【2025】データサイエンティストとデータエンジニアは何が違う?特徴や目指す方法も

データサイエンティストとデータエンジニアは、データ活用の分野で欠かせない職種ですが、それぞれの役割やスキルには大きな違いがあります。ただ、「データサイエンティストは何をするの?」「データエンジニアとの違いは?」と疑問に感じている方は少なくはありません。

本記事では両者の特徴や具体的な業務内容を解説し、それぞれのキャリアを目指す方法も詳しくご紹介します。どちらを目指すべきか迷っている方や、業界全体の理解を深めたい方に役立つ情報となるので、ぜひ参考にしてください。

データサイエンティストとデータエンジニアは何が違う?

データサイエンティストとデータエンジニアはどちらもデータを扱う職種ですが、その役割や求められるスキルには明確な違いがあります。

データサイエンティストは主に分析とモデル構築を通じてデータから価値を引き出す役割を担い、データエンジニアはその基盤となるデータ環境を整備し、運用するのが主な仕事です。

それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。

違い①業務内容

データサイエンティストはデータを分析し、その結果を基に意思決定を支援することが主な業務です。具体的には、統計分析、機械学習モデルの構築と評価、予測分析などを行います。また、ビジネス目標に沿ったデータの活用方法を考案することも重要な役割です。

一方でデータエンジニアは、分析の基盤となるデータパイプラインの設計や構築、データベースの管理、データの収集・変換・保存を担当します。データサイエンティストが分析に集中できるよう、データを効率的に処理・提供するインフラを整備する役割を担っています。

違い②必要なスキル

データサイエンティストには、PythonやRといった分析向けプログラミング言語のスキル、機械学習や統計の深い知識、データ可視化や報告書作成の能力が求められます。

一方データエンジニアには、SQLやScalaなどといったプログラミングスキルに加え、大規模データの処理に適した分散処理フレームワーク(Hadoop、Sparkなど)や、データベース管理システムの運用スキルが必要です。またクラウドサービスの活用やインフラ構築に関する知識もあるとなおいいでしょう。

データサイエンティストとAIエンジニアの違いは?

データサイエンティストとAIエンジニアは、どちらもデータとAI技術を活用する職種という点は共通ですが、こちらも業務内容や必要なスキルセットに違いがあります。

データサイエンティストはデータを分析し、洞察を提供することが主な役割であるのに対し、AIエンジニアはAI技術を実装し、実運用可能なシステムを開発することに重点を置いています。それぞれの違いを具体的に見ていきましょう。

違い①業務内容

データサイエンティストはデータ収集やクレンジング、統計分析、機械学習モデルの作成、さらにはデータから導かれた洞察を可視化してビジネス戦略に反映させるのが主な業務です。

一方AIエンジニアは、AI技術を製品やサービスに組み込むシステム開発を担当します。ディープラーニングモデルの設計・最適化、AIアルゴリズムの実装、クラウド環境でのデプロイやモデルのパフォーマンス管理なども業務のうちです。

違い②必要なスキル

データサイエンティストにはPythonやRなどのプログラミングスキル、統計学やデータ分析の知識、機械学習アルゴリズムの理解が求められます。またデータの可視化ツールやビジネスコミュニケーションの能力も重要です。

これに対しAIエンジニアには、同様のプログラミングスキルに加え、TensorFlowやPyTorchなどのディープラーニングフレームワークのスキル、分散コンピューティングやクラウドインフラの知識、そしてソフトウェアエンジニアリングの基本的なスキルが必要とされます。

またAIを製品に統合するため、APIの設計や運用システムの知識も欠かせません。データサイエンティストが分析や洞察を提供するスキルが必要なのに対し、AIエンジニアはそれを形にして運用環境に落とし込むスキルが求められます。

なお、AIエンジニアの概要についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。

【1分で分かる】AIエンジニアとは?仕事内容や平均年収

データサイエンティストとその他エンジニアはどう違う?

