データサイエンスはAIや機械学習の発展に伴い、現代のビジネスや研究分野で欠かせないスキルとなっています。しかし「何をどこから始めればいいんだろう」と悩む入門者の方は多いです。
本記事ではデータサイエンスの必須スキルや学習手順をわかりやすく解説のうえ、おすすめの学習サイトや書籍をを紹介します。データサイエンスの入門として必読の内容となっているので、ぜひ参考にしてください。
データサイエンス入門者が習得すべき4つのスキルとは?
データサイエンス入門者が習得すべきスキルは、主に4つあります。ここでは、以下のとおり順を追って紹介します。
- プログラミングスキル
- 応用数学・統計学の知識
- データ可視化スキル
- データベースの基礎知識
習得すべきスキル①プログラミングスキル
プログラミングスキルは、データサイエンス入門者ならまず最初に身に着けたいスキルといえます。なぜならプログラミングスキルを習得することで、データ分析効率が大幅にアップするためです。
データサイエンスに携わりたいのであれば、言語はPythonもしくはRを習得するのがおすすめです。とくにPythonは豊富にライブラリが揃っているため、データ分析のみならずWeb開発などさまざまな分野に活用できます。
さらにPythonが書けるとデータ分析以外にもWeb開発などさまざまな分野で応用できますので、積極的に身に着けたいところです。
習得すべきスキル②応用数学・統計学の知識
データ分析を行う際は、応用数学や統計学の知識が土台となります。具体的には平均値や分散といった基本統計量から回帰分析や確率論、ベイズ統計まで幅広い理解が必要です。
これらの知識を活用することでデータのトレンドを捉えたり、モデルの正確性を評価できます。数学と統計学の基礎を理解することで、より深いデータインサイトを得る力が養われます。
ただ未経験から学ぶには難しい分野なのも事実で、入門者にとっての鬼門といっても過言ではないでしょう。
習得すべきスキル③データ可視化スキル
分析した数値やデータをわかりやすく伝えるためには、データ可視化のスキルが重要になります。
ツールとしてはTableauやPower BI、PythonのMatplotlibやSeabornが人気です。こういったツールを用いれば、比較的容易にグラフやチャートを活用し、複雑なデータを直感的に表現することが可能となります。
視覚的にわかりやすくまとめられたデータはプレゼンテーションやレポートでたいへん喜ばれるため、コミュニケーションや議論より円滑になります。
習得すべきスキル④データベースの基礎知識
データサイエンスは大量のデータを効率的に扱うことから、入門者はデータベースの基礎も身につけたほうがいいでしょう。具体的にはSQLを用いたデータの抽出や、NoSQLを利用した柔軟なデータ管理が求められます。
またデータベース設計を理解していればパフォーマンスの最適化やエラー回避も可能になり、またクラウドサービス(APIWSやGoogle Cloud)を用いたデータ管理も、データサイエンスとの相性はいいでしょう。
データサイエンス入門者がまずやるべき学習の手順
データサイエンス入門者なら、以下の学習手順で就職を目指すのがおすすめです。
- データサイエンス概要・大枠の理解
- Pythonプログラミングの習得
- データ処理および可視化の実践
- 統計や機械学習の基礎の習得
- 資格取得や成果物作成など実績を作る
この章では、上記をひとつひとつご紹介していきます。
学習手順①データサイエンス概要・大枠の理解
入門者であれば、まずはデータサイエンスの概要、そして大枠の理解から始めることです。オンライン講座や入門書を利用して、「データサイエンスで何ができるのか」を理解しましょう。
データサイエンスはデータの収集、分析、モデリング、意思決定支援まで、できることは多岐にわたります。そのため、すべてを詳細に理解しようとしても膨大な時間がかかるだけです。
まずはざっくり6~7割程度の理解でいいので、広く浅くインプットするつもりで学習していきましょう。業界の事例や応用分野を調べることで、実際のビジネスや社会問題への貢献例を知ることができます。
なお、実務で本当に必要になる分野を2日間でスピーディーに学びたいなら、データサイエンティストセミナーがおすすめです。大枠、基礎を手っ取り早く学ぶにはうってつけの内容なので、ぜひご検討ください。
学習手順②Pythonプログラミングの習得
手順2つ目は、Pythonプログラミングの習得です。ざっくり学習すべき内容をまとめると、
- 環境準備
- Hello Worldプログラム
- データ構造
- 条件分岐
- 繰り返し
- 標準ライブラリの種類
が挙げられます。
まずは環境準備として公式サイトからPythonをインストールしましょう。また別に統合開発環境(IDE)としてVS Code、またブラウザ上で動作する Google Colabもおすすめです。
