Webスクレイピングとは?活用方法やツールを紹介

Webスクレイピングは、Webサイト上から情報を自動で収集する技術です。広範囲で膨大な情報源から情報を効率的に集められるので、価格比較や商品情報の更新、データ分析などの様々な用途で活用されています。
この技術を使えば、手作業のコピー&ペースト作業などから解放され、時間と労力を大幅に削減することができます。

Webスクレイピングとは?

Webスクレイピングとは?

Webスクレイピングは、Webサイトから必要な情報を見つけて自動的に抽出する技術です。その仕組みは、大きく5つに分けられます。

  1. URLの取得
    最初にURLの取得をします。スクレイピングしたいWebサイトのURLを手動で入力したり、別のWebサイトから取得したりすることができます。
  2. HTTPリクエスト
    取得したURLを基に、HTTPリクエストを送信します。HTTPリクエストには、GETやPUT、DELETEなどのメソッドがあり、それぞれ異なる処理を行ってくれます。
  3. HTMLコードの取得
    Webサーバーは、HTTPリクエストを受け取った後にHTMLコードを返します。HTMLコードはWebサイトの構造や内容を記述しており、タグと呼ばれる要素で構成されています。
  4. HTMLコードの解析
    HTMLコードは様々なタグで構成されていますが、各要素には属性と呼ばれる情報が含まれています。HTMLコードは、必要な情報を見つけ出すために解析されます。
  5. 要素の指定
    HTML解析ののち、XPathやCSSセレクタと呼ばれる言語を使用して要素を指定します。必要な情報を含む要素を特定して、その内容を抽出します。
    XPathは、XML文書の構造を表現し、特定の要素を選択するための言語です。この言語は、要素を階層的に指定できます。
    また、CSSセレクタは、HTML文書の要素を選択するための言語です。HTMLの要素構造や属性に基づいて、要素を指定できます。

以上のように抽出されたデータは、ExcelやCSVなどの形式で保存できます。また、Webスクレイピングを容易にするライブラリが多数存在しており、ライブラリを使うことで複雑な処理を簡単に記述できます。

Webスクレイピングの活用事例

Webスクレイピングの活用事例

Webスクレイピングは、Webサイト上の情報を自動で収集する便利なツールです。膨大なデータの海から必要な情報を効率的に探し出してくれるので、それらの情報をいろいろな目的のために活用できます。

価格の比較

活用事例はたくさんありますが、価格比較などは賢く買い物をするのに欠かせない機能でしょう。複数のECサイトから商品情報を収集し価格を比較するので、安値などを確認して上手に買い物ができます。
最安値で商品を購入できるだけでなく、最新価格をチェックして価格の推移を分析できるので、お得な買い時を見逃しません。

商品情報収集

商品情報収集を行うこともできます。新商品の発売日や在庫状況、口コミなどを複数のサイトから集めて比較することで、情報戦において競合他社よりも早く情報収集を行って、ビジネスに活かすことができます。

市場調査

Webサイト上のニュース記事やブログ、SNSの投稿を分析して、市場の動向や顧客のニーズを把握できます。市場の潜在的な需要を発見でき、新たなビジネスチャンスを生み出すことができるでしょう。

データ分析

意思決定のためのデータ分析にも活用できるでしょう。Webサイト上の統計データや財務情報などを収集して分析することで、ビジネスの課題や改善点を発見できます。これらのデータに基づいた意思決定を行うことで、効率的な経営ができるでしょう。

データ入力の自動化

また、自動化によって手作業によるデータ入力作業から解放されます。Webサイト上の情報を自動で収集できるので、時間が有効活用できてより創造的な活動に集中することができます。

記事の作成

記事を作成する際には、書く内容が尽きてしまう心配がなく、かつ最新の内容で書くことが可能です。企業が人材を探している時、各サイトの膨大な情報から瞬時に優秀な人材を見つけ出すことができます。

記事やレビューなどの情報収集

また、Webスクレイピングを日常生活にも役立てることができます。例えば、ニュース記事などで、自分が欲しい分野の最新情報を常に把握しておくことができます。
また、レビュー情報を広範囲から収集できるので、商品の顧客満足度を確認して賢く買物ができるでしょう。

このようにWebスクレイピングは、無限の可能性を秘めていますので様々な用途に活かすことができるでしょう。

簡単にWebスクレイピングを使えるツール4選!

