企業が抱える膨大なデータを分析・活用し、新たな価値を生み出すデータサイエンティスト。
データサイエンティストとしてのキャリアは、エンジニアやマネジメント職、さらにはフリーランスなど、幅広い選択肢を提供します。
本記事では、データサイエンティストのキャリアパスについて詳しく解説します。
データサイエンティストのキャリアプランを知りたい方、キャリア構築に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
データサイエンティストとは
データサイエンティストは、ビッグデータから必要な情報を抽出し、ビジネス課題を解決する専門家です。アルゴリズムや統計、情報科学理論を駆使してデータを分析し、企業に有益な知見を提供します。
データサイエンティストの代表的な業務
データサイエンティストの代表的な業務として挙げられるのはレコメンドシステムの開発です。
レコメンドシステムは、消費者の膨大なデータを基に、仮想のユーザーの行動をデータで具現化するサービスで、ネット通販やSNS、動画配信サービスなどで広く活用されています。インスタグラムのリール動画を見ると、ユーザー行動を把握できるのはこのレコメンドシステムによるものです。
データサイエンティストの仕事内容を詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
最新求人情報も交えながら、具体的な仕事内容を分かりやすく解説しています。
データサイエンティストのキャリアパスに必要なスキル
データサイエンティストには、データサイエンティスト協会が提唱する「データサイエンス力」や「データエンジニア力」を基盤に、データから価値を創出してビジネスの課題解決を図るスキルが求められます。
データサイエンティストのキャリアパスに必要とされる具体的なスキルは以下の通りです。
スキルの種類 | 主な内容 |
データサイエンス | 統計解析、機械学習、データモデリング |
データエンジニア | データベース設計、ETL(Extract, Transform, Load)技術 |
プログラミング | Python、R、SQL |
クラウドツール | AWS(S3、Redshift、SageMaker)、GCP(BigQueryなど) |
データ可視化ツール | Tableau、Power BI、Jupyter Notebook |
その他 | 論理的思考力、課題解決力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力 |
上記のように、データサイエンティストはデータ分析以外にも、AWSなどのクラウドやデータ可視化ツールの操作スキル、さらにデータ分析結果を他部門の関係者(経営層や営業担当者など)に伝えるスキルも求められます。
そのため、データサイエンティストは、プレゼンテーション力やコミュニケーション力も重要な資質の一つとして評価され、近年は未経験でも個人のやる気を重視する「ポテンシャル採用」を行っている企業も増えてきました。
以下の記事では、データサイエンティスト未経験者の求人情報を詳しく解説しているので、未経験からチャレンジしたい方はぜひご一読ください。
データサイエンティストのキャリアパス7選
データサイエンティストとしての経験は、多様なキャリアパスにつながります。
以下では、データサイエンティストのキャリアパスとして多くの人が選択する7つの職種・業種を挙げてみました。
- 機械学習エンジニア
- フルスタックエンジニア
- シニアデータサイエンティスト
- データアナリスト
- 経営コンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- フリーランス
キャリアパス①機械学習エンジニア
データサイエンティストのキャリアパスとして人気の職種は機械学習エンジニアです。
これらはデータ分析やアルゴリズム開発といった共通の基盤を持つため、データサイエンティストのキャリアパスとして王道的な職種です。
たとえば、データサイエンティストとして培った統計学やデータ分析の知識は、AIモデルの構築や評価に直接役立ちます。また、プログラミングスキルをさらに磨くことで、機械学習アルゴリズムの実装やAIシステム開発に携わる機会も広がります。
より実践的なAI開発に関わりたい、または最先端の技術に挑戦したいと考える場合、機械学習エンジニアへのキャリアチェンジは最適な選択肢といえるでしょう。
キャリアパス②フルスタックエンジニア
データサイエンティストのキャリアパスには、フルスタックエンジニアも挙げられます。
