E資格は難易度が高いと言われていて、合格率も70%前後とそこまで高くはありません。ただそんなE資格に不安だけど挑戦したいという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はE資格に何度も合格したことがあるという吉原 一樹さんに一体どんな勉強の仕方をされたのか、E資格に合格した時の体験記をお伺いしてみました。
E資格を受験してみたい・合格できるか不安だという人はぜひ参考にしてみてください。
インタビュー回答者
慶應義塾大学大学院 理工学研究科
吉原 一樹さん
現在は慶應義塾大学大学院理工学研究科の開放環境科学専攻に在学中で、人工知能の研究をしています。
保有資格は、E資格、G検定、AI実装検定 A級、UiPath RPA デベロッパー上級資格です。よろしくお願いします。
第217回知能システム研究発表会(SIG-ICS)(WSSIT2025), 2025年3月.
人工知能と知識処理研究会(SIG-AI)(WSSIT2025), 2025年2月.
まず自己紹介をお願いいたします。
人工知能の研究をしていて、現在は慶應義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻に在学しています。
保有資格は、E資格、G検定、AI実装検定 A級、UiPath RPA デベロッパー上級資格があり、今回はE資格に合格したエピソードやE資格が役立った場面について話させていただけたらと思います。
なぜE資格を受験しようと思いましたか?
真っ先に考えたのは就職や仕事のことですね。AIの定職につくなら何か資格があった方が良いと思い、まずはG検定とAI実装検定という比較的難易度が中ぐらいの資格から受けてみました。
その2つの資格に合格したのちに、もう少し難易度が高いE資格を受けました。
E資格に利用したJDLA認定プログラムはどこですか?
JDLA認定プログラムは、「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」のeラーニング講座を受講しました。
選ぶ時は他社のJDLA認定プログラムとすごく比べたのですが、このeラーニングは余計な試験がなかったのと価格もちょうど良かったので選びました。
セミナー名 E資格対策ディープラーニング短期集中講座 運営元 ProSkilll(プロスキル) 価格(税込) 54,780円〜 開催期間 4日間 受講形式 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング
E資格に合格するための勉強方法を教えてください。
引用:Amazon
僕自身は、最初に「ゼロから分かるディープラーニング(1)」という書籍を読み、E資格対策ディープラーニング短期集中講座のeラーニングを5回ほど復習して、その後に黒本を解いてE資格を受けて、無事に合格しました。
この辺は人それぞれだと思いますが、E資格はJDLA認定プログラムを必ず受けなくてはならないので、大体書籍とJDLAプログラム、必要であれば他の講座や黒本も検討すると良いと思います。
書籍なら「ゼロから分かるディープラーニング(1)」と黒本はとてもおすすめですが、現在のシラバスだと「ゼロから分かるディープラーニング(2)」も入っていると思うので、できればそちらも読んだ方が高得点が取れると思います。
E資格の勉強では、極端に得点率が低い分野があると、他が良くても落ちるかもしれないと噂されているので、全てのカテゴリを満遍なく勉強するのがおすすめです。
JDLA認定プログラムはなぜeラーニングを選んだのですか?
僕自身はやっぱり会場に足を運ぶのが億劫だったのと、何回も復習して学びたいというのが大きかったです。「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」は1年間見返し放題だったのでとても助かりました。
自分で学習できる人はeラーニングでいいと思いますが、正直eラーニングを受けてみて、ある程度知識がないと動画だけで理解するのは難しいと感じました。
E資格への知識が不安な人は会場で4日間みっちりやった方が良いと思います。会場だと講師の人に質問もできるので、AIについて全く分からないという人は特に会場がおすすめです。
E資格試験での注意点を教えてください。
まず、E資格は試験の1ヶ月前から埋まり始めます。試験が金土日曜日に開催され、土日は特に人気なので早めに申し込んだ方がいいかもしれません。
そして試験会場には何も持ち込めないので、お手洗いなどをきちんと済ませていきましょう。冬は試験会場によっては会場内が寒いので、暖かくしていくと良いです。夏もエアコンが結構寒いので、心配な人は羽織るものがあってもいいと思います。
E資格の結果とその後について教えてください。
E資格の受験後3〜4週間前後に結果が出て、無事に合格していました。
E資格の合格後に、E資格対策ディープラーニング短期集中講座を運営している株式会社VOSTさんの求人に応募しました。面接では「御社のE資格講座を受けました」とお話ししましたが、面接も無事に合格して約2年間、株式会社VOSTさんにてAI講師・AIコンサルタントとして働かせていただきました。
そこでは実際に「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」の講師もできたので、とても感慨深いです。
また、Deep4Driveというモビリティサービス開発の有志団体で、JetRacerプロジェクトのリーダーを務めていました。
JetRacerは、Jetson Nanoを使用した自律走行型AIカーで、競技用に開発されたものです。
深層学習を活用することで、自動走行が可能となっています。
本プロジェクトには約15名が参加し、企業主催の大会への出場などの活動を行いました。
E資格を活かして今後されたいことはありますか?
現在、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 開放環境科学専攻にて人工知能の研究をしています。
自分が思い描くAIをしっかりと構築し、実社会で活用してみたいという展望を持っています。
近年、大規模言語モデルのような汎用AIや、AIエージェントと呼ばれる自律型インテリジェントシステムが登場し、日常生活のさまざまな場面で活用されつつあります。
しかし、AI技術は依然として発展途上であると考えており、今後は人間の感情を読み取り、適切にサポートできるAIが登場すると考えています。
また、ディープラーニングにおいては、説明性の問題やセキュリティ上のリスクなど、多くの課題が残されています。
これらの課題を自ら解明したいという思いが、研究に対するモチベーションとなっています。
これからE資格の合格を目指す人へメッセージをお願いします。
もちろんE資格は転職活動にプラスとなりますが、就職活動や転職活動に関係なく、AI技術に触れる喜びや学んで楽しむことを知っていただきたいです。
「自分でAIを作ってみたい」「こんなAIなら社会に貢献できる」といった夢を持って学んでもらえるとすごく自分の身になる試験になると思うので、資格に合格するというだけでなく技術そのものを楽しんで学んでもらえたらと思います。
