【2025】Pythonでアプリ開発はできる?用途や学習手順、デメリットも解説

PythonはAIやデータ分析の分野で人気ですが、「アプリ開発にも使えるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。結論、アプリ開発のジャンルによって向き不向きが大きく分かれるのが現状です。

本記事では、Pythonで開発できるアプリの種類や他言語との比較、学習の手順をわかりやすく解説します。さらに、挫折しやすい理由や公開の難しさなどデメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

Pythonでアプリ開発は可能?

Pythonはデスクトップアプリはもちろん、スマホアプリ開発にも利用できます。FlaskやDjangoでWebサービスを作成したり、KivyやBeeWareでAndroid・iOS向けアプリを開発したりすることも可能です。

AIやデータ分析との相性も良く、幅広い分野で活用できる汎用的な言語です。

どれを学ぶべき?PythonとJavaなど他言語を比較

アプリ開発に挑戦する際、多くの人が「結局どの言語を学ぶべきなのか」で悩みます。Pythonは学習コストの低さから人気がありますが、他にもJavaやSwift、C++といった選択肢があります。

それぞれの特徴と得意分野を整理すると、進むべき方向が見えやすくなりますので、まずは以下をご覧ください。

言語得意分野・強み主な用途特徴・メリット注意点
Python
  • AI・機械学習
  • データ分析
  • Webアプリ
  • 教育
  • Webアプリ
  • デスクトップアプリ
  • AI搭載アプリ
  • 文法がシンプルで学びやすい
  • 豊富なライブラリと情報量
  • モバイル・ゲームには弱い
  • 処理速度が遅め
Java
  • 大規模業務システム
  • Androidアプリ
  • 金融システム
  • Androidアプリ
  • 業務システム
  • サーバーサイド
  • 堅牢性が高く
  • 大規模開発や案件数が豊富
  • 文法がやや複雑
  • 学習コストが高め
Swift
  • iOSアプリ
  • Apple製品向け開発
  • iPhone/iPadアプリ
  • Macアプリ
  • Apple公式言語でサポートが手厚い
  • UI開発がスムーズ
iOS以外の領域では使い道が少ない
C++
  • ゲーム
  • 組み込みシステム
  • 高速処理
  • ゲームエンジン
  • OS開発
  • ハード制御
  • 高速処理・メモリ効率に優れ
  • グラフィック系に強い
  • 習得難易度が高く
  • 初心者には不向き
JavaScript/TypeScript
  • Webフロントエンド
  • Webアプリ全般
  • SPA(シングルページアプリ)
  • 動的Webサイト
  • Web開発の必須スキル
  • 需要が高い
モバイル・AI用途では弱い

上記をざっくりまとめると、以下のようになります。

  • Python は「学びやすく、AIやWebに強い」言語
  • Java は「大規模システムやAndroidで圧倒的な強さを誇る」言語
  • Swift は「iOSアプリ開発をしたい人向け」
  • C++ は「ゲームや高速処理を極めたい人向け」
  • JavaScript/TypeScript は「Webサービスやフロントエンドに必須」

初学者なら先にPythonを選ぶよりも、「将来どんなアプリを作りたいか」を先に決めて、言語を選ぶのが賢明です。AIやWebを触りたいならPythonですが、AndroidならJava/Kotlin、iOSならSwiftなどのほうが一般的です。

高度なゲームならC++のほうが推奨されており、逆にPythonはゲーム系にそれほど強くはありません。自分の目的に合わせて言語を選び、学習を進めていくようにしましょう。

Pythonで開発できるアプリの種類

ここでは、Pythonで開発できるアプリの種類を以下のとおり紹介します。

  1. デスクトップアプリ開発(Windows/Mac両対応)
  2. Webアプリ開発(Flask/Djangoなど)
  3. スマホアプリ開発(Kivy、BeeWareでAndroid/iOS対応)
  4. AI・機械学習を活用したアプリ開発
  5. IoTや業務システム連携

①デスクトップアプリ開発(Windows/Mac両対応)

Pythonでは、TkinterやPyQt、Kivyといったライブラリを使うことで、WindowsやMac対応のデスクトップアプリを簡単に作成できます。メモ帳や家計簿ツール、業務サポートアプリなど、日常的なユーティリティ開発にも最適です。

