PythonでExcel読み込みを実行する方法には、大きく分けて2つの代表的なアプローチがあります。目的や業務内容に応じて適切な方法を選ぶことで、Excel作業を効率化できるのが魅力です。
この記事では、PythonによるExcel読み込みの基本的な考え方から、実務で役立つ応用方法、よくあるエラーの対処法までを分かりやすく解説します。
PythonのExcel読み込みを活用し、日々の業務を効率化しましょう。
PythonでExcelファイル読み込みを行うメリット
PythonでExcelファイル読み込みを行うようになると、これまで手作業で行っていたExcel業務を大きく効率化できます。ここでは、PythonでExcel読み込みを行うことで得られる代表的なメリットを、実務視点で整理して紹介します。
- Excel作業を自動化できる
- 大量データや複数ファイルを効率的に処理できる
- データ加工・分析まで一貫して行える
- 定期処理やシステム連携に対応しやすい
①Excel作業を自動化できる
PythonのExcel読み込みの最大のメリットは、繰り返し発生するExcel作業を自動化できる点です。毎日・毎月の集計作業やデータ転記、フォーマット変換などをPythonスクリプトとして記述すれば、ボタン一つ、または定期実行で処理できます。
人の手で行う作業が減ることで、入力ミスや計算ミスといったヒューマンエラーの防止にもつながります。Excelマクロよりも可読性が高く、処理内容を把握しやすい点は、Pythonならではの利点と言えるでしょう。
②大量データや複数ファイルを効率的に処理できる
Excel上では扱いづらい大量データや多数のExcelファイルを扱う場合でも、Pythonなら効率的に処理できます。Pythonのpandasライブラリを使ったExcel読み込みでは、数万行規模のデータでも高速に読み込みが可能です。
さらに、複数のExcelファイルをループ処理で順番に読み込み、まとめて集計・加工することもPythonでは簡単に行えます。人が一つずつファイルを開いて確認する必要がなくなるため、作業時間を大幅に短縮できるのが、PythonでExcel読み込みする大きなメリットです。
③データ加工・分析まで一貫して行える
PythonでExcel読み込みをすれば、データの加工や分析までを一つの流れで実行できます。さらに、統計処理やグラフ作成、可視化ライブラリと組み合わせることで、分析結果をそのままアウトプットすることも可能です。
Excel上で関数を組み合わせて分析するよりも処理内容が明確になり、再利用しやすくなります。データ前処理から分析までをPython内で完結できる点も、Excel読み込みを行うメリットといえるでしょう。
④定期処理やシステム連携に対応しやすい
PythonでExcel読み込みを行う処理は、定期処理や他システムとの連携にも向いています。Pythonスクリプトをタスクスケジューラやcronと組み合わせることで、日次・月次のExcel処理を自動実行できます。
また、Excelを中間データとして利用し、データベースやWebシステムと連携することも容易です。人がExcelを開かなくても処理できるため、サーバー上での自動実行にも対応できます。
PythonのExcel読み込みがよく使われるシーン

PythonによるExcel読み込みは、単なるデータ取得にとどまらず、実際の業務シーンでこそ真価を発揮します。繰り返し発生する作業や大量データを扱う場面では、手作業との差が特に顕著に表れます。
PythonでExcel読み込みがよく使われる代表的なシーンは、次のとおりです。
- 日次・月次レポート作成の自動化
- 複数Excelファイルの集計・加工
- Excelデータの分析・可視化活用
- 手作業による転記・チェック作業の効率化
- 業務システム・他ツールとのExcel連携
このようなシーンでは、Excel読み込みで終わりではなく、加工や分析、書き込みまでを一連の処理として自動化できる点が大きな強みです。PythonによるExcel読み込みを活用することで、業務効率化と作業品質の向上を同時に実現できます。
PythonでExcel読み込みの前に知っておきたい前提知識
PythonでExcelファイル読み込みを行う前に、いくつか押さえておきたい前提があります。これらを事前に理解しておくことで、Pythonのエラーを減らし、スムーズにExcel読み込みを進められます。
特に初めてPythonでExcelを扱う場合は、基本的な準備を確認しておくことが重要です。
- Pythonの変数や関数、ライブラリの使い方など、基礎を一通り理解しておく
- Excelファイル形式は.xlsx(.xlsも読み込みは可能だが環境によっては制限がある)
- 必要なPythonライブラリ(pandasやopenpyxl)をインストールしておく
- Excelファイルのパス指定(絶対パス・相対パス)を正しく行う
これらの前提知識を押さえておけば、PythonでExcel読み込みを行う際のトラブルを大幅に減らせるでしょう。
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また、Pythonのpandasについては、こちらで詳しく解説しています。
PythonのExcelファイル読み込み方法【サンプルつき】

