企業では、事業戦略を立てて新しい事業に力を注いでいくことにより、成長を目指すことが重要です。
AI(人工知能)事業に着目して大きな展開をしようと考える企業も増えましたが、本当にできるのかと疑問に思うかもしれません。
この記事では、リソースを充実させるためのAI教育の必要性について説明した上で、教育ツールの導入方法について紹介します。
AIエンジニアの教育はAI事業を進めるのに不可欠
AI事業を推進していけるようにするためには、リソースを充実させることが不可欠で、企業全体としてAI教育を進めることがまず重要です。
AIを扱うことができる優秀なAIエンジニアに、新しい製品やサービスの開発が欠かせないのは確かでしょう。
しかし、それだけではまだ事業を成功させるには不十分で、マーケティング職や営業職、経営者や企画室に至るまで全体的なAI教育をすることで事業の成功率が高まります。
AI技術があれば、自然に売れる製品やサービスが生まれるわけではないからです。
マーケッターや営業マンが市場や顧客のニーズをつかみ、AIを用いる戦略で経営者や企画室が具体的な方針を定めることにより、売れるものが作られていくことになります。
プログラミンの教育は年々若年化しており、小学校をはじめとした教育機関でもプログラミングの授業が導入されています。
そのため、大学や専門学校ではより専門的な技術を学ぶことができるようになり、企業側が欲しいAI人材が増えてきているため、採用活動時にもエンジニアとして即戦力のある人間なのかを意識するようになるのではないでしょうか。
全社的にAI教育を行って、AI事業を展開する方向に経営陣が舵を切ったことを認識させ、組織の構成員の誰もがAIの活用を意識するようになることで、新しい事業の可能性が生み出されていきます。
このような全社教育を実施する必要があることは念頭に置いておきましょう。
AIエンジニアは現在不足の傾向にある
それではAIエンジニアの現状はどのようになっているのかというと、AIエンジニアは需要が高まっているのに対して人材が不足している傾向にあります。
経済産業省の「AI人材育成の取組」ではAI/IT人材の不足は「現状約17万人から2030年には約79万人に拡大すると予測」されています。
今年以降もどんどん深刻化してく予測であることが分かりますね。
また、AIエンジニアを雇うコストはあるのに、実際にいいAIエンジニアが面接に現れる可能性は低いと言われています。
ですので、自分や社員が「いいエンジニアになる」ためにはAI教育を使って成長していかなければなりません。
AI教育は現役エンジニアでも困難!
教育をする中で最も困難を伴うのが、エンジニアのAI教育です。
AIエンジニアはまだ全国的に見ても数が少なく、能力的にもかなり差が大きい状況があります。
ITエンジニアなら誰もがAIを扱えるというわけではなく、ほぼ初心者のような状態から知識を付けていかなければならないことも少なくありません。
AI分野では、独特のアルゴリズムについて理解を深め、機械学習や強化学習、ディープラーニングといった高度な技術を習得しなければなりません。
数学的な知識の要求も大きいことから、高校数学や大学数学の復習から勉強を始めなければならないことすらあります。
ビッグデータを扱うことが求められるため、確率論や線形代数、統計学などを扱えなければならないからです。
その数学的な考え方からアルゴリズムができあがっているため、AIの本質的な理解には欠かせません。
そして、その知識に基づいて製品やサービスを作り上げるためにはAIプログラミングのスキルも必要になります。
これだけ要求される項目が多く、高度な内容になっていることから教育をするだけでもかなり大変なのは明らかでしょう。
優秀なAIエンジニアを教育する方法
それでは優秀なAIエンジニアを社内で教育する方法はどんなものがあるのでしょうか。
今回は優秀なAIエンジニアを教育する方法をいくつか紹介します。
優秀なAIエンジニアの教育方法①AI教育のカルキュラムを作る
優秀なAIエンジニアは、実際に活躍している社内のAIエンジニアに教われば何人も育成することは可能ですが人件費が非常にかかります。
社内のAIエンジニアが「優秀だな」と言われるほど成長するまでには期間もかかるでしょう。
そんな場合にはAIでAIエンジニアが育成できるような課題を作成し、カルキュラムを作ってしまうのがおすすめです。
AIで自動化することにより、新人教育の効率化が進むでしょう。
優秀なAIエンジニアの教育方法②教育サービスを使う
優秀なAIエンジニアを教育する方法には教育サービスを使う方法もあります。
