Javaプログラマーとしてスキルを証明するために有効なのが資格取得です。中でもJava Goldは上級者向け資格として高く評価されていますが、「Java Goldの試験範囲が広く、何から勉強すればいいのかわからない」「どの参考書や問題集を使えば合格できるのか知りたい」と悩んでいる方も多いはずです。
本記事では、Java Goldの試験内容や出題範囲、効率的な勉強法を詳しく解説します。また、実際にJava Goldに合格した人の体験談を交えて押さえておくべきポイントにも触れています。Java Goldの取得を目指している人は、ぜひ参考にしてください。
Java Goldとは?
Java Gold(Oracle Certified Java Programmer, Gold SE)は、Oracleが提供するJavaに関する資格の中でも最上級に位置する資格です。この資格を持っていると、システムを設計する際に、意図をしっかり理解し、正しく実装できる能力があることを証明できます。
Java Goldを取得すると、並列処理や関数型インタフェースとラムダ式、ストリームAPI、例外処理、アノテーションなど高度なプログラミング技術を持っていることを示すことができます。そのため、システム開発や設計の分野で活躍するために役立つ資格です。
とくに、システム設計やプロジェクトの計画などの上流工程の仕事を目指している人にとっては、Java Goldの資格を持っていることが大きなアピールポイントになります。
もし、アノテーションを使った経験がないという人は、以下の記事で使い方を学ぶとよいでしょう。
Java Goldの受験に必要な前提資格とは
Java Goldの試験を受けるためには、事前に「Java Silver」の資格を取得している必要があります。
下記、3つのいずれかを取得していれば、JavaGoldの受験条件を満たせます。
- Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11
- Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8
- Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 7
なお、Oracleが提供するJava資格には、Bronze・Silver・Goldの3つのレベルがあり、それぞれ試験内容が異なります。Bronzeが初級でSilverが中級、そしてGoldが最上級の資格です。
Java Silverの試験内容
Java SilverとはJava言語で基本のプログラミング知識を保持しており、上級者の指導のもとで開発できることを証明します。
Java Silverの試験内容は主に次の内容になっています。
- 簡単なJavaプログラムの作成
- 基本データ型と文字列の操作
- 演算子と制御構造
- 配列の操作
- クラスの宣言とインスタンスの使用
- メソッドの作成
- カプセル化
- 継承による実装
- インタフェースによる抽象化
- 例外処理
- モジュール・システム
上記の内容で基本から応用問題まで出題されます。Java Goldの資格取得には、Java Silverの所持が必要ですが、Java SilverはBronzeを飛ばして受験が可能です。
Java Bronzeの試験内容
次に、Java Bronzeはプログラミング未経験者向けの入門資格になっていて、Java言語を使ったオブジェクト指向の基本知識があることを証明できます。
Java Bronzeの試験内容は主に次の内容です。
- Javaプログラムのコンパイルと実行
- データの宣言と使用
- 演算子と分岐分
- ループ文
- オブジェクト指向の概念
- クラスの定義
- 継承とポリモフィズム
これらの内容はJava言語の参考書籍で知識を身に付ければ、十分に資格取得できる内容です。Java Bronzeはプログラミング初心者が基礎を固めるために受験するケースが多いです。
Java Goldの試験難易度と合格率
Java Goldは、Java資格の中でも難関資格として知られています。Java Silverよりも試験範囲が広く、より深い理解が求められるため、事前の十分な準備が不可欠です。
試験の出題数は80問で、合格ラインは63%と設定されています。ただし、合格率は公式には公開されていません。Java Silverに合格した方でもしっかりとした対策を行わないと合格は難しいので、実際のコードを書いて理解を深めることが重要です。
Java Silverとの違いは?
Java GoldではSilverよりもレベルの高いスキルが試験で問われます。また、複数の選択肢の中から適切な実装方法を問う問題も多いので、処理の流れをイメージする実装力も必要です。
Java GoldとSilverの違いについては、以下の表を確認しましょう。
Java Gold | Java Silver | |
---|---|---|
出題形式 | 選択問題 | 選択問題 |
試験時間 | 180分 | 180分 |
問題数 | 80問 | 80問 |
合格ライン | 63%(51問) | 63%(51問) |
受験の費用 | 37,730円(税込) | 37,730円(税込) |
受験環境 | テストセンター オンライン(監督付き) | テストセンター オンライン(監督付き) |
難易度 | 難関 | 普通 |
必要な学習時間 | 200時間以上 | 100時間 |
出題形式や試験時間、問題数に違いはありませんが、Java Goldの方が実務でも高いレベルが求められる試験内容となっています。また、出題範囲はJava Goldの方が多いため、学習時間も2倍は必要といわれます。
Java Goldは実務経験なしでも合格は可能?
実務経験がなくても、Java Goldはしっかりと出題範囲を学習することで合格は可能です。
ただし、Java Goldは実装に関する問題が多いので実際にコードを書いて動作を確認することが重要になります。ただ参考書や問題集を読むだけでは学習不十分なので、サンプルのプログラムを実装しながら理解を深めましょう。
Java Gold取得に向いている人とは?
