最近は「Hey Siri!」「OK Google」など、スマホに話しかける人たちの姿を見ることが多くなりました。話しかけるだけで知りたいことを教えてくれるアシスタント機能は、人工知能技術の進化によるものです。日々の生活に浸透してきた人工知能ですが、
- そもそも人工知能っていったいなに?
- 人工知能ってどんな場面で使われてる?
- 人工知能ってどうやって作るの?
という人もいるのではないでしょうか。
この記事では、人工知能とはそもそもどういうものなのかということや活用事例、作り方などを解説していきます。ぜひご一読ください。
そもそも人工知能ってなに?
人工知能と聞くと、「ドラえもん」のようなロボットを思い浮かべる人が多いと思います。
専門家によっても定義はまちまちです。
公立はこだて未来大学の松原仁教授は人工知能を「究極的には人間と区別がつかない人工的な知能のこと」と定義していて、一般的なイメージもこれに近いのではないでしょうか。
人工知能研究の分野では、「汎用型人工知能」と「特化型人工知能」に分類されます。
汎用型人工知能はまさに「ドラえもん」のように、人間と同じように思考し行動することのできる人工知能のことでSFなどの作品でモチーフになってきました。
ただし、現状では人間のような知能を持った人工知能はまだできていません。
現在、主流となっている人工知能研究は「特化型人工知能」で、文字通り何かに特化した人工知能のことです。
特化型人工知能「alpha碁」
特化型人工知能の代表例はDeep Mind社のalpha碁でしょう。
ディープラーニングという新たな技術を駆使して開発された人工知能は、プロ棋士を次々と打ち負かしました。囲碁は打ち方のパターン数が天文学的に多いと言われていて、機械が人間に追いつくのはまだまだ先と言われていたにもかかわらず、ディープラーニングの技術によって発展し、人間に勝利しました。
特化型人工知能の研究が進み、様々な分野に応用されてきています。
他にも特化型人工知能の実例を紹介していきます。
人工知能の活用事例
人工知能は、人々の生活を一変させてしまうほどのパワーがあります。
特に自動運転の分野でも、人工知能は活用されているのです。
テスラモータースの自動運転
自動車業界で最も先進的な取り組みをしているアメリカのテスラモーターズ社。
電気自動車の開発から始まり、今は人工知能を駆使した自動運転を実現させようとしています。
最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスクは人工知能に驚異を感じながらも、人工知能の開発に最も力を入れてきました。
2021年にはヒト型ロボットの開発を発表し「Optimus(オプティマス)」と名付けられたロボットが、2022年10月に試作公開されています。
ただ、半自動運転機能が備えられた「オートパイロット」については、2016年以降衝突死亡事故によって問題視されています。
完全な自動運転としてオプション販売していた「フルセルフドライビングケイパビリティ(FSD)」についても、衝突事故の危険性があるとしてリコールの発表を余儀なくされました。
しかし、将来的には無線アップデートにより、FSDが自動運転ソフトウェアにアップグレードされる予定だと言われているので、興味深いですね。
人工知能を作る「機械学習」の活用事例に関しては、下記記事でも詳しく解説しています。
人工知能の作り方
簡単なAIであれば、初心者でも作ることは可能です。基本的な人工知能の作り方の流れは、
- AIに覚えさせる大量のデータを用意する
- 機械学習によってモデルを作る
となっています。
人工知能の作り方①AIに覚えさせる大量のデータを用意する
大量のデータを用意するには様々な方法があります。
例えばチャットボットを作ろうと思ったら対話のデータが必要。
今では有償・無償で多くのデータセットが利用できます。
中でも「kaggle」はとても有名で、様々な企業や研究機関がデータを公開しています。
他にも方法はたくさんあって、Googleは動画から画像データを集めたりもしています。
「Googleの猫」とも呼ばれている有名な事例で、Youtubeにアップロードされている動画からランダムに画像を抽出。
ディープラーニングを使ってコンピュータに猫を識別させることができるようになりました。
人工知能の作り方②機械学習によってモデルを作る
機械学習とは「コンピュータで大量のデータを収集して分析し、データに隠れているパターンや特徴をみつけだすこと」です。
コンピュータに機械学習をさせるためのツールはたくさん出ています。
初心者でも簡単にチャットボットを作れるツール「Dialogflow」。
直感的な操作でコンピュータとの会話を実現できます。恋人と話をしている時に使いそうなフレーズや相槌を登録していくことでバーチャル彼女を作ることだってできます。
トレーニング機能もついているので、チャットボットを育てていくこともできます。
人工知能がどんなものをかを手軽に体験できるオススメのツールです。
簡単にできる人工知能の作り方に関しては下記記事でも詳しく解説しています。
人工知能の作成に必要な知識
人工知能を作る上で、機械学習の手法は欠かせません。
機械学習にはデータの分析をすることが基本にあるので、数学とプログラミングの知識はどうしても必要になります。
人工知能作成に必要な知識①数学
人工知能で主に使う数学の分野は以下になります。
- 線形代数
- 微分・積分
- 統計
大量のデータを解析し、可能性を推論するためには数学の知識が不可欠です。
難しい分野ではありますが、数学を理解することで人工知能をさらに深く知ることができるようになります。
人工知能作成に必要な知識②Pythonプログラミング
人工知能プログラミングで最も使われている言語がPythonです。
日本ではまだマイナーな言語ですが、海外ではかなり普及しています。
なぜPythonが一番使われているかというと、次の理由だからです。
- 教育用の言語に使われるくらいわかりやすい
- 機械学習向けのライブラリが充実している
- コミュニティが活発
以上の理由から、人工知能プログラミングをするならPython一択と言われています。
非常に可読性の高い言語なのでJavaやC言語よりも遥かにわかりやすいです。
プログラミング学習を始めようとしている方にとってもPythonから学び始めるのはアリです。
Pythonについては下記動画が分かりやすく簡単に説明してくれています。
人工知能とは?まとめ
今回の記事は下記のような内容を紹介しました。
- 人工知能の研究分野には「汎用型人工知能」と「特化型人工知能」がある
- Google Deepmind社の「alpha碁」は「特化型人工知能」である
- 人工知能は人々の生活を一変させる
- 人工知能は初心者でも作れる
- Dialogflowはカンタンにチャットボットが作れる
- 人工知能を理解するのに数学とプログラミングの知識は必要不可欠
- ライブラリが充実しているのでPython言語が人気
今後ますます人工知能を使ったサービスは増えていき、私たちの生活に欠かせないものになってくるはず。人工知能は、もはや教養としても必ず知っておくべきものになるでしょう。
理解を深めて、ビジネスチャンスなどにも生かしていってください。