AIの技術発展とともに主流なプログラミング言語のPythonが注目されるようになってきました。
ゲーム制作などをしている人の間ではUnityがよく知られていますが、UnityでPythonを使えるようにすることは可能なのでしょうか。
この記事ではUnityの基本的な情報について紹介した上で、Unity上でPythonを使えるようにするための方法を具体的に紹介します。
Unityとは?
Unityとはユニティ・テクノロジーによって提供されているゲームエンジンです。
自分でオリジナルのゲームを制作したいと思ったときに、何もないところから作り上げるのは決して簡単なことではありません。
Unityでは、ゲーム開発をするために必要なツールを搭載していて高いレベルのゲーム制作スキルを持っていない人でも、気軽にゲームを作れるように設計されています。
ゲームエンジンとは平たく言えばゲーム制作のための統合開発環境のことで、Unityがあればゲームを作るために必要なものが一通り揃うと考えても良いでしょう。
Unityのユーザーは公開当初から増加を続けていて、現在では100万人以上のユーザーがいることが知られています。
この理由として大きいのは初心者でも比較的ゲーム制作を始めやすいことが挙げられるでしょう。
プログラミングをせずとも、マウス操作だけで簡単なゲームなら作り上げられるようにユーザーインターフェースが作り上げられているのが大きなポイントです。
パソコンとゲームで使用したい画像やBGMなどの素材があれば十分というのも魅力として知られています。
Unityは、無料版として機能が制限された状態で利用することが可能という点も初心者でも利用しやすい理由です。商用のゲーム制作を見越していない場合には、有料版でなくとも多様なゲームを開発することができるでしょう。
そして、Unityは汎用性が高いことからも長く愛用している人が多くなっています。プラットフォームの対応幅が広く、WindowsやMacOS、LinuxなどのデスクトップパソコンのOSだけが候補ではありません。
Playstation 4やXbox 360、Wii Uなどのゲーム機で動作するゲームも作成できます。
さらに、スマートフォンアプリも開発が可能で、iPhoneとAndroidの両方に対応しています。二次元と三次元の両方に標準で対応しているので、作れるゲームの幅も広いというのも魅力です。
また、Unityではアセットストアを提供しているのも特徴です。
アセットストアは、ユーザーが自分で作った素材やプログラムの一部などを登録できるようになっています。他のユーザーは、その内容を見て参考にすることも、購入して使用することも可能です。
特に、3Dモデルや特殊なアルゴリズムのプログラムなどは、積極的に販売しているユーザーが多くなっています。ゲームを作らない人でも、ゲームで使えるような素材を作って販売して利益を上げるといった使い方ができるのです。
その他、Unityは以下の記事のようにモーションキャプチャーにも利用されています。
UnityでPythonを使う手順
UnityでPythonを使用したいときにはいくつかの方法がありますが、まずは簡単なやり方を紹介します。気軽にできるのはIronPythonを使用する方法です。
IronPythonのサイトからインストーラーをダウンロードします。そして、インストーラーを実行してIronPythonをインストールしましょう。
次にUnityのフォルダを開いてAssets/Pluginsというフォルダを作成します。
Unityで使うためのプラグインを、IronPythonのフォルダの中からこのフォルダにコピーすることでPythonを使えるようになるというのが基本的な仕組みです。
IronPythonのフォルダ内にある全てのファイルをコピーしてきても動作するわけではありません。
Assets/Pluginsのフォルダには、ライブラリファイルの*.dllという形式のものの中から適切なものをピックアップして入れることが必要ですIronPythonのフォルダからPlatforms/Net35に入り、以下の六つのファイルをコピーしてPluginsのフォルダに入れましょう。
IronPython.dll
IronPython.Modules.dll
Microsoft.Dinamic.dll
Microsoft.Scripting.dll
Microsoft.Scripting.Core.dll
Microsoft.Scripting.Metadata.dll
この作業を終えてから、Unityのエディタを起動してメニューバーからEdit、Project Settings、Playerの順に選びます。
Playerの設定の中でOptimizationを選択し、API Compatibility levelの設定を.NET 2.0 subsetから.NET 2.0に変更しましょう。これでIronPythonを使えるようになります。
Pythonで記述したスクリプトをゲームオブジェクトに搭載するときには、アセットに登録して追加するという流れで使用することになるので覚えておきましょう。
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UnityでPythonを使うメリット
UnityでPythonを使えるようにするとどのようなメリットが生まれるのかが気になる人もいるでしょう。
Pythonを使わなくても、Unityでゲーム制作をすることや、様々なアセットを集めて使うことができます。
