E資格はディープラーニング技術の普及に伴い、需要が高まっています。資格取得は、AIエンジニアとしてのキャリアアップにもつながるため、多くの人が挑戦しているのが現状です。
この資格に合格するためには、どのような準備が必要なのでしょうか?今回の記事では概要に加え、合格を目指すための具体的な対策や学習のポイントを紹介します。
そもそもJDLAとは?
JDLA(一般社団法人 日本ディープラーニング協会)は、人工知能の中でも特にディープラーニング技術の普及と促進を目指して2017年に設立されました。AI分野の急速な発展に対応し、日本国内での産業競争力を高めることを目的としています。
JDLAは企業や教育機関と連携しており、技術者の育成や技術水準の向上を支援しています。さらに社会全体においてもAI技術を正しく理解し、安全かつ効果的に活用するためのガイドラインの策定に注力しています。
とくに注目される取り組みとしてAI技術に関する資格制度を運営しており、それが「G検定」と「E資格」、「Generative AI Test」の3種類の試験です。これらは初心者から高度な技術者まで幅広く対応する教育機会として提供されています。
JDLAはこうした活動を通じて日本におけるAI技術の社会実装を後押しし、グローバルなAI競争におけるリーダーシップを目指しています。
JDLA運営「E資格」とはどんな資格?
JDLAが主催する資格のひとつで、主にディープラーニング技術を実務に活かせるエンジニアの育成を目的としています。AI分野の専門家として、機械学習や深層学習のアルゴリズムを理解し、実際のプロジェクトで実装できる人材を認定することを目的としています。
概要を一覧にすると、以下のようになります。
資格名 | E資格 |
実施団体 | 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
目的 | AI・機械学習エンジニアの技術力を証明 |
対象者 |
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試験内容 |
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受験資格 | JDLA認定プログラムの修了が必要 |
試験形式 | CBT方式 |
試験時間 | 120分 |
試験実施頻度 | 年2回 |
難易度 | 高い(高度な数学・実装スキルが必要) |
活用分野 | AIシステムの設計・開発・実装 |
受験料 | 33,000円(税込) |
資格の有効期間 | 3年間(更新が必要) |
この資格には実務的なプログラミングスキルや理論的な知識が求められ、PythonやTensorFlow、PyTorchといったライブラリを用いたモデル開発も試験範囲に含まれます。機械学習の基本から深層学習の実装技術、モデルの評価・改善に関する知識も出題範囲です。
大きな特徴として挙げられるのは、受験資格を得るためには「JDLA認定プログラム」を修了する必要があることです。このプログラムでは基礎的なディープラーニングの理論や応用を体系的に学べるものの、比較的高額な受講料と時間がかかります。
対象者層としては、主にAIを導入する企業のエンジニアや研究者、さらにはAI分野への転職を目指す方々が多い傾向です。資格取得者はAI開発の高度な専門知識を証明することができるため、AI分野のキャリアアップや企業での信頼獲得につなげられるでしょう。
JDLA運営のE資格の難易度・合格率
高度な知識と実践的スキルを求める資格なので、一般的には難易度が高い試験とされています。
試験範囲は応用数学、機械学習、深層学習、開発環境など幅広く、理系の数学的知識やプログラミング経験が合格のカギとされています。過去の調査によると、理系大学の数学やプログラミング実務経験をもつ受験者は高い合格率を誇りますが、それ以外の受験者には難しく感じられるケースが多いようです。
具体的には合格率は毎回60~75%程度で推移しています。試験の合格ラインは非公開ですが、過去のデータから平均65~70%の得点が必要と推測されています。
しっかりとした準備が欠かせないものの、特定の分野での予備知識があれば比較的合格しやすい試験でもあります。なお難易度については、以下の記事でも詳しく紹介していますので、気になる方はご一読ください。
JDLA運営のE資格に合格するための対策
JDLA運営のE資格に合格するための対策には、主に以下のようなものがあります。
- 過去問題を反復
- 動画で理解を深める
- ITセミナーを検討する
それぞれ見ていきましょう。
JDLA運営E資格合格の対策①過去問題を反復
合格するためには、過去問題を繰り返し解くことが非常に重要です。過去問題は、試験の形式や出題傾向を理解するためのもっとも効果的な資料となるからです。
