Geminiは業務効率化に便利なツールですが、「入力した機密情報や社外秘のデータが、AIの学習に使われてしまうのでは」と不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Geminiにデータを学習させないための設定手順について、個人向けアカウントと法人向けアカウントに分けて解説します。情報漏洩リスクを回避し、Geminiを安全に使いこなしたい方は、ご一読ください。
Geminiは入力データで学習する?学習させない方法
「Geminiの学習」という言葉には、AIがユーザーのデータをモデル改善に活用する仕組みと、ユーザーがGeminiを活用して勉強するという2つの意味があります。本章では前者に焦点を当て、業務で安全に利用するためにデータを学習させない設定の前提知識を解説します。
- 入力データはどのようにAIの学習に使われる?
- 無料版と法人版(Workspace)で異なる学習の初期設定
- 会話記憶とモデル学習は別の機能
Geminiの学習の仕組みを把握したい方は、参考にしてください。
入力データはどのようにAIの学習に使われる?
Geminiに入力したデータが学習(サービスの改善)に利用されるかどうかは、利用アカウントや設定によって異なります。入力データが内部で処理され、AIのモデル改善に活用される一般的な流れは、以下のとおりです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①送信 | ユーザーが入力したプロンプトやデータが、Googleのシステムに送信・処理される |
| ②処理・選別 | サービスやモデルの改善に利用されるデータが選別される |
| ③レビュー | 一部の学習データを人間のレビューアーが確認する場合がある |
| ④活用 | 選別・レビューを経たデータが、Geminiの機能やAIモデルの改善に活用される |
なお、学習に使われる場合であっても、入力内容がそのまま外部に公開されるわけではなく、データはあくまでAIの精度を高めるための素材として内部で処理される仕組みです。
無料版と法人版(Workspace)で異なる学習の初期設定
Geminiの学習仕様は、プランやアカウントの種類によって異なります。それぞれの違いは、以下のとおりです。
| 項目 | 無料版(個人用) | 個人向け有料版(Google AI Proなど) | Google Workspace版 |
|---|---|---|---|
| デフォルトの学習設定 | オン | オン | オフ |
| ユーザーによるオプトアウト | 可能 | 可能 | 管理者が一括管理 |
| 人間のレビュー対象 | なる場合がある | なる場合がある | 原則対象外 |
| 主な用途の想定 | 個人利用 | 個人・ライトな業務利用 | 企業・組織での業務利用 |
※出典:Google|Geminiアプリのプライバシーハブ
※出典:Google|Google Workspaceの生成AIに関するプライバシーハブ
法人向けのGoogle Workspace版ではデフォルトで学習しない設定ですが、個人向けアカウントでは、いずれも手動でアクティビティ設定を変更しない限り、入力データが学習対象となる可能性があります。
そのため、業務でGeminiを活用する場合は、有料プランだから安心と過信せず、個人アカウントかWorkspaceアカウントかを確認しておくことが重要です。
会話記憶とモデル学習は別の機能
Geminiにおける会話の記憶とモデル学習の違いは、以下のとおりです。
| 項目 | 会話の記憶(履歴や好みの保存) | モデル学習(AIのトレーニング) |
|---|---|---|
| 本来の目的 | ユーザー自身の利便性向上 | GoogleのAIモデルの品質向上 |
| データの利用先 | 自分のアカウント内での回答生成のみ | GoogleのAIモデル構築(間接的に他者の回答にも影響) |
| 人間のレビュー | されない | 対象になる場合がある |
個人向けアカウントでは、性質の異なる2つの機能がGeminiアプリアクティビティで連動しているため、設定をオンにしている限り、入力データがAIの学習対象になる可能性があります。
このように、AIの学習機能や仕組みを正しく理解していないと、思わぬ情報漏洩リスクにつながる恐れがあります。セキュリティを担保しつつ、実務でGeminiを安全に使いこなすための基礎知識を身につけたい方は、セミナー受講もおすすめです。
GETT ProskillのGeminiセミナーは、生成AIの仕組みなどの基本から実務で使えるノウハウまで、短期間で習得できると評判です。気になる方は詳細を確認してみてはいかがでしょうか。
【個人向け】Geminiに学習させない設定手順
本章では、個人のGoogleアカウントでGeminiにデータを学習させない手順を解説します。
- PC(Webブラウザ版)での設定
- スマホ(アプリ版)での設定
Geminiに学習させたくない方は、参考にしてください。
PC(Webブラウザ版)での設定
PCで学習させない設定を行う手順は、以下のとおりです。
まず、Geminiにアクセスし、「設定(歯車マーク)」から「アクティビティ」をクリックしてください。

