【2025】企業のリスキリング事例25選!今すぐ始めたい社内人材育成の最前線

現代の急速な技術革新とビジネス環境の変化により、企業には従業員のスキルを継続的にアップデートする「リスキリング」が求められています。

本記事では、リスキリングの定義や導入メリット、具体的な実施方法に加え、国内外の代表的な企業事例を25社紹介します。特に中小企業が直面する課題や解決のヒントも交え、実践的なリスキリングの全体像をわかりやすく解説します。

企業のリスキリングとは何か?背景と重要性

企業のリスキリングとは何か?背景と重要性

急速に進むデジタル技術の発展、働き方の多様化、そして社会構造の変化により、企業に求められる人材像は大きく変わりつつあります。かつての「経験」や「勘」だけでは対応できない場面が増えるなか、従業員のスキルを時代に合わせて再構築する「リスキリング」が、企業の持続的成長の鍵となっています。

ここでは、リスキリングの定義とその必要性、他の人材育成手法との違いについて見ていきましょう。

リスキリングの定義

リスキリングとは、業務や職種の変化に対応するために新たなスキルや知識を学び直す取り組みを指します。従来の業務を効率化するだけでなく、新しい価値を創出する人材へと変革することを目的とし、企業が主導して行う再教育プログラムである点が特徴です。
特に、DX推進や事業モデルの転換など、大きな変革期を迎える企業にとっては不可欠な戦略となっています。

なぜ今、企業にリスキリングが必要なのか

2020年代に入り、AIやクラウド、ビッグデータといったデジタル技術の普及により、あらゆる業界で業務の構造が変化しています。このような背景の中で、従業員がこれまでのスキルでは対応しきれない新たな業務を担う場面が急増しているのでしょう。

さらに、少子高齢化による人材不足も加速し、企業が「即戦力の採用」だけに頼るのではなく、「既存社員の再教育」に本格的に取り組む必要性が高まっています。特にITスキルや問題解決能力、変化対応力といった非定型スキルの強化は、企業の競争力に直結します。

リスキリングとリカレント教育・OJTとの違い

リスキリングは人材育成の一環ですが、従来の「リカレント教育」や「OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)」とは目的・実施主体・タイミングが異なります

以下の表に、違いをまとめました。

項目リスキリングリカレント教育OJT
目的業務変化への対応、新たな職務へのスキル習得学び直しによる自己啓発・再就職の準備現在の業務に必要なスキルの習得
主体企業主導個人主導上司・職場の中で実務を通じて習得
実施のタイミング技術革新・ビジネス変革など大きな環境変化がある時生涯にわたって繰り返し日常業務の中で継続的に実施
スキルの対象デジタル技術、マネジメント、新しい業務領域など大学教育、職業訓練、資格取得など現在の担当業務に即した実務スキル
キャリアとの関連異動・配置転換、新しい職種への登用と強く結びつく転職・再就職、自己実現との関係が強い現在の職場でのパフォーマンス向上が目的

このように、リスキリングは「企業が戦略的に未来を見据えて行うスキルの再設計」であり、単なる業務研修や個人の学び直しとは明確に異なります。企業変革を推進する人材を育てるための“投資”である点が最大の特徴です。

企業のリスキリング導入のメリットと課題

企業のリスキリング導入のメリットと課題

リスキリングは、従業員の能力を高めるだけでなく、企業の変革や成長を支える重要な戦略です。単なるスキルアップを超えて、企業の生産性向上、組織の柔軟性強化、新たな事業機会の創出につながる可能性があります。

リスキリング導入メリット

企業がリスキリングを取り入れることで得られる主な利点は、以下の通りです。業務の効率化にとどまらず、組織全体の柔軟性や競争力を高める効果が期待されます。

  • 業務のデジタル化・自動化が進み、生産性が向上する
  • 社員が新しいスキルを獲得し、イノベーションが促進される
  • 職種変更や配置転換への対応力が高まり、組織の柔軟性が増す
  • 外部人材の採用コストを抑え、内部育成による人材確保が可能になる
  • 従業員のキャリア開発支援により、エンゲージメントや定着率が向上する

