多くの人が「AIエンジニアって難しい」と感じるのは、ごく自然なことです。実際、AIエンジニアには、プログラミングや数学、統計など、幅広い専門知識が求められます。
特に、未経験者にとっては、どこから手をつければいいのか分からず、不安を抱く場面も少なくないでしょう。ですが、AIエンジニアは難しいからこそ、挑戦する価値のある職種でもあります。
AIの技術は今や社会を大きく動かす力を持っており、その開発を行うAIエンジニアには大きな期待が寄せられています。今回は、AIエンジニアが「難しい」と言われる具体的な理由5選や、未経験でも目指せる学習法とスキルについて解説します。
AIエンジニアが難しいと言われる理由5選

「AIエンジニア 難しい」と検索する人は、目に見えない壁への不安を感じているのかもしれません。AIエンジニアには、他のエンジニアと比べて習得すべき内容が多く、学習の取っかかりがつかみにくいという声も。
ここでは、AIエンジニアが難しいと言われる5つの理由を具体的に見ていきましょう。
- 求められるスキルが多い
- 数学・統計学の知識が必須である
- 進化し続ける技術についていく必要がある
- どこから勉強を始めればいいのかが分からない
- 独学ではモチベーション維持が難しい
1.求められるスキルが多い
AIエンジニアは、プログラミングができるだけでは不十分。Pythonなどの言語に加え、機械学習や統計学・線形代数・アルゴリズムの理解が求められます。
これらは、1つずつ独立した専門分野のため、並行して学ぶのが難しいことがあります。また、プロジェクトによってはデータベース設計やクラウドの構築にも関わることもあり、守備範囲が広いことが難しいと感じる人が多いです。
2.数学・統計学の知識が必須である
AIの基礎となるのは、数学や統計学など理系の知識。特に、回帰分析・確率・微積分・ベクトルといった高校から大学レベルの内容が前提とされるケースも多く、未経験者にとってはかなり難しいジャンルといえるでしょう。
そのため、文系の人や数学が苦手な人にとっては、まず基礎の再学習から始める必要があります。ここでつまずく人が多いのも、AIエンジニアの知識が難しいと感じやすいためです。
3.進化し続ける技術についていく必要がある
AIの分野は、技術の進化がとにかく早いことで知られています。それに伴い、AI開発で使われるツールなどもどんどん更新されるため、AIエンジニアには常に学び続ける姿勢が欠かせません。
その変化に対応するのは難しいと感じる人も多いのが現実です。プレッシャーを感じやすく、「技術についていくのが難しい」と不安を口にする人も少なくありません。
4.どこから勉強を始めればいいのかが分からない
インターネット上にはAIエンジニアに関する学習の情報があふれていますが、逆にそれが「何から始めればよいかわからない」という混乱を招くことも。特に初心者にとっては、自分に必要な知識を見極める作業そのものが難しいステップです。
体系的な教材がない状態では、自力で正しいルートを選ぶのが難しいため、学習に挫折してしまうこともあります。
5.独学ではモチベーション維持が難しい
AIエンジニアへの道のりは、長くて難しいことが多いです。そのため、小さな成功体験を積みにくく、やる気を保つのが難しいと感じる場面が増えていきます。
特に、学習初期は「自分が本当に理解できているのか分からない」と不安になることもあり、結果がすぐに見えない分、継続自体が難しいと感じる原因にもなります。学びを継続できる仕組みを自分で作ることが重要です。
AIエンジニアを目指すための心構えとは
AIエンジニアという職業が難しいのは事実ですが、それでも「挑戦したい」と思う人は少なくありません。では、この難しい道をどう乗り越えれば良いのでしょうか。
ここでは、途中で挫折しないために知っておきたいAIエンジニアを目指すための心構えを解説します。
- 学び続ける覚悟を持つ
- 失敗を前提にする
- 理想よりも現実を知る
学び続ける覚悟を持つ
AIエンジニアに限らず、技術職全般に共通するのが常に学び続ける姿勢。AIエンジニアは特に、知識の更新が早いため、学びが一段落することはほとんどありません。
学びの過程そのものが難しいと感じる場面もありますが、最初はわからないことがあって当たり前。完璧を求めるよりも、曖昧なままでも実践を重ねることで、徐々に理解が深まっていくのです。
失敗を前提にする
エラーが出る、プログラムが動かない、数学の公式が理解できないなどのつまずきは誰にでも起こります。大事なのは、それを「自分には向いていない」と結論づけないこと。
難しいと感じる場面にこそ、学びのヒントが詰まっています。失敗は恐れるものではなく、繰り返すことで前に進めるものです。AIエンジニアを目指すうえでは、「失敗して当然」と思えるかどうかが、継続のカギになるでしょう。
