プログラムの実行条件を指定したいときに欠かせないのがif文です。Javaでは、特定の条件を満たした場合に処理を実行し、満たさない場合は別の処理を実行するといった制御が可能です。
本記事では、Javaのif文の基本から、if else文の使い方、複数の条件を組み合わせる方法などについて解説します。Javaの条件分岐を学びたい方は、ぜひ参考にしてください。
Javaとは
Javaは世界中で広く利用されているプログラミング言語です。業務システムやAndroidアプリなど、汎用性の高い開発をできるのが特徴です。
さらに、WindowsやmacOS、Linuxなど、複数の環境で同じプログラムを動かせることでも知られています。
加えて、堅牢性の高さも特徴的なため、セキュリティ性を重視する企業に需要の高い言語です。
また、Javaを使えば今注目されているAIの開発も可能です。以下の記事では、Javaを使ったAI開発の事例や、AI開発に使われるフレームワークについて解説しています。
AI開発に興味のある方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
Javaのif文とは?
Javaのif文は、指定した条件がtrueのときにのみ処理を実行する条件分岐の文法です。if文を使うことで、特定の条件に応じて異なる動作をさせられます。
if文の基本構文は以下のとおりです。
// 条件式がtrueのときに実行される処理
}
条件に当てはまる場合のみ処理を行いたい場合に有効です。
if文の使い方
以下の例では、変数scoreの値が80以上の場合に「合格です」と表示させる指示を出しています。
public static void main(String[] args) {
int score = 85;
if (score >= 80) {
System.out.println(“合格です”);
}
}
}
このプログラムを実行すると、変数scoreの値が80以上のため、「合格です」と表示されます。
また、Javaでは以下の比較演算子を使用できるので、条件分岐のプログラムを作成する際の参考にしてみてください。
演算子 | 意味 | 使用例 | 説明 |
== | 等しい | A == B | AとBが等しい場合にtrueを返す |
!= | 等しくない | A!= B | AとBが等しくない場合にtrueを返す |
> | より大きい | A > B | AがBより大きい場合にtrueを返す |
< | より小さい | A < B | AがBより小さい場合にtrueを返す |
>= | 以上 | A >= B | AがB以上の場合にtrueを返す |
<= | 以下 | A <= B | AがB以下の場合にtrueを返す |
Javaのif else文とは?
Javaのif else文は、条件によって異なる処理を実行する文法です。if文だけでは、条件がfalseのときになにも処理は行われませんが、elseを追加すると、条件がfalseの場合の処理を指定できます。
if else文の基本構文は以下のとおりです。
// 条件がtrueのときに実行される処理
} else {
// 条件がfalseのときに実行される処理
}
条件に当てはまらない場合にも処理を行いたい場合に有効です。
if else文の使い方
以下のプログラムでは、変数scoreの値によって「合格です」または「不合格です」と表示します。
public static void main(String[] args) {
int score = 75;
if (score >= 80) {
System.out.println(“合格です”);
} else {
System.out.println(“不合格です”);
}
}
}
このプログラムを実行すると、scoreの値が80以下のため、「不合格です」と表示されます。
Javaで複数の条件を組み合わせる方法は?
