かつて原稿用紙がワープロへと移り変わったように、いま小説創作の現場では「生成AI」という新しい執筆ツールが急速に広がっています。
本記事では、小説制作に活用できる生成AIツールを10選、登録不要の無料サービスもあわせて紹介します。実際にAIが生成した小説サンプルも掲載しているので、「AIが書く小説のクオリティを今すぐ知りたい」という方もぜひご一読ください。
AIで作った小説のクオリティは?
AIが執筆した小説のクオリティは非常に高く、すでに文学賞で入賞するレベルにまで達しています。実際、日経「星新一賞」入賞4作品のうち3作品に生成AIが使われ、芥川賞受賞作『東京同情塔』では作中のAI対話描写に活用されました。
近年、文学賞への応募者が急増している背景には、誰でも短時間で小説を書ける手軽さと、人間作の小説と見分けがつかない表現力を持つ「生成AI」の存在があります。
その一方で、「AIが作った小説を一つの作品として認めるべきなのか」という議論が広がり、従来の創作スタイルを重んじる作家たちからは不安や懸念の声も強まっています。
AIが作った小説を検証
では、実際にAIはどの程度の小説を書けるのでしょうか?検証のため、代表的なAIツール「ChatGPT」に「200字のショートショート小説を作って。アイデアはすべてお任せで」と依頼して以下の小説を作ってみました。
ある雨の朝、駅のホームで毎日見かける白猫に、私は初めて傘を差し出した。誰にも触れられなかったはずの猫は、こちらを見て小さく鳴き、雨粒に溶けるように姿を消した。
不思議に思いながら帰宅すると、亡くなった父の写真立ての前に、小さな濡れた足跡が続いていた。写真の父は、昨日までより少しだけ優しく笑っているように見えた。
その日から私は知った。別れは終わりではなく、大切な人は、ときどき違う姿で『元気か』と会いに来てくれるのだと。
いかがでしょうか?きれいにまとまった感、読点の多さはAI的とも取れますが、短い中に情感と風景がしっかり浮かぶ点は、プロの小説家が作った作品と遜色ない完成度です。
このようにAIによる小説作成の精度は向上していますが、希望通りの小説をAIで作るにはツールごと特性を理解し、目的に合わせて選ぶことが重要です。たとえば、ChatGPTは直接「Canva」で挿絵まで作成でき、Geminiは「NotebookLM」で膨大な資料をまとめて管理・参照できます。
セミナーで人気のAIツールをまとめてマスターしよう!
生成AIセミナーは、ChatGPT、Gemini、Copilotなどの主要生成AIツールを操作しながら学べる実践講座です。「小説を作れるAIを具体的に体験・比較したい」という方に最適なカリキュラムです。
小説を生成AIで作るメリットは?
生成AIで小説を書くメリットは、先ほど解説した「高品質な小説に仕上がる」「丸投げでも小説が書ける」という点以外にも存在します。ここでは、特に注目したいメリットを3つご紹介しましょう。
人間では思いつかない斬新な発想が得られる
膨大なデータを学習しているAIは、人間の固定観念にとらわれないストーリー展開や設定を提案してくれます。自分一人では思いつかないような切り口で小説を展開できるのは、AIだからこそ叶うメリットです。
自分好みの作風に簡単に寄せられる
「ノスタルジックで哀愁漂う」「空虚で乾いた都会の一コマ」のように、作品の雰囲気やテーマをAIに伝えることで、目指す作風に合った小説を簡単に作成できます。自分でイメージしながら書き進める必要がなく、小説の一貫性も難なくクリアできます。
思い描いたアイデアをサッと形にできる
AIで小説を書くと、アイデアをサッと小説にできるというメリットもあります。内容が気に入らなかった場合は、「もっと〇〇な描写を増やして」と伝えるだけで瞬時に修正可能です。仮にプロットからやり直すことになっても、人間のように体力や時間の消耗はほとんどありません。
小説を作れる生成AI選びのコツ
おすすめの生成AIの紹介に進む前に、選び方のコツを押さえておくとスムーズに比較できます。
用途に合わせたAIのタイプを選ぶ
小説を作れるAI選びの際、希望の用途に合わせることが重要です。小説の執筆だけに集中したい場合は「小説特化型AI」、挿絵の作成や設定データの管理まで幅広く行いたい場合は「マルチ型AI」といったように、「何をしたいのか」を軸に選択しましょう。
長文記憶力・情報管理機能を確認する
小説を作れるAIで長編小説を書く場合、前後の辻褄(つじつま)を合わせるための記憶力が重要になります。「NovelAI」のように長期記憶を持つAIを使うと安心ですが、用途に合わない場合は情報をまとめて管理できる「NotebookLM」を活用するのもおすすめです。
商用利用の可否と料金プランをチェックする
AIで作った小説で将来Kindleでの電子書籍化や有料配信、Webでの連載などを目指す場合、各ツールの商用利用や月額費用(無料範囲)を事前に確認しましょう。商用不可の場合は販売に使えず、有料であれば月単位・年単位でコストがかかります。
小説向け生成AIおすすめ10選を比較!
