データサイエンスは、膨大なデータを用いて、情報分析を行うのが仕事です。
それだけでは、具体的にどういったことをするのか、わからないという人も多いでしょう。そこで、データサイエンスの仕事内容を、必要なスキルなどと一緒に、詳しく解説していきます。
データサイエンスの詳しい仕事内容
データサイエンスの仕事は、データを用いた情報分析ですが、取り扱うデータの種類や分析の目的によって、具体的な仕事内容は変わります。
ただ、基本的な仕事の流れはあまり大差ありません。その仕事の流れを、ステップごとに解説していきます。
企画や戦略の立案
データサイエンスは、データをビジネスに活用するために、分析を行うことが主な仕事です。そのため、まずは具体的にどのような形で、ビジネスに活かせる分析を行うのか、目標を明確にしなければなりません。
そして、その目標達成のための企画や戦略を立てます。規模の大きな仕事であれば、データサイエンスプロジェクトを立ち上げることも多いです。
データの収集と分析環境の構築
高度な情報分析を行うためには、膨大なデータが必要となります。そのデータ収集も、データサイエンスの仕事です。また、多種多様なデータを集めた場合、そのままでは分析には使用できません。形式が異なるデータが混在していたり、不要なデータが含まれていたりするからです。
よって、データの分類や取捨選択、統一形式への変換などの処理が必要となります。さらに、機械学習ツールの用意など、データ分析を行う環境構築もしなければなりません。場合によっては、プログラミングで、一から機械学習モデルを作成します。
データの分析
データと環境が用意できれば、分析へと移ります。まずは、目標達成のために必要な具体的な課題を、分析によって見つけ出します。そして、その課題達成の方法を、分析によって探すというのが一連の流れです。
課題は複数見つかる場合が多く、簡単に求めている結果が出るとは限らないため、同じ作業を何度も繰り返すことは珍しくありません。
また、データ同士の共通点や、データの中に潜んでいる法則を見つけるために、分析を行う場合もあります。
分析レポートの作成
データの分析が完了したら、最後にレポートの作成を行います。最初に設定した目標を達成するために、分析結果をどう活かすのかを記したレポートです。
分析結果がそのままビジネスに活かせるのであれば、結果のデータを羅列したレポートを作ることになるでしょう。そうでない場合は、目標達成のための具体的な方法を、考察して導き出すことも仕事になります。
データサイエンスの仕事で求められるスキルとは
データサイエンスは専門性が高い仕事なので、必要となるスキルが数多くあります。
その中から、特に重要度が高いものを紹介します。
数学的スキル
データサイエンスの仕事で必要となるデータは、数が非常に多いです。そのデータを効率的に扱うためには、数学的なスキルが欠かせません。特に統計学と微分積分、線形代数の分野は、データサイエンスに必要不可欠です。
それらの分野を理解していなければ、データサイエンスの仕事はほとんどできないと考えましょう。そして、いずれの分野も、ただ問題を解けるようなレベルではなく、原理を理解できる、大学レベルが求められます。
プログラミングスキル
データサイエンスの仕事では、分析に使用するプログラムツールを、自ら作らなければならないことも多いです。そのため、プログラミングスキルも重要となります。
データサイエンスでは、機械学習との繋がりが深いPythonと、統計に強いR言語が使用されることが多いです。よって、その2つは使いこなせるようになっておいた方が良いでしょう。
コミュニケーションスキル
データサイエンスの仕事は基本的に、クライアントから依頼を受ける形となります。そのため、クライアントとスムーズに連携が取れる、コミュニケーションスキルも必要です。データサイエンスの素人であるクライアントにも理解できるよう、きちんと説明できるレベルのスキルが求められます。
また、比較的規模の大きな仕事だと、複数人でチームを組むことも多いです。高度な専門家として、チームのトップに立つことも十分あり得ます。その際には、チームメンバーに適切な指示を出したり、全体のスケジュールを管理したりするマネジメントスキルも必要です。
データサイエンスの仕事に需要はあるのか
現代のビジネスは、膨大な情報を分析して、効率的に進めることが重要になっています。そのためには、分析の専門家であるデータサイエンスが欠かせません。
そして、データサイエンスは高度な知識やスキルが必要な仕事で、誰にでもできるものではないです。よって、情報分析を行いたいと考える企業は増加する傾向があり、専門家は人手不足なのが現状です。
したがって、データサイエンスの需要は、非常に高いと言えるでしょう。
高レベルの専門家は将来的な需要も高い
現代のデータサイエンスの需要は、とても高いです。ただ、その需要の高さが、将来的に維持されるとは限りません。問題なのは、AIの存在です。人工知能であるAIは、技術の進歩によって、様々なことができるようになっています。
そして、機械学習モデルの作成など、データサイエンスの仕事が、AIに取って代わられるかもしれません。ただ、ビジネス内容に応じた分析目標の設定や解決策の考察など、レベルの高いことは、AIには不可能です。
したがって、レベルの高い専門家であれば、需要がなくなることはないでしょう。
データサイエンスとデータアナリストの仕事の違い
データサイエンスと似ている仕事に、データアナリストというものがあります。どちらもビジネスのために情報分析を行うので、混同されやすいです。また、両者をまとめて、データサイエンスとして扱う場合も少なくありません。
ただ、厳密にはデータサイエンスとデータアナリストは、仕事の内容が異なります。
データアナリストの仕事は分析が中心
データサイエンスは、ビジネスにおける課題を見つけ、その課題を解決するための方法を考えるまでが仕事です。プログラミングを用いた分析環境の構築なども仕事に含まれ、やるべきことは数多くあります。
それに対してデータアナリストは、データの収集と分析が主な仕事となります。分析結果を元に提言を行うなど、データサイエンスと共通する部分もありますが、仕事のメインとなるのはあくまでも分析です。機械学習モデルの作成など、分析環境を構築することはありません。
よって、それぞれ仕事の範囲が異なると考えておくと良いでしょう。
使用するツールや必要なスキルも異なる
データサイエンスでは、分析のために機械学習ツールを使用することが多いです。自ら機械学習モデルを作らなければならないため、プログラミングスキルが欠かせません。
それに対してデータアナリストは、エクセルや、データの見える化に繋がるBIツールなどを使用します。それらのツールを使って、わかりやすくプレゼンを行うことも多いです。
したがって、プログラミングスキルではなく、プレゼンスキルが重要視されます。
データサイエンスの仕事内容を理解しよう
データサイエンスは、需要が高いです。そのため、データサイエンスの仕事をしたいと考える人は多いでしょう。
ただ、具体的な仕事内容を知らずに、データサイエンスの仕事をするのはリスクがあります。思っていた仕事と違った、自身との相性が良くなかったということになるかもしれません。
そうならないために、データサイエンスの仕事がどういったものなのか、あらかじめ把握しておきましょう。