PythonでExcelファイル読み込みを行う方法はいくつかありますが、実務でよく使われるのは pandasとopenpyxlの2つです。ここでは、基本的なExcel読み込み方法とあわせて、具体的なPythonサンプルコードを紹介します。
- pandasを使ったExcel読み込み方法
- openpyxlを使ったExcel読み込み方法
- pandas・openpyxlの違いと使い分け
①pandasを使ったExcel読み込み方法
pandasを使うと、ExcelファイルをそのままDataFrameクラスのオブジェクトとして読み込むことができます。Pythonでデータの集計や加工、分析まで一貫して行いたい場合に最も一般的な方法です。
import pandas as pd
df = pd.read_excel(
”sample.xlsx”,
sheet_name=”Sheet1″,
usecols=[“A”, “B”, “C”])
print(df.head())
read_excel()を使うことで、ExcelファイルをPythonで簡単に読み込めます。読み込まれたデータはDataFrameとして扱えるため、その後の加工や書き込みもスムーズに行えます。
②openpyxlを使ったExcel読み込み方法
openpyxlは、PythonでExcelファイルをセル単位で細かく操作したい場合に向いているライブラリです。書式やセル値を直接扱いたいケースで使われます。
from openpyxl import load_workbook
wb = load_workbook(“sample.xlsx”)
ws = wb[“Sheet1”]
value = ws[“A1”].value
print(value)
load_workbook()でExcelファイルをPythonで読み込み、シートを指定して操作します。セル番地を直接指定して値を取得できるため、Excelのレイアウトを重視した処理に向いています。データ分析や大量データ処理には向かないため、用途を選んで使うことが重要です。
③pandas・openpyxlの違いと使い分け
pandasとopenpyxlは、どちらもExcel読み込みに使えますが、目的によって適したPythonライブラリが異なります。ここでは、それぞれのPythonライブラリの特徴を整理します。
| 項目 | pandas | openpyxl |
|---|---|---|
| 主な用途 | データ分析・集計・加工 | セル操作・書式制御 |
| 読み込み形式 | DataFrame | ワークブック・シート |
| 大量データ処理 | 得意(高速) | 不向き |
| 書き込み | to_excelで簡単 | セル単位で制御可能 |
| 初心者の扱いやすさ | 高い | やや低い |
Pythonでデータの集計や分析、読み込みから書き込みまでを効率化したい場合は、pandasを選ぶのがおすすめです。一方、Excelのセル構造や書式を細かく扱いたい場合は、openpyxlが適しています。
多くの業務では、まずpandasでExcelを読み込み、必要に応じてopenpyxlを補助的に使うという使い分けが効果的でしょう。
【応用編】Excelのシート・列を指定した読み込み方法

PythonでExcel読み込みを行う際は、必要なデータだけを取得することが重要です。ここでは、pandasを使った実務でよく使われるExcel読み込みの指定方法を紹介します。
- シート名・シート番号を指定する
- 特定の列だけを読み込む
- 不要な行・列を除外する
①シート名・シート番号を指定する
Excelファイルに複数のシートがある場合、Pythonでは目的のシートだけを指定して読み込むことができます。不要なシートを読み込まないことで、処理時間の短縮につながります。
import pandas as pd
# シート名を指定して読み込み
df_name = pd.read_excel(“sample.xlsx”, sheet_name=”Sheet1″)
# シート番号(0始まり)を指定して読み込み
df_index = pd.read_excel(“sample.xlsx”, sheet_name=0)
数値を指定した場合は、左から順に0、1、2…というシート番号として扱われます。シート構成が決まっているExcelでは、不要なデータを避けるためにも明示的な指定がおすすめです。
②特定の列だけを読み込む
Pythonで分析や集計に不要な列までExcelファイル読み込みを行うと、処理速度が低下してしまいます。そのため、Excelの必要な列だけを指定した読み込みによって、データ量を減らし、高速に処理できます。
import pandas as pd
df = pd.read_excel(
”sample.xlsx”,
usecols=[“A”, “C”, “D”])
usecolsを使うと、PythonでExcelの列記号や列名を指定して読み込みできます。必要最小限のデータだけをDataFrameに取り込むことで、後続の加工や分析が効率的になります。
③不要な行・列を除外する
Excelにはタイトル行や空白行、補足情報など、分析に不要な行や列が含まれていることがあります。そのため、読み込み時や読み込み後に不要な部分を除外することで、Pythonで扱いやすいデータに整理できます。
import pandas as pd
df = pd.read_excel(
”sample.xlsx”,
skiprows=2
)
# 不要な列を削除
df = df.drop(columns=[“不要列”])
skiprowsを使うと、指定した行数分を読み込み時にスキップできます。読み込み後はdrop()を使って不要な列を削除することも可能です。
複数シート・複数ファイルを読み込む実践テクニック

