「自然な音声を生成できるAIツールを使いたいが、どれを選べばよいかわからない」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。感情表現や話すスピードなどを調整できる音声生成AIもあり、本格的な録音環境がなくても高品質な音声コンテンツを作成しやすくなっています。
そこで本記事では、おすすめの音声生成AIツール10選を紹介しながら、主な活用方法や選び方のポイントをわかりやすく解説します。
音声生成AIツールとは?

音声生成AIツールとは、入力したテキストや音声サンプルなどをもとに、AIが自然な音声を生成するツールのことです。音声生成AIを活用すれば、文章を入力するだけでナレーション風の音声やアナウンス音声などを作成できます。
近年は、読み上げの自然さだけでなく、
- 声の高さ
- 話すスピード
- 感情表現
- 多言語対応
などを調整できる音声生成AIツールも増えています。
音声認識ツールとの違い
音声生成AIツールと音声認識ツールは、どちらも音声を扱うAI技術ですが、役割は異なります。以下はそれぞれの違いを表にまとめたものです。
| 項目 | 音声生成AIツール | 音声認識ツール |
|---|---|---|
| 役割 | テキストなどから音声を生成する | 音声を読み取り、テキスト化する |
| 入力するもの | 文章、台本、プロンプト、音声サンプルなど | 会話、録音データ、会議音声など |
| 出力されるもの | ナレーション音声、案内音声、キャラクター音声など | 文字起こしデータ、議事録、字幕用テキストなど |
| 活用シーン | 動画制作、広告、教材、音声案内 | 会議記録、インタビュー、通話分析 |
音声生成AIツールは「音声を作る」ためのAIであり、音声認識ツールは「音声を読み取る」ためのAIです。両者は似ているように見えますが、制作工程では入力と出力の向きが異なるといえます。
音声生成AIツールの選び方

音声生成AIツールを選ぶ際は、音声を生成できるかだけで判断しないことが大切です。導入前に以下のポイントを確認しておきましょう。
- 音声の品質は高いか
- 音声の出力をカスタマイズできるか
- 日本語の出力精度は高いか
①音声の品質は高いか
音声生成AIツールを選ぶうえで、確認したいのが音声の品質です。どれだけ多機能なAIツールでも、生成された音声が機械的に聞こえたり、抑揚が不自然だったりすると、動画や教材の聞き心地は悪くなってしまいます。
特に、ナレーションや広告、研修コンテンツなどで使う場合は、聞き手が違和感なく内容を理解できる自然な音声かどうかが重要です。無料プランやデモ音声が用意されている場合は、事前に文章を入力して生成結果を試しておくと安心です。
②音声の出力をカスタマイズできるか
音声生成AIツールは、出力内容をどこまで調整できるかも重要です。たとえば、声の高さや話すスピードなどを変更できるツールであれば、用途に合わせた音声を作りやすくなります。
企業の紹介動画では落ち着いた音声、SNS向けの短い動画では明るくテンポのよい音声など、使う場面によって適した表現は異なります。また、同じ文章でも読み上げ方によって印象が変わるため、細かいカスタマイズができる音声生成AIほど、完成度を高めやすいといえます。
③日本語の出力精度は高いか
音声生成AIツールでは多言語対応の有無が注目されがちですが、日本語での利用が中心であれば、日本語の出力精度が高いかを重視しましょう。多言語対応と記載されていても、日本語の発音やイントネーションが不自然になる場合があります。
特に日本語は、
- 漢字の読み方
- 文脈による発音の違い
- 敬語表現
- 自然な間の取り方
などが音声の聞きやすさに影響します。そのため、日本語の文章を入力したときに、固有名詞や専門用語を正しく読み上げられるか、文章全体が自然に聞こえるかを確認することが大切です。
生成AIツールのランキングを確認したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
おすすめの音声生成AIツール10選
ここからはおすすめの音声生成AIツールを10個紹介します。
| ツール名 | 無料利用の可否 | 音声の品質は高いか | 音声の調整は可能か | 日本語の出力精度は高いか | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| Canva | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | デザイン・動画編集と音声生成をまとめて行える |
| ElevenLabs | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ | 多言語・高品質なAI音声生成に強いツール |
| CoeFont | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | 日本語の声素材を豊富に選べる音声生成AI |
| VOICEVOX | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ | 無料で使いやすい日本語向け音声生成ソフト |
| VOICEPEAK | × | ◎ | ◎ | ◎ | 感情表現まで調整できる日本語音声生成ソフト |
| AITalk | × | ◎ | ◎ | ◎ | 法人向けの日本語音声合成に強い |
| Vrew | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | 動画編集とAI音声生成を一体で使える |
| Murf AI | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ | 海外向けナレーションや多言語音声生成に強い |
| Amazon Polly | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ | アプリやシステムに音声生成を組み込みやすい |
| Google Cloud Text-to-Speech | ◯ | ◎ | ◎ | ◯ | APIで多言語の音声生成を自動化しやすい |
①Canva

