AIが注目される現在、企業が求める代表的な人材がAIエンジニアです。しかし、AIエンジニアは、自分で知識やスキルを身につけるのが難しい方もいます。そして、その理由もさまざまです。本記事では、AIエンジニアがなぜ難しいとされるのか、その理由を挙げて解説します。
AIエンジニアは論理的思考ができないと難しい
AIエンジニアには、論理的思考が要求されます。論理的思考とは、理由や順番を明確にして、物を考えることです。論理的思考があれば、効率よくAIモデルを作成し、エラーには客観的に判断して原因を探ることが可能です。
AIエンジニアとして適性のある人は、複数の要素を比べながら物事を判断し、冷静に進める能力をもっています。したがって、AIエンジニアを目指すときは、論理的思考を意識するように心がけましょう。
AIエンジニアは数学の基礎学習が難しい

AIエンジニアには、AIを扱うための基礎的な知識が必要です。その1つに数学が挙げられます。例えば、線形代数、微分・積分、行列などです。
数学が必要な背景には、AIを基礎付ける「機械学習」に、数学的な理論を使っているためです。AIを使うだけならば、難しい数学の知識は必要ありません。しかし、AIエンジニアとして仕組みを理解し、モデルを開発・利用するためには最低限の数学知識が必要です。
例えば、画像処理や音声認識の分野では、生成AIの仕組みに線形代数で行列を扱っています。つまり、数学の基礎がわからなければ、根本的な部分を理解できません。
文系で数学の勉強から長く離れていた方や、学校教育で数学に苦手意識を持つ方には、こうした数学の理解に時間がかかる場合があります。例えば、微分や積分の意味を理解していないと、モデルの重み付けや誤差を最小にする修正などの考え方を正しく把握することが難しくなります。数学は応用が進むほど、先に基礎部分の理解が不可欠です。
AIエンジニアは実践スキルの習得が難しい
AIエンジニアに必要とされるスキルは、プログラミング、機械学習、統計処理など多岐にわたります。
例えば、Pythonを用いた操作では基本構文の理解と使い方の学習が不可欠です。また、業務となれば、操作の基本スキルだけでなく、モデル構築に必要な実践のスキルも求められます。そのため、AIエンジニアには実践経験を通じて学ぶ機会が必要です。しかし、大学での研究などを除けば、日本の企業でAIを実践的に取り扱い、かつ学習環境を得られる場は限られています。すでに普通の企業に就職していれば、研修などを除いてその機会もありません。
また、AIエンジニアはAIだけを扱えればよいわけではなく、実務でデータベースから情報を取り出すためのSQLのデータベース操作スキルなども求められます。クラウドベースのサービス企業なら「AWS」や「GCP」などのスキルも普段から使われています。このようにAIエンジニアが必要とする実践スキルは多岐にわたり、スキル習得の難しさを理解してスキルを学べる環境を探す必要があります。
AIエンジニアは未経験者の就職・転職が難しい
AIエンジニアは高度な専門知識と実践経験が求められる職種です。未経験者にとっては、AIエンジニア職に就くのが難しいことでも知られています。
まず企業は実務経験のある人材を求めており、多くの求人は未経験者をまず採用しません。採用があるのは未経験からでも学びながらスキルアップを目的とした求人だけです。
そのため、エンジニアの経験もなく、AIのスキルも明確でない場合、書類選考や面接の段階で不採用になるケースも少なくありません。
具体的には、AIエンジニアとして働くために、機械学習やPythonといったプログラミング言語、クラウドサービス(AWSやGCP)、データベース管理(SQL)の実践経験が必要です。
そのため、就職・転職活動をする際は、IT業界に特化したエージェントを利用するのが有効です。求人の紹介、面接対策などの支援を受けられるため、IT業界が初めての方でも効果的な就職活動が可能となります。
AIエンジニアは資格が多くて選択・取得が難しい
AIエンジニアを目指すにあたって、迷うことの1つに資格選びや取得のための学習があります。現在、AI分野には、国家資格と民間資格の両方の資格が存在しており、AIを扱う資格の数は非常に多いことで有名です。
例えば、「G検定(ジェネラリスト検定)」や「E資格(エンジニア資格)」、「基本情報技術者試験」などが有名です。他にも機械学習や統計の資格や「Pythonエンジニア認定試験」のようにプログラミングに関連した資格(一部、数学含む)などが挙げられます。それから、試験項目にマネジメントスキルを試す資格もあります。
しかし、勉強できる時間は限られており、必要な資格だけを取得したい方には、資格選択のときに迷いやすいのです。また、難易度や受験条件にもばらつきがあります。誰でも受けられる入門レベルの資格がある一方で、受験には指定された講座の修了が条件となっている中級以上の資格もあります。