Javaでは、if文の後にelse ifを追加することで、複数の条件を組み合わせられます。これにより、条件を複数設置して、処理を分けることが可能です。
以下のサンプルコードでは、数値scoreに応じて評価を出力するプログラムです。
public static void main(String[] args) {
int score = 75;
if (score >= 90) {
System.out.println(“評価: A”);
} else if (score >= 80) {
System.out.println(“評価: B”);
} else if (score >= 70) {
System.out.println(“評価: C”);
} else if (score >= 60) {
System.out.println(“評価: D”);
} else {
System.out.println(“評価: F”);
}
}
}
このように、else ifを使うことで、複数の条件を順番にチェックし、該当する処理のみを実行できます。
論理演算子を使ってif文を作る方法
Javaでは、複数の条件を組み合わせてより複雑な条件分岐を作成するために、以下の論理演算子を使用できます。
- AND
- OR
- NOT
これらの論理演算子を使ったif文の作り方についてもみていきましょう。
ANDを使用した条件分岐
ANDは、複数の条件がすべて成り立つ場合に処理を実行したい場合に使用します。
public static void main(String[] args) {
int score = 85;
int score2 = 90;
if (score >= 80 && score2 >= 80) {
System.out.println(“合格です”);
} else {
System.out.println(“不合格です”);
}
}
}
この場合、score >= 80とscore2 >= 80の両方がtrueのため、「合格です」が表示されます。
ORを使用した条件分岐
ORは、いずれかの条件がtrueの場合に処理を実行したい場合に使用します。
public static void main(String[] args) {
int score = 75;
int score2 = 90;
if (score >= 80 || score2 >= 80) {
System.out.println(“合格です”);
} else {
System.out.println(“不合格です”);
}
}
}
この場合、score2 >= 80がtrueなので、「合格です」が表示されます。score >= 80がfalseでも、OR演算子により条件全体がtrueになります。
NOTを使用した条件分岐
NOTは、条件を反転させ、trueとfalseを逆にする場合に使用します。
public static void main(String[] args) {
int score = 75;
if (!(score >= 80)) {
System.out.println(“不合格です”);
} else {
System.out.println(“合格です”);
}
}
}
この場合、!(score >= 80)の条件がtrueになるため、「不合格です」が表示されます。
Javaのif文の省略形
Javaでは、if文を簡潔に記述する方法として三項演算子を使用できます。三項演算子を使うと、条件分岐を1行で表現できるため、コードを短縮できます。
三項演算子の基本構文は以下のとおりです。
条件式がtrueの場合は値1が代入され、falseの場合は値2が代入されます。
String result = (num % 2 == 0) ? “偶数” : “奇数”;
System.out.println(result);
上記のコードでは、三項演算子を使ってnumの値か偶数か奇数かを判定しています。
また、Javaを効率的に記述したいなら、Gang of Four(GoF)が提唱したデザインパターンについて押さえておくのがおすすめです。
以下の記事では、デザインパターンを種類別に解説しています。
デザインパターンのサンプルコードも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
Javaの使い方を学ぶなら
Javaの使い方を学ぶなら、以下の方法がおすすめです。
- 書籍で学ぶ
- オンラインセミナーで学ぶ
- プログラミングスクールで学ぶ
これらのJavaの学習方法についてみていきましょう。
学習方法①書籍で学ぶ
書籍で学ぶ方法は、Javaの基礎から応用まで体系的に学べるため、じっくりと知識を深めたい方に最適です。
特に初心者向けの書籍では、分かりやすい説明と例題が豊富に掲載されているため、段階的に学習を進めやすいでしょう。
また、書籍は自分のペースで学習を進められるのも魅力です。
書籍の選び方は、自分のレベルに合わせたものを選び、実際に手を動かしながら学ぶことがポイントです。
ただし、書籍だけではモチベーションを維持するのが難しい場合もあるので、並行して簡単なプログラムの開発を行うのもよいでしょう。
学習方法②オンラインセミナーで学ぶ
オンラインセミナーでは、自宅にいながらリアルタイムで講座を受けられるため、効率的に学習できます。
特に、質問ができる環境が整っている場合、疑問点をその都度解消しながら進められる点が大きな魅力です。
多くのセミナーでは、具体的な実践例を交えて学べるため、即戦力としてのスキルを短期間で習得できます。オンライン参加のため、時間的な制約も少なく、忙しい人にもおすすめです。
学習方法③プログラミングスクールで学ぶ
プログラミングスクールでは、体系的かつ実務に即したスキルを学べる環境が整っています。
専門の講師が個別にサポートしてくれるため、疑問点や理解できていない部分をしっかりと解消できるのが特徴です。
また、課題を通じてリアルな開発経験が積めるため、就職・転職を目指す方にとっても非常に有益です。
さらに、多くのスクールでは、学習後のサポートや就職支援も行っているので、Javaエンジニアとしてのキャリア形成にも役立つでしょう。
Javaのif文についてのまとめ
本記事では、Javaのif文の基本から、if else文、else ifを使った条件分岐、さらには三項演算子を用いた省略形まで解説しました。
if文を使うことで、プログラムの処理を条件によって分岐させられるため、柔軟な制御が可能になります。
特に、else ifを活用することで複数の条件を順番に評価でき、より細かい処理が実現できます。
また、三項演算子を使えば、条件分岐を簡潔に記述することも可能です。Javaでの条件分岐を適切に理解し、実際にコードを書きながら活用していきましょう。