さっそく、小説作りにおすすめの生成AIツールを10選ご紹介しましょう。小説が作れる生成AIには、小説に特化したタイプの生成AIと、マルチな生成AIの2パターンあります。
まずは、各ツールの無料で使用できる範囲、有料プラン、登録の有無、商用利用の可否をまとめた一覧表からお伝えします。
| 区分 | ツール名 | 主な特徴 | 無料枠 | 主な料金/月 | 登録 | 商用 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 特化 | AIのべりすと | 日本語特化の小説AI | 10ルミナ/月 | 1,160円 | 不要 | 可能 |
| Sudowrite | 文体カスタムが強い | 10,000クレ | 10ドル | 不要 | 可能 | |
| AI BunCho | 日本語自然文の小説生成 | 5回/日 | 1,500円 | 要 | 可能 | |
| NovelAI | 長文記憶に強い本格派 | 30回 | 15ドル | 不要 | 可能 | |
| マルチ | Genspark | 一行から挿絵付き小説 | 100クレ | 24.99ドル | 不要 | 有料可 |
| Canva | 画像+文章で電子書籍化 | 50回 | 1,180円 | 不要 | 可能 | |
| Claude | 情景描写が得意 | 約5回/5h | 19ドル | 不要 | 可 | |
| ChatGPT | 描写力が高い万能型 | 約10回/5h | 3,000円 | 不要 | 可能 | |
| Gemini | 無制限で長編向き | 無制限 | 2,900円 | 不要 | 可能 | |
| Copilot | 調査しながら書けるAI | 約300回/日 | 3,200円 | 不要 | 可能 |
※クレ=クレジット、「AIのべりすと」の料金は税抜き、登録不要はアカウント連携含む(Googleなど)
AIのべりすと
「AIのべりすと」は、日本語特化型の小説生成AIで、総2テラバイト(数十億〜数兆トークン)以上のテキストを学習した小説専用AIです。「なろう系」「少女小説」「SF・ミステリー」などのお試しプロンプトがあるので、アイデアがなくても手軽に小説を作れます。
また、AIが作った小説の一部を修正できるため、オリジナル感ある小説を作りたい方にもおすすめです。なお、小説は一定制限(長い文章ができないなど)があるものの無料で使え、挿絵を使う際には毎月無料付与される「10ルミナ」が使えます。
Sudowrite
Sudowriteは、エミー賞を3度受賞した脚本家・バーニー・スーからも絶賛されるアメリカの小説作成特化型のAIツールです。日本語対応しており、ユーザーインターフェースから「スタイル」「あらすじ」「登場人物」「世界観」にワンクリックでアクセスできます。
また、「鋭い・滑らか」「自然な会話形式」など、文章の雰囲気を固定できるカスタム機能も充実。生成画面の横にはチャット欄が配置されており、AIと対話しながら細かな調整もできます。
AI BunCho
AI BunChoは、60億パラメータの日本語特化型AIを搭載した小説向けの生成AIです。タイトルやあらすじ、本文生成まで幅広くこなし、文脈に沿った自然な日本語の小説を作ってくれます。
小説のカテゴリは「スカッと系(勧善懲悪)」、「恋愛」といった型があり、画像生成(最大12画像を一度に生成)にも対応しているため、挿絵と組み合わせた小説づくりも可能です。
NovelAI
NovelAIは、小説のプロット作成、キャラクター構築など、多彩な機能を持つ小説特化型AIです。
「Llama 3 Erato 70b」や「Xialong」など高度な執筆モデルを搭載し、最大約32,000字以上の圧倒的な長文記憶力を発揮します。もともと小説特化型のAIでしたが、近年漫画生成にも対応し、画像と合わせた小説執筆にも対応可能です。
Genspark
Gensparkは、一行のアイデアから挿絵付きの小説として出力・編集できるAIツールです。「ジャンル」「あらすじ(一行)」「雰囲気」を選ぶだけ自動で小説を作成し、短編・中編が得意ですが、随時書き足せば長編小説も対応可能です。
このAIは小説以外に画像やスライド、コード生成にも対応し、無料枠として100クレジットを付与します。なお、今回短編小説を作成した際は12クレジットを消費しました。
Canva
デザインツールでおなじみのCanvaは、OpenAIの技術を使ったAI機能「マジック作文」による小説生成、CanvaAIによる画像生成を組み合わせた小説作成ができるAIツールです。
画像をCanva内で表紙や挿絵にできるため、電子書籍のような完成品に装丁・PDF出力までできます。AI翻訳機能を使えば、多言語に対応する小説も手軽に生成可能です。
Claude
Claudeは、高い日本語力と長文の理解力で定評のある汎用AIです。「雨の音」など五感に響く繊細な情景描写が得意で、構成に沿った短編から連続もののストーリーまで、希望の形式で柔軟に作成できます。
Claudeの特徴といえば、他の生成AIよりも倫理面やコンテンツの安全性を重視していること。利用規約には「私たちはOutputsに関するすべての権利、タイトル、利益(もしあれば)をあなたに譲渡します。」とあるため商用利用も安心です。
ChatGPT
