仕事に対して時間を多く使う事が出来るようになります。
従業員にとっても、ミスが減り仕事の生産性が上がる事で、よりクリエイティブな仕事を行う事が出来るでしょう。
このように、自分が本来やるべき仕事や、自分にしか出来ない仕事に集中出来る環境は、従業員の満足度の向上に繋がると言えます。
AIを導入する4つのデメリット
AIは、数多くのメリットをもたらす夢のようなツールですが、いくつかのデメリットもあります。
中でも、企業が使えるデータを保有していないのは大きなデメリットです。
いくらデータ分析に長けたAIを導入しても、品質の悪いデータを分析させては結果が出ません。
ここからは、AI導入するデメリットを解説します。
①品質の高いデータが必要
AIの大きなメリットがデータ分析です。
膨大なデータを分析させることで、正確な現状把握や意思決定が行えるようになります。
しかし、多くの企業は質の高いデータを保有していない事実があるのです。
AIを導入するための必要最低限の条件は次の2つ。
- 分析に使えるデータを保有している
- データ分析して得たい結果や仮説がある
データ分析は課題や問題点の洗い出しであり、ゴールではありません。
そのため、達成したいゴールを決めたのちに「質の高いデータ」をAIに分析させましょう。
これがAI導入に成功する必須条件です。
②AIに精通した人物が少ない
まだまだAIは新しい技術のため、AIに精通しているプロフェッショナルは少ないです。
ビジネスにAIを導入したいのなら、AIの知識と経験を備えた人物が必要となります。
社内にAIのプロフェッショナルがいない場合は、外部パートナーを探すべきでしょう。
むやみにAIを導入しても、成功はしません。
③AI導入にかかるコストが高い
プロジェクト内容やAI活用法などにより、導入費用は異なります。
しかし、1つ言えるのは、AI導入費用は安くありません。
例えば、人気のチャットボットの開発となれば、少なくとも200万円はかかると言われています。
現在はAI技術を月額で提供する企業も増加していますが、そういった企業が提供するAIサービスを利用した場合、月額約10万円は支払うことになります。
AIの知識に精通した人材が企業内にいないのなら、導入相談から実施まで外部企業とパートナーを組み、プロジェクトを成功に導くようにしましょう。
④雇用出来る従業員が減少する
AIを導入する事で、単純作業や定型作業の自動化を行うことは、そこに従事していた人の仕事が無くなると言う意味にもなります。
AIで出来る仕事を人間が行う必要が無くなる事から、一部の職業が無くなる可能性も示唆されています。
AIによって無くなる可能性のある職業は下記の通りです。
- 一般事務員
- 警備員
- 建設作業員
- スーパー・コンビニ店員
- タクシー運転手
- 電車運転士
- ライター
- ホテル客室係・ホテルのフロントマン
- 工場勤務者
このように、特に自動化出来る仕事は将来的にAIを導入する事で雇用の減少が考えられます。
ただ、上記の職業においても全ての役割が無くなる訳ではなく、人間が行わなければ難しい細かい作業や、自動化出来ない部分ももちろん発生します。
AIの導入によって、人手不足な部署や仕事を明確化する事が出来るので、それに伴い従業員をスキルアップさせたり、部署や仕事内容に捉われず人員配置の流動化を行う事で、より生産性を上げながら、雇用の減少にも対応していく事が出来ます。
AIのメリットを活用した事例
AIを導入する事によって、様々なメリットがありますが、実際にAIを導入し、有効活用いている事例を紹介します。
無人レジの運用
AIを導入する事で、今まで従業員が行なっていた、商品の読み取り・精算・袋詰めといった一連の作業を無人化する事が出来ます。
大手ファッションブランドであるユニクロ・GUでもこの無人レジを運用しています。
商品にはICタグが付けられており、消費者が専用のカゴに商品を入れるだけで、電波によりICタグを一括読み取りをします。
ICタグの読み取り後は合計金額が自動で算出されるので、商品の読み取りから袋詰めまで全て無人で行う事が出来ます。
スマート農業の実現
スマート農業とはロボット技術やICTを活用して超省力・高品質生産を実現する新たな農業の事を言います。
農業の従来のスタイルは、田植えやトラクターの運転、農薬散布など、殆どの作業を人間が行なっています。