そしてHello Worldプログラム、データ構造、条件分岐、繰り返しは基本中の基本なので、自由自在に書けるように覚えておきましょう。サンプルコードはそれぞれ以下になります。
print(“Hello, World!”) # データ構造
# リスト
fruits = [“apple”, “banana”, “cherry”]
# タプル
coordinates = (10.5, 20.3)
# 辞書
person = {“name”: “Alice”, “age”: 30}
# セット
unique_numbers = {1, 2, 3, 2, 1}print(fruits[0]) # 「apple」を出力
print(coordinates[1]) # 「20.3」を出力
print(person[“name”]) # 「Alice」を出力
print(unique_numbers) # 「{1, 2, 3}」と出力# 条件分岐
x = 10
if x > 5:
print(“xは5より大きいです”)
elif x == 5:
print(“xイコール5です”)
else:
print(“xは5より小さいです”)# 繰り返し
# forループで5までの数字を出力
for i in range(5):
print(f”For loop iteration: {i}”)
# whileループで3までの数字を出力
count = 0
while count < 3:
print(f”While loop iteration: {count}”)
count += 1
名称 | 用途 |
random | ランダム値や乱数生成 |
os | ファイルやディレクトリの操作、環境変数の取得など、OS関連の操作が可能 |
sys | Pythonインタプリタやコマンドライン引数の操作が可能 |
math | 基本的な数学関数(平方根、三角関数など) |
statistics | 平均値や分散、中央値などの統計計算 |
os.path | ファイルパスの操作(結合、分割、存在確認など) |
shutil | ファイルやディレクトリのコピーや削除 |
json | JSONデータの読み書き |
csv | CSVファイルの読み書き |
urllib | URLの処理やHTTPリクエストの送信 |
socket | ネットワークソケット通信 |
datetime | 日付や時刻の操作 |
logging | アプリケーションのログ記録 |
なお、本章で紹介している入門者向けのPython知識をひととおり効率よく学びたいなら、Python基礎セミナー講習の受講がおすすめです。Pythonのプロとしての実践力が、2日間で着実に身に付く内容となっているので、ぜひご検討ください。
また、以下の記事では、Python初心者に向けたメソッドの使い方を解説していますので、気になる方はご一読ください。
学習手順③データ処理および可視化の実践
次に必要になるのが、実際のデータを扱うスキルです。
まずはデータ処理方法として、クリーニングや整形方法を学びましょう。具体的には欠損値の処理、外れ値の検出、データ型の変換などの技術を指します。
その後、可視化スキルを習得します。MatplotlibやSeabornといったツールを使用して、棒グラフ、散布図、ヒストグラムなどを作成し、データの分布や関係性をより見やすくしましょう。
こういったツールはインターネット上の記事や動画、また後に紹介する書籍で十分に学習可能です。
学習手順④統計や機械学習の基礎の習得
次に入門者が学ぶのは、データサイエンスの核となる統計学と機械学習の基礎です。
統計学では平均や分散、確率分布、回帰分析など、データの性質を理解するための基本を習得します。そして機械学習もデータサイエンスには欠かせない分野となります。
どちらも数学の応用の知識となるので、未経験者や文系出身の方にとっては少々難しさを感じることは否めません。じっくりコツコツと時間をかけて独学を行うか、データサイエンティストセミナーをはじめとするITセミナーでスピーディーに習得することをおすすめします。
また以下の記事では、データサイエンスと統計学の違いを説明していますので、気になる方はご一読ください。
学習手順⑤資格取得や成果物作成など実績を作る
ここまでがんばって学んだ知識を証明するために、資格取得やポートフォリオ作成を行いましょう。代表的な資格としては「G検定」や「E資格」があります。
また成果物としては、Google AnalyticsやSNS解析ツールを用いて、自分のもっているサイトやアカウントのPV数やCV率を分析して可視化するなどの選択肢が挙げられます。
