【2024】AI家電とは?AIのメリット・デメリットも解説

日本には世界にも知られた家電メーカーがいくつもあり、それらメーカーが製造・販売する家電製品は、日々進化しています。AIを搭載した家電も続々と登場してきており、少しずつ日本の家庭にも浸透してきている状況でしょう。今後は、さらにAIを取り入れた家電製品が増えていくといわれています。一方で、AI家電というものに、まだ馴染みのない人や抵抗感を抱いている人も少なくありません。

本記事では、AI家電とは何かについて説明し、それらを使うメリットやデメリットも解説します。

AI家電とは?

AI家電とは?

AI家電の「AI」とは、「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と表現されます。AIは、さまざまなデータを収集・解析し、人間の言葉や行動を理解したうえで、何かしらのアクションを起こす技術です。AI家電とは、こうした人工知能の技術を搭載した、あるいは利用して稼動する家電製品を指します。

どの程度のAI技術を備えているかなどは、製品によって異なるでしょう。AI家電とはいっても、製品のグレードやメーカーなどによる違いは大きく、一様ではありません。AI家電は日々の暮らしを豊かにしたり便利にしたりするものですが、自分や家族、自宅などの状況に合った製品の選択が重要です。
AI家電の仕組み
AI家電は、「クラウド上にあるAIを利用したもの」と「家電本体にAIが搭載されたもの」に大別可能です。ここでは、それぞれのタイプのAI家電の仕組みをまとめましょう。

クラウドを利用したAI家電の場合

クラウドとは、インターネットを通じてアクセスできるサーバーや、サーバー上で取り扱われているソフトウェアやデータベース、あるいは、それらを利用したサービス全般を指す表現です。AI家電の中には、このクラウドを利用したものがあります。インターネットとの接続により十分な機能が発揮される家電製品と捉えておくとよいでしょう。

このタイプのAI家電は、まず、インターネット通信を用いてクラウド上の情報やデータを取得・解析などします。そのうえで、ユーザーに情報やデータを提供したり、それらをもとに最適な機能を選択し運転したりするのが、クラウドを利用したAI家電の基本的な仕組みです。自動でデータを取得し稼動するものや、ユーザーの要望に沿って情報を取得し提供するものなど、具体的な仕組みは製品によって異なります。スピーカーやエアコンなどが、クラウドを利用した代表的なAI家電製品の例でしょう。

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AIを搭載した家電の場合

AIを搭載した家電は、必ずしもインターネットに接続する必要はありません。大抵の機能は、充電したりバッテリーを入れたりすれば使用可能です。このタイプの家電は、ユーザーの行動や使用の頻度・程度をデータとして蓄積、あるいは、その場の環境などを解析し、それらに合った機能を提供する仕組みとなっています。

ユーザーが使うごとに学習し、より快適な機能を選択する家電もあれば、そのときどきの環境や状況を察知し、それぞれに適した機能を提供する製品もあるなど、具体的な仕組みはやはり製品によりさまざまです。いずれにしても、カメラを含めたセンサーが搭載されているものが多いでしょう。それらがコンピューターへと情報を送り、ユーザーが望む快適な機能を学習・考慮したうえで、個々の家電としての役割を果たしています。洗濯機や掃除機、電子レンジや炊飯器など家事用の家電が、製品自体にAIを搭載しているタイプの代表例です。

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AI家電を使うメリット

AI家電を使うメリット

AI家電が増え続け、普及し始めている理由は、それらが多くの人や家庭にメリットをもたらすためです。AI家電には多くの種類がありますが、ここでは、大半のAI家電に当てはまるメリットを紹介します。

家電への苦手意識が減る

多くの家電には厚い説明書が付属しており、それを読んだうえで内容に従って操作をしたり稼動させたりしなければいけません。大半のAI家電も同様ですが、しかし、AIの判断により自動で動いてくれる製品も増えています。説明書を読んだり、新たな機能を使ったりするのに苦手意識を持っている人でも、AIのアシストによって問題なく家電を稼動させられるでしょう。

正確な判断や調整ができる

AI家電の多くは、データや情報をもとにユーザーにとって最適な環境にしたり、適切な機能を提供したりしてくれます。従来の家電では、そのような環境や状態とするには、ユーザーがその都度細かく調整しなければいけませんでした。判断を間違えると快適や最適とはほど遠い状態となってしまうケースも珍しくありません。AI家電であれば、家電自体が正確な判断や調整をしてくれます。例えば、調理家電などを使用する場合は、失敗の頻度や程度を抑えられるでしょう。

時間やお金の節約につながる

細かな調整をユーザーがわざわざしなくてもよいAI家電を使用すると、そのための時間を使わずに済みます。自動で動いてくれるAI家電も多く、そのような製品を使う場合は調整や稼動に対して、ユーザーがその都度考える必要もなくなるでしょう。自動で停止する機能を備えたAI家電を使う場合も同様です。結果、時間やお金の節約へとつながります。家事や仕事、育児など、他のことに時間や思考を使えるようになる点は、AI家電を使う大きなメリットでしょう。