こうした効果は、単に一人ひとりのスキルアップにとどまらず、企業全体の構造改革や戦略転換を支える土台として機能します。

リスキリング導入の課題とリスク

一方で、リスキリングの導入にはいくつかの課題やリスクも存在します。特に準備不足のまま進めてしまうと、期待した成果が出なかったり、社員の学習が定着しないといった問題が生じやすくなります。

  • 初期投資(研修設計・教材開発・システム構築など)のコストがかかる
  • 社員が学ぶ時間の確保が難しく、業務との両立に苦労する
  • 全社での意識統一が不十分だと、効果が個人差にとどまりやすい
  • 学んだスキルが実務に活かされないと、形だけの施策になりやすい
  • 成果が見えるまでに時間がかかり、途中で取り組みが停滞する可能性がある

リスキリングは「導入すればすぐに成果が出る」ものではなく、継続的な運用と仕組みづくりが必要です。

代表的なリスキリング企業事例25選

代表的なリスキリング企業事例25選

近年、業種や企業規模を問わず、多くの企業がリスキリングに積極的に取り組んでいます。単なるスキル習得にとどまらず、組織変革やキャリア開発、DX推進と密接に結びつけた「戦略的な学び直し」として進化しているのが特徴です。

  1. 全社DX人材育成と社内異動を組み合わせたリスキリング戦略|富士通
  2. 推進する全社員向けデジタルリテラシー強化施策|日立製作所
  3. 製造現場に根差した階層別IT教育モデル|JFEスチール
  4. 社内大学による選抜制デジタルスキル育成|ダイキン工業
  5. ノーコード×現場主導で実現する業務改革型教育|クレディセゾン
  6. EdTechと連動した全社DXリテラシー強化|ベネッセHD
  7. 若手育成と現場起点のRPA活用教育|トラスコ中山
  8. 社内転職制度と連動した自己啓発支援型リスキリング|キャノン
  9. DX大学による階層別人材育成体制|SOMPOホールディングス
  10. ドコモアカデミーによる全社員型デジタル教育|NTTドコモ
  11. 社内大学による越境学習とスキルの多様化支援|LIFULL
  12. 高齢従業員向けIT教育による地域旅館のデジタル変革|陣屋
  13. 職種横断型リスキリングとDX人材育成基盤|パナソニック
  14. 選抜型DXリーダー育成と業務越境型研修プログラム|KDDI
  15. 製造職向けAI・IoT研修と改善文化の融合|トヨタ自動車
  16. データ人材育成とリスキリングを活用した再配置戦略|三菱UFJ銀行
  17. BI・分析ツール研修と営業現場への展開|三井住友信託銀行
  18. スマホ研修・eラーニング導入による大規模現場教育|日本郵便
  19. 異業種転換支援とキャリア再設計施策|ANAホールディングス
  20. グローバル無料教育プログラム「Skilling Initiative」|マイクロソフト
  21. 社内再教育制度「Technical Academy」によるIT人材輩出|Amazon
  22. VR研修による販売現場の実践型デジタル教育|Walmart
  23. 大学提携による長期的キャリア形成支援型リスキリング|AT&T
  24. 社員主導による学びの文化と社内共有プラットフォーム|Google
  25. エネルギー業界変革に対応したスキル再配置と再教育モデル|Shell