Java Goldは次のような人におすすめの資格です。
- Java開発の実務経験が3年以上ある人
- Javaの知識を深めてスキルアップしたい人
- キャリアアップに繋げたい人
- 会社で資格手当をもらいたい人
いずれかに該当する場合は、資格取得することで仕事にも役立てられます。
Java開発の実務経験が3年以上ある人
普段からJavaを使って開発をしている人は、試験範囲と業務内容が重なる部分が多いため、比較的スムーズに学習を進められます。
また、実務で得た知識を活かしながら学習できるので、未経験者に比べて理解しやすい点が強みです。
Javaの知識を深めてスキルアップしたい人
Java Goldの試験では、ストリームAPIや並行処理など、よりレベルの高い知識が問われます。これらは実務でも活かせるため、試験勉強を通じてスキルアップが可能です。「もっとレベルアップして活躍の幅を広げたい」「より専門的な知識を身につけたい」と考えている人に適した資格です。
キャリアアップに繋げたい人
Java Goldを取得すると、履歴書に資格として記載できるため、転職や昇進の際に有利になります。
とくに、Java Goldの資格があればエンジニアとしてどのレベルの知識を保持しているか証明する手段として活用できます。そのため、将来的にキャリアアップを目指している人にはおすすめです。
また、就職活動中の学生にとっても、Java Goldを持っていることは大きなアピールポイントになります。未経験でも基礎知識と応用力があることを証明できるので、IT業界を目指す学生なら挑戦しておいて損はありません。
会社で資格手当をもらいたい人
企業によっては、Java Goldを取得することで資格手当が支給されることがあります。中には受験費用の補助や研修制度を用意している企業もあるため、資格取得の負担を軽減できるのも嬉しいポイントです。
Java Goldの出題範囲
Java Goldの試験では、以下の内容が出題範囲となります。
- インナークラス・ネストしたクラス・匿名クラスの実装方法
- セキュリティと例外処理
- インタフェースの作成と使用方法
- コレクションと汎用クラスおよびメソッドの作成と使用方法
- 関数型インタフェースの定義
- ラムダ式の作成と使用方法
- ストリームAPI
- java.util.functionパッケージのインタフェースを使用方法
- コア関数型インタフェースの使用方法
- ストリームに対するラムダ演算
- 並列処理・並列ストリーム
- I/Oストリームを使用したデータの読み取りと書き込み方法
- アノテーションの目的と使用パターンの説明
- JDBCによるデータベースの操作実行
このように、Java Silverよりも実践的なコードの理解が求められる内容になっています。問題のほとんどが理解していないと解けない内容となっているので、暗記だけでは受かることはできません。
もし、java Goldにも出てくる例外処理のtry-catchをもっと理解したい人は、以下の記事が参考になります。
Java Gold試験の勉強法
Java Goldは試験範囲が広く、より深い理解を問われるので学習のスケジュールや効率の良い学習方法を考えることが大事です。ここでは、Java Gold試験の合格を目指すために有効的な勉強法について紹介します。
黒本(問題集)を活用した学習法が基本になる
出典:楽天市場 徹底攻略Java SE 11 Gold問題集
Java Goldの試験対策としてまず必須になるのが黒本と呼ばれる「徹底攻略Java SE 11 Gold問題集」です。この問題集には実際の試験の出題範囲が網羅されているだけでなく、本番に近い形式で問題が書かれています。
また、解答箇所には解説がしっかりと書かれているので、注意すべき点を押さえられます。まずは黒本を一通り解いて理解が浅い問題をチェックし、2周目からは間違えた問題や理解が浅い問題に絞って学習をすることをおすすめします。
Java Gold対策の参考書を活用
黒本のほかにも紫本と呼ばれる対策テキスト「JavaプログラマGold SE11」や、公式のドキュメントから仕様を確認する手段も効果的です。
また、問題をたくさん解いて苦手な問題を分析したい人は「オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE11 スピードマスター問題集」という問題集がおすすめ。問題数が369問もあるのであらゆるパターンを網羅できます。
Java Gold試験での注意点
Java Gold試験は問題数が80問に対し、180分しかないため時間配分が鍵になります。1問1分だとしても80分使いますし、もし悩んでしまった場合は考えることに時間を使うので実際はかなりぎりぎりになることが多いです。
また、テストセンターでの試験ではA4サイズのホワイトボードが渡されますが、1度書いてしまうと消すことができません。そのため、事前に悩んだ問題番号だけをホワイトボードにメモし、後回しにして最後の時間で解き直す方法をおすすめします。
Java Goldを取得した人の体験談を紹介
最後に、Java Goldを受験し、実際に合格した人の体験談を紹介します。合格者の勉強法やつまづいたポイントに絞って触れているので参考にしましょう。
合格者が実践した勉強法とおすすめの教材
多くのJava Gold合格者は、次のような勉強法を実践していることが多いことが分かりました。
- 黒本を3周以上解く
- オンラインの模擬試験を活用して本番の時間配分を考える
- Eclipseで実際にコードを書いて動作を確認する
- Excelを使って問題の解答を記入し、正答率を把握する
- 解説動画を見る
また、どの人もアウトプットを重要視しており、コードの理解に重点をおいて学習を行っています。とくに、合格者はストリームAPI・汎用とコレクション・関数型インタフェースの出題数が多かったという声があるので、この範囲を念入りに学習しておくことをおすすめします。
合格者が試験でつまずいたポイントとは
合格者が試験でつまづいたポイントは次の内容がありました。
- 例外のパターンが分かりづらい
- コンパイルエラーパターンが分かりづらい
- 並列処理で正しい動作が分からなくなった
- ラムダ式やストリームAPIの動作が分からなくなった
ラムダ式やストリームAPIは実際の試験でも出題数が多い傾向にあるようなので、コードを実際に動かしながら処理を理解しましょう。
まとめ
実務でも扱う実践的なスキルが求められるJava Goldですが、正しく効率的な学習プランを考えて実践すれば合格が可能です。
本記事では、Java Goldの資格内容や出題範囲、合格者の体験談を紹介しました。もし、Javaのプロフェショナルを目指したい人は、Java Goldの資格取得を目標に学習を進めてみましょう。
