AIが日常生活やビジネスの現場に広がる中で、注目を集めているのが「Hugging Face(ハギングフェイス)」です。世界中の研究者や開発者が共有する最新のAIモデルを誰でも簡単に利用できるため、学習や実務に取り入れる動きが加速しています。
この記事では、PythonでHugging Faceの使い方として、インストール方法から実行手順、さらにサンプルコードを使った実践例までをわかりやすく解説します。
PythonとHugging Faceを活用し、未来のAI人材としてのスキルを身につけていきましょう。
Hugging Faceとは

Hugging Faceとは、人工知能(AI)や自然言語処理(NLP)の分野で広く利用されているオープンプラットフォームの名称です。特に、機械学習モデルを共有・利用できる「モデルハブ」が有名で、世界中の研究者や開発者が公開した数十万件に及ぶモデルが集約されています。
大規模なコミュニティを持ち、誰でも無料で登録してモデルをダウンロードしたり、自身の成果をアップロードして共有したりすることが可能。学術研究や企業の開発現場でも幅広く活用されており、オープンソース文化を推進する役割を担っています。
ライブラリやAPIを通じて開発を支援する仕組みも提供しており、初心者から上級者まで幅広い層にとって便利なサービスといえるでしょう。
Hugging Faceのより詳しい内容については、こちらの記事で解説しています。
Hugging Faceでできること
Hugging Faceは、機械学習や自然言語処理を手軽に実践するための多彩な機能が提供されており、専門的な知識がなくても最新のAIモデルを利用できる点が大きな特徴です。研究者や開発者だけでなく、ビジネスや教育の現場でも幅広く活用されています。
主な機能としては、次のようなものがあります。
- AIモデルの利用
- モデルの共有
- データセットの利用
- モデルの学習・微調整
- 推論APIの提供
- 公式ライブラリの利用
- Spacesでのアプリ公開
- コミュニティでの交流
このように、Hugging FaceはAIを「作る」「使う」「共有する」を一つの場で実現できる総合的なプラットフォームといえるでしょう。
Hugging Faceのライブラリ一覧

Hugging Faceは、AIや機械学習を効率的に扱うために複数の公式ライブラリを提供しています。自然言語処理を中心としながら、音声・画像・マルチモーダル分野まで対応しており、モデルの利用や学習、データ処理、評価までを一貫して行うことが可能です。
代表的なライブラリをご紹介します。
| ライブラリ名 | 主な用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Transformers | NLPや画像・音声モデルの利用 | 数十万以上の事前学習済みモデルを簡単に呼び出せる定番ライブラリ |
| Datasets | データセットの取得・前処理 | 大規模データを効率的に扱える、ストリーミング対応 |
| Tokenizers | テキストの分割・前処理 | 高速かつ柔軟なトークナイザーを提供 |
| Accelerate | 分散学習のサポート | GPU/TPUを活用した効率的なトレーニングを実現 |
| Evaluate | モデル評価指標の利用 | 精度やF1スコアなど評価指標を簡単に実装可能 |
| Optimum | 最適化と推論の高速化 | ハードウェアに合わせた最適化機能を提供 |
| Diffusers | 画像生成モデルの利用 | Stable Diffusionなどの生成AIを簡単に実装可能 |
このようなライブラリを組み合わせることで、研究から実装、そして実用化までをスムーズに進めることができます。単なるモデル提供にとどまらず、開発全体を支える幅広いツール群を整えている点が、Hugging Faceの大きな強みといえるでしょう。
Pythonで始めるHugging Faceの使い方【初心者向け】

「Hugging Faceを実際に使ってみたいけれど、どこから始めればよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。ここでは、Python環境を準備して、Hugging Face Hubからモデルを実行するまでの基本的な流れをステップごとに解説します。
- Pythonのインストール
- エディタ(VS Code)のインストール
- ライブラリのインストール
- Hugging Face Hubでモデルを探す
- サンプルコードをコピーして実行
- 結果を確認
①Pythonのインストール
Hugging Faceを利用するには、まずPythonが必要です。公式サイトから最新版のPythonをインストールしましょう。WindowsやmacOSでは、インストーラーをダウンロードして実行するだけで簡単に導入できます。

インストール後は、コマンドプロンプトやターミナルで次のように入力しましょう。
正しくバージョンが表示されれば、Pythonの準備は完了です。
②エディタ(VS Code)のインストール
Pythonをインストールしたら、コードを書くためのエディタも準備しましょう。初心者には、無料で使いやすく、拡張機能も豊富なVisual Studio Code(VS Code)がおすすめです。

公式サイトからインストーラーをダウンロードし、案内に従ってインストールしてください。導入後にPython拡張機能を追加すれば、コード補完やデバッグ機能が使えるようになり、快適に開発できます。
③ライブラリのインストール
Python環境が整ったら、次に必要なライブラリを導入します。ここでは例として、「transformers」と「datasets」をインストールしてみましょう。
コマンドラインで次のように入力してください。
これで、Hugging Faceのモデルやデータを扱える環境が整います。

④Hugging Face Hubでモデルを探す
Hugging Face Hubは、世界中の研究者や開発者が公開したAIモデル・データセット・アプリを一元的に共有できるプラットフォームです。自然言語処理だけでなく、画像や音声、マルチモーダル分野まで幅広く対応しており、誰でも無料で利用できます。
Hugging Face Hubには膨大な数のモデルが公開されており、検索バーに「bert」「gpt」「translation」などのキーワードを入力することで、用途に合ったモデルを簡単に見つけられます。
モデルページには説明やサンプルコードがあり、そのままコピーして使えるので、環境構築が終わっていればすぐに試せるのがポイントです。

