「データサイエンティストになりたいけれど、どの資格から手を付ければいいのか分からない」と悩む方も多いでしょう。データサイエンティスト向けの資格は種類が多く、難易度も入門レベルから高度な専門レベルまでさまざまです。
そこで本記事では、データサイエンティストに資格が必要かどうかという前提から、資格を取るべき人の特徴、資格選びのポイント、そしておすすめの資格10選を比較表付きで解説します。
データサイエンティストとは?

データサイエンティストとは、企業や組織が持つ大量のデータを収集・分析し、ビジネス上の意思決定や課題解決につなげる仕事です。
単にデータを集計するだけでなく、統計学や機械学習の手法を使ってデータから価値のある知見を引き出し、経営やサービス改善に活かすところまでが仕事の範囲になります。
なお、近い職種としてデータアナリストやAIエンジニア、機械学習エンジニアがあります。以下の記事では、データサイエンティストの仕事内容や事例を詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
そもそもデータサイエンティストに資格は必要?
結論からいうと、データサイエンティストになるために資格は必須ではありません。
資格がなくてもデータサイエンティストを名乗り、業務に就くことは可能です。実際に厚生労働省が公表する職業情報提供サイトによると、「入職前の訓練等は特に必要ない」と回答した人は29.8%です。

出典:厚生労働省
ただし、この結果は、資格や大学・専門学校での学習が不要であることを示すものではありません。資格は、基礎知識を体系的に学び、学習経験を示す材料として役立つ場合があります。
データサイエンティストに関連する資格を取るべき人
ここでは、データサイエンティストに関連する資格を取るべき人のタイプを3つ紹介します。自分に当てはまるものがあるかチェックしてみてください。
- 未経験からデータサイエンティストになりたい人
- 学習意欲・モチベーションを保てない人
- 自分のスキルを客観的に証明したい人
①未経験からデータサイエンティストになりたい人
現在は別の職種で働いていて、これからデータサイエンティストを目指す人は、資格取得を検討するとよいでしょう。なぜなら、データサイエンティストに必要な知識を体系的に学べるうえ、転職活動で学習経験を伝える材料にもなるためです。
データサイエンスの学習範囲は、統計学・機械学習・プログラミング・データベース・ビジネス知識と広く、独学では「何をどの順番で学べばいいのか」が分かりにくいのが実情です。また、未経験からの転職では実務実績を示せないため、実務経験者と比べると、書類選考で示せる判断材料が少なくなりがちです。
②学習意欲・モチベーションを保てない人
データサイエンティストの勉強を始めても、途中で挫折してしまう人は、関連資格の取得を目標にするとよいでしょう。
データサイエンティストに必要な統計学や機械学習、プログラミングは学習範囲が広く、明確なゴールがないと勉強を後回しにしやすいためです。資格試験を受けると決めれば、受験日から逆算して学習計画を立てられます。
また、試験結果を通じて現在の理解度や苦手分野を確認できる点も、資格を取得するメリットです。自分のレベルに合った資格から始めることで、データサイエンティストを目指す学習を段階的に続けやすくなります。
③自分のスキルを客観的に証明したい人
データ分析やAI開発の経験があり、自分のスキルを第三者に分かりやすく示したい人は、データサイエンティスト関連の資格を取得するのがおすすめです。
実務でPythonを使った分析や機械学習モデルの構築を担当していても、社内データや顧客情報を含む成果物は外部に公開できない場合があります。データサイエンティストに関連する資格は、実務経験の代わりにはなりませんが、職務経歴書やポートフォリオを補足する材料として有効です。
データサイエンティストを目指して関連資格を取得するなら、講座を受講するのもおすすめです。以下の記事では、おすすめのデータサイエンティスト講座も紹介していますので、あわせてチェックしてみてください。
データサイエンティスト関連の資格を選ぶ際のポイント

データサイエンティストに関連する資格は多いため、知名度だけで選ぶのは避けましょう。ここでは、自分に合った資格を選ぶための3つのポイントを解説します。
- 目指す職種・業務に合っているか
- 自分の知識レベルに合っているか
- 実務で活用できる内容か
①目指す職種・業務に合っているか
データサイエンティスト向けの資格は、それぞれ学べる分野が異なります。資格を選ぶ際は、目指す職種や担当したい業務と試験内容が合っているかを確認しましょう。以下の表は例です。
| 目指す方向性 | 資格の例 |
|---|---|
| データ分析・統計解析 | 統計検定2級・準1級、DS検定 |
| AI・機械学習 | G検定、E資格、Python 3 エンジニア認定データ分析試験 |
| データ基盤・データエンジニアリング | DS検定、基本情報技術者試験 |
たとえば、AIモデルの開発を目指す人と、データ基盤を構築する人では、優先すべき資格が異なります。資格取得そのものを目的にせず、データサイエンティストとして目指すキャリアから逆算して選びましょう。
②自分の知識レベルに合っているか
データサイエンティスト関連の資格は、現在の知識や実務経験に合った難易度を選びましょう。難しすぎる資格は挫折につながり、簡単すぎる資格では学習効果を得にくいためです。
また、資格によっては受験条件もあります。たとえば、E資格を受験するにはJDLA認定プログラムの修了が必要です。申し込む前に公式サイトの出題範囲やサンプル問題を確認し、現在のレベルで挑戦できるか判断しましょう。