成功企業が、直面する課題にどのように対応し、どのような学習体制を構築しているのかを知ると、自社の取り組みのヒントにもなるでしょう。

①全社DX人材育成と社内異動を組み合わせたリスキリング戦略|富士通

富士通は、DX教育と社内異動を組み合わせることで、社員の自律的キャリア形成と組織変革の両立を実現しています。

ジョブ型人事制度と連動し、自ら学び、キャリアを切り拓く自律的な人材の育成を目指しているのです。

社内公募制度も活用し、異職種への挑戦を支援する体制を整備。リスキリングを企業変革の中核に据え、人材開発と組織戦略を一体化して進めているのです。

②推進する全社員向けデジタルリテラシー強化施策|日立製作所

日立製作所は、バッジ制度付き研修により、社員の学習意欲とデジタル基礎力の底上げに成功しています。

社内研修プラットフォーム「Hitachi Academy」を通じて、全社員向けにAIやクラウドなどの基礎的なデジタル教育を実施しています。学習成果はバッジ制度で可視化され、学ぶ意欲の継続を後押ししているのでしょう。

共通リテラシーの向上により、部署を超えた連携とデジタル化の底上げを目指しています。

③製造現場に根差した階層別IT教育モデル|JFEスチール

JFEスチールは、現場密着型の階層別研修により、実践的DX人材の段階的育成を実現しています。

新入社員から管理職までを対象に、4段階の研修プログラムを用意し、スキルレベルに応じた教育を導入。現場業務に直結する内容と段階的なスキル習得により、実践力のある人材育成を進めているのです。

④社内大学による選抜制デジタルスキル育成|ダイキン工業

ダイキン工業は、選抜制社内大学で越境的視点と高度スキルを兼ね備えたDXリーダーを輩出しています。

異なる職種や部門の社員が共に学ぶことで、越境的な視点や協働力を養うためです。修了者はDXプロジェクトをけん引する人材として、実務の最前線で活躍しています。

⑤ノーコード×現場主導で実現する業務改革型教育|クレディセゾン

クレディセゾンでは、ノーコード活用研修により、現場発の業務改善とデジタルマインドの浸透を達成しています。

社員が自ら業務課題を発見し、ツールを用いて改善する実践的な教育が特徴です。基礎研修と部門別の応用研修を組み合わせ、社内全体にデジタルマインドと課題解決力を根付かせる取り組みを進めています。

⑥EdTechと連動した全社DXリテラシー強化|ベネッセHD

ベネッセホールディングスでは、EdTech教育と内製化推進により、全社的なITスキル強化と業務効率化を実現しています。

社員向けにEdTechツールの活用方法を教育し、教材開発部門や営業部門におけるITスキルを底上げ。また、社内システムの内製化を進めることで、IT人材の育成と業務の効率化を同時に実現しています。

⑦若手育成と現場起点のRPA活用教育|トラスコ中山

トラスコ中山では、若手主導のRPA研修で、現場改善力とIT活用力を両立した人材を育成しています。

現場の課題を自ら発見し、ITツールを活用して解決する力を育む実践型の教育スタイルです。現場主導の自走型改善文化を育てるとともに、属人化した業務の見直しによる業務効率化にもつなげています。

⑧社内転職制度と連動した自己啓発支援型リスキリング|キャノン

キヤノンでは、自己啓発と評価制度の連動により、キャリア流動性と人材定着の向上を実現しています。

eラーニングや語学・マネジメント教育を含む自己啓発支援が充実しており、学びの成果は人事評価にも反映。職種や部署を超えたキャリアパスを実現し、全社的な人材の流動性を高めているのです。

⑨DX大学による階層別人材育成体制|SOMPOホールディングス

SOMPOホールディングスは、階層別DX大学により、職位に応じたスキル体系と推進人材の層を形成しています。

AIやデータ分析、RPAなどの分野を中心に、実務での応用を重視したプログラムを提供。役職に応じた研修を通じて、組織横断的にDX推進の担い手を育てています。

⑩ドコモアカデミーによる全社員型デジタル教育|NTTドコモ

NTTドコモでは、全社員教育とピア学習によって、学びの文化と応用力のある人材育成に成功しています。

AIやIoT、データ活用などの先端分野に加え、実務への応用を重視したカリキュラムを用意。ピアラーニングや社員同士の知識共有も促進し、学びの文化を醸成する取り組みとして注目されているのです。