次に、Geminiアプリアクティビティの画面で、アクティビティの保存を「オフにする」または「オフにしてアクティビティを削除」をクリックします。

以下の確認画面が表示されるので、「OK」をクリックしてください。

以上で、PCでの学習させないための設定は完了です。
スマホ(アプリ版)での設定
スマホで学習させない設定にする手順は、以下のとおりです。
- Geminiアプリを起動してログイン
- プロフィールアイコンをタップ
- 「Geminiアプリアクティビティ」を選択
- 「アクティビティをオフにする」をタップ
- 確認ダイアログで「オフにする」をタップ
PC版とスマホアプリ版で画面のレイアウトが若干異なりますが、学習させない設定の流れは同じです。
【法人向け】Geminiの安全な運用方法
本章では、法人がGeminiを安全に運用するために必要な、Google Workspaceにおけるアクセス権の確認と社内ガイドラインの策定について解説します。
- Google Workspaceにおけるアクセス管理の手順
- 社内ガイドラインの策定
それぞれ見ていきます。
Google Workspaceにおけるアクセス管理の手順
前述のとおり、Google Workspace版のアカウントを利用している場合、デフォルトでデータの学習利用がオフになっています。そのため、スタッフ一人ひとりが個別に学習させないための設定作業を行う必要はありません。
ただし、組織のシステム管理者はこの安全な環境をベースとして、Google管理コンソールから組織全体や特定の部門に対してGeminiアプリの利用自体を許可・制限することで、より確実な情報漏洩対策が可能になります。
アクセス権を確認・変更する手順は以下のとおりです。
- 管理者アカウントでGoogle管理コンソールにログインする
- メニューから「生成AI」>「Geminiアプリ」に移動する
- 「サービスのステータス」をクリックする
- 「全員に対してオフ」または「全員に対してオン」を選択し「保存」をクリックする
※出典:Google Workspace|Geminiアプリのオン/オフを切り替える
なお、特定の組織部門やグループのみに設定を適用したい場合は、サイドバーで対象を選択してから保存してください。
社内ガイドラインの策定
Geminiの学習リスクを組織全体で管理するには、システム設定だけでなく、「誰が・どの業務で・何を入力してよいか」を明確にした社内ガイドラインの策定が重要です。スタッフに周知すべき主なガイドライン項目は、以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 入力情報の制限 | 個人情報・顧客情報・社外秘データは入力禁止とする |
| アカウントの指定 | 業務利用は会社付与のWorkspaceアカウントに限定する |
| スタッフへの教育 | ガイドラインを全社に周知し、定期的に研修を実施する |
| インシデント対応 | 情報漏洩が疑われる場合の報告ルートと対応フローを事前に整備する |
また、会話履歴が長期間保存されたままだと、万が一アカウントが不正アクセスを受けた際、情報漏洩リスクが高まります。ガイドラインの運用と合わせて、会話履歴の保持期間も適切に設定しておきましょう。
Workspace版はデフォルトで18か月間保存されますが、管理コンソールから3か月・18か月・36か月・完全オフに変更できます。ただし、完全オフにするとWorkspaceアプリとの連携機能が使えなくなるため、業務効率とのバランスを考慮して設定してください。
※出典:Google Workspace|Geminiアプリのオン/オフを切り替える
なお、ガイドラインの運用と合わせて、社内の情報セキュリティ教育を体系的に整備したい方は、以下の記事も参考にしてください。
Geminiに学習させない設定をしても残るリスク

学習させない設定をしても残る主なリスクは、以下のとおりです。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| ①人間による確認 | オフにしても不正防止などの目的で最大72時間はシステム上にデータが保存される |
| ②シャドーAI | システムの設定だけでは、スタッフによる個人アカウントの無断利用は防げない |
| ③履歴の消失 | 履歴保存を完全オフにすると、過去の会話履歴が参照できなくなる |
このように、学習させない設定を行うだけではカバーしきれないリスクもあります。
Geminiに学習させないだけでは不十分?安全に活用するコツ
本章では、Geminiを安全に活用するためのコツをご紹介します。
- 個人情報や社外秘データはダミー文字にする
- 送信前に外部露出の問題がないか確認する
- 定期的にアクティビティ履歴の確認・削除を行う
- 正しいプロンプト術を身につける
それぞれ見ていきます。
①個人情報や社外秘データはダミー文字にする
Geminiに、顧客情報や社外秘データをそのまま貼り付けないようにしましょう。「A社」「〇万円」のように、ダミー文字や伏せ字に置き換えてから入力することで、万が一の情報漏洩リスクを低減できます。
②送信前に外部露出の問題がないか確認する
Geminiに送信する前に、入力内容に機密情報が含まれていないか確認する習慣をつけましょう。「入力内容が外部に公開されても問題ないか」を基準に判断すると、リスクの見落としを防げます。
③定期的にアクティビティ履歴の確認・削除を行う
アクティビティ設定をオフにしていても、過去の履歴が残っている場合があります。定期的にGeminiアプリのアクティビティページを確認し、不要な履歴は手動で削除する習慣をつけましょう。自動削除期間を3か月に設定しておくのも有効です。
④正しいプロンプト術を身につける
Geminiを安全に使うには、正しいプロンプトの書き方を習得することも重要です。具体的な指示・条件・出力形式を明示することで、不要な情報を入力せずに精度の高い回答を引き出せます。ガイドライン策定に加えて、リテラシー向上に取り組むのがおすすめです。
なお、Geminiの効果的な使い方やAIを活用した学習方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
Geminiを安全かつ実践的に使いこなすなら

情報漏洩リスクを回避しつつ業務効率化を実現するには、生成AIの基礎知識やプロンプトエンジニアリングのスキルなどが不可欠です。これらは独学では習得に時間がかかるため、セミナー受講の検討も一つの方法です。
GETT ProskillのGeminiセミナーは、短期間で生成AIの基礎からGeminiでの業務効率化までマスターできます。初心者でも基礎から実務レベルまで理解できたと好評なので、気になる方は詳細を確認してみてはいかがでしょうか。
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|---|---|
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| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
Gemini学習についてまとめ
本記事では、Geminiのデータ学習機能に関する仕様や、情報漏洩リスクを防ぐために学習させない設定について解説しました。個人向けアカウントとWorkspace版では学習の初期設定が異なるため、まずはご自身の環境に合わせて設定を見直すことが重要です。
また、法人でGeminiを安全に運用するには、システム上で学習させない設定を行うだけでなく、ルールの徹底がポイントになります。自社に合わせた適切な設定で、安全かつ効果的にGeminiを活用してください。