また自分の分析スキルをアピールするためにKaggleなどのプラットフォームでコンペに参加したり、オープンデータを使ったプロジェクトをGitHubに公開したりするのもいいでしょう。
手元に残る成果物や資格といった実績があれば実力を偽りなく示すことができるので、転職やキャリアアップで有利になります
データサイエンスの入門に最適なおすすめサイト3選
この章では。データサイエンス入門におすすめのサイトを以下のとおりご紹介します。
- 数理・データサイエンス・教材
- 統計学習の指導のために
- 統計学の時間
おすすめサイト①数理・データサイエンス・教材
データサイエンスやAIに関する幅広い知識を学べる教材を提供しているサイトです。リテラシーレベルから応用レベルまで対応しており、初心者から専門的なスキルを求める方まで幅広い層が活用できます。
統計や数理的手法、プログラミング、機械学習などの基礎を学ぶだけでなく、実践的な応用も学べる構成です。データリテラシーの習得やAIの基礎理解を目指す方に最適でしょう。
おすすめサイト②統計学習の指導のために
高等学校におけるデータサイエンスのノウハウを網羅したサイトです、基礎的な内容をはじめ、構造化データやプログラミングなど、実務に必須の内容をPDFでダウンロードすることが可能です。
教師向けに作られた内容となっていますが、入門者が概要を学ぶ用途でも十分に活用できます。
おすすめサイト③統計学の時間
引用:統計学の時間公式サイト
「統計学の時間」は、データサイエンス分野で重要な統計学の基礎を学べるイトです。その名のとおり主に統計に関する内容を学ぶことができます、。
統計検定2級の範囲を網羅した内容で、入門者が学ぶにも最適な内容となっています。各トピックはわかりやすく解説されており、学んだ内容を練習問題を通じて確認することが可能です。
データサイエンスの入門として必読の書籍3冊
この章では、データサイエンスの入門者におすすめの書籍として、以下の3冊を厳選してご紹介します。
- データサイエンス入門 第2版
- 0から始めるAI・データサイエンス超入門
- AIデータサイエンスリテラシー入門
必読書籍①データサイエンス入門 第2版
引用:Amazon
『データサイエンス入門』は、データ分析の基礎から活用事例までをわかりやすく解説した教科書です。こちらの第2版では「数理・データサイエンス・AIモデルカリキュラム」に準拠し、導入や心得に関する記述が補強されています。
数式を極力避け、グラフを用いた直感的な説明で文系学生にも理解しやすい構成に仕上がっています。これからの学習を進めるための入門書として最適です。
必読書籍②0から始めるAI・データサイエンス超入門
引用:Amazon
NRIグループのトップクラスのデータサイエンティストが、最新のAIやデータ分析手法を数式やプログラミングを使わずに解説した一冊です。AIの基本概念やその重要性、データサイエンティストという職業の実態を丁寧に説明しています。
ChatGPTやGoogleレンズを活用した生成AIや画像認識、統計分析でデータ傾向を把握する方法、未来予測AIモデルの構造など具体例を交えてわかりやすく紹介しています。データ分析の必須スキルを手軽に学びたい入門者に最適です。
必読書籍③AIデータサイエンスリテラシー入門
引用:Amazon
数学が苦手な文系学生にも最適なデータサイエンスの入門書です。政府のAI戦略2019で提唱された「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」のリテラシーレベルに準拠しており、社会におけるデータ活用の基礎から実践までを学べます。
章ごとに「導入」「基礎」「心得」と段階的に進む内容で、社会人や教育者にも活用可能です。短期間の学習でも充実した成果が得られる、実践的な一冊です。
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形式は会場受講、ライブウェビナー、eラーニングの3形式となっており、現場における実務に直結するスキルが身につきます。教材や質問対応も充実しており、最安のeラーニングなら41,800円(税込)で受講可能です。
知識ゼロの入門者でも安心してデータサイエンスに挑戦できるカリキュラムとなっているので、ぜひご検討ください。
データサイエンス入門まとめ
データサイエンスはいまやさまざまな分野で活用されていることから、初心者向けの学習リソースも豊富にあります。書籍や学習サイトをはじめ優良Web講座やITセミナー、プログラミングスクールなどがあるので、入門者でも十分にスキルを身につけることが可能です。
分析や統計はIT業界のみならず、ほぼすべての企業で重要視されるスキルです。流行り廃りに影響されることもないため、これらの知識を習得できれば、今後のキャリアの選択肢を大きく広げられることは間違いありません。