ここまで紹介したデータエンジニア、AIエンジニア含め、その他関連するエンジニアとの違いを一覧表にしたものが以下になります。

名称業務内容必要なスキルキャリアパス例
データサイエンティスト
  • ビジネス課題をデータ分析で解決
  • データ収集
  • 前処理
  • モデリング
  • インサイト抽出
  • レポート作成

など

  • 統計学
  • 機械学習
  • プログラミング(Python、R)
  • データアナリスト
  • データサイエンス関連リーダー職
  • プロジェクトマネージャー

など

データエンジニア
  • データ基盤の設計・構築・運用
  • ETL処理
  • データパイプライン構築
  • データベース管理
  • SQL
  • ETLツール
  • クラウド技術(AWS、GCP)
  • プログラミング
  • システムエンジニア
  • データアーキテクト

など

AIエンジニア
  • AIや機械学習モデルの設計・実装・運用
  • 自然言語処理
  • 画像認識
  • 予測モデルなどを用いたアプリケーション開発

など

  • 機械学習
  • ディープラーニング
  • Python
  • TensorFlow
  • PyTorch
  • ソフトウェアエンジニア
  • AIエンジニア
  • AIソリューションリーダー
  • データサイエンティスト

など

MLOpsエンジニア
  • 機械学習モデルの本番環境への導入・運用
  • モデルの継続的デリバリー・デプロイ
  • 監視
  • 自動化プロセス構築

など

  • DevOps
  • クラウド技術
  • 機械学習
  • Python
  • Docker
  • Kubernetes

など

  • データエンジニア
  • AI/MLプラットフォームリーダー
  • AIエンジニア

など

BIエンジニア
  • BIツールを用いたデータの可視化・ダッシュボード作成
  • ビジネス部門の意思決定を支援する分析基盤構築

など

  • BIツール(Tableau、Power BI)
  • SQL
  • データ分析

など

  • データアナリスト
  • BIプロジェクトマネージャー

など

データアナリスト
  • データの収集・分析を通じたビジネスインサイト提供
  • 日々の運用データを元にしたレポート作成
  • 意思決定支援の分析

など

  • SQL
  • Excel
  • データ可視化ツール
  • 統計学
  • データアナリスト
  • データサイエンティスト
  • データサイエンスマネージャー

など

MLOpsエンジニアはデータサイエンティストが開発したモデルを本番環境で運用し、BIエンジニアはデータエンジニアが構築したデータ基盤を活用して、データサイエンティストの分析結果を可視化したうえで、ビジネス部門へ共有する役割です。

またデータアナリストはデータサイエンティストの一部業務を補完し、主に定型的な分析を行い意思決定を支援する役割をもちます。

データサイエンティストとデータエンジニア共通の特徴

データサイエンティストとデータエンジニア共通の特徴

データサイエンティストとデータエンジニア共通の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 今後の需要増加が大いに期待できる
  2. 柔軟な働き方にも対応できる
  3. Reスキル講座の対象となっている

この章では、上記をそれぞれ、順を追って解説します。

特徴①今後の需要増加が大いに期待できる

データサイエンティストとデータエンジニアは、今後ますます需要が増加すると予測されています。現代ではデータ活用の重要性が高まり、企業はビジネスの競争力を維持するため、データを効果的に活用できる人材を求めているためです。

中でもとくにAIや機械学習、ビッグデータ解析の需要が急速に拡大しているため、これらの分野で活躍できるデータサイエンティストやデータエンジニアへのニーズは今後ますます高まるでしょう。

特徴②柔軟な働き方にも対応できる

データサイエンティストやデータエンジニアは、柔軟な働き方にも対応できる職種です。データ分析や開発はリモートで仕事を行うことが可能であり、さらにクラウド環境での作業が普及したことにより、場所に縛られずに仕事を進めることができます。

