使用ユーザー数でともに上位に位置するPythonとJavascriptですが、これからプログラミングを勉強したい方はどちらを学ぶべきかお悩みかと思います。
本記事ではPythonとJavaScriptどちらがおすすめなのかをそれぞれの特徴や将来性などの観点から解説します。
PythonとJavaScriptの比較
これからPythonとJavaScriptを勉強したいと思う方に向けて比較表を作成しました。
プログラミング言語 | Python | JavaScript |
勉強のしやすさ | 勉強しやすい | 勉強しやすい |
求人数の数
| 261件 | 406件 |
将来性の高さ | 非常に高い | 高い |
平均年収 | 1,249万円 | 1,040万円 |
向いてる人 | AIや機械学習に興味がある人 | デザインに興味がある人 |
PythonもJavascriptも、どちらも使用するユーザーが多いため、学習するにあたって情報不足になることはないかと思います。
また求人数で比較するとJavascriptの方が多いですが、今後AIの開発・使用が活発になるためPythonの求人数は今後増えていくと思われます。
また年収面で見てもPythonの方が高くなっているのもわかるかと思います。
あとは将来性だけでなく、向き不向きなどの点からも自分がどちらを勉強してみたいか検討してみてください。
PythonとJavaScriptの概要
ここからはそれぞれの言語の歴史や特徴などについてご紹介します。
PythonとJavascriptはどちらもプログラミング言語として人気が高いですが、まずはそれぞれの言語の歴史や特徴についてご紹介いたします。
Pythonの概要
Pythonは、1991年に誰もが自由に改良・配布が可能であるプログラミング言語(オープンソース)として開発されました。
Pythonの特徴は、インタプリタ言語であることです。
インタプリタ言語とは、書いたコードを実行する際に機械がわかる言語に変換する工程(コンパイル)を踏む必要がなく、シームレスに実行できる言語です。コンパイルしない代わりに変換・実行を同時に行うためプログラムの処理速度は遅くなりますが、エラーなどを見つけやすくなります。
そして、Pythonには特定の作業を効率的に行うためのコードの集まりであるライブラリと、特定のアプリケーション開発に必要なライブラリなどの機能が揃っているフレームワークも豊富にある点も特徴です。
JavaScriptの概要
JavaScriptは、1996年に初めて一般に公開されたスクリプト言語です。スクリプト言語とは、Pythonのようにコンパイルする必要がなく、Google ChromeやMicrosoft EdgeなどのWebブラウザ上で実行される言語です。またJavascriptもPython同様、アプリケーション開発に役立つライブラリやフレームワークなども豊富に揃えている点が特徴です。
ライブラリやフレームワークについては後ほど詳しく解説します。
PythonとJavaScriptでできること
ここまでPythonとJavaScriptがどのような特徴を持っているかご紹介しました。
次にそれぞれが実際にどのようなアプリケーションやサービスを開発しているのかご紹介します。
Pythonでできること
Pythonを使用してWebアプリケーション開発をすることも可能ですが、コードのシンプルさからサーバーサイドの開発にも向いています。
サーバーサイドの開発は複雑になるため、コードの可読性の高さが重要になるためです。
例えば、
- 大量のデータを学習させる機械学習・AI開発
- データベースからデータを抽出・加工・出力
- ブロックチェーン技術の開発
- 自動化(業務効率化やWebスクレイピング)
など、大量のデータを扱うアプリケーション開発やAIの開発に用いられることが多いです。
PythonのAI開発について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
JavaScriptでできること
JavaScriptはフロントエンドと呼ばれ、主にWebサイトなどWeb上で動くアプリの開発などで用いられます。
通常、WebサイトはHTML/CSSで制作されますが、Webサイトに特定の条件で表示を変えるなどの動的な動きを加えることが可能です。
一方、フロントエンドだけでなくサーバーサイドの開発でも使用することができます。
実際の動きとしては、PCやスマホなどのクライアントサイドからの依頼を受けて応答を返す、といったようなことも可能です。
つまりクライアントサイドなどのフロントエンドの開発で使用されると同時に、サーバーサイドでの開発もJavaScriptを使用すれば、他のプログラミング言語の学習コストを抑えつつアプリケーション開発ができるようになります。
PythonとJavaScriptのフレームワーク
ここまでPythonとJavaScriptを使用したアプリケーションについて解説しました。
しかし実際に動かしてみようとすると思い通りにいかないこともあるかと思います。
ここでは、PythonやJavaScriptの開発を便利にするフレームワークについてご紹介します。
Pythonのフレームワーク
PythonはWeb開発にもサーバーサイドの開発にも使用されるため、ここではWeb開発に向いているフレームワークとサーバーサイドの開発に向いているフレームワークについてご紹介します。
Flask
Flaskとは2010年にリリースされたPythonでのWeb開発に適したフレームワークです。
マイクロフレームワークと呼ばれるシンプルな機能のみを搭載しており、簡単なWebアプリ制作に向いています。
Flaskの特徴としては、
- HTMLがコードが再利用できる
- アプリケーションシグナルによる処理の自動化
が挙げられます。
Web開発においてはページの冒頭(ヘッダー)には共通するコードが多いですが、Flaskを使えば、そのコードを何度もコピペしなくても、少しのコードの記載だけで自動で呼び出すことができるようになります。
また、Pythonで記述したプログラムの中には、処理が終わった際に「シグナル」という合図のようなものを受けるのですが、そのシグナルを受けた際の処理を自動化できる機能も兼ね備えています。
加えてFlaskには便利な拡張パッケージが豊富にある点も特徴です。
Django
