統計検定のデータサイエンスは難しい?難易度と合格率を種類別に詳しく解説

データサイエンスに関する検定として有名なのは、統計検定です。データサイエンスの専門家を目指す人は、合格しておいた方が良いでしょう。
そして、検定を受ける際には、難易度を知っておくことが大切です。
では、統計検定のデータサイエンスはどれくらいの難易度があるのか、詳しく解説していきます。

統計検定データサイエンスの概要

統計検定は、様々な統計に関する知識が問われる検定です。そして、種類が豊富で、全部で10種類あります。その内3種類が、データサイエンスに関するものです。
他の種類では、統計に関する全般的な知識や、統計調査に関する知識が問われます。データサイエンスの場合、問われるのは、膨大なデータを分析して有効的に活用するための知識やスキルです。
そして、難易度が低い順から、データサイエンス基礎、データサイエンス発展、データサイエンスエキスパートに分類されます。

データサイエンス基礎の概要

名前の通りデータサイエンスの中では基礎的な内容が問われる検定で、2021年から実施が始まった、統計検定の中でも比較的新しい種類です。
主にExcelを使用したデータサイエンスが中心であり、合格するには関数やピポットテーブルなどの機能を使いこなす必要があります。

データサイエンス発展の概要

データサイエンス基礎と同じ、2021年から開始された検定です。基礎を発展させた形で、よりレベルの高い内容が問われます。
特徴的なのは、プログラミング言語であるPythonを使用した分析が含まれている点です。
そして、ビジネスシーンで強い効果を発揮できるのが、データサイエンス発展以上とされることは珍しくありません。そのため、実用的な検定として、データサイエンス発展の合格を目指す人も大勢います。

データサイエンスエキスパートの概要

データサイエンスエキスパートは、統計検定の中でも最も新しい種類です。発展よりもレベルの高い検定として作られ、2023年に実施が始まりました。
3種類ある統計検定のデータサイエンスの中で最もレベルが高いため、合格すると、データサイエンティストとしての大きなステータスになります。

統計検定データサイエンスの種類別難易度と合格率

それでは、統計検定のデータサイエンスの難易度について、確認していきましょう。
データサイエンス基礎、データサイエンス発展、データサイエンスエキスパートの3種類とも、100点満点中60点以上を獲得できれば合格です。ただ、それぞれ難易度が大きく異なります。そのため、種類ごとに難易度の解説をしていきます。

データサイエンス基礎の難易度と合格率

データサイエンス基礎では、微積分や線形代数などの数学的知識が必要です。また、実技試験では、エクセルを使ったデータ分析を行わなければなりません。その難易度は、およそ大学入試レベルです。

統計検定データサイエンスはいずれも、合格率が公表されていません。そのため、データサイエンス基礎の合格率も不明確です。ただ、統計検定2級が大学の基礎レベル、3級が高校レベルなので、データサイエンス基礎の難易度は2級と3級の中間と考えられます。
統計検定2級の合格率は約35%、3級は75%程度なので、間を取って55%前後の合格率と考えると良いでしょう。データサイエンスの中では最も難易度が低いため、合格率は高めです。

データサイエンス発展の難易度と合格率

データサイエンス発展では、基礎と同様に大学レベルの数学的知識が求められます。そして、プログラミングやAIに関する問題が多いのが特徴です。
難易度としては、大学基礎レベルに設定されています。
同様の大学基礎レベルの統計検定2級の合格率は、約35%です。データサイエンス発展の合格率が同程度であれば、簡単に合格できるとは考えない方が良いでしょう。

特にプログラミングに関する専門的な知識を持っていない人は、出題数が多いプログラミング関連の問題に正答できないことで、合格できる可能性が下がりやすいです。

データサイエンスエキスパートの難易度と合格率

データサイエンスエキスパートは、発展の上位に当たります。そのため、よりレベルの高い数学的知識が必要です。さらに、統計モデリングや領域知識など、大学で専門的に習う内容まで把握していなければなりません。
したがって、大学の専門レベルである、統計検定準1級や1級と同等の難易度と捉えておきましょう。準1級と1級は合格率に大差はなく、いずれも約25%です。データサイエンスエキスパートの合格率も、同程度と考えられます。