③実務で活用できる内容か
資格の勉強で身につけた知識を、データサイエンティストの実務に活かせるかも重要です。
例えば、
- 業務でPythonを使うならPython関連の資格
- AWSなどのクラウド環境を扱うならクラウド系資格
のように、使用する技術と学習内容が一致しているかを確認しましょう。計算や実装を問う資格であれば、知識の暗記だけでなく、実務で使う知識への理解を深めやすくなります。
データサイエンティストにおすすめの資格10選

ここからは、データサイエンティストを目指す人・スキルアップしたい人におすすめの資格10選を紹介します。
| 資格名 | 運営元 | 難易度 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| データサイエンティスト検定(DS検定®)リテラシーレベル | 一般社団法人データサイエンティスト協会 | ★☆☆ | 未経験からデータサイエンティストを目指す人、DX推進担当者 |
| G検定 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 | AI・生成AIの活用リテラシーを身につけたいビジネスパーソン、DX教育担当者 | |
| Python 3 エンジニア認定データ分析試験 | 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 | ★★☆ | Pythonでのデータ分析スキルを証明したいプログラマー |
| 基本情報技術者試験 | 独立行政法人情報処理推進機構 ※国家試験 | ITの基礎を国家資格で証明したい人、IT未経験からの転職者 | |
| 統計検定2級 | 一般財団法人統計質保証推進協会 | 統計学の基礎を体系的に固めたい人、分析職を目指す人 | |
| AWS Certified Data Engineer – Associate | Amazon Web Services | AWS上でデータ基盤やデータパイプラインを構築するエンジニア | |
| Google Cloud認定 Professional Data Engineer | Google Cloud | ★★★ | Google Cloudでデータ分析基盤や機械学習システムを扱うエンジニア |
| 統計検定準1級 | 一般財団法人統計質保証推進協会 | 統計・機械学習の理論に強いデータサイエンティストを目指す人 | |
| E資格 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会 | ディープラーニングを実装できるAIエンジニアを目指す人 | |
| データベーススペシャリスト試験 | 独立行政法人情報処理推進機構 ※国家試験 | データ基盤やデータベース設計に強いデータエンジニアを目指す人 |
①データサイエンティスト検定リテラシーレベル
DS検定は、一般社団法人データサイエンティスト協会が実施する入門資格です。最新の公式出題範囲に基づき、データサイエンスに必要な知識を幅広く問います。
特定の技術だけでなく、データ活用の全体像を把握できるため、未経験からデータサイエンティストを目指す人に向いています。ただし、入門資格でありながら出題範囲は広いため、公式リファレンスブックや問題集を使った対策が必要です。
データサイエンティスト検定の合格を短期間で目指したい方は「データサイエンティスト検定対策講座」の受講がおすすめです。データサイエンティスト検定対策講座では、データサイエンティスト検定における統計学・データ分析・機械学習など必要な知識を体系的に学べます。
まずは以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
| セミナー名 | データサイエンティスト検定対策講座 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 550円〜 |
| 受講形式 | eラーニング |
②G検定
G検定は、日本ディープラーニング協会が実施するAI・ディープラーニング分野の資格です。機械学習の仕組みだけでなく、AIの歴史や法律、倫理、社会での活用事例なども出題されます。
プログラミング経験がなくても受験できるため、AI分野の基礎から学びたい人にも適しています。データサイエンティストを目指す人のほか、生成AIの活用やDX推進を担当する人にも役立つ資格です。
G検定の合格率は実施回によって異なりますが、出題範囲が広いため計画的な対策が必要です。短期間でG検定の取得を目指したい方は「G検定対策講座」の受講がおすすめです。G検定対策講座は、専門スタッフが合格までサポートします。
また、資格に合格するノウハウだけでなく、実務スキルを身につけられるため、転職後すぐに現場で活用ができます。まずは以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
| セミナー名 | G検定対策講座 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 0円(無料キャンペーン中) |
| 受講期間 | 1日間 |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング |
③Python 3 エンジニア認定データ分析試験
Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、Pythonを使ったデータ分析の基礎力を証明できる資格です。NumPy・pandas・Matplotlib・scikit-learnなど、データ分析で利用する代表的なライブラリが出題範囲に含まれます。