⑤サンプルコードをコピーして実行
③で表示されたモデルページには、そのまま実行できるサンプルコードが用意されています。画面右上にある「Use this model」ボタンをクリックしてみましょう。

「Transformers」「Google Colab」「Kaggle」といった選択肢が表示されますので、「Transformers」を選択。Python環境ですぐに利用できるコードが示されるため、それをコピーしてエディタに貼り付けて実行してみましょう。
なお、モデルページには、サンプルコードが2種類紹介されています。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| ① Use a pipeline as a high-level helper (pipelineを使う方法) |
|
| ② Load model directly (モデルを直接ロードする方法) |
|
②は上級者向けの使い方なので、初めてHugging Faceを触る場合は①の方法をコピーして実行すれば十分です。

もしローカルにPython環境を準備していない場合は、「Google Colab」を選択すれば、ブラウザ上で手軽に試すことも可能です。
⑥結果を確認
最後に、プログラムを実行して結果を確認してみましょう。期待通りに動作すれば、Hugging Faceを使ったAI実験の第一歩は成功です。

慣れてきたらモデルを変更したり、自分のデータで試してみたりしましょう。
初心者がPythonをマスターする方法については、こちらで詳しく解説してみます。
実際にPythonでHugging Faceを使ってみよう

Hugging Faceの使い方の概要を理解できたところで、実際にPythonでモデルを動かしてみましょう。ここでは代表的な3つのタスクを取り上げ、サンプルコードをご紹介します。
- 感情分析のサンプル
- テキスト要約のサンプル
- 翻訳(英語→日本語)のサンプル
①感情分析のサンプル
感情分析は、テキストがポジティブかネガティブかといった感情を判定するタスクです。レビューやSNS分析など幅広い分野で活用されています。
from transformers import pipeline
# 感情分析パイプラインを準備
classifier = pipeline(“sentiment-analysis”)
# サンプルテキストを判定
result = classifier(“I love using Hugging Face!”)
print(result)
上の例では、感情分析用の事前学習済みモデル(sentiment-analysis)を利用します。入力文を判定し、ラベル(POSITIVE/NEGATIVEなど)とスコアが返されるというコードです。
②テキスト要約のサンプル
テキスト要約は、長い文章を短くまとめるタスクです。ニュース記事の要約やレポートの短縮などに活用できます。
from transformers import pipeline
# 要約パイプラインを準備
summarizer = pipeline(“summarization”)
# サンプル文章を要約
text = “””
Hugging Face provides a large collection of pre-trained models
that can be used for natural language processing tasks such as
text classification, translation, summarization, and more.
“””
result = summarizer(text, max_length=50, min_length=20, do_sample=False)
print(result)
サンプルは、要約モデル(summarization)を使用している例です。長文を渡すことで、短い要約が生成されます。max_lengthとmin_lengthで要約の長さを調整可能です。
③翻訳(英語→日本語)のサンプル
翻訳タスクでは、入力した英文を日本語に翻訳します。Hugging Face Hubには多言語翻訳モデルが多数公開されており、ここでは英語→日本語を試してみましょう。
from transformers import pipeline
# 翻訳パイプラインを準備(英語→日本語)
translator = pipeline(“translation_en_to_ja”)
# 翻訳を実行
result = translator(“Hugging Face makes AI accessible to everyone.”)
print(result)
英語から日本語への翻訳モデル(translation_en_to_ja)を使用し、translatorに英文を渡すと、日本語の翻訳文が返ってきます。翻訳精度はモデルによって異なるため、Hubで用途に合った翻訳モデルを選ぶと良いでしょう。
もっとできる!Hugging Faceの応用活用法

ここまで紹介してきた感情分析や翻訳といったタスクは、Python×Hugging Faceの基本的な使い方の一部にすぎません。実際にはさらに幅広い応用方法があり、活用の幅を大きく広げることができます。
代表的な応用活用例を挙げてみましょう。
- 日本語モデルでの実践
- ファインチューニング(自分のデータで再学習)
- 画像生成や音声認識も可能
- Spacesでアプリを公開
- APIでシステムに組み込む
このように、Hugging Faceは「試す」から「作る」「共有する」までを包括的に支援してくれる強力なプラットフォームです。初心者のうちはシンプルなタスクから触れ、少しずつ応用へとステップアップしていきましょう。
Hugging Faceを始める前に!「Python基礎セミナー」

Hugging Faceをスムーズに使いこなすためには、まずは土台となるPythonの基礎力をしっかりと身につけておくことが大切です。基本的な文法やライブラリの使い方を理解していないと、モデルの実行やコードの応用でつまずきやすくなってしまいます。
そこでおすすめなのが、初心者でも短期間で効率的にPythonを学べる「Python基礎セミナー」です。基礎文法やライブラリの使い方に加え、Webスクレイピング、データ分析・画像処理、機械学習の基礎まで、実務で役立つ応用スキルも身につきます。
プログラミングの基本からAI活用の入り口までを体系的に学べるので、Hugging Faceの学習を始める前の準備として最適です。Pythonの環境構築やコードの実行に自信を持てるようになりたい方は、ぜひ受講をご検討ください。
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| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Python×Hugging Faceの使い方でAI活用につなげよう
Hugging Faceは、Python環境さえ整えば誰でも簡単に最新のAIモデルを体験できる便利なプラットフォームです。この記事では、インストールからライブラリ準備、モデルの検索、サンプルコードの実行までの流れを初心者向けに解説しました。
日本語モデルやファインチューニング、画像生成や音声認識など応用範囲も幅広く、APIやSpacesを使えば実務にもつなげられるのが魅力。まずは基本の使い方を押さえて、小さな実践から挑戦してみてください。
確かな基礎があれば、PythonとHugging Faceを活用してAIをビジネスや学習に役立てられるでしょう。