Djangoは2005年にリリースされたPythonでのWeb開発に適したフレームワークです。
Flaskと異なり、大規模なWeb開発にも対応できる多くの機能を有しているフレームワークとなっており、これをフルスタックフレームワークと言います。
Djangoの特徴としては、
- MTVモデルの採用
- 強固なセキュリティ
が挙げられます。
アプリケーション開発やシステム開発においては、「どのように構成して」「どんな役割を持たせるか」を示すという「設計モデル」が必要になります。
MTVモデルも設計モデルの1つで、アプリケーションの構成要素を「モデル(Model)」「テンプレート(Template)」「ビュー(View)」の3つに分け、それぞれに役割を与えます。
役割が明確になっていることで各要素の開発や修正がしやすくなる点が特徴です。
また昨今のアプリケーション開発ではパスワードの設定やユーザーの認証などの機能を搭載することがほとんどですが、Djangoにはこれらの機能も標準搭載されている点も特徴です。
TensorFlow
TensorFlowとは2015年にGoogleによってリリースされた機械学習に適したPythonのフレームワークです。
機械学習の方法の1つとして大量のデータを自ら処理・学習するディープラーニングがありますが、TensorFlowはディープラーニングを行う際に必要な機能を取り揃えています。
より詳しく説明すると、ディープラーニングを行う際には「ニューラルネットワーク」と呼ばれる人間の脳を模した学習環境を構築する必要があります。
TesorFlowではその構築をするための機能を備えているということです。
また、学習させたAIを実際のアプリケーション環境に移す(デプロイ)際に必要な機能もTensorFlowでサポートされている点も特徴です。
JavaScriptのフレームワーク
ここではJavaScriptで人気のフレームワークについていくつかご紹介します。
AngularJS
AngularJSとは2010年にGoogleによって提供開始されたオープンソースフレームワークです。
AngularJSはWebアプリケーション開発に必要な機能が揃っているフロントエンドのフレームワークであり、「双方向データバインディング」の機能が揃っている点が特徴です。
Web開発では「データ」と「ビュー」を結びつけること(データバインディング)で動的な動きを実現しているのですが、その結びつける作業を自然に行ってくれるため、コードの記述量が少なく済ませることができます。
Bootstrap
Bootstrapは「レスポンシブデザイン」に対応しており、デザイン性の高いコンポーネントを取り揃えている点が特徴です。
Webページを見る際はPCだけでなくスマホ、タブレットなど様々ですが、各デバイスへWebページを表示させるためにはそれぞれに対応したデザインに作り直す必要があるのですが、Bootstrapを使用すればその必要がなくなります。
また、Webページ上のボタンやフォームなどのコンポーネントも本来はCSSで1からデザインする必要があるのですが、Bootstrapは高いデザイン性を持ったコンポーネントを多く取り揃えているため、それらを活用して制作することが可能です。
Next.js
Next.jsとは、JavaScriptの有名なライブラリの1つであるReact.jsを基に2016年にリリースされたフレームワークです。
React.jsとは2013年Meta(旧Facebook)によって開発され、現在は広く使われるライブラリの1つとなっています。
Web開発においてはサーバーを準備する必要があるのですが、Next.jsはサーバー機能を保有しているためテスト環境や簡易的な動作環境であればサーバーの準備が不要になるという点が特徴です。
また、画像の表示の最適化(レンダリング)も行ってくれるため、Webページの読み込み速度が速くなり、ページ表示速度が遅いといった理由でユーザーが離脱することを防いでくれます。
ここで紹介したフレームワークはWeb開発に適したもののみになりますが、実はJavaScriptを使用してAI開発もすることも可能です。
JavaScriptを使用したAI開発とそのフレームワークについては以下の記事をご覧ください。
PythonとJavaScriptの学習方法
PythonやJavaScriptを勉強したいと思っても何から始めていいのかわからない方も多いかと思います。
ここでは最後におすすめの学習方法についてご紹介します。
書籍で学ぶ
学習方法1つ目は、書籍で学ぶ方法です。
Amazonで評価が高かったものをいくつかご紹介します。
JavaScriptのおすすめ書籍
確かな力が身につくJavaScript「超」入門 第2版
引用:Amazon
1冊で全て身につくJavaScript入門講座
引用:Amazon
スラスラわかるJavaScript新版
引用:Amazon
Pythonのおすすめ書籍
スッキリわかるPython入門
引用:Amazon
独習Python
引用:Amazon
シリコンバレー一流プログラマーが教えるPythonプロフェッショナル大全
引用:Amazon
Webサイトで学ぶ
学習方法2つ目は、Webサイトで学ぶ方法です。
「Progate」というWebサイトは、一部のプログラミング講座を無料で学ぶことができるサイトです。
PythonもJavaScriptも無料で学べる部分が多いため、一度学んでみて基礎をつけてみるといいかもしれません。
講座で学ぶ
学習方法3つ目は、YouTubeに公開されている講座や企業で開催しているセミナーに参加することです。
書籍やWebサイトだと学びにくいと感じる方も、企業が開催している講座であれば体系的に学ぶことができます。
企業の講座
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YouTubeの講座
次に、YouTubeで見ることのできるPythonとJavaScriptの講座をご紹介します。
【永久保存版】Python入門完全攻略
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PythonとJavaScriptどちらがおすすめ?まとめ
今回はPythonとJavaScriptの使われ方やフレームワーク、将来性や求人数などの比較からご紹介しました。
みなさんのご参考になれば幸いです。