プログラミングを学び始める際に、JavaScriptとPythonのどちらを学ぶべきか迷う方も多いでしょう。どちらも人気の高い言語であり、用途が異なるため、両方同時に学べば効率的なのではと考えるかもしれません。
しかし、JavaScriptとPythonを同時に学ぶことにはいくつかのデメリットがあります。本記事では、JavaScriptとPythonを同時に学ぶことができるのかや、学ぶ際の注意点について解説します。
JavaScriptとPythonの違い
そもそもJavaScriptとPythonは、用途や特徴の異なるプログラミング言語です。JavaScriptとPythonには、主に以下のような違いがあります。
項目 | JavaScript | Python |
主な用途 | Web開発 | データ分析・AI・バックエンド開発 |
特徴 | ブラウザで動作、非同期処理が得意 | シンプルな構文、汎用性が高い |
主なライブラリ | React、Vue、Express.jsなど | NumPy、Pandas、TensorFlowなど |
JavaScriptはWeb開発に特化した言語であり、主にフロントエンドで活用できるのが特徴です。一方で、Pythonはデータ分析や機械学習など、幅広い分野で使われる汎用的な言語です。
それぞれの言語によって用途は大きく異なるので、まずはJavaScriptとPythonがどのような言語なのかについて知っておくことが大切です。
また、JavaScriptとPythonの違いについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
それぞれの特徴から、JavaScriptがおすすめの人とPythonがおすすめの人の特徴について解説しています。
学ぶ言語をどちらか一方に絞る可能性がある方は、ぜひチェックしておきましょう。
JavaScriptの基本的な構文
以下のコードは、JavaScriptの基本的な構文です。
console.log(message);
letは変数を宣言するためのキーワードで、今回の場合では、変数messageに「Hello!」という文字列を代入しています。
console.log(message);とすることで、変数messageをコンソールに出力できるため、変数messageに代入された「Hello!」が出力されます。
Pythonの基本的な構文
以下のコードは、Pythonの基本的な構文です。
print(message)
1行目では、「Hello!」という文字列を「=」を使ってmassageという名前の変数に定義しています。
print(message)とすることで、messageに代入した中身をコンソールに出力できます。
また、Pythonの構文についてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
Pythonのさまざまな構文の使い方について解説しているので、Python学習の全体像をつかむのにおすすめです。
JavaScriptとPythonを同時に学ぶことはできる?
JavaScriptとPythonを同時に学ぶことは可能です。特に、JavaScriptとPythonを現場で使う場合、両方の言語を同時に学ばなければいけないケースも出てくるでしょう。
しかし、一般的に、JavaScriptとPythonを同時に学ぶのは効率的とはいえません。どちらも同じプログラミング言語であるものの、用途や記述方法が異なるため、同時に学習すると頭が混乱しやすくなります。
そのため、まずはどちらか一つの言語に集中し、基礎を固めてからもう一方の言語の学習に移るのがおすすめです。
JavaScriptとPythonを同時に学ぶデメリット
JavaScriptとPythonを同時に学ぶことはおすすめできません。その理由として、以下のようなデメリットがあることが挙げられます。
- 知識が混ざって混乱する
- JavaScriptとPythonを同時に使う機会は少ない
- 挫折する可能性が高まる
これらのデメリットについてみていきましょう。
デメリット①知識が混ざって混乱する
JavaScriptとPythonは文法が異なるため、同時に学ぶと混乱しやすくなります。特に初心者の場合は、どちらの言語を使っているのかを常に意識しなければならず、学習効率が落ちる可能性があります。
言語の違いが混同すると、エラーが発生しやすくなるため、エラーを解消するための無駄な時間も発生してしまうでしょう。
その結果、どちらの言語も正しく理解するのに時間がかかり、学習の進みが遅くなる恐れがあります。
デメリット②JavaScriptとPythonを同時に使う機会は少ない
JavaScriptとPythonは、それぞれ異なる用途で使われることが多いため、同時に学ぶメリットが少ないのも問題です。
JavaScriptは主にWeb開発で使われ、ブラウザ上で動作するインタラクティブな機能を作るのに適しています。