⑪社内大学による越境学習とスキルの多様化支援|LIFULL

LIFULLでは、越境学習の社内大学により、部門横断のスキル多様化と自走型学習文化が醸成されています。

部門をまたいだ越境的な学習によって、視野の広い人材育成を実現。社員自らが勉強会を主催する文化も醸成され、学びの自走力が高まっています。

⑫高齢従業員向けIT教育による地域旅館のデジタル変革|陣屋

神奈川県の老舗旅館「陣屋」では、高齢社員を対象としたIT教育により、老舗旅館の業務効率化とデジタル導入に成功しています。

予約管理や顧客対応にクラウドツールを活用し、実務に直結した学びを提供。小規模かつ高年齢層の職場においても、デジタル技術の浸透が可能であることを示す先進的な事例です。

⑬職種横断型リスキリングとDX人材育成基盤|パナソニック

パナソニックでは、職種を問わない段階的教育で、現場×デジタルの融合による競争力強化を実現しています。

AI、IoT、ビッグデータなどの専門研修に加え、業務改善型のプロジェクトベース学習も取り入れているのです。製造現場とデジタル技術の融合による競争力強化を目指しています。

⑭選抜型DXリーダー育成と業務越境型研修プログラム|KDDI

KDDIでは、選抜制と越境型学習により、戦略推進力とビジネス応用力を兼ね備えたDX人材を育成しています。

社内外のプロジェクトに参画しながら、デジタルスキルとビジネススキルを同時に磨く仕組みです。自主学習支援のポータルも整備され、社員の主体的なスキル習得を後押しする環境が整っています。

⑮製造職向けAI・IoT研修と改善文化の融合|トヨタ自動車

トヨタ自動車では、改善文化とデジタル研修を融合させ、グローバルで通用する現場発のDX人材を育成しています。

現場の改善文化とテクノロジーを融合し、従業員自身がデジタル技術を活用して課題を解決する力を育成。海外拠点との連携も進め、グローバルに一貫したリスキリング体制を築いています。

⑯データ人材育成とリスキリングを活用した再配置戦略|三菱UFJ銀行

三菱UFJ銀行では、非IT職も含めたデータ教育により、全社的な柔軟な人材再配置を実現しています。

学習と実務を結びつけた内容で、非IT職の社員でも段階的にデジタルスキルを習得できるように設計。リスキリングによる再配置も進めており、職種の垣根を超えた柔軟な人材活用が可能になっているのです。

⑰BI・分析ツール研修と営業現場への展開|三井住友信託銀行

三井住友信託銀行では、データ研修を現場業務と結びつけ、営業部門でのデータ活用を加速しています。

営業・企画・本部部門など幅広い部署が対象で、顧客分析や経営判断への応用も進んでいるようです。実際の業務課題と連動した研修内容により、学んだスキルがすぐに現場で活かせる仕組みを整えています。

⑱スマホ研修・eラーニング導入による大規模現場教育|日本郵便

日本郵便では、スマホとeラーニングを活用し、高齢社員含む全世代のITリテラシーを向上させています。

高齢社員を含めた全世代に対応した教育設計により、ITリテラシーの底上げを図っています。公的性格を持つ組織として、均一なサービス品質を支えるため、全社員型のリスキリングを徹底しているのでしょう。

⑲異業種転換支援とキャリア再設計施策|ANAホールディングス

ANAホールディングスは、コロナ禍で職域が大きく変化したことを受け、異業種研修と再配置支援により、航空人材の多業界転換に成功しています。

ビジネスマナーやPCスキルの研修を行い、航空業界外でも活躍できる基礎力を養成。再配置支援とリスキリングを組み合わせた好事例として注目されています。

⑳グローバル無料教育プログラム「Skilling Initiative」|マイクロソフト

マイクロソフトは、世界規模で展開する「Global Skilling Initiative」を通じて、2500万人以上に無料で世界中にスキル提供することで、グローバルなIT人材不足の解消に貢献しています。