そのため両者は自由な働き方を求めるエンジニアにとって魅力的な職業であり、ワークライフバランスを重視する傾向が強い現代に向いた働き方ともいえます。

特徴③Reスキル講座の対象となっている

データサイエンティストやデータエンジニアは、どちらも「Reスキル講座」の対象にもなっています。「Reスキル講座」というのは、経済産業省が認定している教育訓練講座のことです。

講座の料金の一部が負担されるので、キャリアチェンジを考えている人々や、スキルをさらに磨きたい人々であれば見逃せない制度となります。

未経験からデータサイエンティストやデータエンジニアになるには

未経験からデータサイエンティストやデータエンジニアになるには、以下の手順がおすすめです。

  1. ITセミナーで効率よく必須の部分をおさえる
  2. AIやデータ関連の資格取得を目指す
  3. たくさんの求人に応募する

それぞれ解説します。

ステップ①ITセミナーで効率よく必須の部分をおさえる

データサイエンティストセミナー

未経験からデータサイエンティストやデータエンジニアを目指すためには、まずITセミナーで効率よく必要なスキルを習得することが重要です。例えば「データサイエンティストセミナー」などの短期集中講座を受ければ、実務に役立つスキルを短期間で学ぶことが可能になります。

こちらはデータサイエンスの基礎から応用まで学べる集中講座で、統計学やPythonプログラミング、データ分析の流れを習得し、実務で使える技術を身につけられます。受講形式も会場、ライブウェビナー、eラーニングから選べ、忙しい方でも柔軟に受講することが可能です。

データサイエンティストセミナーの詳細はこちら

ステップ②AIやデータ関連の資格取得を目指す

AIやデータ関連の資格を取得することで、未経験でもしっかりと知識とスキルを証明することができます。資格は企業に対して自分の専門性をアピールする材料になるため、転職や昇進においてたいへん有利になるでしょう。

取得は簡単ではありませんが、未経験からデータサイエンティストを目指すなら、「統計検定」や「DS検定」、「G検定」がおすすめです。なおProskilllでは、G検定の対策講座も提供しておりますので、興味のある方はぜひ以下のリンクからご確認ください。

JDLA認定 G検定対策講座の詳細はこちら

ステップ③たくさんの求人に応募する

未経験からデータサイエンティストやデータエンジニアを目指すには、最終的にはやはり積極的に求人に応募することが大切になります。

現代ではさまざまな企業がデータサイエンティストを募集しているため、求人数も少なくはありません。すぐに内定をもらえることは稀なので、根気強く面接を繰り返すことが大切です。

なお、データサイエンティストになるための手順については、以下の記事でも詳しく解説しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

【2024】データサイエンティストになるには何から始める?初心者向け5ステップ

データサイエンティストとデータエンジニアに関する質問

この章では、データサイエンティストとデータエンジニアに関する、よくある質問を紹介します。

データサイエンティストとデータエンジニアどちらが年収が高い?

一般的にデータサイエンティストの方が高い傾向です。データサイエンティストは高度な分析やモデル構築が求められるなど、より高度な専門知識を要するためです。

データエンジニアはつまらないって本当?

データエンジニアがつまらないかどうかは人それぞれの感覚次第でしょう。データエンジニアはシステムの構築やデータ基盤の整備が主な仕事なので、技術的な挑戦を楽しむ人には魅力的な職種ではあるものの、「華やかさ」を求める方にとってはつまらないと感じてしまうかも知れません。

データサイエンティストとエンジニアの違いまとめ

データサイエンティストとデータエンジニアは、どちらもデータを扱う専門職ですが、役割や求められるスキルが異なります。

データサイエンティストは、データの分析やモデル構築を通じてビジネス課題を解決し、意思決定を支援する役割を担う一方、データエンジニアはデータの収集・処理・保管を効率的に行う基盤を構築し、分析がスムーズに進む環境を整えるのが主な仕事です。

どちらの職種も、データが重要視される現代において欠かせない存在であり、学ぶ意欲次第で新たな可能性を切り開ける魅力的なキャリアとなることは間違いありません。

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