Pythonは、そのシンプルな構文と幅広い用途により、プログラミング言語の世界で著名です。
Google、Bing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon、YouTube、Baiduなどの主要な検索エンジンで高い人気を持ち、第3次AIブーム以降、注目度が一段と高まりました。
この記事では、Pythonの魅力を探り、その多様な利用分野を紹介します。
また、Pythonを学ぶためのおすすめ本もご紹介するので、プログラミングの新たな世界に足を踏み入れてみましょう。
Pythonとはどのようなプログラミング言語か
Pythonとはインタープリター形式のオープンソースプログラミング言語の1つです。
プログラミングの人気を示す指標であり、Google、Bing、Yahoo!、Wikipedia、Amazon、YouTube、Baiduなどの主要な検索エンジンにおいてどれだけ人気(検索数)があるのかを確認することができるツール「TIOBE Programming Community index」によると、2022年12月の時点でのPythonのランキングは全体1位であり、全体に占める割合は16.66%であり、現在もっとも多く使用されている言語の1つであると言えます。
特に第3次AIブーム以降は注目度が高まり、Pythonを学習する方が増えました。
Pythonは、1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサム氏によって開発され、オープンソースで運営されています。イギリスの放送局BBCで放送されていたコメディ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』がPythonという名前の由来であると言われています。
1. シンプルで読みやすい構文
Pythonのプログラミング言語としての特徴は読みやすく、シンプルな構文を持つプログラミング言語ということです。少ないコードで簡潔なプログラムコードが書け、初心者からエキスパートまで幅広いユーザーがコードが扱いやすい言語になっています。
Pythonは高等言語と呼ばれ、人間が解釈しやすいように構成されています。
そのため、コードが書きやすく、直感的に理解できるようになっています。
さらにPythonが扱いやすい理由の一つに「オフサイドルール」初稿といって、行頭をインデント(字下げ)することによって文の塊を指定するという規則があります。
この規則のおかげで、コードの塊を判別することが簡単にしています。
開発の現場において、ほかのプログラマーが書いたコードが読みやすいということはとても重要なことなのです。
2. 汎用性
Pythonは汎用プログラミング言語であり、さまざまな領域で利用されます。
Pythonを学び始めるきっかけの1つとして、AIプログラミングを学ぶためという方も少なくないと思いますが、その用途は様々で、
- ウェブ開発
- デスクトップアプリケーション
- ビッグデータ分析
- 機械学習、人工知能
- 科学計算
- 自動化
- 組み込み開発
など非序に広い用途で利用されています。
3. 大規模なコミュニティとサポート
Pythonには学習や開発のための様々なコミュニティが存在しており、情報収集が容易です。
各用途に特化した専門的で豊富なオープンソースライブラリを持ち、多くの開発者が共同でプロジェクトを進めています。
また、Pythonの公式ドキュメントやサポートリソースも充実しています。
さらにPythonは、クロスプラットフォームであり、Windows、macOS、Linuxなどさまざまなプラットフォームで動作し、ほぼすべての環境で利用できます。
4. 豊富なライブラリとフレームワーク
Pythonは多くの強力なライブラリとフレームワークが用意されており、特定のタスクを容易に処理でき、ライブラリを有効に活用することで、書きたいプログラムをより早く簡単に作成することができます。
例えば、NumPyやPandasはデータ分析に、TensorFlowやPyTorchは機械学習に、DjangoやFlaskはウェブ開発に利用されています。
5. スクリプトとして活用でき自動化に使える
Pythonはシェルスクリプトとしても使え、ファイルの操作、データの処理、テキストの処理など、多くのタスクを自動化することができる言語です。
このようなことから、Pythonはプログラミングを学ぶ初心者にとって理想的な選択肢であり、多くのオンラインリソースや教育用のコースが提供されています。
Pythonは非常に多様な用途に適しており、その優れたコミュニティとサポートにより、多くのプロジェクトやアプリケーションの開発に利用されています。
どんな分野であっても、Pythonは柔軟性と強力な機能を提供し、効率的なプログラミングが可能な言語です。
Pythonが得意なこと
Pythonは現在もっとも普及しているプログラミング言語の一つで、様々な場面や用途で活用されています。ここで、Pythonが得意なことをいくつかご紹介します。
Pythonが得意なこと1.データ分析と可視化
PythonはPandas、NumPy、Matplotlib、Seaborn、Plotlyなどのライブラリを備えており、データの収集、前処理、分析、可視化を効率的に行うのに適した言語です。
