Pythonでプログラミングを勉強していて、appendがわからない方もいるかもしれません。appendはプログラミングにおける要素追加の方法で、マスターすれば本格的なリスト作成に役立ちます。
今回は、プログラミングでappendを学びたい方のために定義や使い方をまとめました。この記事をを読めば、プログラミングの新しいテクニックを覚えられ、リスト作成がスムーズになるでしょう。
appendとは
「append」とは、プログラミングメソッドの一種で、リストに対する要素追加の方法です。もともと日本語では「添える」「付加する」と訳されます。以上から転じてプログラミングでは、リストへの新しい要素の追加に用いられるのです。
たとえば、家電製品のネットショップで、商品のリストを作っているとしましょう。冷蔵庫のリストに対し、小型冷蔵庫のリストを加えたい場合は、appendというテクニックを使えば、小型冷蔵庫に特化したリストを、従来の冷蔵庫内のリストに加えられます。
このようにappendができれば、新情報の追加ができます。マスターすれば、リスト作成がよりスムーズになるでしょう。状況に応じてリストの内容を変えられるように、appendの勉強は欠かせません。
基本的な使い方と似た概念との違い
ここではappendについて、基本的な使い方を解説します。似た概念に「extend」や「insert」もありますが、それぞれappendとは違うので注意してください。基本的な使い方を踏まえ、extendやinsertとの違いも見ていきましょう。
appendの基本的な使い方
appendを使用するには、対象となるリストが必要なので、最初に以下の形でコードを書いてください。
a = [1,2,3]print(a)
上記コードの実行結果は以下のとおりです。
[1,2,3]
このようにリスト自体は、シンプルなコードで実行できます。
状況によって、リスト追加が必要な場合もあるでしょう。そこでappendを用いて、以下のようにコードを書いてください。
a = [1,2,3]a.append([4,5])print(a)
ここでは1,2,3に対し、新たに4と5のリストを追加しています。実行結果は以下のとおりです。
[1,2,3,[4,5]]
既存のリスト内に、4と5からなるリストが加わりました。ただし注意点として、リストの最後にしか新しいものを追加できません。リストの途中への追加は、appendでは不可能なので注意してください。
extendとの違い
extendも要素をリストに加えるメソッドですが、末尾にタプルや別リストを結合させるのが特徴です。末尾に要素を追加するだけのappendとは、やり方が違います。末尾へ入力する点は共通しているため、混同しないように気をつけてください。extendの場合、基本的な使い方は以下のとおりです。
a = [1,2,3]b = [4,5,6]a.extend(b)print(a)print(b)
リストaに対しbを加えたいときは、このように書きます。実行結果は以下のとおりです。
[1,2,3,4,5,6][4,5,6]
リストaに4から6までが加わり、リストb自体は変化していません。appendはリストの末尾に別リストを追加できますが、こちらは別リストの項目を末尾に加えています。
insertとの違い
insertはリストの指定位置への追加が可能で、末尾のみに別リストを追加できるappendとは違います。基本的なコードの書き方は以下のとおりです。
a = [1,2,3]a.insert(2,1.5)print(a)
リストa内のリスト内番号を指定し、入れたい値を決めると、以下の実行結果になります。
[1,2,1.5,3]
リスト要素のひとつである3の前に、1.5が付加されました。このようにinsertはappendと違い、リストの末尾以外への追加も可能です。
appendの応用的な使い方
appendを使えば数値や文字列など、さまざまなものを追加できます。マスターすれば、リストの作成が楽になるでしょう。for文の使用や異なる型の追加など、本格的な作業でもappendが役立ちます。6つのケースにおける、正しい使い方を見ていきましょう。
数値の追加
数値を追加する場合は、以下のコードを書いてください。
list_a[1,2,3,4]list_a.append(5)print(list_a)
リストaを指定し、数値5の追加を求めたところ、以下の実行結果になります。
[1,2,3,4,5]
4までだったリストに、5が加わりました。appendはリストの末尾にのみ情報を追加できるので、新しい数値を単純に加えるなら、上記のやり方が推奨されます。
文字列の追加
