AWS(Amazon Web Services)は、世界中の企業や開発者に利用されているクラウドサービスです。クラウドエンジニアやインフラエンジニアを目指す人はもちろん、将来に向けてキャリアを広げたいなら、AWSのスキルを習得してみてはいかがでしょうか。
AWSを学ぶなら、時間や場所を選ばずに効率的に学べるオンライン学習がおすすめです。
この記事では、AWSをオンラインで学べるおすすめサービスやAWSの操作方法、効果的な学習ステップについて詳しく紹介します。AWSのスキルをオンラインで効率的に習得し、スキルアップやキャリアアップへつなげましょう。
AWSの特徴とできること
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供する世界最大級のクラウドコンピューティングサービスです。企業や個人がインターネットを通じて、サーバーやデータベース、ストレージ、AIなどのさまざまな機能を利用できます。
AWSの主な特徴として、以下の点が挙げられます。
- サーバーやデータベースのリソースを必要に応じて増減できる
- 使った分だけ料金が発生する従量課金制が採用されており、コスト効率が高い
- 世界中にデータセンターがあり、高速・低遅延で安定したサービスを提供している
- データ暗号化、IAM(アクセス管理)、DDoS対策など、強固なセキュリティ機能を標準装備している
- コンピューティング・ストレージ・データベース・AI・IoTなど多様なクラウドサービスを提供している
AWSを利用すれば、Webサイトやアプリのホスティング、機械学習の活用、データ分析、企業システムのクラウド移行など、実に様々なことができます。
具体的な活用事例についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
AWSの基本の操作方法
AWSを操作するには、直感的に操作できるWebコンソール(GUI)、コマンドラインで効率的に管理できるCLI、プログラムを通じて操作できるSDKやIaC(Infrastructure as Code)など、さまざまな方法があります。なお、これらはオンラインでの操作が可能です。
具体的な操作方法を表にまとめてみましょう。
操作方法 | 使用するツール | 概要 | 必要なスキル |
---|---|---|---|
①GUIで操作する | AWSマネジメントコンソール | Webブラウザ上のGUIを使ってAWSの各サービスを操作。直感的だが手作業が多く、自動化には不向き |
|
②コマンドラインで操作する | AWS CLI | ターミナルやコマンドプロンプトからAWSリソースを管理。スクリプト化が可能で、効率的に操作できる |
|
③Webブラウザ上でコマンド操作する | AWS CloudShell | AWSが提供するブラウザ上のシェル環境。ローカル環境の設定不要で、CLIを手軽に利用できる |
|
④プログラムから操作する | AWS SDK | PythonやJavaなどのプログラムからAWSサービスを操作。アプリケーションとAWSを統合するのに便利 |
|
⑤インフラを自動管理する | AWS IaC(CloudFormation, Terraform など) | コードでAWSのインフラを管理・自動化。バージョン管理ができ、一貫性のある環境構築が可能 |
|
初心者は、まず①AWSマネジメントコンソール(GUI)を使って、AWSの基本的な操作やサービスの概念を理解するところから始めましょう。GUIなら直感的に操作できるため、EC2の作成やS3へのファイルアップロードなどを試しながら、AWSの仕組みを学べます。
次のステップとして、②AWS CLIや③AWS CloudShellを活用すると、手作業を減らしつつ、より効率的にAWSを操作できるようになります。
④AWS SDKや⑤IaC(Infrastructure as Code)は開発者向けのスキルが必要となるため、プログラミングの知識やインフラ管理の経験が求められます。
AWSをオンラインで学べるおすすめサービス7選
AWSは初心者向けの入門教材から実践的なハンズオンまで幅広い学習リソースが揃っているため、自分のレベルや目的に合った学習方法を選ぶことが大切です。ここでは、AWSをオンラインで学べるおすすめのサービスを厳選してご紹介します。
- AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー
- Udemy
- ドットインストール
- CloudTech
- paizaラーニング
- 侍テラコヤ
- Cloud License
①AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー
「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」は、未経験者でも2日間でAWSのインフラ構築を習得できる短期集中講座です。
クラウドの基礎知識から始まり、VPCを用いた仮想ネットワークの構築、EC2によるWebサーバーの設定など、基本的な操作を学べます。また、Linux環境の最新化やPythonのインストール、Flaskを用いたアプリケーション開発環境の構築、さらにELBによる負荷分散設定やCloudWatchを活用したシステム監視など、実践的なスキルも身につきます。
受講形式は、会場受講とライブウェビナーから選択可能で、自分の学習スタイルに合わせて柔軟に学べます。実務で即活用できる技術を短期間で習得したい方におすすめのセミナーです。
②Udemy
