機械学習の活用事例9選!不正検知や出品など機械学習でできることを紹介

機械学習とは人工知能(AI)が成長していくために必要な技術のことを言います。
機械学習の手法の一つがディープラーニングと呼ばれているものです。
このディープラーニングを活用して、企業は様々な社会課題の解決に利用しています。
一つ一つの活用事例を確認していくことで、機械学習についてさらに深い知識を学んでいきましょう。

まず機械学習とは

機械学習とはコンピューター自身がデータをもとに学習することで、自然と賢明になっていくことのできる技術です。人間が判断する場合は過去の経験を参照して良し悪しを決めていくのですが、同じことをコンピューターができるようになるために機械学習は行われています。機械学習を進めていくことで、人工知能(AI)は決められたプログラムに沿って動作するだけでなく、データから直接学習して最適解を求められるようになります。学習データが蓄積されていくほど、人工知能は着実に成長していき能力も向上していきます。

機械学習を行う方法

機械学習を行うには、いくつかの学習パターンに乗っ取る必要があります。その主な学習パターンとは「教師あり学習」・「教師なし学習」・「強化学習」の3つのことを指します。ここからは学習方法の詳しい内容について確認していきます。

教師あり学習

「教師あり学習」とは人間が与えたデータに基づいて機械が学習を行い、予測の精度を上げていく学習方法です。この学習方法で解く問題は、回帰と分類と呼ばれています。回帰によって連続するデータの予測を行い、分類することでデータから予測を行うのです。

教師なし学習

「教師なし学習」とは正解を設けずに学習をさせる手法のことを指します。「教師なし学習」の中には敵対的生成ネットワーク・クラスタリング・主成分分析・アソシエーションといった名前のアルゴリズムがあります。この学習方法は「教師あり学習」とは違い、正解が不明瞭な場合に用いられることが多いです。そのため、教師ありのほうが結果として精度が高く、用いられる機会が多いと言えます。

強化学習

「強化学習」は動的な環境の中で、自らが収集したデータを使って学習していく方法です。人間の手を必要としないで良いので、従来の方法よりも格段に深く学習することができます。
強化学習についてはこちらの記事でも解説しています。

強化学習とは?強化学習の概要から実例を徹底解説【2022年最新】

機械学習の手法

機械学習とニューラルネットワークとディープラーニングは、並列されて語られやすい用語です。けれども、その内容は決して同じものではありません。大まかに説明すると、人工知能を実現するために必要となるのが機械学習で、その機械学習を支える技術の一つがニューラルネットワークと呼ばれるものです。ディープラーニングは、このニューラルネットワークがさらに機能しやすいようにするための技術になります。ここではニューラルネットワークとディープラーニングについて、より深く学んでいきましょう。

ニューラルネットワーク

ニューラルネットワークは人間の脳内にある神経細胞や神経回路網をモデル化したものです。入力層・出力層・隠れ層という三層から構成されています。仕組みは単純でも多数組み合わせることで大きな力を引き出せるのが特徴です。

ディープラーニング

ディープラーニングとは人間が自然に行っているタスクを、コンピュータに学習させる手法のことを指す言葉です。別名深層学習とも呼ばれ、ビッグデータを分析して特徴を抽出していきながら、人工知能が知識を深めていく学習方法になります。ディープラーニングはニューラルネットワークをさらに多層化した構造を持っているので、分析能力はニューラルネットワークの比ではありません。

機械学習の活用事例9選

機械学習の活用事例9選

ここからは実際に社会でAIがどのように使われているのか見ていきましょう。一つ一つの活用事例を追っていくことで、機械学習が社会に与える影響がわかるようになります。

機械学習の活用事例①通行人のカウント

Intelligence Design社が人工知能を活用して行ったのが、原宿の通行人の数をカウントすることでした。この作業を可能にしたAIは「IDEA counter」というサービス名を付けられました。このサービスによってカメラの映像から人の頭部のみを抽出して、どのような状況下でも人数を数えることができるようになったのです。本来なら人間が目視でカウントしていた作業を、AIに任せることで作業員の負荷を下げることが可能になりました。

機械学習の活用事例②メルカリの出品

メルカリの出品サービスにも、AIは使われています。ユーザーが撮影した商品画像から、自動でブランドや商品名の候補を出してくれているのが人工知能なのです。出品者の手間を省くことで、ユーザー体験を向上させることに成功しています。

機械学習の活用事例③検品作業

製造業でも機械学習の技術は活用されています。今までは目視で行われていた作業も、機械学習が可能にした画像処理技術によって、AIに任せられるようになりました。マヨネーズなどで有名なキューピー株式会社では、ベビーフードの原料になるダイスポテトの原料検査装置に人工知能が活用されています。この技術によって変色などの不良品を、簡単に選り分けることができます。

機械学習の活用事例④きゅうりの仕分け

静岡県の農家ではきゅうりの大きさやツヤから、自動で等級ごとに分けることのできる画像認識装置を作成しています。本来なら熟練の判断が必要になる仕分け作業も、機械学習を行うことによって誰でも簡単に行うことができるようになりました。これにより、出荷スピードと労力が大幅に削減することが可能です。

機械学習の活用事例⑤農薬散布

農業機械を販売している酒井農機商会は、ドローンを活用した農薬散布を行う「アグリドローンサービス」を提供しています。このドローンはXAIRCRAFT JAPANが提供する「p20」という製品ですが、画像認識を行えるAIが搭載されているので害虫のみを退治することが可能です。人手を使わないで散布できるので、農作業の負担軽減やコスト削減等の利点も見込めます。

機械学習の活用事例⑥給餌の自動化

テクノロジーベンチャーのウミトロンは、スマホやパソコンから餌やりをできる装置や魚群行動解析システムを開発しています。本来は水温や塩分濃度など多くの環境要素を考慮して行う必要がありますが、機械学習を行うことで代替できるようになりました。

機械学習の活用事例⑦クレジットカードの不正検知

Visa Inc.はAIを使ったクレジットカードの不正監視システムで、推定で約2兆円の被害を防げたと報告しました。機械学習を利用した不正検知システムですから、行えば行うほど精度や対応力が増していくという利点があります。

機械学習の活用事例⑧需要予測

回転寿司チェーン店のスシローでは、AIを使用した高い精度の需要予測に成功しています。各店舗から集めたデータを蓄積した上で、店舗ごとの混雑度なども考慮に入れているので予測が可能になるのです。スシローはさらにAIを使って、マーケティングや商品開発も行っています。

機械学習の活用事例⑨無人レジ

高輪ゲートウェイ駅にあるTTGは、2020年に設置されたばかりの無人レジコンビニです。内部に置かれた無数のカメラの映像をAIが分析することで、商品の管理から盗難防止まで人手を借りないでできる仕組みになっています。決済をする時もモニターの前を通ればいいだけなので、全く人の手を借りずに決済まで済ませられるのです。

機械学習の活用事例についてまとめ

ディープラーニングによって機械学習の精度が上がったことにより、AIの活用事例も目に見えて増えていきました。
例えば、以前は目視でアルバイトが行っていた通行人をカウントするという作業も、現在では機械学習をした人工知能が行っています。
人工知能を利用することで人間の労力を削減できるだけでなく、従来は長い年月をかけなければ習得できなかったようなことも容易にできるようになったのです。
今回紹介した活用事例から、機械学習がどのように応用できるかをぜひ学んでみてください。

機械学習の活用事例9選!不正検知や出品など機械学習でできることを紹介
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