特にAIは技術の進化が早いため、取得後に知識・スキルの更新が必要な場合もあり、役に立たなくなる資格も出てきます。それもあり、企業が実績として評価しない資格もあり、どれを評価に採用するかは企業が個別に決めています。事前に資格の必要性や試験項目をリサーチしてじっくり決めましょう。
AIエンジニアは業務内容が難しい
一般人にもAIは日常的に使われているため、AIの仕事として通常のプログラミング開発よりも簡単なイメージを持つ方がいます。しかし、実際の業務内容は難易度が高いという現実的なギャップがあるのです。
理由は多岐にわたりますが、特に業務範囲の広さと専門性の高さが挙げられます。まず、AIエンジニアにはディープラーニングや機械学習の技術、プログラミングスキルが業務で求められます。
例えば、生成AIの業務では、工程がAIモデルの設計から実装、評価、チューニングまでを一貫して担当する必要があるなどです。理論と実装の両方に深く精通していなければなりません。ここでは、得られた結果を分析し、AIモデルを修正するなど、業務改善や課題解決に結びつける実践的な作業も発生します。
また、クライアントや上司にAIの成果を説明するプレゼンも必要です。特に一般ユーザーや企業への説明では、ビジュアルや事例を交えて丁寧に解説することが求められます。技術だけでなく、伝える力も必要となる点が他のエンジニア職種とは少し異なるのです。もちろん、業務内容を段階的に学びながら経験を積むことで、着実にステップアップできます。
AIエンジニアの独学が難しいときのおすすめセミナー

AIエンジニアは独学だけで習得や実践内容を学ぶことは難しいことがあります。そこで、おすすめしたい個人・企業向けのセミナーや研修が以下です。
- 個人の場合におすすめな「AIエンジニア育成講座」
- 法人の場合におすすめな「DX・AI人材育成研修サービス」
個人の場合におすすめな「AIエンジニア育成講座」
「AIエンジニア育成講座」は、未経験者がプロAIエンジニアに必要な知識やスキルを身につけるためのセミナーです。基礎から実践までを段階的に学習するカリキュラムとなっています。
まず機械学習の基本的な仕組みについて学び、Pythonを用いたAI開発環境を構築することが目標です。AIプログラミングやデータの活用などもこのときに習得します。
次に、ディープラーニングの学習です。実践的なCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いた画像分類モデルの構築や、時系列データを扱うRNN・LSTM(再帰型ニューラルネットワーク)を使った予測モデルの作成が中心です。AIモデルの精度を上げるためのプログラミングも実践的に学べます。
AIエンジニアの知識やスキルの習得に難しさを感じている初心者に、おすすめのセミナーです。
セミナー名 AIエンジニア育成講座 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 41,800円〜 開催期間 2日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
法人の場合におすすめな「DX・AI人材育成研修サービス」
法人向けには、「DX・AI人材育成研修サービス」を利用して社員をAIエンジニアの人材に育てるのがおすすめです。このサービスでは、DXに重点を置いたAI活用できる人材を実務だけに頼らず育成できます。
その主なサービス内容は以下です。
- 企業課題のヒアリングとその解決に向けた提案
- DX・AI人材のコンサルティングや育成計画作成
- 産業別のAIコンサルタントによるAI基礎のオンライン・対面研修
まず、「DXレベルチェック」によって、企業のDXの現状を把握し、スキル状況や他社比較などで、企業課題の解決に必要な研修を計画します。
例えば、製造現場でIoT(モノのインターネット)を導入しているか、AIに関する基礎知識が部門間で共有されているかなどです。具体的な観点で課題と自社の強みを明確にできます。
その上で、研修には短期・中長期プランで業務と同時進行できる研修を提案する流れです。既存の研修を外部に受けに行くのではなく、自社に必要な研修のみを作れます。
AI人材育成のプロが揃った企業に相談して、効果的な研修を実施したい企業におすすめです。
AIエンジニアが難しいことのまとめ
AIエンジニアは、多くの専門知識と幅広いスキルを必要とし、さまざまな面で難しさがあります。特に業務で使える実践レベルは、数学やプログラミングの基礎知識を深く理解することが不可欠です。
就業希望の方も、基礎習得から実績作りや資格取得などを経て、就職・転職まで1つずつハードルを乗り越える必要があります。そして、エンジニアにもプレゼン能力などが強く必要となる職種のため、技術面とコミュニケーションを両立できる方に向いています。
以上を参考に、AIエンジニアの難しさを踏まえて就業するか決めましょう。