Pythonを使うことによって生じるメリットについて理解を深めておきましょう。
AIプログラミングを用いるゲーム制作ができる
Unityはもともとプログラミングをせずとも様々なタイプのゲームを制作できる統合開発環境に仕上げられているのが特徴です。
オブジェクトを並べたり、ゲームの仕様を記述したりするだけで簡単に作れるのはメリットですが、標準では高度なプログラミングをすることはできません。
その打開策となるのが、今回紹介したような方法を用いてプログラミングをできるようにすることです。Pythonに限らず他のプログラミング言語を使用できるようにすることで、その言語の特性を生かしたプログラミングによるゲーム制作をできるようにすることが可能です。
ただ、Pythonを使えるようにすればAIプログラミングを活用しやすくなるメリットがあります。
PythonはAI分野における標準的なプログラミング言語として用いられています。機械学習やディープラーニング、強化学習などのアルゴリズムはPythonで作成されているものが基本です。
AIを活用してゲームを作りたいと思ったときには、そのアルゴリズムをすぐに流用できるようにするためにPythonを選ぶのが適切でしょう。
また、AIプログラミングの経験者の中にはPythonに特化して勉強してきていて、実際にプログラムを作って実行した経験が他にはないこともあります。
すぐにAI搭載のゲーム作りに使用できるという点でもPythonを選ぶのが無難です。Pythonによるゲーム制作も行われているので、ゲームとの相性も決して悪いことはありません。
すぐに実行できるインタプリタ言語
プログラミング言語を使ってゲームを作り上げていくときには、動作が軽快な言語を選ぶのが適切です。
プログラムを作成して動作確認をするのに時間がかかってしまうと、開発スピードが低下してしまうことは否めません。その観点からもメリットがあるのがPythonです。
Pythonはインタプリタ言語なのでコンパイルをする必要がないのが魅力です。プログラムを実行するまでの時間が短いので、軽快に制作を進めることができるでしょう。
Unityの環境をベースにしたPythonによるプログラミングができる
Unityは、ユーザーインターフェースが優れている点で定評があるゲームエンジンで、使い方によってはゲームによらず様々なアプリケーションの開発にも応用できます。
その開発環境をベースにして、Pythonによるプログラミングを行えるのもメリットです。いわば、Pythonによるアプリケーション開発の補助ツールとしてUnityを使うことができます。
その際に、アセットストアを利用することもできるため、開発スピードも加速させることができるでしょう。
Pythonでできることや、活用事例については、以下の記事でも詳しく解説しています。
PythonをUnity上で使って開発を使用しよう
マルチプラットフォームで直感的に操作できるユーザーインターフェースに仕上げられていることで人気が高いUnityは、ゲーム開発に活発に用いられるようになりました。
AIを活用してゲームを制作したいというときには、Pythonを使えるようにすると実現可能です。IronPythonを使うなど、簡単にPythonを使えるようにする方法があるので積極的に活用していきましょう。
Pythonが学べるおすすめセミナー
「Unity上でPythonを使えるようになりたい」という場合もあるでしょう。ここでは、Pythonが学べるおすすめのセミナーについて紹介しているので、参考にしてみてください。
AIエンジニア講習
Pythonを学ぶ際におすすめのセミナーとして挙げられるのは「AIエンジニア講習」です。UnityでPythonを使うためには、AIプログラミングの知識が必要になります。
AIエンジニア育成講座は、AIの基礎知識から実践的なAIプログラムの実装まで、3日間で学べるセミナーです。実践形式のセミナーであるため、受講後にはUnityを使ったゲーム制作に活かせるでしょう。
短期間で必要な知識を身につけ、すぐにゲームを制作できるようになりたい、という方に向いています。
Python講習
「Python講習」も、Pythonを学べるおすすめのセミナーの1つです。Pythonの基礎から応用操作まで、2日間で集中的に学習することが可能です。
会場受講の場合、疑問点があれば講師に直接質問して解決できるほか、テキストにも丁寧に解説が記載されています。未経験者にもぴったりなセミナーです。
会場受講だけでなく、オンラインで講師に質問できるライブウェビナーや、時間や場所を問わず学習できるeラーニングもあります。3つの受講形式の中から選び、自分のペースで学習を進められるでしょう。
まとめ
今回は、unityでpythonを使つ方法、開発手順やメリットについて詳しく解説しましたが、いかがだったでしょうか?
今回の記事でUnityやPythonの全体像をつかんでいただき、今後、UnityやPythonを活用する際の参考になればと思います!
また、記事内でご紹介したAIエンジニア講習は、初心者でもAIのプログラミング方法をイチから学ぶことができるので、AIのプログラミングを学びたいと思っている方はこちらから是非チェックしてみてください。
また、最短でビジネスに使えるAI作成方法を習得できるビジネス向けAI講習や、E資格の受験資格を短期間で確実に取得することができるE資格講習も、合わせて是非チェックしてみてください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。