データサイエンスと統計学の違いは?情報工学・統計学の関係性や仕事内容・スキルを解説

データサイエンスを学ぶにあたって統計学の知識は必須ですが、それぞれ大して変わらないものなのではと感じている人もいるのではないでしょうか。
ただ、この2つは全くの別物であり、違いをよく理解したうえで学習に取り組む必要があります。ここではデータサイエンスと統計学の違いについて解説します。

データサイエンスと統計学の違い

データサイエンスと統計学は学問としてどのように違うのでしょうか。
この2つがどんな学問なのか、それぞれどう違うのか解説していきます。

データサイエンスとは

データサイエンスとは、たくさんのデータの中から必要な情報を抽出したり分析したりすることで、ビジネスに新たな価値を見出す学問及びプロセスのことを言います。
データサイエンスにおいて必要な知識は、以下の3点です。

  • データを分析するために必要な数学や統計学に関する知識
  • 大量のデータを取り扱うために必要なプログラミングや機械学習などのITに関連する知識
  • 分析するデータに関連する業務や経営に関する知識

そしてこれら3つの分野の知識を活かして業務効率化や利益アップ、新しい事業の創出などを目指します。

統計学とは

統計学とはデータを収集し、集めたデータが持つ規則性・不規則性を明らかにする学問です。
統計学は主に記述統計学と推測統計学の2つに分かれます。

  • 記述統計学:今あるデータの共通項を見つける
  • 推測統計学:集めたデータを分析して、もっと大量のデータに関する情報を推測したり、未来に起こりうることを予想する

そして統計学で得た結果は様々な分野における分析・予測に活用されています。

統計学はデータサイエンスに必要な知識

データサイエンスと統計学は全く異なるというわけではありません。
データサイエンスでは様々な手法を用いてデータを分析します。そしてその分析において使用する手段の1つが統計学です。
データサイエンスにおいて重要な知識がプログラミングと統計学であり、統計学はデータサイエンスに取り組むにあたって必要な基礎となる学問と言えるでしょう。

データサイエンティストと統計学者の仕事内容の違い

次にデータサイエンティストと統計学者の仕事内容について解説していきます。

データサイエンティストと統計学者に求められるものは全く異なります。
まずデータサイエンティストは,データを集めてその集めたデータを投影学や数学、機械学習などのテクノロジーを駆使して分析しビジネスに関する提案を行うする仕事です。
それに対して統計学者はデータを集めてそれを見やすいようにまとめるなどデータそのものを扱う仕事を言います。

ただ、統計学や数学を専門的に学んできた人は数字の取り扱いに長けているのが強みです。
高度な分析を実施するためにはこのような統計関連の学問に触れてきた人にプログラミングなどデータサイエンスに必要なIT関連の知識を教えた方が良いとして、データサイエンティスト関連の求人には理学部など数学・統計について学んできた人を歓迎する求人が増えています。
実際にデータサイエンス自体が注目度の高い分野ということもあって、データサイエンスの道に進む理学部出身者は多いです。

データサイエンスと情報工学・統計学の関係性

データサイエンスは様々な学問を組み合わせて取り組むものです。そこでデータサイエンスと情報工学・統計学などの学問との関係性はどうなっているのでしょうか。

まず情報工学とは、コンピューターサイエンスに関連する学問にあたります。
具体的にはコンピューターはどのようになパーツで構成されているのか、インターネットはどのような仕組みなのかに加え、コンピューターはどのような仕組みで動いているのかなどについて学びます。

データサイエンスに関連する内容としては、大量のデータを取り扱うためにどれくらいのスペックが求められるのか、実際にデータを操作するにはどのようにプログラムを組めば良いのかなどが挙げられるでしょう。

データサイエンスは情報工学と統計学を股にかけた学問

そしてデータサイエンスと統計学・情報工学の関係性に関しては、データサイエンス=情報工学+統計学と言えます。
データサイエンスは情報工学と統計学を股にかけた学問です。この2つの知識を組み合わせて、データの分析や予測を行います。

このように、統計学や情報工学はデータサイエンスにおいて情報を分析するための手段の1つであると言えます。

データサイエンスにおける統計学・情報工学のスキル

データサイエンスと統計学・情報工学は被る要素が多い分野です。そのため、この2つの分野からデータサイエンスに進む人もたくさんいます。
それでは、データサイエンスにおいて統計学・情報工学のどんなスキルが求められるのでしょうか。この2つの分野でデータサイエンスに必要なスキルについて解説します。

プログラミング

データサイエンスでは分析などの業務に専用のツールを用いますがそのツールを操作するにはプログラミングのスキルが欠かせません。
プログラミング言語には様々なものが存在しますが、中でもでデータサイエンスの分野で使われることが多いのは、統計をはじめ数字の扱いに長けているPython、統計解析向けの言語であるR言語でしょう。
それ以外にデータサイエンスでは大量のデータも取り扱うことから、データベースを取り扱う専用言語SQLの知識も必須です。

プログラミングのスキルに関しては、ただPythonなどの言語を使って解析をするだけではありません。実際に作ったアルゴリズムをデータサイエンティスト以外の人が手軽に使えるようにシステムに落とし込むのもデータサイエンティストの仕事です。
そのため、特に情報工学に特化して学んだうえでデータサイエンスに進もうとしている人はJavaなどのプログラミング言語の開発経験も積んでおくと良いでしょう。

アルゴリズムの開発・実装

データサイエンティストというよりは機械学習エンジニアよりの業務にはなりますが、データサイエンスに携わる人の仲には、分析を行うためのアルゴリズムを考えて開発・実装する人もいます。
特に大量のデータを取り扱うようになった現代では、そのデータを処理するだけでなく、そこからデータの特徴を読み取って予測する仕組みも求められています。
そこでこの仕組みを作るにあたってアルゴリズムに関する深い知見を持った人材の需要が高まっています。

データの分析に関する知識

統計には様々な手法があります。そこでデータサイエンスの分野ではただデータを分析するだけでなく、ケースに応じて適切な分析手法を検討・提案する必要があります。
そのため、データサイエンスに携わるにあたっては大卒レベルの数学や統計学の知識が欠かせません。
そしてただデータを分析するだけでなく、それをまとめて可視化する能力も必要です。データの可視化にも様々な手法があるので、適切な手法を選ぶための知識や経験も求められます。

ビジネスに対する理解

データサイエンスにおいてはただデータを分析するだけでなく、そのデータをビジネスに応用する能力も必要です。
そのため、分析対象となるビジネスがどんなものなのか、業務はどのように進めていくのかなどビジネスそのものに対する理解も求められます。

データサイエンスと統計学は共通事項の多い学問

データサイエンスはたくさんのデータを分析してビジネスに応用するもの、統計学はたくさんのデータから共通点や相反している情報を探し出すものであり、似ているようで異なるものです。
ただこの2つの学問は共通点が多いので、特に統計学を専門で学んでいる人がデータサイエンスに進むことはよくあります。
双方の違いや共通点を理解し、自分がやりたいことは何か考えて進路を選んでください。

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