生成AIを現場で活用する際、プロンプト設計が成果を大きく左右します。一方で、「細かなルールに縛られず、とにかく対話を重ねれば十分」と捉えている方も少なくありません。
しかし実際には、わずかな表現の工夫によって、AIの出力精度や表現力は大きく向上します。
この記事では、OpenAIガイドラインに基づくプロンプト作成の6つのコツを解説します。用途別テンプレート9選も紹介するので、ぜひコピペして実際に活用してみてください。
プロンプトとは?

プロンプトとは、AIに対して人間が行う指示や質問のことです。生成AIは自ら判断して動くのではなく、人間からの具体的な指示、つまりプロンプトに基づいて動作します。
- AIの出力精度はプロンプトで決まる
- プロンプトの構成要素
①AIの出力精度はプロンプトで決まる
プロンプトの質は、AIが生成する回答や文章の質に直結します。適切なプロンプトは、AIの作業効率を向上させ、求める結果を得るまでの作業短縮につながります。
例えば、「何か書いて」という曖昧な指示では、AIも何を基準にすれば良いか判断できず、漠然とした結果しか返せません。しかし、「読者が引き込まれるようなキャッチコピーを作成してほしい」と具体的に伝えれば、AIは目的に沿った的確な文章を生成します。
これこそが、より良いアウトプットを目指してプロンプトを調整する「プロンプトエンジニアリング」の目的でもあるのです。
②プロンプトの構成要素
プロンプトの主要な構成要素を理解しておくと、効果的なプロンプトが作れます。プロンプトの主な構成要素は次の3つです。
| 構成要素 | 意味 | 役割 |
| 指示 | 出力を促す具体的な質問や命令 | AIに実行させるタスクを明確化 |
| コンテキスト | タスクを明確化するための付加情報 | AIの推論に背景や追加情報を提供 |
| 出力インジケータ | 求める出力の形式、長さなどの指定 | AIの出力形式や特性をコントロール |
プロンプトの構成要素を知ることは、AIのポテンシャルを最大限に引き出すために欠かせません。AIと効果的なコミュニケーションを築くためにも、ぜひマスターしておきましょう。
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OpenAI公式ガイドラインのプロンプトのコツ6選

ChatGPTの開発元・OpenAIの公式ガイドラインでは、AIからより良い結果を引き出すためのプロンプト作成のコツを紹介しています。ここでは、その中から重要なポイントを読み取り、具体的な例文とともにわかりやすく解説します。
- 複雑なタスクは段階的に分ける
- 肯定的な表現で伝える
- 構造を意識する
- 具体例でイメージを共有する
- ファイルを使うときは補足を添える
- AIに役割を与える
①複雑なタスクは段階的に分ける
AIには、一度にすべての作業を指示せずに、細かいステップに分けて伝えることが大切です。例えば「売上データを分析して、改善提案を作ってください」とまとめて伝えるのではなく、以下のように段階を踏むとスムーズに意図が伝わります。
- まず、売上データの傾向を分析してください
- 次に、その傾向から課題を特定してください
- 最後に、具体的な改善案を箇条書きで挙げてください
次の作業に進むタイミングを明確に示す「トリガーと指示のセット」を使うのも効果的です。
②肯定的な表現で伝える
AIは、「〜しないでください」といった否定的な言葉より、「〜してください」といった前向きな表現に対する理解度が高いです。さらに、以下のような内容を組み合わせると、より丁寧で落ち着いたやりとりができます。
- 時間をかけて検討してください
- 一度深呼吸してから取り組んでください
- 作業内容を確認しながら進めてください
③構造を意識する
プロンプトの内容が整理されていると、AIはスムーズに理解できます。以下のようなマークダウンを使って、情報を見やすく構成しましょう。
- 見出しを使って、全体の流れを整理する
- 太字やイタリックでポイントを目立たせる
- 箇条書きや番号付きリストで順序を示す
- 段落の間には適度にスペースを空ける
④具体例でイメージを共有する
AIには、希望する出力の具体例を見せると伝わりやすくなります。このようなプロンプト入力術を「数ショットプロンプト」といい、具体的には以下の様に入力します。
以下を参考に、「○○」の文をリスト化してください。
今日の献立はカレーライス、サラダ、スープです。デザートはプリンでした。
【出力例】
・カレーライス
・サラダ
・スープ
・プリン
この「数ショットプロンプト」は、日付や値段など正確性を要する出力時に効果的です。
⑤参照文を使うときは補足を添える
ファイルや見本文を参照してもらうときは、処理方法を具体的に伝えましょう。以下のような補足があると、意図が伝わりやすくなります。
- ファイル全体を一度確認して全体像を把握してください
- 日付や数値などの情報は正確に記述してください
- 読者に寄り添った柔らかい表現にしてください
⑥役割を与える
AIに役割を与えるのもプロンプトのコツの一つです。AIは与えられた役割に沿った知識や表現を優先的に使用するため、回答の質と精度が向上します。具体例を以下に挙げてみましょう。
- 広報担当者
- 敏腕マーケター
- 中学生教師
このようなポイントを意識してプロンプトを工夫することで、やりとりがスムーズになり、期待に近い結果が得られるようになります。
参照:OpenAI「カスタムGPTの指示書作成に関する主なガイドライン」
コツを押さえたChatGPTプロンプトテンプレート6選