フルスタックエンジニアは、開発、機械学習、データ分析など、多岐にわたる業務に対応する職種です。データサイエンティストとしての経験は、こうした幅広いスキルを必要とするフルスタックエンジニアへの転身にも役立ちます。
フルスタックエンジニアは、求められるスキルの幅が広い分、報酬も高く設定されがちです。
技術の幅を広げたい方や報酬アップを目指したい方には、魅力的な選択肢といえるでしょう。
キャリアパス③シニアデータサイエンティスト
シニアデータサイエンティストは、データサイエンティストとして長年の実務経験を積み上げることで目指せるキャリアステージです。上級者・熟練者を意味する「シニア」とあるように、データサイエンティストの中でも高いスキルと豊富な経験を持つ専門家を指します。
シニアデータサイエンティストは、社内外の関係者との連携やチームの指導・管理も行うため、高度な専門知識以外にリーダーシップやコミュニケーションスキルも求められます。
医療、金融、エネルギーといった特定分野における専門性も活かせるので、データサイエンティストとしてさらなる成長を目指す方、より高度な技術を用いて多彩な事業に貢献したい方におすすめです。
キャリアパス④データアナリスト
データサイエンティストのキャリアパスの一つは、データアナリストです。
データサイエンティストが持つ複雑なデータ分析スキルは、データアナリストの業務においても大きな強みとなります。
両職種はどちらもデータを扱う点で共通していますが、データアナリストは、データの収集、整理、分析結果を可視化して報告する業務に重きが置かれます。データに基づいた意思決定を支援したい、ビジネス課題を可視化したいという方のキャリア構築におすすめです。
なお、データアナリストの業務は、データサイエンティストの業務の基礎的部分が多いため、データアナリストからデータサイエンティストになるという逆のパターンも多く見られます。
キャリアパス⑤経営コンサルタント
データサイエンティストのキャリアパスには、経営コンサルタントもあります。
データサイエンティストはデータを活用して企業の課題解決を促すため、必然的にマーケティングに強くなり、このマーケティングのスキルは経営コンサルタントにとって非常に有用です。
たとえば、商品が売れない理由、または売れる理由を見つける力に長けているため、経営コンサルタントの戦略立案や顧客分析に非常に役立ちます。さらに、機械学習を活用した分析やレポート作成、評価までトータルで対応するコンサルティングも実現可能です。
近年は、データサイエンティストがマーケティング分野で活躍する機会も増えてきており、データ分析結果をKPIや施策に反映し、マーケティング手法の精度を上げる「データドリブンマーケティング」も注目されています。今後成長が期待できる職種で活躍したい方におすすめの業種といえるでしょう。
キャリアパス⑥プロジェクトマネージャー
データサイエンティストのキャリアパスには、プロジェクトマネージャーを選ぶ方も多く見られます。これは、AIエンジニアのように大きく職種を変えるのではなく、現在の職場でのデータサイエンティストとしてのキャリアをさらに進めるための選択肢です。
プロジェクトマネージャーとして活躍するためには、データサイエンティストとしての専門性に加え、プロジェクト計画の立案、進捗管理、リスク管理、チームメンバーとの連携など、多岐にわたるプロジェクト管理スキルが求められます。
データサイエンティストとしての経験を基に、より広い視野でデータ分析プロジェクトに貢献したい方におすすめのキャリアパスです。
キャリアパス⑦フリーランス
データサイエンティストのキャリアパスは、フリーランスも人気の選択肢です。
データサイエンティストのスキルはさまざまな企業やプロジェクトで活かせるため、フリーランスへの転身もスムーズに行えます。
フリーランスとして活躍する場合は、自分自身で案件を獲得する、もしくは専門のフリーランスエージェントを活用して独立を進めるのが一般的です。
フリーランスの案件は多岐にわたり、一般的な市場ではデータ分析・抽出作業の経験者、ドキュメンテーション能力がある方が求められています。具体的にはデジタル部門のサポート(分析の手伝い、会議に使うドキュメントの作成など)、位置情報による最適なフォーメイション分析などです。
データサイエンティストのフリーランス案件は平均100万円から150万円と高単価なので、自由な働き方を求める、高収入を目指したいという方にもおすすめのキャリアパスといえるでしょう。
データサイエンティストのキャリアパスにおすすめの資格
データサイエンティストのキャリアパスを具体的に定めたい方は、目的の業務や将来のキャリアビジョンに適した資格を取得すると、キャリアアップがスムーズになります。
以下では、データサイエンティストのキャリアパスにおすすめの資格を4選ご紹介しましょう。