理想よりも現実を知る
「AIエンジニア=年収1,000万円」「未来を変えるすごい仕事」というような理想だけが先行すると、現実とのギャップに落胆してしまうことも。
だからこそ、ギャップを受け止める心の余裕が必要です。「思ったよりも難しいかもしれない」と感じたときに、それでも続けたいと思えるかどうかが、向き不向きを見極めるポイントになります。
AIエンジニアを目指す上で必要なスキル

AIエンジニアを目指すには、以下のような幅広い分野の知識とスキルが必要になりますが、どれも難しいと感じやすいものばかりです。
以下で紹介する項目ごとに、難しいポイントと向き合うコツを解説します。
- Pythonを中心としたプログラミング力
- 機械学習やディープラーニングへの理解と実装経験
- SQLやデータベースの知識
- クラウド環境での開発経験
- 統計学やアルゴリズムの基礎知識
Pythonを中心としたプログラミング力
AI開発の現場では、Pythonというプログラミング言語が主に使われます。Pythonは文法が比較的シンプルでも、データ処理やライブラリ活用になると難しい局面に出会うことが多いです。ライブラリの使い方を学ぶ時点で、難しいと感じる方も少なくありません。
コードを読み手を動かして、自分で試してみることを繰り返すことがAIエンジニアのスキル習得への近道でしょう。
AIエンジニアの主なプログラミング言語については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
機械学習やディープラーニングへの理解と実装経験
AIエンジニアが扱う技術が、機械学習やディープラーニング。これは、大量のデータからパターンを見つけて予測を行う仕組みのことです。
理論が抽象的なうえ、モデルの構築から評価まで一連の流れを体験するのは難しい工程です。Scikit-learnやTensorFlowを使った実装は、特に最初が難しいと感じることが多いでしょう。
SQLやデータベースの知識
AIの学習には、データが欠かせません。そのため、データベースから必要な情報を取り出したり、データの整理(クレンジング)を行ったりするスキルが必要です。特に、SQLというデータベース言語は、ほぼすべてのAIに関する業務で使われます。
SQLの文法自体はそこまで難しいわけではありませんが、大量データの取り扱いやクレンジングとなると状況は変わります。「思った通りに取れない」「結合が難しい」などの壁を感じやすいかもしれません。
クラウド環境での開発経験
AIの処理は膨大な計算リソースを使うため、クラウドサービスとの相性が良いです。特にAWSなどを使った開発経験があると、チーム開発でも重宝されます。
しかし、クラウドはローカルとは違う設定や運用が必要になり、初めての人にはすごく難しい印象を与えます。特に、AIモデルを実際のサービスに組み込んで動かす段階では、一気に難しいポイントが増えます。
統計学やアルゴリズムの基礎知識
AIエンジニアの判断力を支えるのが統計学やアルゴリズムの知識です。平均や分散などの基本統計量は一見単純そうでも、実務で使いこなすには難しい理解が求められます。
最適化アルゴリズムをイチから理解するのも、なかなか難しい作業と言えるでしょう。
AIエンジニアになるための学習法と進め方
AIエンジニアはスキル取得が難しい職種ですが、未経験から挑戦する人も少なくありません。実際に、異業種からの転職も増えています。
ここでは、ゼロからAIエンジニアへのキャリアを築くための具体的な学習法と進め方をご紹介します。
ステップ①現職でデータに触れる業務からスタートする
いきなりAIエンジニアを目指すより、まずは、データを扱う仕事に取り組むのが現実的です。例えば、Excelなどでの分析業務や、マーケティングでの数値レポート作成などは、AIに通じるスキルを養う第一歩になります。一見地味ですが、AIへの入り口として難しい点を少しずつ乗り越えるにはピッタリ。
最初からAIエンジニアの本格学習に飛び込むよりは、こちらのほうが難しい混乱を避ける近道になります。また、現場で数字を読む力や、仮説を立てて検証する力を培うことで、AIエンジニアのベースとなる思考が自然と身につくでしょう。
ステップ②セミナーやオンライン教材を活用する
独学だけでは難しいと感じやすい技術も、AIエンジニアに特化したセミナーやオンライン教材を通じて学ぶとずいぶん難しい印象が和らぎます。
近年では、Pythonや機械学習、ディープラーニングなど、テーマごとに特化した講座が多数展開されており、エンジニア初心者でも無理なく段階的に学べるカリキュラムが整っています。自分のペースで学習を進めたい方にとっては、時間や場所に縛られずに学べるため、大きな味方になるでしょう。