プロンプト入力のコツを押さえたところで、ここからはプロンプト作成のコツを踏まえたChatGPTのテンプレートを、目的別に6つご紹介します。これらのテンプレートを参考に、日々の業務や学習に生成AIを活用してみてください。
- ビジネスメール
- アイデア出し
- 要約
- 議事録作成
- 学習支援
①ビジネスメール
まずは、ChatGPTを使ったビジネスメールのテンプレートを紹介します。このときのプロンプト入力のコツは、曖昧さをなくし、正確な情報を伝えることです。
依頼:新しい製品発表に関するプレスリリース送付のメールを作成
対象:メディア関係者
目的:発表会への参加を促す
トーン:丁寧かつワクワクさせる表現
形式:件名と本文を含むメール形式
【含める情報】
発表会の日時(〇月〇日〇時)
場所(△△会場)
製品の主要な特徴を3点(革新的デザイン、省エネ性能、手頃な価格)
②アイデア出し
次は、企画立案や課題解決などに使えるアイデア出しのテンプレートをご紹介します。プロンプト入力のコツは、制約条件を明確にすること、そしてターゲットユーザーの興味関心を深く把握することです。
依頼:若年層向けの新しいSNSキャンペーンのアイデアを5つ提案
テーマ:環境保護
対象ユーザー:10代後半〜20代前半の学生
制約:予算は〇〇円以内、TikTokとInstagramで展開
形式:各アイデアを箇条書きで、簡潔にまとめる
【含める情報】
キャンペーン名
目的
具体的な企画内容
③要約
3つ目は、PDF資料、ネット上の記事を要約するプロンプトのテンプレートです。この際、AIに「何を」「どうやって」「何のために」要約してほしいかを明確に伝えるのがコツです。
Webサイトのポイントをまとめる
特に知りたい情報:一番大事な話と最終的な結論
文字数:100字程度
サイトのアドレス:https://〜〜〜 (URLが貼れない場合は、ここに内容を貼付)
PDF資料の重要な部分を抜き出す
目的:プレゼンで使うために、大切な点を分かりやすくまとめる
文字数:400字程度
資料の内容:〜〜〜(ファイルが送れない場合は、ここに内容を貼付)
④議事録作成
続いて、議事録を作成するプロンプトのテンプレートをお伝えします。この際、必要な項目や目的を明確に伝えるのがコツです。
必ず含める項目:会議の日時、参加者、主な発言、決定事項、次回予定
まとめ方:箇条書き
会議の内容:〜〜〜(ファイルが送れない場合は、ここに内容を貼付)
⑤学習支援
最後に、学習時の課題解決に役立つテンプレートをご紹介しましょう。
依頼:AIの「機械学習」を具体例を交えて分かりやすく解説
対象:AIの基礎知識がない中学生
表現方法:簡単な言葉遣いで、専門用語は補足説明を加える
含める要素:機械学習の具体的な活用例を3つ
形式:Q&A形式で、質問と回答のペアを提示
画像生成AIのプロンプト入力のコツ