LinkedInやGitHubと連携し、キャリア支援と学習を一体化した設計が特徴です。世界中の企業や個人が対象で、デジタル人材不足の解決に向けた社会的貢献を果たしています。

㉑社内再教育制度「Technical Academy」によるIT人材輩出|Amazon

Amazonでは、社内再教育制度で非エンジニアからIT人材への転身を可能にし、定着率向上にも寄与しています。

入社後のキャリアチェンジを前提とした本格的なプログラムで、ソフトウェア開発やプログラミングを段階的に学べる構成です。内部育成による人材確保と社員の定着向上を両立しています。

㉒VR研修による販売現場の実践型デジタル教育|Walmart

Walmartでは、VR研修で接客力と危機対応力を強化し、現場力の向上に成功しています。

新人だけでなく、既存社員へのスキルアップ施策としても活用されており、リアルな状況を模した訓練が可能です。現場力をテクノロジーで強化する先進的な取り組みとして評価されています。

㉓大学提携による長期的キャリア形成支援型リスキリング|AT&T

AT&Tでは、大学との連携によって、社員の継続的キャリア開発とスキル再構築を実現しています。

対象分野はITやデータサイエンスなど多岐にわたり、長期的なキャリア開発を支援する設計です。学び直しの意欲を組織的に支援することで、社員のエンゲージメントと再配置力を高めているのでしょう。

㉔社員主導による学びの文化と社内共有プラットフォーム|Google

Googleでは、社員が自主的に知識を共有し合う「g2g(Googler-to-Googler)」と呼ばれるピア・ラーニング制度を整備し自律学習文化とイノベーション創出を両立しています。

社員が講師となり、テクノロジーからマネジメントまで幅広い内容を社内に展開。自律的な学習文化が定着しており、イノベーションの源泉として重要な役割を担っています。

㉕エネルギー業界変革に対応したスキル再配置と再教育モデル|Shell

Shellでは、業界再編を見据えた再教育で、脱炭素時代に適応する人材のスムーズな転換を実現しています

社内スキルマップに基づいて必要な再学習を促し、エネルギー分野の再編に備えているのです。教育内容はデジタル技術からサステナビリティ分野まで多岐にわたり、業界構造の変化に即した人材転換を進めているのでしょう。

企業のリスキリングの主な実施方法

企業のリスキリングの主な実施方法

リスキリングを効果的に推進するには、自社の人材や業務内容に合った「学びの場」の設計が不可欠です。近年は、オンライン化や外部リソースの活用が進み、従来に比べて柔軟な実施方法が可能になっています。

ここでは、以下2つの実施方法について解説していきます。

  1. 企業内大学・社内アカデミーを開講する
  2. 外部パートナーと連携する

①企業内大学・社内アカデミーを開講する

大企業を中心に、リスキリングの中核として活用されているのが「企業内大学」や「社内アカデミー」です。企業が独自に設計・運営する教育プログラムで、従業員のキャリア開発やスキル転換を体系的に支援します。

たとえば、富士通の「Global Strategic Partner Academy」やダイキンの「ダイキン情報技術大学」は、社員の職種転換やDXスキル獲得を目的とし、専門カリキュラムと継続的学習を提供しています。

社内アカデミーの利点は、業務との関連性が高く、自社の文化や課題に即した内容を設計できる点です。また、社内講師制度や実務プロジェクトと連動させることで、学びと実践を密接に結びつけることが可能になるのでしょう。

DXに関する人材育成は企業育成の要です。詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。

【2025】DX推進に必要な人材とは?DSS-P・求めるべき7つの資質・育成法まで解説

②外部パートナーと連携する

すべての学習環境を自社だけで整備することは困難です。

特に、専門性の高い分野や最新のテクノロジー領域に関しては、外部の教育機関やテック企業と連携することが効果的です。eラーニングプラットフォームの導入、外部研修サービスの活用、業界団体との協働など、企業の状況に応じて最適な形で支援を受けることができます。