一方、Pythonはデータ分析や機械学習、バックエンド開発などに強みがあり、サーバーサイドでの処理が行われます。
このように、JavaScriptとPythonはそれぞれの役割が異なるため、初心者のうちから同時に学ぶ必要性はあまりありません。
まずは一つの言語をしっかり学び、その後で必要に応じてもう一方を習得する方が、効率的に学習できます。
デメリット③挫折する可能性が高まる
JavaScriptとPythonを同時に学ぶと、それぞれの学習の進捗度合いが分散されるため、一つの言語を習得するまでに時間がかかります。
プログラミング学習では、小さな成功体験を積み重ねることがモチベーションの維持につながります。
しかし、複数の言語を同時に学ぶことで目に見えた成果がなかなか出ず、モチベーションが低下して挫折してしまうケースも珍らしくありません。
二つの言語を習得したいなら、一つの言語をまずは習得して、自信をつけてからもう一つの言語に挑戦する方が、挫折してしまうリスクを抑えられます。
JavaScriptとPythonを同時に学ぶ際のポイント
ただ学習を続けるだけでは、プログラミング言語の同時習得は難しいでしょう。JavaScriptとPythonを同時に学ぶと決めた場合は、以下の点を意識することが大切です。
- 目的を明確にする
- 片方の基礎を固めてからもう一方を学ぶ
- 継続して学習する
これらのポイントについてみていきましょう。
ポイント①目的を明確にする
まず、自分がプログラミングを学ぶ目的を明確にしましょう。プログラミングにはさまざまな分野があり、目的によって適した言語が異なります。
例えば、Webサイトを作りたいのか、データ分析をしたいのかによって、学ぶべき言語が変わります。
Web開発をしたいならJavaScriptが適しており、データ分析や機械学習をしたいならPythonが向いているでしょう。
目的がはっきりしていれば、どちらの言語を優先すべきかが分かり、無駄な学習を減らして効率的に学習できます。
ポイント②片方の基礎を固めてからもう一方を学ぶ
最終的にどちらの言語も使えるようになりたいという場合、同時に学ぶのではなく、まずは一方を重点的に学ぶ方が効果的です。
一方の言語に集中し、基礎をしっかり固めてからもう一方に取り組むことで、もう一方の言語もスムーズに理解できるようになります。
プログラミング言語の習得には、基礎を固めることが不可欠です。
初心者のうちに複数の言語を同時に学ぶと、それぞれの基礎が曖昧になり、結果としてどちらも使いこなせなくなる恐れがあるため、順序立てて学習するようにしましょう。
ポイント③継続して学習する
プログラミングを習得するには、継続的な学習が欠かせません。JavaScriptとPythonは、理解が難しく感じることもありますが、毎日少しずつ学ぶことで確実にスキルが身についていきます。
特に、独学で学習を進めるなら、学習計画を立てて一定のペースで進めることが重要です。
さらに、モチベーションを維持するためにも、基礎だけでなくプロジェクトにも積極的に挑戦して、達成感を得ながら学習を進めるのもよいでしょう。
同時に学ぶのがおすすめのプログラミング言語
プログラミングの学習では、相性の良い言語を組み合わせることが重要です。JavaScriptを学ぶ場合、HTMLやCSSと一緒に学ぶのがおすすめです。
HTMLはWebページの構造を作る言語で、CSSはデザインを整えるための言語です。
JavaScriptはこれらと組み合わせることで、Webサイトに動きをつけたり、ユーザーの入力に応じた処理を実装したりできます。
特に、フロントエンド開発を行いたい場合は、HTMLとCSSの基礎も同時に学ぶと、より実践的なスキルを習得できます。
また、PythonはC++やC#といったC言語系と相性が良いので、Pythonのエンジニアを目指すならC言語系も合わせて学んでおくことはおすすめです。
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また、「Python3エンジニア認定基礎試験」や「Python3エンジニア認定データ分析試験」といったPythonの資格試験に活用できるので、セミナーの修了後にはPythonエンジニアを目指せるスキルを身につけられるでしょう。
JavaScriptとPythonを同時に学ぶについてのまとめ
今回は、JavaScriptとPythonは同時に学ぶことができるのかや、同時に学習する際のポイントなどについて解説しました。
JavaScriptとPythonを同時に学ぶことができますが、初心者にとっては効率的ではありません。
それぞれの言語は用途や文法が異なるため、同時に学ぶと混乱しやすく、どちらも中途半端な理解になってしまう可能性があります。
そのため、まずは一つの言語を重点的に学び、基礎を固めた後にもう一方の言語に取り組むのが理想的です。
自分の目的に合った学習方法を選び、無理のないペースでスキルを伸ばしていきましょう。