- データサイエンティスト検定
- データサイエンス基礎(DS基礎)
- E資格
- G検定
①データサイエンティスト検定
データサイエンティスト検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施している民間資格です。試験ではデータ活用に関する理論と実践的能力を総合的に評価し、データサイエンスの基礎から高度な実践的スキルを4段階で評価します。
最上級レベルのエキスパートレベルの対象者は、データサイエンティストのキャリアパスの一つ、シニアデータサイエンティストなので、シニアデータサイエンティストを目指す方に最適な資格といえるでしょう。
②統計検定データサイエンス基礎(DS基礎)
統計検定のデータサイエンス基礎(DS基礎)は、一般財団法人 統計質保証推進協会が提供している民間資格です。
高校レベルの数学と情報の知識を基に、Excelを活用したデータ分析スキルを評価する試験で、2011年に発足以降未来を担う「21世紀型スキル」として国内外で広く認知されています。
データサイエンティストへの入門的資格なので、これからデータサイエンティストとしての基礎を形成したい方、データアナリストを目指す方に適しています。
③E資格
E資格は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が提供する国内最高峰のAI資格です。
ディープラーニングの高度な理論と実践的な実装能力を厳格に評価する試験として、データサイエンティストやAIエンジニアのキャリア形成の一環として受験する方も多く見られます。機械学習エンジニアやフルスタックエンジニア、データアナリストへのキャリアパスとして最適です。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座 |ProSkilll
E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、4日でE資格の試験範囲(シラバス)を網羅するJDLA認定講座です。事前学習として数学やPythonの基礎知識を学ぶ「E資格基礎講座(全8.5時間)」から始めるので、初心者の方でも安心して受講できます。
E資格対策講座は全4回(24時間)で、全講義が完了したら試験対策として本番同様の4択形式のテストを実施。講座内容は動画で繰り返し学べるため、復習対策も万全です。
受講期間 | 4日 |
受講形式 |
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受講料 |
(各キャンペーン特価) |
④G検定
G検定は、人工知能に関する幅広い知識を評価する重要な資格です。ジェネラリストのGが由来となっているため、その名の通りジェネラリスト(多方面の知識を備えた人)として、ディープラーニングの基礎知識から機械学習の手法、社会実装(著作権など)まで問われます。
広範なスキルが必要なデータアナリストや経営コンサルタントに適していますが、E資格の前段階として取得される方も多いため、AIエンジニアを目指す方にもおすすめです。
JDLA認定 G検定対策講座|ProSkilll
JDLA認定 G検定対策講座は、1日でG検定取得を目指せるJDLA認定講座です。カリキュラムは午前と午後の二部構成で、まずはAIの基礎からスタートし、ニューラルネットワークの理論や強化学習の仕組み、ディープラーニングの応用レベルまで学習します。
G検定の試験範囲を網羅しており、講義終了後には約100問の模擬試験を実施。G検定同様の4択問題なので、受講修了後に即受験したい方にもおすすめです。
受講期間 | 1日 |
受講形式 |
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受講料 |
(各キャンペーン特価) |
データサイエンティストのキャリアパスについてまとめ
データサイエンティストとしてのキャリアパスは多彩で、AIエンジニアやシニアデータサイエンティスト、経営コンサルタントなど、さまざまな分野への道を切り拓けます。
データエンジニアとしてのキャリアパスの方向性を定めたい場合は、その目標を明確にしたうえで、適したスキルを習得するのも有効です。キャリアアップを実現するためにも、積極的に学び、データサイエンティストの可能性を最大限に引き出しましょう。
- AIエンジニアを目指したい方はこちら→E資格対策ディープラーニング短期集中講座
- データサイエンティストを基にキャリアを広げたい方はこちら→JDLA認定 G検定対策講座
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