実際、多くの企業がAI・データサイエンス・クラウド技術などの習得において外部機関と連携し、従業員に“今すぐ必要なスキル”を効率的に提供しています。外部パートナーを活用することで、最新知識へのアクセス、講師の質、カリキュラムの柔軟性などの面で高い効果が得られます。

特に、AI時代と呼ばれる現代ではAIに関する知識が欠かせません。

このようなDXを進める上での人材育成について詳細を知りたい方は、下記をご覧ください。

【2025】DX人材の育成に必要なポイント!ロードマップと企業の成功事例も紹介

社員の効果的かつ効率的なリスキリングにおすすめのセミナー

リスキリングを成功させるには、「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」が非常に重要です。特に最新技術の習得には、実務に直結する学習環境が求められます。

その点でおすすめなのが、ビジネス向けAI完全攻略セミナーです。セミナーでは、AI未経験者でも実務レベルの理解と技術を習得できる短期集中講座です。受講者は、AIの基礎から、画像認識や機械学習の応用、さらには実際にAIを作成する演習までを体験し、すぐに現場で活用できるスキルを身につけることができます。

また、実装課題や復習用ガイド(PDF教材)も充実しており、短期間でAIビジネス活用の全体像を把握したい企業にとっては、非常に実用的な外部支援となるでしょう。

リスキリングの成功には、「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」が極めて重要です。

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中小企業がリスキリングを進めるためのポイント

中小企業がリスキリングを進めるためのポイント

大企業に比べて人材や予算の制約がある中小企業にとって、リスキリングは一見ハードルの高い施策に見えるかもしれません。しかし、実際には小規模だからこそ柔軟かつスピーディに導入できる工夫も数多くあります。

ここでは、中小企業がリスキリングを成功させるためのポイントを整理し、限られたリソースでも効果的に進められる実践方法をまとめました。

観点具体的な施策成功の工夫
スタートのしやすさ
  • 小規模な対象から始める(例:1部署、若手のみ)
  • 課題が明確な業務に絞る
成功体験を早期に出し横展開しやすくする
社内教育リソースeラーニングサービスの活用
社内勉強会やOJTとの組み合わせ
教育コストを抑えながら継続性を確保する
費用負担の軽減助成金・補助金の活用(人材開発支援助成金など)初期投資の負担を抑えて導入ハードルを下げる
スキル選定現場の業務課題に即した実務スキルを重視
例:Excel自動化、RPA基礎、SNS活用など
研修が即効果につながりやすく、社員のモチベーションも高まりやすい
社員の巻き込み
  • 自主学習の仕組み化(例:目標設定やインセンティブ)
  • 経営者・上司の明確な意思表明
「学び続ける文化」を社内に根づかせる

中小企業にとってリスキリングは、“限られた人材でいかに生産性を高めるか”という重要な経営課題に直結します。小さく始めて成功事例を積み重ねながら、段階的に全社展開していくスタイルが現実的です。

また、外部の専門機関や支援制度をうまく活用することで、自社だけでは難しい部分を補完できます。

社内に学びの文化を根づかせることが、持続的な競争力の源となるでしょう。

企業のリスキング事例まとめ

本記事では、リスキリングの基本概念から導入の意義、実施手法、そして実際の企業事例までをご紹介しました。技術革新や社会の変化が加速する中で、リスキリングは一過性のブームではなく、すべての企業にとって「持続可能な成長を支える戦略的な取り組み」です。

特に、限られた人材資源で経営を支える中小企業にとっては、社内の能力を最大限に引き出すことが、将来にわたる競争力の鍵となります。大切なのは、完璧な仕組みを最初から整えることではなく、小さな取り組みを継続的に積み重ねることです。

自社の未来をつくるのは、他でもない「いまの社員」です。だからこそ、企業のリーダーが率先して学びを後押しし、社員一人ひとりの変化を支援することが求められています。

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