今回は、データサイエンスについて徹底的に解説していきます。
情報技術の発展に伴って、新しい分野としてデータサイエンスが登場してきました。
データサイエンスによって、次々に新しい取り組みが行われてきていますが、データサイエンスが何か、よく理解できていない人もいるでしょう。
データサイエンスの活用シーンもご紹介しますので、興味を持ったら積極的に学んでみてください。
データサイエンスとは
データサイエンスは、データの科学というのが字義的な意味ですが、これだけではどのようなものなのかがはっきりとわからないでしょう。
まずはデータサイエンスの定義を知って、なぜ現代においてデータサイエンスが注目されているのかを考えてみましょう。
データサイエンスとは何か
データサイエンスには、実は明確な定義があるわけではなく、かなり大きな枠組みになっています。
データサイエンスとは、データを用いる学問を全般的に示すものです。
ただ、特に近年着目されているデータサイエンスは情報技術の活用を主軸にして研究をする学問で、学際的な意味合いも持っています。
データをただ分析するだけでは、データサイエンスとは言えません。
データ解析のアルゴリズムや分析の仕方、解釈の方法や応用の方策などにおいて、多様な分野の知識やノウハウがつぎ込まれるのが、現代において注目されているデータサイエンスです。
データサイエンスに関連する情報技術としては、プログラミングやAIによる機械学習が重視されていますが、ネットワークなどの知識が導入されることもあります。
機械学習には統計学の知識も要求されるため、数学も分野として参入することが少なくありません。
生物学や化学、経済学や言語学のように様々な学問領域が融合してデータサイエンスが生まれています。
さらにビジネスや医療、介護などの実社会のデータや考え方がつぎ込まれることも増えてきました。
このように、データを基盤として様々な分野が柔軟に融合することにより、新しい知を導き出すのがデータサイエンスです。
データサイエンスが今、着目されている理由
データサイエンスが着目されるようになったのには、主に3つの理由があります。
1:莫大な量のデータが蓄積されてきたこと
情報化が進んだ影響でデータの保管が容易になり、どの業界でも多くのデータを収集して長期保管するようになりました。
データサイエンスはデータに基づく学問ですから、十分な量のデータベースがあることが重要です。
今まで蓄積してきたデータを生かして事業を展開したい、より良いサービスを提供できるようにしたいというニーズも高まり、データサイエンスのニーズが高まっています。
2:データを基盤にして、様々な分野が融合するための情報技術の基盤が生まれたこと
データを様々な形で解析できる手法が存在しなければ、データサイエンスは成立しません。
AIが技術的に応用可能になった恩恵を受けて、データの活用技術に革新が起こりました。
機械学習をすることで、比較的小規模なデータから多くのことを導き出せるようになったからです。
さらに、ビッグデータ解析も効率的に実現できることから、多様な分野で蓄積してきたデータを最大限に活用できる基盤ができました。
この技術的背景を生かして、データサイエンスの活用を推進する動きが強まっています。
3:可視化の技術が向上したこと
データサイエンスは、プログラミングや数学の力をビジネスに生かすという文脈でもよく登場します。
ビジネスの目的に合わせて現場のデータを解析し、新しいビジネスチャンスを生み出すという図式での応用も進められているのがデータサイエンスです。
その際に重要なのが、データを可視化することです。
図やグラフにすることで理解を促せるだけでなく、視覚的な情報から新しい可能性を人が見出せる可能性が高まります。
可視化の技術開発が進んだことで、ビジネスパーソンもデータサイエンスによって得られた結果を使いやすくなり、ビジネスへの応用を目的とした活用が急速に進んでいます。
データサイエンスの活用事例
データサイエンスは現代社会においてどのように活用されているのでしょうか。
業界によってデータサイエンスの活用の仕方には大きな違いがありますので、典型的な活用シーンを業界別に見ていきましょう。
医療業界
医療業界では、患者や疾患に関する莫大なデータの蓄積があります。
データサイエンスの応用として、病気になるリスクの高さを見積もるシステムの開発は活発に進められてきました。
がん治療の分野では、早期診断や患部の特定のための開発が進行している段階です。
医薬品の使用時に起こり得る、副作用のリスクを見積もるのにも応用できるため、多岐にわたるシーンでの活用が期待されています。
具体的な例を挙げると、「株式会社PREVENT」は医療データ解析事「Myscope」を展開しています。
⽣活習慣病・⾎管病発症リスクが予測できる、医療データ解析サービスです。
健康保険組合が保有する健康診断およびレセプトデータから、5年以内のイベント(脳⾎管疾患 の新規発症や、⾼⾎圧、脂質異常症、糖尿病の新規治療開始)発⽣率を算出し、⾼リスク者と判定された⽅に対して重篤な疾病前に適切な対応を取ることが可能なサービスになっています。
金融業界
金融業界でのビッグデータの活用は既に欠かせなくなりました。
最近、FinTechというワードを聞くことが多くなってきてはないでしょうか。
スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの普及と、低コストで利用可能となったビッグデータアナリティクスを用いたテクノロジーやリソースにより、金融業界に大きな変化が起きています。
金融業界では、まず営業や審査の効率化にデータサイエンスが活用されています。
顧客情報に基づいて、営業活動による成約率が高いパターンや貸し付けをしたときに、滞納なしで完済する可能性が高いパターンなどをデータサイエンスにより導き出しているのが典型例です。
営業コストの削減や、貸し倒れリスクの低減に有効な施策として活用されています。
金融業界でのわかりやすい例を挙げると「みずほ銀行」は、データサイエンスを使いAIによる文字認識を活用して、専門用語が多くて基準の厳しい金融機関の広告制作物の校閲・校正業務を自動化し、文章の校閲・文章の校正を効率化しています。
他にも「イオン銀行」では、株式会社FRONTEOが提供するAIエンジンとRPAテクノロジーズ株式会社が提供するRPAツールを導入し、工数削減を実現し、毎月200時間分の工数の削減に成功しています。
データサイエンスで作業の効率化を図っているんですね。
運送業界
運送業界では、データサイエンスによって運送ルートや配車、さらには人材教育の最適化を実現しています。
顧客や積み荷の状況、各車両の積載量や運転可能なドライバーのデータに基づき、過去の業務データとの比較によって配車や人材の配置計画を最適化するのに成功しています。
また、過去にドライバーが選んだ運送ルートに基づいて運送時間や燃料を無駄にしている人材をピックアップし、研修やカウンセリングを実施することで運送効率を向上させているケースもあります。
データサイエンスを学ぶには
データサイエンスの活用の可能性の広さがわかると、データサイエンティストになりたいと考える方もいるでしょう。
データサイエンティストになるためには資格は必要ありませんが、データエンジニアやデータアナリスト、AIエンジニアなどとしてのスキルが求められます。
資格は必要ない場合が多いのですが、今後データサイエンティストの供給が進んでくると、他の人と差別化をはかって市場で生き残っていく工夫が必要になります。
そんなとき、資格をとっているのといないのでは、小さくも大きな差になるのではないでしょうか。
データサイエンティストにはいろいろな資格があります。
- 統計検定
- 統計データ分析士
- 情報処理検定
- 応用技術検定
- アクチュアリー数学検定
- E資格
などです。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
参考記事:データサイエンティストとは?なるにはどうすれば良い?仕事内容と必要スキル
ここでは、データサイエンスにはどのような学び方があるのかを確認していきましょう。
1:大学でもデータサイエンスを学べる学部が登場
データサイエンスを学ぶには、大学に通う方法もあります。
大学では、データサイエンティストの輩出を目指してデータサイエンス学科を設置するケースが出てきました。
4年間かけて基礎的な学問からしっかり学びたい人にとっては優れている選択肢でしょう。
2:動画や記事で楽しく学ぶ
今では、データサイエンスを題材にした記事もたくさんありますし、最近ではYoutubeに動画もたくさん上がっています。
今回紹介するのは、ひろゆきさんのデータサイエンティストに関する質問回答です。
こちらでは、現在のデータサイエンティストの現状や、どのような人がなれるかなど簡単に分かりやすく説明してくれていますので是非参考にしてください。
3:データサイエンスを学ぶにはセミナーが最も効率的
データサイエンスを学ぶには、ITに詳しい企業が開催しているセミナーを利用できます。
データサイエンティストとしてどのような姿になりたいかに合わせて、特化型の集中トレーニングを受けられるのがセミナーの魅力です。
データサイエンティストになるための最短経路を示してくれますので、効率的に学習を進められます。
学問としての知識よりも現場での実践力を重視した内容になっているため、セミナーを受講し終えると即戦力のデータサイエンティストになれるでしょう。
AI研究所のE資格対策ディープラーニング短期集中講座は、短期間でAI初学者でも合格できるように、大学レベルの数理統計やPythonを使ったプログラミング、機械学習モデルの構築方法などE資格合格に必須の前提知識をじっくり学べるので、データサイエンティストとしてすぐにでも活躍したい人にはおすすめです。
データサイエンスを使う職業
データサイエンスは、プログラミングや数学、そしてビジネスなどの現場の実学の融合によってデータを取り扱う学問です。
データサイエンスを主に使う職業はデータサイエンティストです。
その需要は年々高まっていて、平均年収も需要も右肩上がりです。
有用な技術基盤ができたことで多様な分野での応用が進み、データサイエンティストの活躍シーンが広がっています。
セミナーを利用すれば、短期間で実践力のあるデータサイエンティストを目指せるので積極的に活用しましょう。
データサイエンスについてまとめ
今回はデータサイエンスについて徹底的に解説しましたがいかがでしたでしょうか。
データサイエンスは今後ますます注目される技術かと思われます。
是非この機会に需要の高いデータサイエンスを学び、仕事に活かしてみてください。