Udemyは、AWSの基礎から応用まで幅広い講座が揃っているオンライン学習プラットフォームです。講座は動画形式で提供されており、購入すれば好きなタイミングで何度でも視聴可能。セール期間には有料コースが大幅割引されることも多く、コストを抑えながら学習を進められます。
無料の入門講座から有料の実践的なハンズオン講座まで選択肢が豊富で、自分のレベルや目的に応じた学習ができるのが特徴です。AWS認定試験対策のほか、実際の業務に役立つインフラ構築・自動化に関するコースが充実しています。
③ドットインストール
ドットインストールは、3分程度の短い動画でプログラミングやクラウド技術を学べるオンライン学習サービスです。初心者向けの入門講座が豊富で、動画のスピード調整やコードのサンプル閲覧機能もあるため、AWSの基礎を短時間で学びたい人に適しています。
「Amazon Web Services入門」講座では、AWSの基本的な概念や、実際の操作方法をわかりやすく解説しており、一部のレッスンは無料で視聴可能。すべてのレッスンを視聴して実践的なスキルを身につけたい場合は、プレミアムプランへの加入が必要です。
④CloudTech
CloudTechは、AWS初学者を対象とした日本最大級の有料オンライン学習プラットフォームです。300本以上の高品質な講義動画を提供し、学習ロードマップに沿って体系的にAWSの知識を習得できます。
全12種のAWS認定資格に対応した演習問題を備えており、丁寧な解説や関連動画で理解を深められます。また2,800名以上が参加する会員制コミュニティでは、技術的な質問のサポートやイベント、交流会、転職支援、限定の副業情報など、多彩なサポートが受けられるのが魅力です。
⑤paizaラーニング
paizaラーニングは、プログラミングやクラウド技術を動画とスライドで学べる初心者向けオンライン学習サービスです。AWSの基礎を学べる「AWS入門編」は一部無料で提供されており、AWSの基本概念や実際の操作方法を短時間で習得できます。
有料プランへ加入することで、2,350本以上あるすべての講座が視聴可能。AWS以外にもプログラミングやインフラ、データベースなど、幅広い分野を学習できます。
⑥侍テラコヤ
侍テラコヤは、プログラミングやAWSを体系的に学べるオンライン学習サービスです。アカウントを作成するだけで、AWSの基礎知識を学べる教材にアクセスできるほか、AWS CLIの使い方や実践的なスキルを身につけるための多様なコンテンツを利用できます。
現役エンジニアによる月1回60分のオンラインレッスンを受けられるため、学習中に生じた疑問を直接質問可能。掲示板や学習ログ機能も利用でき、他の受講者と交流しながらモチベーションを維持しやすい環境が整っています。
⑦Cloud License
Cloud Licenseは、AWS認定試験の対策に特化したオンライン学習プラットフォームです。AWSおよびGCP(Google Cloud Platform)認定試験の18科目、6,000問以上の豊富な問題集を提供しており、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのマルチデバイスに対応しています。
問題は7問単位で構成されており、通勤時間などのスキマ時間を活用して効率的に学習を進められるのが魅力。本番試験をシミュレートした模擬試験も用意されており、リアルタイムで合否判定がメール通知されるため、実力チェックに活用できます。
初心者におすすめのAWSオンライン学習ステップ
AWSは多機能で学習範囲が広いため、基礎を固める→実際に試す→応用力をつけるというステップを踏むことが重要です。ここでは、初心者が無理なくAWSを習得できるように、段階的な学習方法をご紹介します。
Step1:公式リソースで基礎を学ぶ
AWS初心者がオンライン学習をする最初のステップは、公式リソースを活用して基礎知識を身につけることです。AWSは多機能で学習範囲が広いため、まずは全体像を把握し、主要なサービスや基本的な概念を理解しましょう。
初心者向けのおすすめリソースとして、「AWS Skill Builder」 があります。AWS公式の無料オンライン学習プラットフォームで、クラウドの基礎やAWSの主要サービスについて、動画やクイズ形式で学習できます。
また、AWSの公式ドキュメントやブログ、公式YouTubeチャンネルなどのコンテンツも、初心者のオンライン学習におすすめです。
「AWS Skill Builder」(公式eラーニング)についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
Step2:AWS Free Tier(無料枠)を使って実際に試す
AWSの基礎知識を学んだら、実際に手を動かしてサービスを試してみましょう。その際に活用できるのが AWS Free Tier(無料利用枠)です。AWSでは、新規アカウントを作成すると、一部のサービスを無料で利用できます。
代表的なAWSマネージドサービスの無料枠をまとめました。
サービス | 概要 | 無料枠の内容 |
---|---|---|
Amazon EC2 | 仮想サーバーを作成・運用できる | 750時間/月(12か月間) |
Amazon S3 | オブジェクトストレージサービス | 5GB(12か月間) |
Amazon RDS | リレーショナルデータベース | 750時間/月(12か月間) |
AWS Lambda | サーバーレスでコードを実行 | 100万リクエスト/月(常時無料) |
Amazon SNS | プッシュ通知・メッセージ配信 | 100万リクエスト/月(12か月間) |