AI教育のカルキュラムを作るのにも労力が要るので、いっそそういったサービスを使ってしまうのも一手です。
AIエンジニア教育に特におすすめなサービスは「AI人材育成サービス」です。
こちらはAI人材の教育に長けたサービスになるので、丸投げでAI人材の教育をお願いすることも可能となっています。
優秀なAIエンジニアの教育方法③成長しやすい福利厚生を作る
社内のAIエンジニアを教育したい場合は、「書籍を毎月◯冊無料で発注できる」や「月に1回どこかのセミナーに申し込み可能」など、AIエンジニアが成長できるような福利厚生を導入するのも良いでしょう。
福利厚生はプレゼント的なイメージも強いので、喜んでAIエンジニアが成長に励んでくれることもあります。
AI教育環境とエンジニア教育の課題と対策
AIエンジニアの教育をする上で特に大きな課題になるのが、プログラミングを習得させることです。
エンジニアには、ITには詳しくてもプログラミングが得意ではないこともよくあります。
その影響もあってIT企業の開発現場では、システムの仕様や設計を考案したり試作品のテストをしたりするエンジニアとは別にプログラマーを雇用して、同じプロジェクトチームに入れて開発を進めているケースが多いのです。
しかし、AIを使う開発ではPythonによるプログラミングができることはほぼ必須で、エンジニア自身がプログラミングを行えるくらいのスキルがないと仕様書を作るのも容易ではありません。
そのため、AIエンジニアを育て上げるためには実践的なトレーニングを積む教育機会を与えることが必要です。
プログラミングは聞いて覚えるものではなく、実際に手を動かしてプログラムを作ることにより体得するものです。
そのため、講義で教えるのではなく、課題を解かせて学ばせる仕組みを作るという対策を考えることが重要になります。
AIエンジニアの教育をするためのツールや講座を導入しよう
全社的な教育をするにも、エンジニアを育て上げるにも、どのような体制を整えるかが大きな課題になります。
効率よくAI教育を進めていける基盤を作るためには、教育ツールの導入や講座の活用を進めるのが良い方法です。
AI教育のニーズが高まっている影響で、全国各地で利用可能なオンラインプログラムが提供されるようになっています。
教育ツールとして典型的なのが、クラウドシステムのサービスです。
コースやプログラムを指定して申し込みをすると、IDが発行されてクラウドサーバー上にあるデータやアプリにアクセスできるようになります。
AIに関するビデオ教材を視聴したり、テキストを読んだり、問題を解いたりして学ぶことができるのが特徴です。
Eラーニングとして活用できるため、AI教育の対象とする社員にアカウントを発行して各自のパソコンやスマートフォンから時間を見つけて受講してもらうといった運用が可能です。
プログラムによってはライブ配信が行われていて、その場で講師に質問をすることもできます。
AI講座にもクラウドシステムを利用しているケースが多いですが、ウェビナーやビデオ会議システムを使用してセミナーや授業を行っているものもたくさんあります。
ビジネスパーソン向けの講座もあるものの、主流なのは数日から数ヶ月のプログラムになっているエンジニア向けの講座です。
AI全般に関して基礎から応用まで学べるプログラムもあれば、ディープラーニングや機械学習などの一分野に特化して教育を受けられるプログラムもあります。
Pythonを用いるAIプログラミング講座もあるので、プログラミング教育も容易に実現可能です。
このような講座は、社員に個人で申し込ませて教育を受けてもらうこともできますが、法人として申し込んで自社の研修のタイミングに合わせてライブ配信をしてもらえるサービスもあります。
全社研修の際に、職種ごとに適切な講義を同時に配信してもらえば、短い時間で全社的なAI教育を行うことができるでしょう。
さらに教育ツールを導入して運用していけば継続的なAI教育を行うことができます。
社員のレベルアップを促せるだけでなく、企業としてAI事業に力を注いでいることも認識させられる方法です。
AI教育はツール導入とソフト面の環境見直しは必須
AI事業を推進していくためには、必要な情報を集め全社的なAI教育をすることが欠かせません。
特にエンジニアを育て上げるのには苦労を伴いますが、有用な教育ツールを導入し、AI講座を取り入れていけば問題は解決可能です。
オンラインプログラムを活用して効率的に成長させられる環境を整備し、企業としてAI事業を進めていけるような基盤を作り上げましょう。