データサイエンティストの実務では、データの加工や可視化、機械学習モデルの作成にPythonを使います。資格学習を通じて実務に近い知識を身につけたい人や、Pythonによるデータ分析経験を証明したい人に向いています。
④基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IPAが実施するIT分野の国家資格です。データサイエンスに特化した試験ではありませんが、アルゴリズムやデータベース、ネットワーク、セキュリティなど、ITの基礎を幅広く学べます。
データサイエンティストの業務では、データが保存・処理される仕組みへの理解も必要です。IT未経験からデータサイエンティストを目指す人や、IT全般の知識を国家資格で証明したい人に適しています。
⑤統計検定2級
統計検定2級は、日本統計学会が認定し、一般財団法人統計質保証推進協会が実施・運営する統計分野の資格です。大学基礎課程レベルの内容が中心で、確率分布や推定、仮説検定、回帰分析などが出題されます。
統計学は、データサイエンティストが分析結果を正しく判断するための土台です。計算問題も多いため、用語の暗記だけではなく、統計手法を使い分ける力が求められます。データ分析職を目指す人や、統計学の基礎を体系的に学びたい人に適した資格です。
⑥AWS Certified Data Engineer – Associate
AWS Certified Data Engineer – Associateは、AWS上でデータ基盤を構築・運用するスキルを証明する資格です。データの取り込みや変換、保存、セキュリティ、ガバナンスなどが出題範囲となっています。
データサイエンティストであっても、自分でデータを抽出・加工できれば、分析業務を効率よく進められます。AWS環境でデータを扱う人や、分析だけでなくデータパイプラインの仕組みまで理解したい人に向いています。
⑦Google Cloud認定 Professional Data Engineer
Google Cloud Professional Data Engineerは、Google Cloudを使ったデータ処理システムの設計・運用スキルを認定する資格です。データ処理システムの設計、データの取り込み・処理・保存、分析準備、ワークロードの運用などが問われます。
データ基盤の構築から機械学習モデルの運用まで扱うため、データサイエンティストとデータエンジニアの両方に関わる内容です。Google Cloud環境で分析基盤やAIシステムを扱う人に適しています。
⑧統計検定準1級
統計検定準1級は、統計検定2級の内容を前提に、統計手法を実際の課題へ応用する力を問う上級資格です。多変量解析や時系列解析、ベイズ統計、機械学習の基礎理論など、幅広い分野から出題されます。
難易度は高いものの、取得すれば統計理論に基づいて分析できることを示せます。分析結果の妥当性を理論から説明できる、専門性の高いデータサイエンティストを目指す人に向いています。
⑨E資格
E資格は、日本ディープラーニング協会が実施するエンジニア向け資格です。ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選んで実装する能力が問われます。
受験するには、試験日の過去2年以内にJDLA認定プログラムを修了している必要があります。応用数学や機械学習、深層学習、開発環境などを扱うため、AIモデルの開発に携わるデータサイエンティストやAIエンジニアに適した資格です。
E資格は本記事で紹介している資格の中でも難易度が高い資格です。短期間での取得を目指すなら「E資格対策ディープラーニング短期集中講座」の受講がおすすめです。
E資格対策ディープラーニング短期集中講座は、JDLA認定プログラムの対策講座で、オリジナルテキスト教材に基づいて講義を実施します。まずは以下のリンクから詳細をチェックしてみてください。
| セミナー名 | E資格対策ディープラーニング短期集中講座 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 49,500円〜 |
| 受講期間 | 4日間(eラーニングの場合は32時間) |
| 受講形式 | 対面(東京)・ライブウェビナー・eラーニング |
⑩データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリスト試験は、IPAが実施する高度試験の一つです。データベースの設計・構築・運用に加え、SQLや正規化、トランザクション管理、データモデリングなどの知識が問われます。
データサイエンティストの業務では、分析前のデータ収集や前処理に多くの時間を使います。難易度の高い資格ですが、取得すればデータ基盤にも強い人材として差別化できます。
データサイエンティストの資格についてのまとめ
データサイエンティストになるために資格は必須ではありませんが、必要な知識を順序立てて学びたい人や、自分のスキルを客観的に示したい人は資格の取得がおすすめです。
未経験者であれば、まずはDS検定やG検定などでデータサイエンスやAIの全体像を理解し、その後、統計検定やPython関連の資格へ進むとスムーズに学習を進めやすいでしょう。
ただし、知名度の高い資格が、必ずしも自分のキャリアに合うとは限りません。現在の知識レベル、実務で使う技術を整理したうえで、学習内容をデータサイエンティストの仕事やポートフォリオに活かせる資格を選ぶことが大切です。