続いて、画像生成AIのプロンプトと入力のコツをお伝えします。
- プロンプト入力は「順番」が重要
- 短く簡潔なキーワードで指示
②プロンプト入力は「順番」が重要
画像生成AIは、プロンプトに書かれた内容の順番によって、生成される画像の優先度が変わります。AIに意図通りの画像を生成してもらうには、以下の順番で記述するのがコツです。
| 記述順・要素 | 概要 | 具体例 |
| 1. 主な被写体・テーマ | 画像の中心となる要素 | 白い猫、女子高校生、未来都市 |
| 2. 被写体の状況・行動 | 何をしているか、どんな状態か | 街角に立っている、雨が降っている |
| 3. 被写体の構図 | 被写体の配置や画像の構図を指定 | バストアップ、全身、フレーム構図 |
| 4. 画風・スタイル | 画像の雰囲気や表現を指定 | アニメ風、写真風、デジタルアート |
| 5. 詳細・要素の追加 | 服装、光など具体的要素を記述 | ロングストレートヘア、制服、逆光 |
| 6. 画質・強調表現 | 画像の品質や特殊効果を指定 | 超高精細、シネマティック |
なお、上記の順序はあくまで目安で、多少前後しても問題ありません。ただし、一番伝えたい要素を最初に配置し、主な被写体を中心に描写するのがコツという点は踏まえておきましょう。
②短く簡潔なキーワードで指示
画像生成AIを使う際は、各要素を「、」(カンマ)で区切り、短く簡潔に記述することもコツです。画像生成AIは、ChatGPTのような文章生成AIとは異なり、長文での状況説明よりも、個々のキーワードからイメージを抽出します。
例えば、Stable Diffusionでは、入力文字数が75文字を超過すると、それ以降の指示は画像に反映されにくくなります。できる限り必要な情報を厳選し、冗長な表現は避けて記述しましょう。
コツを押さえた画像生成AIテンプレート3選

では、上記のコツを踏まえた画像生成AIのテンプレートを3つご紹介します。ここでは、それぞれのプロンプトで実際に生成したChatGPTの画像も添付しているので、プロンプトの効果をぜひ確認してみてください。
- イラスト
- 写真風
- ロゴデザイン
①イラスト

イラスト風の画像は、まずメインの要素を明確にし、その後に画風や色合い、背景などのディテールを追加しましょう
②写真風

リアルな写真のような画像を生成したいとき、撮影環境や被写体の質感、光の表現などを具体的に指定するのがコツです。プロンプトの最後に必ず写真風と入力しましょう。
③ロゴデザイン

印象的なロゴをデザインしたいときは、プロンプトの冒頭に「ロゴデザイン」と指定しておくと、ロゴに関するデザイン原則、構図の優先度を高めます。
画像生成AIのやり方については以下の記事で解説しています。以下の記事は、マイクロソフトアカウントがあれば簡単にできる「Copilot」の使い方を解説しているので、これから画像生成AIをはじめる方はぜひ参考にしてください。
プロンプトのコツを押さえる前の注意点
AIに意図通りの回答をさせるには、プロンプトのコツを知ることが大切です。しかし、その前にいくつか押さえておくべき点があります。
- 誤情報が含まれることがある
- 個人情報や機密情報は入力しない
- 著作権の扱いに注意する
生成AIにはこういったリスクがあるため、プロンプトのコツを覚える前に、内容の正確性をチェックし、商用利用の可否も必ず確認しましょう。
生成AIセミナーでは、トラブルを避けるプロンプト入力のコツを分かりやすく学べます。AIを安心して活用したい方は、ぜひこの機会に適切なプロンプトを作成するスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。
プロンプトのコツについてまとめ
プロンプトのコツは、明確かつ具体的に伝えることです。その他、AIに役割を与え、情報を順序立てて書くなど、効果的なプロンプト作成のコツはいくつもあります。
生成AIの業務活用をレベルアップするためにも、ぜひ本記事のテンプレートを参考にしながらプロンプトのコツを身につけてみてください。