ただご存知のように、全て人間で管理し作業する事は非常に大変で、また農業の人手不足を加速する要因の一つになっています。
AIを農業に活用すれば、ネットワークを利用した水田の水管理システム、トラクタや田植え機・コンバインも自動運転が実用化します。
これによって、農作業の負担軽減や、品質の向上、コスト削減などに役立つ事に繋がります。
銀行業におけるセキュリティ強化の実現
銀行では、お金を取り扱う事から、特にセキュリティ面が万全なシステムを使用する必要があります。
特に最近では、サイバー攻撃や不正送金など、不正を行う側もシステムを駆使し攻撃してくる事から、特に銀行業ではAIの導入が必要と言えるでしょう。
銀行業にAIを導入する事で、不正や攻撃に対する対処法のアップデートを図る事が出来ます。
株式会社三菱UFJ銀行では、AI技術を活用したATM不正利用の発見手法を株式会社ラックと共に開発に努め、AIによる不正取引検知の概念実証実験を行い、不正取引の検知率94%を達成しました。
AIを活用する事で、誤検知や運用コストを少なく抑える事が出来、かつ検知精度を高めることが可能となります。
AIのメリットを最大限にするおすすめ講座
AIについて学習する場合、講座を活用しましょう。そして、数ある講座の中から、AIのメリットを最大限に活かせるものを選ぶべきです。では、どういった講座が良いのか、おすすめを紹介していきます。
AIエンジニア育成講座
AIに関する基礎から応用まで、全般的なことを学びたいのであれば、AI研究所のAIエンジニア育成講座をおすすめします。3日かけて、AI開発の基本的なプログラムから、応用に当たるAI実装まで、幅広い内容を学ぶことができます。そして、ただAIを実装するだけではなく、AIの精度を高め、メリットをより活かす作業がカリキュラムに含まれています。さらに、高度なモデル作成やツールの活用方法も学べるため、AI初心者であっても、実践的なスキルを身に付けられる可能性があります。
ビジネス向けAI完全攻略セミナー
短期間かつリーズナブルな価格で、ビジネスに活かせるAIについて学びたいのであれば、AI研究所が提供するビジネス向けAI完全攻略セミナーがおすすめです。AI初心者でも問題なく受けられる講座で、1日をかけて基礎から応用までを身に付けることを目的としています。特徴的なのは、名前の通り、AIのメリットをビジネスに活かすことを考えている点です。価格予測モデルの作成や、クレジットカードの不正検知など、実践的な内容もカリキュラムに含まれています。
AIのメリット・デメリットについてまとめ
企業がAIを導入することで、生産性アップや各種コスト削減など様々なメリットを得られます。
どの業界も恩恵を得られますが、特に製造業やマーケティング、サービス業との相性が良いです。
しかし、質の高いデータやAIに精通した人材がいなければ、AI導入は無駄に終わってしまいます。
まずは明確な目標を決め、質の高いデータを集めましょう。
導入を決定したら、外部企業と共にAI導入プロジェクトを進めるのがおすすめです。
また、最後にご紹介した、「ビジネス向けAI完全攻略セミナー」や、「AIエンジニア育成講座」に参加すれば、AI理論やPythonプログラミングの基礎から、ライブラリを使用したディープラーニングの実装など、実務に繋がる分野まで学ぶことができます。
どちらのセミナーも初心者向けで、AIが全く分からなくても受けられる講座とのことなので安心です。
さらに、JDLA認定のE資格対策講座を受けたい場合、、AI研究所が開催しているE資格対策短期集中講座という、最短でE資格の合格を目指すセミナーもございます。
E資格試験の受験資格を得るためには、日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定したプログラムの受講修了が必須となります。
日本ディープラーニング協会にて規定されている出題範囲をすべてカバーしているセミナーなので、常に最新のE資格に完全対応しており、試験対策を中心に、E資格に合格するためのポイントを絞って学習できます。
本講座を修了することで、E資格の受験資格を短期間で確実に取得することができます。
AIのメリットを知ったこの機会にセミナーを受講してみてはいかがでしょうか。