数多くのデータサイエンティストやビジネスアナリストがユーザーであり、金融、マーケティング、ヘルスケアなどの分野で専門的なデータを分析するのに役立っています。
Pythonが得意なこと2.機械学習と人工知能
Pythonは機械学習ライブラリの豊富さから、TensorFlow、PyTorch、Scikit-learn、Kerasなどと組み合わせて機械学習モデルの構築やトレーニングが容易です。
画像認識、自然言語処理、音声認識などのAIアプリケーションを開発するために用いられます。
また、人工知能技術を活用して、ビッグデータの処理や分析にも利用できます。
Apache Sparkなどのフレームワークと組み合わせることで、大規模データセットの処理が可能です。
Pythonが得意なこと3.ウェブ開発
PythonのフレームワークであるDjangoとFlaskは、ウェブアプリケーション開発に広く利用されています。シンプルなタスクから大規模なウェブサイトまで、多種多様なプロジェクトに対応可能です。
Pythonが得意なこと4.自動化とスクリプト
Pythonはタスクの自動化にも役立ちます。
ファイルの操作、データの処理、タスクのスケジューリング、ネットワーク通信、デスクトップアプリケーションの自動化など、幅広い自動化スクリプトを作成できます。
Pythonが得意なこと5.科学計算
Pythonは科学計算にも使われ、SciPy、SymPy、Pandas、Matplotlibなどのライブラリが科学者やエンジニアに利用されています。数値計算、シミュレーション、シンボリック計算が可能です。
Pythonが得意なこと6.ブロックチェーン開発
ブロックチェーン技術の開発にもPythonが利用されており、スマートコントラクトの開発やブロックチェーンアプリケーションの実装に使用されます。
Pythonの柔軟性と多様性により、さまざまな分野で広く利用されており、プログラミング言語として人気と需要が高いのがPythonの特徴です。それぞれの専門分野でPythonと豊富なライブラリを活用することで、効率的な開発と課題解決が可能になります。
Pythonおすすめ本:初心者向け
ここからはPythonの学習に役立つ本をご紹介していきます。
1.ゼロからプログラマーを目指す人のための1冊
独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで
出典:日経Bookplus
この本は、筆者のコーリー・アルソフ氏がゼロからプログラミングを学んだ体験から、プログラミングの基本と学習のためのノウハウが書かれた1冊です。
プログラミングの基本だけでなく、プログラマーとして必要な諸々のスキルであるシェル、正規表現、パッケージ管理、バージョン管理、データ構造、アルゴリズム、仕事の始め方・やり方などについてひと通り学べる内容となっています。
何から初めていいか、どこに行けばいいのかわからないひつのための羅針盤のような本です。
2. プログラミング学習がとっつきにくい人向け
Python1年生 第2版 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ
出典:翔泳社
対象読者はPythonについて何も知らないプログラミング超初心者です。
この本は、対話形式で解説が書かれており、豊富なイラストと優しい解説で、基礎知識を習得できます。
初めての方でも安心して学習できるよう基本文法がしっかり解説されているのも嬉しいです。
取り組みやすいサンプルが用意されていて、プログラムと聞くだけで少し身構えてしまう人でも学びやすい1冊です。
3. 超初心者から初心者へ成長した人向けの本
詳細!Python3 入門ノート
出典:ソーテック社
こちらの本はちょっとプログラミングをかじった人向けの本です。
Pythonの始め方から基礎構文、機械学習にいたるまで丁寧に解説されています。
数学の知識は不要なので、気軽に読み進められます。
豊富な例文もダウンロード可能で学びやすいテーマが用意されています。
Python1年生などの超入門書を読んだ後にこの本を読めば、より理解しやすいかもしれません。
4. 基礎から応用まで本場のエンジニアリングに触れたい人向け
シリコンバレー 一流プログラマーが教える Pythonプロフェッショナル大全
出典:KADOKAWA
アメリカで活躍されているエンジニアの酒井潤氏が執筆したこの本。
オンライン学習サイトUdemyの人気講師でもある酒井氏が世界基準のコードスタイルをレクチャーする1冊となっています。Pythonのインストールからプログラミングの基礎、そして応用に至るまで非常にわかりやすく解説してくれている本です。
初心者が学ぶのにも適していますが、ある程度学んだ中級者も勉強になる1冊です。
5. Pyrhon学習の標準本
Pythonエンジニア育成推進協会監修 Python3 スキルアップ教科書
出典:技術評論社
この本は、Pythonエンジニアとしての基本的な技術の習得を目指す人のための本格的な学習本です。Pythonの基本文法、オブジェクト指向について、データ構造やコーディング手法、標準ライブラリなど、データサイエンティストやWebアプリ開発エンジニアとして必須となる知識とテクニックの習得がこの1冊で可能です。