情報や知識を獲得しやすい

AI家電の中でも、特にクラウドを利用した製品を使うと、さまざまな情報や知識の獲得にもつながります。インターネット上にあふれた情報やデータの中からユーザーに必要な、あるいは有益なものを抽出し、伝えてくれるためです。自動アップデートにより、そうした情報やデータが更新され続ける家電も少なくありません。AI家電を使い続けることで得られる、新たな発見もあるでしょう。それらを家事や仕事などに活かすこともできます。AI家電は使い方次第で、さらに便利なものとすることも可能です。

家電への愛着が湧きやすい

ユーザーとのコミュニケーションが可能なAI家電もあります。会話をしたり、AI家電が状況や環境に応じて音声などを使って情報を提供してくれたりする製品は少なくありません。こうしたコミュニケーションや音声による情報提供は、家電への愛着を増幅させてくれるでしょう。長く使おうという意識も芽生えやすく、製品を大事に扱うようになれば、経済的なメリットをもたらす可能性も高まります。

AI家電のデメリット

多くのメリットがある一方で、AI家電にはデメリットもあります。人によって感じ方や程度は異なるものの、ここでは、欠点や注意点なども含めたAI家電のデメリットをまとめましょう。

高価な家電が多い

AI家電は、その機能の多さや精度の高さなどから、高価格帯の製品となっているケースが大半です。手に入れるためのハードルは、比較的高いといえます。AI家電の使用は時間やお金の節約というメリットをもたらすものの、購入時の価格がそのメリットに見合った妥当なものかの判断は欠かせません。コストパフォーマンスを考慮したうえで購入を決断することが求められます。

不具合の原因が判断しづらい

家電は、機能が増えたり便利になったりするほど、不具合の原因が判断しづらくなる傾向がみられます。AI家電は、特にその傾向が強いでしょう。不具合が生じた際、その原因がセンサーにあるのか、それともコンピューターにあるのかを即座に判断するのは容易ではありません。ネット環境に問題がある場合もあれば、製品の構造そのものに問題が生じているケースもあります。従来の製品のように単純な構造とはなっていないAI家電が多いため、基本的に何十年も使い続けられるようなものではない点も一つのデメリットといえるでしょう。

ネット環境に左右される家電もある

本体にAIが搭載されている家電は充電したりバッテリーを交換したりすれば使えますが、クラウドを利用する場合は、インターネット環境の影響を受けざるをえません。スマートフォンやパソコンを使っていても、ネット環境が気になるという人は多いでしょう。AI家電も使用している場合、ネット環境によっては稼動が途中で止まったり、正確な調整をしてくれなかったりするケースも出てきます。AI家電の恩恵を受けるには、十分なネット環境を整えておく必要がある点は押さえておきましょう。

セキュリティ上のリスクがある

クラウドを利用したAI家電の場合は、説明したようにインターネット通信が行われる環境下で使うことになります。スマートフォンやパソコンにもいえることですが、ネット回線をつないでいる状況では、セキュリティ上のリスクがゼロになることはないでしょう。一般の家庭でAI家電を使う場合には、過剰に心配する必要はありません。ただ、製品によっては情報やデータの流出、盗撮や盗聴といった被害に遭いかねない点を頭に入れたうえでの使用が求められます。

AI家電に依存しやすい

便利なAI家電だからこそ、使い続けると依存しやすくなるおそれがあります。AI家電が故障した場合や停電が起こった際、ネット回線に不具合が生じたときなどに、まともな生活ができないといった状態にもなりかねません。修理をしたり新たな製品を購入したり、電気やネット回線が復旧したりするまでは、大きな不便を感じることになるでしょう。AI家電を使用し、日頃から生活に必要な情報の多くを得ている場合は特に要注意です。

AI家電についてまとめ

日本語では人工知能と訳される技術を搭載した家電は、AI家電と呼ばれます。AI家電は、インターネット通信によりクラウド上の情報やデータなどを取得し稼動するタイプと、家電自体にAIが搭載されているタイプとに大別可能です。AI家電には、時間やお金の節約へとつながったり、正確な判断や調整を自動で行ってくれたりするメリットがあります。

一方で、高価格帯の製品が多く、不具合が生じた場合に原因の判断がしづらいといったデメリットがある点も無視はできません。クラウドを利用したAI家電の場合は、セキュリティ上のリスクもあるでしょう。
とはいえ、AI家電は、多くの人の日々の生活を豊かなものにしてくれます。自分の状況や家庭の環境に合ったものを見つけ、積極的に取り入れてみましょう。

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