文字列を追加するなら、以下のメソッドを使ってください。
list_a[apple,orange,grape]list_a.append(strawberry)print(list_a)
リストaを指定し、果物のリストにstrawberryを加えるよう指示します。実行結果は下記のとおりです。
[apple,orange,grape,strawberry]
果物のリストの末尾にstrawberryが加わりました。ただし末尾ではなく、リストの途中に加えたい場合は、insertを使わなければなりません。
数値と文字列の混在
リストによっては数値と文字列が混在することもあります。しかしその場合も、特別なテクニックは必要ありません。appendを使うだけで、以下のように対応できます。
list_a[1,2,3,4]list_a.append(total)print(list_a)
実行結果は以下のようになります。
[1,2,3,4,total]
数値のあとに文字列を加えたあとでも、エラーは起きないでしょう。従来どおり、末尾に「total」を追加できました。このようにappendは数値と文字列の混在を問わないので、気軽に利用できます。
別のリストの追加
リスト内に別のリストを加える場合は、以下のコードを書きましょう。
list_a[apple,orange,grape]list_b = [onion,carrot]list_a.append(list_b)print(list_a)
ここではaの果物のリストを指定し、野菜のリストの追加を求めています。以下が実行結果です。
[apple,orange,grape,[onion,carrot]]
果物のリストのあとで、野菜のリストが追加されました。特定リスト内に別のカテゴリーを作りたい場合は、上のようなメソッドが推奨されます。
異なる型の追加
空のリストを作ったうえで、数値や文字列を足すことも可能です。以下のようにコードを書いてみましょう。
list_a = [ ]list_a.append(carrot)list_a.append(1)list_a.append(85)
ここではcarrot(人参)1本の値段が、85円であることを示そうとしています。以下が実行結果です。
[carrot,1,85]
上記コードに対し、さらに別の野菜の値段を追加するとしましょう。リストbとして、potato(じゃがいも)1個の値段が75円であることを示すために、以下のコードを書きます。
list_b = [ ]list_b.append(potato)list_b.append(1)list_b.append(75)
さらに[list_vegetable]を作り、そこへ[list_a]と[list_b]を加えます。
list_vegetable = [ ]list_vegetable.append(list_a)list_vegetable.append(list_b)print(list_vegetable)
実行結果は以下のとおりです。
[[carrot,1,85],[potato,1,75]]
このように、野菜とその値段のリストが完成します。appendをマスターすれば、上記のように本格的なリストを仕上げられるので、実践してみましょう。
for文を用いた長いリスト
for文でappendを使えば、長いリストを作成できます。以下のように書いてみましょう。
list_a = [ ]for x in range(7):list_a.append(x)print(list_a)
以下が実行結果です。
[0,1,2,3,4,5,6]
リストの数値は0から始まるので、0から6までの7つの数字が列挙されています。ただしfor文でリストを作る場合「list_a.append(x)」の行に関して、インデントが必要です。こちらを忘れると、思いどおりの実行結果を得られません。以上に注意すれば、appendを使って好きな長さのリストを生み出せるでしょう。
Pythonのappendは、複数要素の同時追加は不可能
Pythonのappend使用時は、複数要素の同時追加を試みるとエラーが起きることがあります。文字列と数値のように異なる型は使えますが、同じ型の2つ以上の要素は使えません。以上からappendを使う場合は、ほかの要素の使用を控えてください。
Pythonのappendについてまとめ
Pythonのappendはリストの末尾に対して、別の文字列やリストを追加できます。数値と文字列のように複数の型の追加も可能なので、柔軟に活用できるでしょう。プログラミングではリストの作成機会が想定されるため、appendの勉強は欠かせません。状況に応じた正しい使い方を練習しましょう。