エンジニアのように、すでにデータサイエンスに詳しくなっている人でなければ、1回で合格するのは難しいかもしれません。

統計検定のデータサイエンスを受けるメリットとは

統計検定のデータサイエンスには、具体的にどのようなメリットがあるのかがわからないため、受けようかどうか迷っているという人は多いのではないでしょうか。
そこで、統計検定のデータサイエンスを受けるメリットを、いくつかご紹介します。

情報分析系企業への就職に有利

統計検定のデータサイエンスに合格したという事実は、大きなステータスになります。情報化が進んでいる現代では、データサイエンティストの需要は高いです。
そして、なるべく豊富な知識を持っている人が欲しいと考えている企業が大部分を占めます。統計検定のデータサイエンスに合格したという実績があれば、そういった企業の目にも留まりやすいでしょう。
特にデータサイエンス発展やエキスパートに合格した人は、多くの企業から必要とされる可能性が高いです。選択肢が多ければ、より条件の良い企業に就職することも不可能ではないでしょう。

大学や大学院での評価が高くなりやすい

将来的に大学または大学院で、データサイエンスについて専門的に学びたいと考えている人も多いでしょう。そのような人にとって、統計検定のデータサイエンスに合格していると、評価が高くなりやすいのがメリットです。
在学中の評価だけでなく、入学に有利になる可能性もあります。また、すでに在学している人が、評価を高めるためにデータサイエンスに合格するというのも良いでしょう。

明確な目標に向けて学ぶことができる

統計検定のデータサイエンスは、たとえ合格できなかったとしても、それまでに身に付けた知識やスキルがなくなるわけではありません。その知識やスキルを、仕事などに役立てられるのもメリットです。
そして、データサイエンスに関して学ぶ場合、何を目標にすれば良いのか迷う人は少なくありません。そのような人は、統計検定のデータサイエンス合格を目標にすれば、モチベーションを維持したまま学習を続けられるでしょう。

統計検定のデータサイエンスに合格するための学習方法

統計検定のデータサイエンスに合格するためには、勉強が欠かせません。
では、どのように勉強をすれば良いのかを解説します。

書籍を参考にしながら独学

統計検定は、独学で合格を目指す人も大勢います。そして、統計検定のデータサイエンスも、独学で合格することは不可能ではありません。
あらかじめ公表されている出題範囲を把握した上で、その範囲に該当する書籍を集めて学習をしましょう。
ただ、データサイエンスはどの種類も新しいため、過去問が充実していません。そのため、どのような問題が出るのかを自分で予想しながら、勉強を進めていくことになります。したがって、人によってはハードルが高いでしょう。

データサイエンス対策用の講座を受講する

効率的にデータサイエンスの合格を目指したいのであれば、講座の利用をおすすめします。データサイエンスに詳しい専門家から指導してもらえるので、初心者であっても合格できる可能性は高いです。
独学のように、自ら出題範囲を確認したり、書籍を集めたりする手間もありません。
ただ、講座はあくまでもサービスなので、独学よりも費用がかかります。費用と、手軽さや確実性などを天秤にかけて、どちらにするのかを決めましょう。

統計検定のデータサイエンスまとめ

3種類ある統計検定のデータサイエンスは、どれも簡単に合格できるものではありません。そのため、合格すれば、データサイエンスに関する豊富な知識を持っている、限られた人材だということを証明できます。多くの企業から必要とされ、活躍できる場面が増えるでしょう。
したがって、データサイエンスの専門家として活躍したいのであれば、最適な勉強方法を選んで、早めに合格しておくことをおすすめします。

最新情報をチェックしよう!