簡単にWebスクレイピングを使えるツールを4つご紹介します。これらのツールを使えば、プログラミングの知識がなくても、簡単に情報を収集することができます。

Octoparse

Octoparseは、分かりやすいインターフェースでWebスクレイピングを構築できるツールです。プログラミングができない人でも、直感的に操作することが可能です。

視覚的なインターフェースを備えていて、ポイント&クリック操作により簡単に操作ができます。また、複雑なデータ抽出ができたり、あらかじめスケジュールを立てて実行することが可能です。

利用料金は、無料と有料の2つのプランがあります。無料プランの場合、使える機能や抽出できるデータ量に制限があります。

Import.io

Import.ioは、ドラッグ&ドロップでWebサイトの情報を簡単に抽出できるツールです。豊富な機能が備わっており、初心者でも簡単に使えるシンプルな操作性が特徴になっています。

このツールは、複数ページのデータ抽出やデータの自動化ができる点が便利です。ドラッグ&ドロップでデータ抽出でき、API連携も簡単にできます。
料金については、無料プランと有料プランがあります。無料プランは、データ抽出量や使用できる機能が制限されています。

Webhose.io

Webhose.ioは、APIによりWebスクレイピングを行うツールです。プログラミングの知識がなくても、簡単にデータを取得できます。
APIやリアルタイムデータの取得が主な機能です。豊富なデータソースを備えていて、スケーラビリティの高いツールになっています。利用料金は従量課金制で、取得したデータ量に応じた料金になります。

Scrapinghub

Scrapinghubは、クラウド型のWebスクレイピングツールで、サーバー管理などのメンテナンスを気にせず使用できます。スケーラブルなインフラストラクチャにより、高度なデータ処理ができます。

クラウド型サービスで、セキュリティ対策もされています。料金は従量課金制となっており、データ抽出量や使用する機能に応じて料金が決まります。

Webスクレイピングの違法性・注意点・対処法

Webスクレイピングの違法性・注意点・対処法

Webスクレイピング自体は違法ではありません。しかし、違法になる場合もありますのでご注意ください。

Webスクレイピングが違法となる場面

スクレイピングが禁止されているWebサイトに対して行うことは利用規約違反になり、 著作権者の許可なく著作物を複製したり公開したりすることは著作権法違反になります。
また、サイトに不正にアクセスしたり、短時間に大量のアクセスを行ってサーバーに負荷をかけたりすることは違法となります。個人情報を含むデータを収集する時にも、プライバシー侵害に気を付けなくてはいけません。

Webスクレイピングを行う際に注意すること

Webスクレイピングを行う際は、注意が必要な点がいくつかあります。スクレイピングを行う時は、必ずそのWebサイトの利用規約を確認して、許されているかどうかを確認してください。
また、データの正確さにも注意を払う必要があります。Webサイト上の情報は常に更新されているので、抽出されたデータの正確性をきちんと検証しましょう。

安全にWebスクレイピングを行うための対処方法

Webスクレイピングを行う際には、次のような方法で違法行為を防いで安全な利用を心がけましょう。

  • Webスクレイピングを行う前に、必ず利用規約の確認や著作権の確認を行います。
  • サーバーに負荷がかからないようにアクセス頻度の調整をして、短時間に大量のアクセスを行なわないようにします。
  • robots.txtはWebサイト運営者がスクレイピングを許可する範囲を指定したファイルですが、このロボットエクスルージョン標準の内容に従ってWebスクレイピングを行うようにします。

Webスクレイピングまとめ

Webスクレイピングは、企業だけでなく個人でも利用できます。ニュース収集や投資分析など、アイデア次第で多くの用途に活用できます。
そして、日々発展しつつあるAI技術との融合によって、今後はさらにより高度な情報収集と分析が可能になるでしょう。

Webスクレイピングとは?
最新情報をチェックしよう!