実務では、複数のExcelファイルや複数のExcelシートをまたいでデータを扱う場面が多くあります。ここでは、Pythonのpandasを使い、実務で役立つExcel読み込みの実践的なテクニックを紹介します。
- 複数シートを一括で読み込む
- 複数のExcelファイルをまとめて処理する
- ループ処理と組み合わせたExcel読み込み
①複数シートを一括で読み込む
1つのExcelファイルに複数シートが含まれている場合、それらをまとめて読み込むことができます。シートごとのデータを一括で取得したいときに便利です。
import pandas as pd
dfs = pd.read_excel(“sample.xlsx”, sheet_name=None)
print(dfs.keys())
sheet_name=Noneを指定すると、すべてのシートが辞書形式で読み込まれます。Pythonで複数シートをまとめて処理したい場合や、後から必要なシートを選択したい場合に有効です。
②複数のExcelファイルをまとめて処理する
フォルダ内に複数のExcelファイルが存在する場合は、それらを一括で読み込み、集計や加工を行うケースも多くあります。Pythonを使えば、次のような形で手作業なしで処理できます。
import pandas as pd
import glob
file_list = glob.glob(“data/*.xlsx”) #アスタリスクは半角に直してテストしてください
dfs = [pd.read_excel(file) for file in file_list]
df_all = pd.concat(dfs, ignore_index=True)
globを使うと、Pythonで指定フォルダ内のExcelファイルをまとめて取得できます。各ファイルを読み込んでリストに格納し、concatで結合することで、複数ファイルを一つのDataFrameとして扱えます。大量ファイルの集計を自動化する際に有効です。
③ループ処理と組み合わせたExcel読み込み
読み込み条件が決まっている場合は、Pythonのループ処理と組み合わせることで、柔軟かつ拡張性の高い処理を実装できます。
import pandas as pd
years = [2023, 2024, 2025]dfs = []
for year in years:
df = pd.read_excel(f”data_{year}.xlsx”)
df[“year”] = year
dfs.append(df)
df_all = pd.concat(dfs, ignore_index=True)
Pythonのループ処理を使うことで、ファイル名や条件が変わっても同じ処理を使い回せます。ファイル数が増えてもコードを大きく変更する必要がないため、定期的に更新されるExcelデータの処理など、保守性を求められる場面にも向いています。
Pythonのループ処理については、こちらで詳しく解説しています。
PythonのExcel読み込み時によくあるエラーと対処法

PythonでExcelファイルを読み込む際、コード自体は正しく見えてもエラーが発生することがあります。ここでは、Excel読み込み時によくある代表的なPythonのエラーと、その対処法を整理して解説します。
- ファイルが見つからないエラー
- 文字化け・型変換エラー
- ライブラリのバージョンによる問題
①ファイルが見つからないエラー
PythonのExcel読み込みで最も多いのが、ファイルが見つからないエラーです。指定したパスにExcelファイルが存在しない場合や、相対パスと絶対パスの指定を誤っている場合に発生します。
・Excelファイルの配置場所を確認し、絶対パスで指定する
・スクリプトと同じフォルダにファイルを置く(おすすめ)
・ファイル名や拡張子のタイプミス、全角文字の混在に注意する
②文字化け・型変換エラー
PythonのExcel読み込み時には、文字化けや型変換に関するエラーが発生することがあります。Excel内でデータ型が混在している場合や、日付・数値・空白セルが意図しない形式で読み込まれることが主な原因です。
・読み込み後にDataFrameのデータ型を確認し、必要に応じて型変換を行う
・読み込み時に型を指定し、不要な行を除外する
③ライブラリのバージョンによる問題
pandasやopenpyxlのバージョン違いによって、PythonのExcel読み込みが正常に動作しないケースもあります。環境ごとにライブラリのバージョンが異なると、同じコードでも結果が変わることがあります。
・使用しているライブラリのバージョンを確認する
・必要に応じてアップデートまたはダウングレードを行う
PythonでExcel読み込みを効率化しよう
PythonでのExcel読み込みの方法を理解すれば、これまで手作業で行っていた集計や転記、チェック作業の大幅な効率化が可能です。単純作業を自動化することで、作業時間の短縮だけでなく、ヒューマンエラーの防止にもつながります。
読み込みから加工、分析、書き込みまでを一貫して自動化したり、シートや列を指定した読み込み、複数ファイルの一括処理を活用したりすることで、処理の高速化やミスの削減が期待できます。エラー対処や前提知識を押さえたうえで、自分の業務に合った方法を選ぶことが重要です。
PythonによるExcel読み込みを活用し、業務効率化に向けて新たに一歩踏み出しましょう。