JDLAが提供する公式の過去問題集を利用することで、出題されるテーマや問題のスタイルに慣れることができます。問題を解く際には時間を計り、実際の試験と同じ条件で練習することで、時間配分の感覚を養い試験当日の緊張感を軽減することができます。
また解いた問題の正答率を分析し、間違えた問題や自信のない問題についてはその背景や関連知識を再確認することが大切です。ただ答えを覚えるだけではなく、「なぜその答えになるのか」を追求し、理解を深めることがポイントになります。
定期的に復習を行うことで自分の知識を強化でき、合格に向けた実力が確実に身につくことから、試験に向けて万全の準備を整えられるでしょう。なお、以下の記事では過去問題を紹介しており、試験対策に有益な情報が満載なので、気になる方はご一読ください。
JDLA運営E資格合格の対策②動画で理解を深める
内容を理解するために、動画を活用するのは非常に有効な手段です。
いまや動画プラットフォームには機械学習やAIに関する豊富な教材が揃っており、視覚的に学ぶことができるため理解が深まりやすくなります。たとえばYouTubeで無料で学べる動画はもちろん、Udemyなどで提供されている動画講義などは、最新の技術トレンドや実践的なアプローチを学ぶのに役立ちます。
動画学習の大きな利点は、自分のペースで学習を進められることです。繰り返し視聴することで重要なポイントや難しい概念をしっかりと吸収することができます。
また説明が具体的な例や図解を用いて行われることが多いため、理論がどのように実際の問題に適用されるのかを視覚的に理解できます。これにより試験の範囲を広げ、実務における応用力も向上させることが可能になるのです。
さらに動画の提供先によっては、コメントで質問すると回答が返ってくるチャンスもあります。これらのリソースを活用することで、E資格に必要な知識をより深く理解し、合格のための準備をより着実に進められるでしょう。
JDLA運営E資格合格の対策③ITセミナーを検討する
合格のための戦略として、IT関連のセミナーへの参加は非常に有効です。セミナーは、専門家から直接学べる貴重な機会であり、最新の技術情報や業界動向を把握するのに役立つからです。
「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は、最短で合格を目指すためのJDLA認定プログラムです。修了率99%、合格率83%以上を誇り、基礎から実践的なスキルまでを幅広く学べます。
受講形式は、会場、ライブウェビナー、eラーニングから選べ、中でもeラーニングは現在キャンペーン価格で54,780円と他のセミナーと比較しても圧倒的に安くなっています。さらに講師は人工知能や複雑ネットワーク科学に精通している、慶應義塾大学の理工学部教授の栗原氏が担当しています。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座のカリキュラム
ディープラーニングの基本から応用までを網羅し、実践的なスキルを習得できる内容になっています。
まずニューラルネットワークの基礎理論を学び、その後、CNNやRNNなどの主要なモデルについての理解を深めます。さらに、TensorFlowやPyTorchといったフレームワークを使った実装演習を通じて、理論と実践を結びつけることができます。
データ前処理やハイパーパラメータの調整、モデルの評価手法など、実務に役立つ知識も重点的に学習します。また模擬試験や過去問分析を通じて、試験対策も行い、自信を持って本番に臨むことができるようサポートします。
JDLA運営のE資格に関するよくある質問
JDLAのE資格に関する、よくある質問に回答していきます。
企業や業界、個々の職務経験によって異なりますが、一般的にE資格保持者は需要があるので高い給与が期待できます。たとえば平均的に、AIエンジニアの年収は500~650万円、データサイエンティストの場合650~700万円となっています。サラリーマンの平均年収が500~550万程度なので、大きく上回っていることがわかります。取得によって、上記のような職業に就ける可能性は高くなります。
JDLA「E資格」まとめ
E資格は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、AIやディープラーニング分野の専門スキルを証明する資格です。エンジニア向けであることから試験の難易度は高く、とくに深層学習の理論や実装に関する知識が問われるため、応用数学やPythonの習熟が不可欠となります。
合格するためにはJDLA認定プログラムの受講が必須となっていることに加え、過去問や演習問題を反復して演習することは欠かせません。取得はAI業界での評価を高めてくれるので、幅広いキャリアチャンスにつながります。
