Pythonはアプリケーション開発に留まらず、AIやデータ分析といった分野でも重宝されている注目度の高いプログラミング言語です。身に付けておけば活躍の場が広がるため、多くのエンジニア志望者が学習を進めています。プログラミング言語の習得にはスクールや通信講座を利用するのが一般的とされていますが、中には独学で身に付けたいという人も居るでしょう。そこで今回はPythonの独学におすすめな本や、独学時のポイントを紹介します。
Pythonとはどのようなプログラミング言語なのか
独学の準備を始める前に、まずはPythonがどのようなプログラミング言語なのかを理解しておきましょう。
Pythonの概要
Pythonはオランダ人プログラマーのグイド・ヴァンロッサムが1991年にオープンソースとして開発したプログラミング言語であり、「シンプルな文法」「ライブラリとフレームワークの豊富さ」「動作確認が容易」といった特長を備えています。利用用途が広いことから世界中の様々な場所で用いられるようになり、Pythonを扱うことの出来る人材は重宝されるようになりました。有名なところではYoutube・Instagram・SpotifyといったサービスにもPythonが使用されています。
Pythonは独学に向いている?
プログラミング言語はそれぞれで学習難易度が異なり、ものによっては独学のハードルが高い場合があります。しかしその点で言うと、Pythonは比較的独学に向いている部類です。先に述べたようにPythonはコードが書きやすく、プログラミング初心者でも読みやすいため分からないところでつまづくリスクが低くなります。さらにPythonは世界的に注目されているプログラミング言語であることから、市販の教材も豊富に出回っているのです。
独学でPythonへ入門する際におすすめな本10選
Pythonは参考書の数も多いため、独学を始めるにあたってどれを選べば良いか迷ってしまいがちです。ここではPythonの入門書としておすすめの本を厳選して10冊紹介していきます。
スラスラ読めるPythonふりがなプログラミング
プログラミングにまったく馴染みがない人でも1から正しい知識を身に付けられるよう、随所にふりがなが振られている参考書です。ユニークな着眼点ながらも内容はしっかりと練られており、頭と手の両方を動かしながら着実にPythonの知識を身に付けていくことが出来ます。()
Pythonスタートブック
本書は図解やイラストを豊富に取り入れているため、初めてプログラミング言語を学ぶ人でも視覚的な情報から知識を整理しやすい仕様になっています。基本から応用まで幅広い項目が設けられているため、読み終える頃にはある程度Pythonの知識が体系化されているでしょう。
Python 1年生 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ
Pythonの入門書としてベストセラーになっている1冊です。先生と生徒の会話形式で進んでいくスタイルで、各項目は予備知識がなくても分かりやすいよう丁寧に解説されています。Pythonを使ってサンプルを作成する課題も設けられているため、知識のアウトプットにも有効です。
よくわかるPython入門
Pythonを中心にプログラミングの基礎を体系的に学べる参考書です。ファイルの読み書きや表計算ソフトの扱いについても触れているため、ビジネスに必要な最低限のITリテラシーも身に付きます。汎用性の高い知識を学びたい人におすすめの1冊と言えるでしょう。
いちばんやさしいPythonの教本
本書は基礎知識を学ぶ「講義パート」と実際にプログラムを書いて制作体験を積む「実習パート」に分かれており、知識と実践的なスキルが同時進行で身に付きます。程よいボリューム感なので途中で投げ出してしまうこともないでしょう。
スッキリわかるPython入門
基礎的な知識はもちろんのこと、運用のコツや注意点といった実践的なノウハウも豊富に紹介されています。「コードをこう書いたらこう動く」という表面的な知識ではなく「なぜそうなるのか」という根本から知識が身に付く参考書です。
3ステップでしっかり学ぶ Python入門
本書は予習・実践・復習の3段階で知識を定着させているオーソドックスな仕様となっています。学校の勉強のような感覚で学習を進めていけるので、プログラミングが初めてでも安心です。
入門Python3
プログラミングについてある程度予備知識がある人におすすめの参考書です。800ページという大ボリュームでPythonの知識を網羅しているため、後々資料として見返すという使い方も出来ます。
独習Python
プログラミン言語の入門書を数多く手がけてきた著者による参考書となっており、解説・例題・理解度チェックの3段構成で知識を定着させていきます。入門書とされているものの内容は基礎から応用まで網羅されているため、この1冊である程度の仕事をこなせるレベルまでスキルを習得出来るでしょう。
独学プログラマーPython言語の基本から仕事のやり方まで
Pythonでのプログラミングを通じて他のプログラミング言語にも応用出来るノウハウを身に付けていく1冊です。プログラミングするための知識が豊富に掲載されているのはもちろん、行き詰った時の対処法や仕事の始め方・見つけ方などかゆい所に手が届くノウハウも紹介されています。
Pythonを独学する上でのポイント
Pythonを本だけで独学していくためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。せっかく費やした時間を無駄にしないためにも、次のことを意識しながら学習を進めてみてください。
目的を明確にしておく
Pythonは利用用途が幅広いプログラミング言語であるため、まずは自分が「何をするためにPythonを学ぶのか」を明確にしておきましょう。目的が定まっていれば重点的に学んでおきたいポイントも明白になり、Pythonを学んだ後の学習についても道筋が付きます。また、目的や目標は何かに取り組む際のモチベーション維持にも重要な要素です。知識やスキルを身に付けてバリバリ仕事をこなす自分をイメージしながら、日々の学習に取り組んでみてください。
学習の習慣を付ける
プログラミングの知識やスキルは一朝一夕で身に付くものではないので、継続的な学習が重要です。したがって、気が向いた時に大量の知識を取り込むのではなく日々少しずつ着実に学習することを意識してみてください。用事や仕事で取り組めない日を除き、出来るだけ毎日学習を続けるためには「無理の範囲で課題をこなして達成感を味わう」というスタイルが有効です。
インプットとアウトプットはバランス良く
プログラミングの知識は頭に入っているだけではあまり意味がありません。大切なのは「実際に知識を運用して正確なプログラミングが出来る」ということです。そのためには知識をインプットするだけではなく、演習問題や課題をこなして学習段階からアウトプットに慣れておくようにしましょう。本稿でおすすめした本には演習問題が含まれているものが多いですが、アウトプットに不安が残るようであれば演習用のサンプル集などを追加で購入するのがおすすめです。
分からないことは放置しない
分からない項目が出てきた時に読み飛ばした、あるいはそこで立ち止まってしまうというのは独学でよくある失敗例です。分からないことをそのままにして学習を進めると、その後に学ぶ知識との関連付けがうまくいかないリスクが高くなります。分からないことに直面したらインターネット上の学習サイトや動画コンテンツなども併せて活用し、解決してから前に進むようにしましょう。単発で参加可能な勉強会やセミナーなども開催されているので、必要に応じて参加してみてください。
独学でPythonの知識やスキルを身に付けて、将来の可能性を広げよう
Pythonは将来性が高く人材市場でもプログラマーの需要が伸びています。比較的シンプルな文法で独学に向いているため、本からの知識吸収と演習によるアウトプットで実践レベルのスキルを身に付けることも不可能ではありません。プログラマーへの転職を考えている人も独立・副業を考えている人も、働きながら学べるプログラミングとしてPythonの独学を視野に入れてみてください。