出典:Canva
Canvaは、デザイン作成や動画編集とあわせて音声生成AIを使いたい方に向いているツールです。CanvaのAI音声生成機能では、テキストを入力し、声を選ぶだけでナレーション用の音声を作成できます。
編集画面上で音声を追加できるため、別の編集ソフトに移動せず、デザインと音声をまとめて整えやすい点が特徴です。Canvaの音声生成AIを実務レベルで使いこなしたい方は「Canva基礎セミナー」の受講がおすすめです。
Canva基礎セミナーでは、Canvaの基礎的な使い方から生成AIの主な活用方法について学習ができます。音声生成を資料や動画に組み込む方法も学べますので、ぜひ受講を検討してみてください。
| セミナー名 | Canva基礎セミナー |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,700円〜 |
| 受講期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
②ElevenLabs

出典:ElevenLabs
ElevenLabsは、自然な音声を生成したい方に向いているAI音声生成ツールです。テキストを入力して音声化できるだけでなく、用途に応じて動画ナレーション、ポッドキャスト、オーディオブック、ゲームキャラクターの音声などにも活用できます。
海外向けの動画や多言語コンテンツを作りたい場合にも使いやすく、高品質なAI音声を作りたいクリエイターや企業におすすめです。
③CoeFont

出典:CoeFont
CoeFontは、日本語の声素材を重視して音声生成AIを選びたい方に向いています。10,000種類以上のAI音声でテキストを音声に変換でき、5分の収録で自分だけのAI音声を作成することが可能です。
ナレーション、動画制作、ゲーム、キャラクター音声など、声の印象を重視したコンテンツと相性がよいツールです。日本語向けの音声を選びやすいため、国内向けのYouTube動画やSNS動画、商品紹介動画にも活用しやすいでしょう。
④VOICEVOX

出典:VOICEVOX
VOICEVOXは、無料で使える日本語のテキスト読み上げ・歌声合成ソフトウェアです。商用・非商用を問わず無料で使用でき、イントネーションを細かく調整できます。
ただし、キャラクターごとに利用規約があるため、商用利用する場合は必ず各キャラクターの条件を確認する必要があります。かわいらしいキャラクター音声や個性的な音声を使いたい場合に便利で、解説動画、ショート動画などにも使いやすい音声生成AIツールです。
⑤VOICEPEAK

出典:VOICEPEAK
VOICEPEAKは、AI音声合成技術を搭載した入力文字読み上げソフトです。テキストを入力するだけで高品質な音声を作成でき、感情パラメータによって喜怒哀楽などの表現も調整できます。
ナレーション用の落ち着いた音声から、キャラクター性のある音声まで選びやすく、動画制作や教材、プレゼン資料の読み上げにも活用できます。買い切り型のソフトを検討したい方や、クラウド型ではなくPC上で音声生成の作業を進めたい方におすすめです。
⑥AITalk

出典:AITalk
AITalkは、人間の声に近い自然な音声で合成でき、感情表現にも対応している生成AIツールです。企業向けの音声案内、電話ガイダンス、ナレーションなど、業務用途で音声を生成したい場合に検討しやすいAI音声生成ツールです。
個人クリエイター向けというより、法人や教育機関、公共性のある案内音声など、安定した品質や運用面を重視する場面に向いています。専門用語や固有名詞が多いコンテンツでは、読み方の調整や辞書機能の有無も確認するとよいでしょう。
⑦Vrew