AIエンジニア育成講座

AIエンジニア育成講座では、短期間でAIプログラミングの基本から応用までを網羅できます。AIエンジニアは難しいとされがちですが、この育成講座では、その難しいと感じやすいポイントを短期間で効率よく学べるよう設計されています。
Pythonや機械学習の基礎から、実際にモデルを実装・評価するスキルまでを効率よく習得できる点が特長です。オンライン形式にも対応しているため、時間や場所に縛られずに学べるのも魅力です。
| セミナー名 | AIエンジニア育成講座 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 41,800円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング |
ステップ③ポートフォリオを作って転職活動へ繋げる
AIエンジニアとしての実力を示すには、学習の成果を見える形にすることが大切。自作の分析レポートや、Pythonで作ったAIモデルなどをポートフォリオとしてまとめておくと、転職活動で説得力のある材料になります。
特に未経験者にとっては、自分の成果を形にすることで、難しい壁を超える実感が得やすくなります。
AIエンジニアに向いている人・向いていない人の特徴
AIエンジニアとして活躍できるかどうかは、スキルだけでなく性格や価値観にも左右されます。AIエンジニアに向いている人とそうでない人の傾向を表にまとめました。
| 項目 | AIエンジニアに向いている人 | AIエンジニアに向いていない人 |
| 継続性 | コツコツ継続できる | すぐに結果を求める |
| 好奇心 | 新しい技術や知識を楽しめる | 覚えることが多いと諦めやすい |
| 対応力 | エラーや失敗を前向きに捉えて試行錯誤できる | 少しの失敗で自分には無理と思いやすい |
| 自主性 | 自分で調べる・考えて解決するのが好き | 誰かに教えてもらわないと進めない |
| 価値観 | 地道な作業に意味を見出せる | 年収など表面的な部分に惹かれる |
このように、AIエンジニアの仕事は一見すると技術的に見えますが、実は、人としての姿勢が大きく影響します。もちろん、求められるスキルの幅広さから難しいと感じる場面は多くあります。
自分がどちらに近いのかをチェックしながら、必要に応じて学び方や働き方を調整していくことが重要です。
AIエンジニアの魅力

AIエンジニアは難しいと感じる一方で、以下のようにそれを上回るほどのやりがいと将来性が期待できる職種です。
難しいと思われるスキルの習得も、適切な学び方を選べば決して不可能ではありません。
- 年収が高め
- 長期的に安定したキャリアが築ける
- 自分に合わせて選択肢を広げていける
最後に、AIエンジニアとして働く魅力を詳しくご紹介します。
年収が高め
AIエンジニアは習得が難しいスキルが求められる分、報酬も高水準です。国内では平均年収600万〜800万円前後。スキルや実績によっては1,000万円を超えることも。
難しい分だけリターンが大きいという点でも、多くの人が目指す価値を感じています。
長期的に安定したキャリアが築ける
AI技術の応用は広く、業界を問わずエンジニアのニーズが拡大しています。
製造や金融、医療、教育など、複数の分野にまたがって活躍できるため、不況に強く、長期的に需要が続くと予測されています。1つの業界に依存せず働けるのは、大きな安心材料でしょう。
自分に合わせて選択肢を広げていける
AIエンジニアは、難しいからこそ面白いと言われることも。キャリアパスには幅があり、技術をとことん深めるスペシャリストや、チームを率いるマネジメント、また、データサイエンティストやAIコンサルタントなどへの選択肢もあります。
興味や得意分野に応じて進む道を選べる柔軟性は、他職種にはない魅力といえるでしょう。
AIエンジニアとしての就職・転職に有利な資格については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。
AIエンジニアは難しいが乗り越える価値がある
AIエンジニアは学ぶべきことが多いので、難しいと言われています。特に、数学やプログラミングに不慣れな方にとっては、最初の一歩がすでに難しいと感じられることもあるでしょう。ですが、その分だけ得られるリターンも大きい仕事です。
実務で求められるスキルは年々変化しており、学び続けることを前提にキャリアを築いていく姿勢が欠かせません。しかし、AIエンジニアは市場価値が高く、年収や将来性、キャリアの選択肢といった点で、とても魅力的な職種でもあります。
「AIエンジニアは難しい」と感じる今こそ、自分の強みや興味に向き合い、長く続けられる道を考えてみるタイミングかもしれません。