マルチモーダルな機能を持つChatGPTは、簡単な指示で設定や登場人物を膨らませ、読者を引き込む小説を作成できるAIです。
ChatGPTで作るAIの小説は、描写力や日本語の自然さ、雰囲気作りなど、あらゆる面でクオリティが高く、ラストまで一貫したストーリーでまとめてくれます。プロンプト欄から画像をアップロードして、小説のイメージを具体的に伝えることも可能です。
Gemini
GeminiはGoogleが開発したマルチモーダルな機能を持つ生成AIで、Google製品(Gmail、Googleマップなど)、NotebookLMとの連携など、独自の魅力が多いツールです。
小説の生成においては、短編から長編まで柔軟に対応でき、さらに一度に大量のテキストを読み込ませることも可能です。無料枠もほぼ無制限なので、長編小説の全章チェックとして活用するのもおすすめです。
Copilot
CopilotはMicrosoftの生成AIで、Office製品(Word、Excel、PowerPoint)、Edge、Teamsなど多彩なオフィスツールとの連携機能が特徴です。WordとAIを連携すれば、小説の誤字脱字チェックまでまとめて依頼できます。
AIによる小説生成では、構成案づくりから長編の推敲まで対応し、さらにWeb検索と生成を同時に行えるため、リサーチしながら小説を書くスタイルにも向いています。
このように、小説を作れる生成AIにはマルチな機能を持つツールも多くあります。以下の記事では、ClaudeやChatGPT、Geminiをまとめて紹介しているので、各生成AIの詳しい違いや機能を知りたい方はぜひご一読ください。
生成AIで小説を作る方法5ステップ
生成AIを使えば「丸投げ」しても小説は作れますが、より精度を高めたオリジナルな小説を作るためには、以下のステップを踏みながら進めましょう。
| 工程 | 生成AIの役割・できること | 作成のコツ |
|---|---|---|
| ①アイデア出し | テーマを提示し企画を練る | ジャンル(SFなど)+キーワードを複数提示 |
| ②設定構築 | キャラクター・世界観を作り込む | 性格・関係性・舞台背景を細かく指定 |
| ③プロット作成 | 章立て・起承転結など構成案を作成 | 構成の破綻を確認(修正コスト削減のため) |
| ④本文執筆 | プロットごとにシーンの本文を生成 | 一気に書かせず、章・シーンごとに依頼 |
| ⑤推敲 | 誤字脱字確認、文体調整、描写強化 | 均質的なAIの初稿にオリジナル要素を加味 |
上記のステップを踏むことで、AIでも質の高い小説が作れます。ただし、理想の作品に仕上げるには、プロンプトの書き方、設定の矛盾・ブレを防ぐ「情報の管理」のスキルも必要です。
セミナーで「AIに小説作成を丸投げ」から脱却しよう!
生成AIセミナーは、意図通りの回答を引き出すプロンプトエンジニアリングや、膨大なキャラ・世界観情報を一括管理できる「NotebookLM」の使い方を習得できます。
さらに、AIで作った小説の挿絵に使える画像生成テクニックも学べるため、電子書籍化やWeb小説での連載を目指す方にもおすすめです。
セミナー名 生成AIセミナー 運営元 GETT Proskill(ゲット プロスキル) 価格(税込) 29,700円〜 受講期間 2日間 受講形式 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング
生成AIで小説を作る際の注意点
生成AIで小説を作る際は、以下の点に注意しましょう。
AIの初稿に頼り切らず必ず推敲する
AIが生成した小説は、展開や表現が画一的、または過剰な比喩の多用、その他感情描写が平坦になりがちです。
こうした文は心に刺さらず、読み流してしまいやすいので、最後は人間の手でオリジナリティや深みを加えましょう。読み進めて「自分はこう書く」という箇所に手を加えると自然に仕上がります。
著作権や規約の確認を怠らない
続いて、AIが生成した小説が既存の作品と酷似していないか確認しましょう。自分で判断できない場合は、無料ツール「CopyContentDetector」を使ってコピペチェックするのもおすすめです。
また、商用利用(出版・有料販売)を検討している場合は、各ツールの最新の利用規約を必ず事前に確認しておいてください。
生成AIに関する著作権の扱いは国によって異なります。以下の記事では、日本で適用されるAI関連の法規「著作権法」や「不正競争防止法」についてわかりやすく解説していますので、ぜひあわせてご一読ください。
生成AIを使った小説作成でよくある質問
生成AIを使った小説作成では、「規制なしで作れるか」「AI小説はバレるのか」「一次創作になるのか」といった質問が多く寄せられます。
小説生成AIについてまとめ
生成AIで小説を作る際は、ツールごとの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが重要です。創作特化型AIは文章の雰囲気づくりや設定構築が得意で、マルチ型AIはプロット作成・データ管理・挿絵生成まで幅広く対応できます。
さらに、ChatGPT・Gemini・Copilotといったマルチ型AIも、それぞれ機能が異なるので、まずは各ツールを実践的に使いこなすセミナーに参加し、自分の小説制作に最適なAIを選別しましょう。