GUIを備えたアプリ開発も短時間で行えるため、初心者の練習にもよく利用されます。

②Webアプリ開発(Flask/Djangoなど)

PythonはWebアプリ開発の分野でも非常に人気が高く、軽量な「Flask」や本格的な「Django」といったフレームワークが充実しています。ログイン機能付きサイトや掲示板、ECサイトなどを効率的に構築でき、サーバーサイドの処理もシンプルに実装可能です。

③スマホアプリ開発(Kivy、BeeWareでAndroid/iOS対応)

Pythonでも、Kivy や BeeWare を使えばAndroid・iOS向けのスマホアプリ開発ができます。デザインやパフォーマンス面ではJavaやSwiftに劣りますが、学習目的や小規模アプリの制作には十分実用的です。

④AI・機械学習を活用したアプリ開発

PythonはAI・機械学習分野の代表的言語であり、TensorFlowやPyTorch、scikit-learnなどの豊富なライブラリが利用可能です。画像認識や音声解析、レコメンド機能などを組み込んだ「AI搭載アプリ」も手軽に作れます。

Chatbotや自動判定アプリなど、AIと連携した開発をしたい人に最も適した言語といえます。

⑤IoTや業務システム連携

Pythonはセンサー制御やデータ収集を行うIoT開発にも多く採用されています。Raspberry Piなどの小型デバイスとの相性がよく、家庭用のスマート家電や業務用モニタリングシステムを構築できます。

また、API連携やデータベース操作も得意なため、社内の業務効率化ツールや自動化システムの開発にも適しています。

Pythonがアプリ開発で選ばれている理由

Pythonがアプリ開発で選ばれている理由

ここでは、Pythonがアプリ開発で選ばれている理由として、以下の2つを紹介します。

  1. 文法を含め学習コストが低いから
  2. ライブラリやコミュニティが豊富にあるから

①文法を含め学習コストが低いから

理由1つ目は、文法を含め学習コストが低いからです。複雑な構文を覚えなくても直感的にコードを書けるため、プログラミング未経験者の入門にも最適です。

実際に教育機関でも導入が進んでおり、学びやすさと実用性を両立できる点が、アプリ開発で選ばれる大きな理由です。

②ライブラリやコミュニティが豊富にあるから

ライブラリやコミュニティが豊富にあることも、Pythonが使われる理由です。Web開発、AI、データ処理、GUI構築など、あらゆる開発を支えるツールが揃っており、トラブルが発生してもネット上で解決策を見つけやすいのが強みです。

Pythonでアプリ開発する手順

ここでは、実際にPythonでアプリ開発する大まかな手順を紹介します。

  1. 書籍やインターネットで基礎を理解する
  2. 実際にアプリを作成する
  3. GitHubで公開する
  4. 実際の案件に挑戦してみる

①書籍やインターネットで基礎を理解する

Pythonでアプリ開発を始めるには、まず言語の基礎文法や開発環境の使い方を理解することが大切です。入門書やProgate・ドットインストールなどの学習サイトを活用し、「変数」「関数」「クラス」「モジュール」といった基本構文を身につけましょう。

以下の記事では、Pythonを学べるサイト11個を厳選して紹介していますので、ぜひご覧ください。

【2025】Python学習サイト11選!学習期間・ロードマップ・難易度を徹底解説

②実際にアプリを作成する

基礎を学んだら、次は小さなアプリを自作してみる段階です。最初は電卓やメモ帳などシンプルなアプリから始め、徐々にWebアプリやデスクトップアプリへとステップアップしていきましょう。

小規模でも自分の手で動くものを作ることで、理解が深まり、学習意欲も維持しやすくなります。チュートリアルを真似るだけでなく、少しずつ自分のアイデアを組み込むのがコツです。

③GitHubで公開する

作成したアプリは、GitHubに公開してみましょう。コードをオンライン上に保存・共有できるため、ポートフォリオとして活用したり、他の開発者からフィードバックをもらったりできるからです。