出典:Vrew
Vrewは、動画編集とAI音声生成をまとめて行いたい方に向いているツールです。テキストを入力するだけで自然な音声を制作でき、録音なしで動画にナレーションを追加できます。
また、字幕作成や動画編集まで一緒に進めたい場合に使いやすい点が魅力です。YouTube動画、ショート動画、講座動画など、音声と字幕を同時に整えたい方におすすめです。
⑧Murf AI

出典:Murf AI
Murf AIは、多言語のナレーション制作に対応したAI音声生成ツールです。AI Voice Changer、AI Dubbing、Voice Cloningなどとの連携が可能で、制作ワークフローに組み込みやすい点が特徴です。
海外向けの動画やeラーニング、広告コンテンツを作る場合に使いやすいでしょう。一方で、日本語の自然さや細かなイントネーションは用途によって合う・合わないがあるため、日本語音声を作る場合は事前に試すことをおすすめします。
⑨Amazon Polly

出典:Amazon
Amazon Pollyは、AWSが提供するテキスト読み上げサービスです。テキストを音声ストリームに変換するフルマネージドサービスであり、複数言語の自然な音声を使ってアプリケーションを構築できます。
Webサービス、アプリ、電話応答、アクセシビリティ対応、学習サービスなど、開発を前提とした音声生成に向いています。単発の動画ナレーションというより、システムに音声生成機能を組み込みたい企業や開発者に適したAIツールです。
⑩Google Cloud Text-to-Speech

出典:Google
Google Cloud Text-to-Speechは、Google Cloudが提供する音声生成AIサービスです。GoogleのAI技術を活用してテキストを自然な音声に変換でき、75以上の言語・言語変種や380種類以上の音声から選べます。
また、ピッチ、発話速度、音量、SSMLによる発音指定など、細かな調整機能も用意されています。アプリやWebサービス、音声ボット、アクセシビリティ対応など、開発用途で本格的に音声生成を使いたい場合に向いています。
音声表現をさらに工夫したい場合は、感情認識AIや感情分析の活用方法も参考になります。以下の記事では、おすすめの感情認識AIを紹介していますので、あわせてご覧ください。
音声生成AIツールの活用事例

ここからは実際に音声生成AIツールを活用した事例を2つ紹介します。
- 北海道文化放送株式会社
- NTTデータユニバーシティ
①北海道文化放送株式会社
北海道文化放送株式会社では、オンライン向けニュース配信を強化するなかで、生成AIとテキスト読み上げ技術を活用しています。
同社はAWSの生成AIやtext-to-speechを使い、ニュース原稿や動画制作を効率化しました。Amazon Pollyなどを活用し、Web記事の音声生成やニュース原稿・動画制作の効率化を進めたことで、従来よりも低コストで多くのニュースを届けられる体制を整えています。
その結果、ニュース原稿の作成時間は1本あたり約2分に短縮され、月100〜120本の追加記事配信につながっています。音声生成AIは、動画ナレーションを作るだけでなく、メディア企業のコンテンツ制作スピードを高める用途でも活用されています。
出典:AWS
②NTTデータユニバーシティ
NTTデータユニバーシティでは、新卒向けオリエンテーション資料動画の音声作成ツールとして、株式会社エーアイの「AITalk®6 声の職人」を採用しています。導入目的は、より自然な印象の音声で研修受講者の理解度を高めることでした。
導入前は、音声が機械的に聞こえることや、音声作成時の調整が難しいことが課題でしたが、導入後は自然な読み上げで聞き取りやすくなり、品質向上によって修正の必要が減少しています。
出典:エーアイ
音声生成AIツールに関するよくある質問

最後に、音声生成AIツールに関するよくある質問をまとめます。
音声生成AIツールについてのまとめ
音声生成AIツールを選ぶうえで大切なのは、作りたい音声の用途に合っているかを見極めることです。動画ナレーションに使うなら音声の自然さや日本語の出力精度、企業の研修や案内音声に使うなら商用利用の条件や調整機能などを確認する必要があります。
音声生成AIは、ツールによって得意分野や利用条件が異なるため、無料プランやデモ音声で実際の生成結果を確認し、自社や自分の目的に合うものを選びましょう。