※無料枠はAWSのポリシー変更により内容が変更される可能性があります。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
このような無料枠を使って簡単なWebサイトをホスティングしたり、仮想サーバーを立ち上げたりしながら、実践的な操作を覚えていきましょう。
一方で、AWSの無料枠には利用上限があり、その範囲を超えると 従量課金制で自動的に料金が発生する点に注意が必要です。無駄なコストをかけないために、料金アラート(AWS Budgets)を設定しながら、必要な範囲で学習を進めましょう。
Step3:有料サービスを活用してスキルを強化
無料枠で基本的なAWSの使い方を学んだら、有料サービスを活用してさらにスキルを強化しましょう。AWSの無料枠では制限があるため、より実践的なスキルを習得するには、有料のリソースを使うのが効果的です。
有料サービスには、「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」のようなオンライン講座のほか、有料動画やプログラミングスクールなど、実に幅広い種類があります。費用対効果を意識しながら、効率的に学習できるサービスを探しましょう。
Step4:AWS認定資格に挑戦する
AWSの基本操作や実践的なスキルを身につけたら、AWS認定資格に挑戦し、学習の成果を証明しましょう。AWS認定資格を取得することで、自身のスキルを客観的に示せるだけでなく、キャリアアップや転職にも役立ちます。
AWS認定資格には、基礎レベル(Cloud Practitioner)・アソシエイトレベル(Solutions Architect, Developer, SysOps)・プロフェッショナルレベル・専門資格など、さまざまな種類があります。初心者は、AWS Certified Cloud Practitioner(クラウドの基本を問う入門資格)から始めましょう。
AWS認定資格に関してさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。
AWSをオンラインで学ぶメリット
AWSを学ぶ方法はさまざまですが、オンライン学習は特に効率的な選択肢の一つです。ここでは、AWSをオンラインで学ぶことで得られる具体的なメリットを紹介します。
好きな時間・場所で学習できる
オンライン学習の最大のメリットは、時間や場所に縛られず、自分のペースで学べることです。仕事や学業が忙しくても、通勤時間や空き時間を活用して効率的に学習を進められます。
AWSの学習は実際のクラウド環境で試しながら進めることが重要ですが、オンラインなら自宅やカフェ、移動中でも学べるため、継続しやすいのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、動画講座やeラーニングプラットフォームを利用すれば、一時停止や倍速再生が可能で、自分の理解度に合わせた学習ができます。特定のトピックだけを集中的に学んだり、復習したりするのも簡単です。スクールに通う必要がないため、移動の手間や時間も削減できます。
幅広い学習コンテンツが利用できる
AWSをオンラインで学ぶメリットの一つは、目的やレベルに応じた多様な学習コンテンツを選べることです。初心者向けの入門動画や無料の公式ドキュメントから実践形式の演習、AWS認定資格の試験対策講座まで、幅広い教材が揃っています。
AWS公式のトレーニングでは実際にAWS環境を操作することで理解を深められますし、短期集中でスキル習得を目指すなら「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」のようなオンラインセミナーを活用できます。動画講義も活用すれば、苦手部分を集中的に学習することも可能です。
実際のAWS環境で実践ができる
AWSをオンラインで学ぶ最大のメリットの一つは、自分のPCやブラウザ上で実際のAWS環境を操作しながら学習できることです。クラウド技術は、理論だけでなく実践を通じて理解を深めることが重要ですが、AWSでは無料利用枠が用意されているため、初学者でもコストをかけずに実践学習を進められます。
例えばAWS公式の「AWS Skill Builder」では、EC2(仮想サーバー)やS3(ストレージ)、IAM(アクセス管理)などの基本操作を実際に試しながら学習可能。また、CloudFormationやTerraformを使ったIaCの演習を通じて、実務に役立つスキルも習得できます。
最新の技術やトレンドに対応しやすい
AWSはクラウド業界をリードするサービスであり、新しい機能やサービスが頻繁に追加・更新されます。オンライン学習を活用すれば、最新の技術やトレンドを効率よくキャッチアップし、実務に役立つスキルを常にアップデートできるのもメリットです。
AWS認定資格試験も定期的にアップデートされますが、オンラインであれば、最新の試験対策講座や模擬試験を受講できます。クラウド技術は進化が速いため、オンライン学習を活用することで、常に市場価値の高いスキルを維持できるのが魅力です。
AWSをオンラインで学んでキャリアアップを実現しよう
AWSのスキルは、IT業界でのキャリアアップに直結する重要なスキルの一つです。クラウド技術は今後ますます需要が高まる分野のため、今から学び始めることで将来のキャリアに大きなアドバンテージを持つことができます。オンライン学習を活用し、時間や場所に縛られず、自分のペースでAWSスキルの習得を目指しましょう。
AWSのスキルを短期間で効率的に習得したいという方は、「AWSで始めるインフラ構築基礎セミナー」の受講をぜひご検討ください!