またGitやGitHubの基本操作を学ぶことで、バージョン管理の重要性も理解でき、現場におけるチーム開発へ参加する際にも役立ちます。

④実際の案件に挑戦してみる

基礎と制作経験を積んだら、実際のアプリ開発案件に挑戦することでスキルを実践レベルへ引き上げましょう。クラウドソーシングサイトや学習サービスの実践課題を活用すれば、報酬を得ながら経験を積むことも可能です。

小規模案件から始めて、少しずつ責任ある開発へステップアップしていくのが理想です。とはいえ、9割の人は、書籍やインターネットで基礎を理解し、実際にアプリを作成するフェーズで挫折してしまうものです。

Python基礎セミナー講習なら、短期間でPythonの基礎文法からデータ分析・AI実装・自動化までを体系的に学べます。未経験者でもPython3エンジニア認定試験レベルのスキルを身につけられ、AIや業務効率化ツールの実例を交えながら、実務で通用する力を育成できるので、独学でつまずいた方にも最適です。

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また、Pythonスキルを活かす案件を探すなら、ぜひ以下の記事も参考にしてください。

【2025】Pythonスキルを活かせる仕事10選!将来性・必要スキル・学び方を徹底解説

Pythonアプリ開発のデメリット・注意点

Pythonアプリ開発のデメリット・注意点

Pythonアプリ開発のデメリット・注意点を紹介します。

  1. 簡単だと思って手を付けると挫折しやすい
  2. デプロイ・公開がやや面倒
  3. 高度なゲーム開発やグラフィック系には不向き

①簡単だと思って手を付けると挫折しやすい

Pythonは文法が平易で初心者にも人気ですが、「簡単にアプリ開発ができる」と誤解されがちです。実際には、環境構築や外部ライブラリの設定、UIデザインなどでつまずく人が多く、途中で挫折してしまうケースも少なくありません。

基礎文法以上の理解が求められるため、焦らず段階的に学ぶ姿勢が大切です。

②デプロイ・公開がやや面倒

Pythonでアプリ開発し、実際に配布・公開するには、依存関係の解決や動作環境の違いに注意する必要があります。たとえばスマホアプリをストアに出す場合、追加のビルド工程やツールが必要で、JavaやSwiftに比べて手順が複雑です。

③高度なゲーム開発やグラフィック系には不向き

Pythonは処理速度が遅く、リアルタイム描画や3Dグラフィックを多用するゲーム開発や映像処理にはあまり向いていません。C++やC#のような高速言語と比べると、動作が重くなりやすいため、大規模ゲームやハイエンドアプリの開発には不利です。

Pythonのアプリ開発におけるよくある質問

最後に、Pythonのアプリ開発におけるよくある質問に回答していきます。

なぜ「Pythonはやめとけ」と言われる?
主に「動作が遅い」「スマホアプリに不向き」「実務案件が少ない」といった理由からです。Pythonは万能ではなく、目的によってはJavaやSwiftのほうが適している場合があるため、やめとけと言われます。
Pythonでのアプリ開発の挫折率はどのくらい?
正確な統計はありませんが、学習者の約7〜8割が途中で挫折すると言われます。文法は簡単でも、環境構築やUI設計などでつまずくケースが多いので、ある程度覚悟をもって挑戦する必要はあります。
独学で挫折することを心配しているなら、Python基礎セミナー講習の活用がおすすめです。こちらでは挫折してしまいがちなポイントも、サポートのもと実践的な課題を通して学べます。
Pythonでスマホアプリ開発はできますか?
Pythonでスマホアプリ開発は可能です。Kivy や BeeWare を使えば、Android・iOSの両方に対応したアプリを作れます。ただ、ネイティブ開発ほど自由度や性能は高くありません。

Pythonでのアプリ開発についてまとめ

PythonはWeb・デスクトップ・AI分野など幅広く活用できる言語で、アプリ開発も十分可能です。文法がシンプルで学びやすいため、初心者がプログラミングを始めるきっかけとしても向いています。

一方、スマホアプリや高負荷なゲーム開発などには不向きな面もあります。まずは小規模なアプリから挑戦し、学習を進めながら自分の得意分野を見つけていくのがおすすめです。

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