データサイエンスに関する理解度を測るのに役に立つのがデータサイエンス検定です。データサイエンスとは、データの収集、分析、可視化、活用などをおこなう学問分野で、ビジネスや社会において重要な役割を果たしています。
今回は、データサイエンス検定の概要や合格するためのおすすめ学習法などをご紹介します。
データサイエンス検定の概要
データサイエンティスト検定は、データサイエンスの分野において、実務能力や知識を証明する試験です。データサイエンティストに必要な幅広いスキルと能力を測定し、見習いレベルの実務者としての資格を取得するための手段として提供されています。
試験では、以下の3つに焦点が当てられています。
- データサイエンス力(データの収集、前処理、分析などの基本的なスキル)
- データエンジニアリング力(データのエンジニアリングに必要な技術やツールに関する知識)
- ビジネス力(ビジネスの理解やコミュニケーション能力などの実務で活用するためのスキル)
この検定は、数学、データサイエンス、人工知能(AI)に関する基本的なリテラシーレベルの実力も評価するのが特徴です。合格するためには、データサイエンスの基礎的な理解が必要です。
一般社団法人データサイエンティスト協会によって主催されており、データサイエンティスト検定は、全国の試験会場でコンピュータベーステスト(CBT)として実施されています。これにより、広範な地域から多くの人が参加できるようになっています。
データサイエンス検定の難易度や合格率は?
データサイエンス検定の難易度について、公式サイトの情報によれば「大学入試レベル」とされています。2022年11月実施の試験において、正答率約78%が合格ラインの目安とされ、合格率は50%前後との情報もあります。資格取得には一定の学習が必要ですが、適切な試験対策しておけば合格できます。
過去の問題集を解いたり、オンラインコースを受講したりすることで知識とスキルを向上させ、模擬試験を受けて実力を確かめることが大切です。
データサイエンス検定は、将来のキャリアに役立つ資格であり、着実なステップを踏むことで合格への道が開けます。
データサイエンス検定と他の資格との違い
データサイエンス検定は、初心者向けで幅広い分野をカバーする資格です。取得することで、データに基づいた意思決定や問題解決の能力を向上させることができます。
データサイエンス検定に似ている資格には以下のようなものがあり、それぞれ特徴が異なります。
G検定(ジェネラリスト検定)
G検定は、AIとディープラーニングの活用リテラシーについて出題される資格試験です。一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施しています。
G検定に合格すると、合格証やオープンバッジが発行されます。また、JDLAのコミュニティに参加することが可能です。
G検定は、AIをビジネスに活用するための基礎知識やスキルを身につけたい方や、DX推進に自信を持ちたい方に向いている資格です。データサイエンス検定と違って、ディープラーニングに特化した内容になっています。
E資格(エンジニア資格)
E資格(エンジニア資格)は、ディープラーニングの理論と実装に関する知識や技能を認定する資格です。一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施しており、世界初のAIエンジニアの認定資格として注目されています。
出題範囲は、応用数学、機械学習、深層学習、開発・運用環境などです。問題にはソースコードが含まれることもあり、PythonやTensorFlow、PyTorchなどのフレームワークを利用した実装能力が求められます。データサイエンス検定よりも実務的なスキルが求められます。
統計検定
統計検定とは、統計学における知識とスキルを評価するための全国的な試験です。日本統計学会によって公式に認定され、統計学の実務的な能力を体系的に評価するために開発されました。
統計検定に備えるためには、過去の試験問題や関連書籍を活用し、セミナーや研修に参加するなどが有効です。統計学の知識やスキルを実証し、データに基づく客観的な分析や科学的な問題解決能力を向上させることができます。
統計検定は、データ駆動の意思決定や研究分野でのキャリアを築くうえで有益です。データサイエンス検定と比べると、統計学がテーマなのでより学術的な内容となっています。
データサイエンス検定のおすすめ学習法
データサイエンス検定に合格するためには、データサイエンスの基礎とスキルを身に付けることが必要です。基本的な知識を習得することで、データの収集、前処理、分析、可視化などの作業がスムーズにおこなえるようになります。
データサイエンス検定のおすすめ学習法には、以下のようなものがあります。
「DS検定リテラシーレベル対応データサイエンティスト基礎講座」を受講する
「DS検定リテラシーレベル対応データサイエンティスト基礎講座」は、スキルアップAI株式会社が提供するオンライン講座です。データサイエンティスト検定のリテラシーレベルに合わせた内容を提供しており、データサイエンスの基本的な概念や用語を理解するのに役立ちます。
受講者は、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力といったデータサイエンティストに必要な3つの要素を磨くことができ、さらにSQLを用いてデータベースからデータの取得や操作方法も習得できます。
データサイエンスに初めて触れる方や将来のデータサイエンティストを目指す方、データサイエンスに興味を持つ大学生や専門学校生におすすめです。
データサイエンスの世界への入り口として、基盤を築くのに適しています。新たな知識とスキルを身につけ、データ駆動の問題解決に挑戦するための足がかりとして役立つでしょう。
「データサイエンスのための数学」を読む
「データサイエンスのための数学」は、講談社から発行されたデータサイエンス入門書です。
データサイエンスに関心がある方やデータサイエンスの基礎を習得したい方を対象としています。
データサイエンスに取り組む前に理解しておくべき数学的な概念をまとめたものです。本書では、データサイエンスと数学の相互関係とその重要性について解説しています。
付録では、各章で使用される数式や記号の意味、使用方法などがまとめられており、読者が理解を深める手助けとなります。各章で必要な数学的知識をわかりやすく整理し、実際のデータサイエンスの事例や問題を交えて説明しているのが特徴です。
各章の最後には演習問題も提供されており、読者は自身の理解度を確認し、実践的なスキルを向上させることができます。
Udemyでデータ分析や機械学習の動画講座を受ける
Udemyは、オンラインでさまざまな分野の講座が受けられるプラットフォームで、実践的なスキルや事例を学べます。
Udemyでは、データ分析や機械学習に関する講座が多数あるのが特徴です。それぞれの講座は、動画や演習問題で構成されており、自分のペースで学ぶことができます。
また、講師から質問に回答してもらったり、他の受講者と交流したりすることも可能です。
データ分析や機械学習の基礎から応用までを一通り学びたい方には、「データサイエンティストを目指すあなたへ〜データサイエンス25時間ブートキャンプ〜」がおすすめです。
この講座では、統計学、Pythonプログラミング、機械学習、ディープラーニングなど、データサイエンティストに必要な一連のツールについて学ぶことができます。自分の目的やレベルに合わせて、適切な講座を選んでみてください。
データサイエンス検定まとめ
データサイエンス検定を受けることで、自分のデータサイエンスのレベルを客観的に把握できるだけでなく、就職や転職にも有利になることが期待できます。
学習法としては、オンライン講座やテキストでの学習がおすすめです。
データサイエンス検定は、データサイエンスの世界に挑戦したい方にとって有意義な試験のため、ぜひチャレンジしてみてください。