「Python 3エンジニア認定基礎試験」を実施している「Pythonエンジニア育成推進協会」が監修する本なので、資格を取得したい方の参考書としても活用できます。
Pythonおすすめ本:機械学習・ディープラーニング
ゼロから作るDeep Learning―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
出典:オイラリー
非常に人気の本です。
人工知能プログラミングを学び始める方がまず手に取る本としてはもってこい1冊です。
この本では、手を動かしながらゼロからディープラーニングを構築することで、ディープラーニングの原理を学ぶことができます。通常開発の現場では、KerasやTensorFlowなどの機械学習フレームワークを利用しますが、この本では、フレームワークだけに頼らずディープラーニングの仕組み自体を学ぶことができます。
日本ディープラーニング協会(以降JDLA)の推薦図本にもなっていますので、一度読んでみることをおすすめします。
ゼロから作るDeep Learning❷―自然言語処理編
出典:オイラリー
こちらの本は先ほどの「ゼロから作るDeep Learning」の第2巻です。
1巻ではディープラーニングの基本を丁寧に学ぶことができますが、自然言語処理編では、タイトル通り自然言語処理の基本的な考え方から学ぶことができます。
word2vecやRNN/LSTMの分野を、Pythonを使って丁寧に学びたい方におすすめの本です。
[第3版]Python機械学習プログラミング 達人データサイエンティストによる理論と実践
出典:インプレスブックス
人口知能の基礎をかじった中級者向けの本にはなりますが、こちらもおすすめの本です。機械学習全般の知識はこの1冊を読めば事足りる、というくらい基本的な技術が網羅された本です。
数学の公式から、機械学習の細かな理論まで詳しく解説されており、おすすめの1冊です。
第2版以降はKerasやTensorFlowを使ったCNN/RNNの実装も掲載されています。
まったくの初学の方が読み進めるのは少々骨が折れると思いますので、Pythonの内容の基礎と、機械学習に必要な数学の知識を身に付けてから読んだ方がよいでしょう。
PythonとKerasによるディープラーニング
出典:マイナビBooks
こちらはディープラーニングフレームワークKerasの開発者であるFrancois Cholletが筆者であり、筆者自身がディープラーニングを実践解説している本です。
Python文法スキルと、機械学習とディープラーニングの基礎を身に付けたら中級者に昇格するためにこの本で学習しましょう。
Kerasは現在TensorFlowに組み込まれていますので、Keras・TensorFlowを中心に学びたい方には特にオススメの本です。
最短コースでわかる PyTorch&深層学習プログラミング
出典:日経BooKPlus
本書はPytorchの使い方を解説しています。
Pytorchにはデータの渡し方など、独自の抽象的概念がありますが、こうしたわかりにくい部分がカラーイラストやフロー図を豊富に活用してわかりやすく解説されています。
この1冊で計算グラフやアルゴリズムの仕組みなどpytorchの基本が学べます。
画像系の実装を中心に解説されていますので、画像モデルの実装を学びたい初学者でもイメージが湧きやすく、比較的理解しやすい内容となっています。
Pythonおすすめ本:専門分野に特化・業務効率化
次に、業務効率化や専門分野に特化した本をご紹介します。
[第2版]退屈なことはPythonにやらせよう―ノンプログラマーにもできる自動化処理プログラミング
出典:オイラリージャパン
この本では「手作業で行うのが面倒な事務作業をPythonにやらせる」ことを目標に設定しています。自動化を実現するために何をすればいいのかを解説した本です。
実務ですぐ活用できる内容が豊富で、普段の業務効率化だけでなく、Python開発の入門書としてもおすすめの1冊です。各章の最後に演習が掲載されており、実装もしっかり学べ、具体的な目標がある方に読んでいただきたい本です。
Python×Excelで作るかんたん自動化ツール 作り方&ポイントが基礎からわかる
出典:日経BookPlus
この本では、Pythonの基礎から学び始め、PythonとExceを組み合わせて実務に広く活用できる自動化ツールを作る方法までを学べる1冊です。
初歩的な内容から実務にすぐに活かすことができるツールを作成するためのノウハウが習得できるので、エンジニア以外の方にもおすすめです。特に、
- Excelを使って入力・設定を行う方法
- Pythonがインストールされていない環境でもプログラムを実行する方法
- だれにでも理解できるエラーメッセージの書き方
などは非常に参考になります。
Pythonのおすすめ本 まとめ
この記事では、Pythonというプログラミング言語について簡単に解説し、Pythonを学ぶための入門書から、人工知能プログラミングを学ぶための本、そして業務効率化など実務に活用できるノウハウが学べる本をご紹介しました。皆さんの気になる本は見つかりましたか?
Pythonの関連本は非常に多く出版されており、選ぶだけでも迷ってしまいますが、目的に応じて学ぶ内容を決めたほうが効率よく学習できるかもしれません。
皆さんにも是非自分にあった本を見つけて、楽しくプログラミングを学んでいただきたいです。