自然言語処理とは?概要から自然言語処理のやり方まで徹底解説

AI技術には自然言語処理と呼ばれるものがあり、自然言語とは人間が日常的に話す言語のことです。
そして自然言語に対比とした言葉としてプログラミング言語があります。
基本的に自然言語は曖昧な言葉や表現があるので、機械は処理するのは難しいです。
自然言語処理は自然言語で発生する曖昧な言葉を正確に処理できる技術なので理解しておきましょう。

自然言語処理はどのような技術なのか

自然言語処理とは

自然言語処理の技術をざっくり言うと、曖昧な言葉を適切に処理する技術です。
人間の話す言葉には色々な意味があって、例えば「青い目の大きい猫」という1つの言葉でも2つの意味に分かれてしまう時がありますよね。
「目が青く大きな猫」という意味と、「大きな目をした青い猫」という2つの意味です。
「青い目の/大きい猫」と「青い/目の大きい猫」と分けて考えたら分かりやすくなるかと思います。
基本的にプログラミング言語では一方向の考え方しかできないので、1つの意味から2つの意味を探り出すことが苦手です。例えば1+1は2という答えしか出せません。プログラミング言語は適切な処理を正確に行うもので、曖昧な表現は存在しないので理解しておきましょう。
自然言語処理は上記の猫の文章のような曖昧性のある言葉を正確に処理する技術で、一般的なプログラミング言語とは異なります。
自然言語処理を利用すれば、自然言語を使い書かれているテキストデータを実用化できます。

自然言語処理の仕組み

自然言語処理をするときには機械可読辞書とコーパスというものを構築します。
2つの要素は言語処理をする前段階で必要になるものです。
まず機械可読辞書はコンピュータに語彙を理解させるために使用する辞書のことを言います。
そしてコーパスは言語の使用方法を記録データを蓄積している文章集合のことです。
コーパスを利用すれば与えられた文章を大量のデータから分析して自然言語の適切な処理を行うことが可能になります。
例えば言葉の特徴や使い方を分析してコンピュータが自然言語を理解できるようにすることができるんです。
ちなみにあらゆる自然言語のパターンを分析するには大量の文章データが必要です。
例えばSNSの発言や個人ブログの文章データを収集すれば大きなコーパスを作ることが可能になります。

自然言語処理で生活が楽になる?

自然言語処理を利用することで私達の生活が楽になったり豊かになったりする可能性があります。

機械翻訳の精度がアップする

自然言語処理

インターネット上には翻訳サイトがたくさんあります。
翻訳サイトを利用すれば簡単に日本語を英訳したり、他の言語に変換できるのがメリットなのですが、
人の話す言葉は曖昧なので意味を的確に捉えるには難しく、誤った翻訳になることも多いです。
ですが自然言語処理を用いれば機械翻訳の精度が向上します。
テキストデータを蓄積したコーパスを利用すればあらゆるシーンに対応する自然な言語翻訳を行える可能性が高まるのです。
また日本語を英訳にしてさらに和訳するといった作業も自然な結果が表示されるようになるので期待度は高いです。
翻訳の精度がアップすれば海外旅行に行ったとき、翻訳アプリなどを使用して的確に現地の方に言葉を伝えることができます。

対話システムを利用して日常生活をサポート

自然言語処理はスマートスピーカーにも使われています。
スマートスピーカーはAIアシスタントによる音声操作が可能な家電製品です。
人間がスマートスピーカーに対して様々な指示を出して操作をできます。
例えばインターネットを使用して目的の情報を検索してくれる、対応家電の操作なども音声で行えます。
対話形式アシスタントではスマートスピーカーに問いかけると明日の天気を調べてくれたり、今日のニュースや照明を暗くしてほしいなど様々な指示を出すことができます。
喋りかけた言葉はスマートスピーカーが学習をするので、使い続けることによって言語の癖などを覚えて最適な結果を提示してくれやすくなるのがメリットです。
他にも童話や電子書籍を読み上げるといった機能が付帯しているスマートスピーカーもあります。

精度の高い予測変換が利用可能

文章作成をするときに活用する予測変換にも自然言語処理が使われています。
例えば対象や対照など同じ言葉でも意味が違うものが多く使い分けるのが大変ですが、自然言語処理を用いると文章の前後で意味を読み取り適切な漢字に変換してくれます。
予測変換を利用すれば文章作成を楽に行うことが可能ですね。

自然言語処理のやり方

それでは実際に自然言語処理をやろうと思ったらどのような手順になるのでしょうか?
詳しく説明していきます。

 

自然言語処理を行う事前準備

自然言語処理を行う場合はPythonなどのプログラミング言語を用います。
機械可読辞書とコーパスを用意したら、形態素解析を行いましょう。
形態素というのは意味のある言葉を細かくしたものです。
例えば「赤い靴が安い」という言葉は「赤い」「靴」「が」「安い」という文に分割できます。
上記のような文章を細かく分割したものを形態素と呼びます。
文章を細かく分割することによって意味のある情報を解析することが可能です。
次に形態素に適切な品詞を付与します。
例えばどの文が名詞なのか、形容詞はどれなのかを決めます。
単語分割を行ったあとは形態素毎に変化の解析を行います。
形態素を順番に処理していき、どのような文章になっているのか解析をします。

構文解析を行う

構文解析は別名係り受け解析とも呼ばれているもので形態素解析で得た単語の関係性を調べます。
ツリー型の解析を行うことによって単語の受け取り関係を可視化して、文章がどのような構造をしているのか解析を行います。
構文解析では1つの文章から複数の意味が解析される場合があります。

意味解析をして文章の意味を調べる

意味解析では構文分析で解析した文章から正しいものを選択する作業を行います。基本的にコンピュータは意味という概念が理解できません。
ある単語に複数の意味が存在する場合、単語間のつながりを考慮して最適な文章を選択します。
意味解析では候補になっている複数の文章から正しいものを1つに絞る作業を行います。

最期に文脈解析を行う

文脈解析では単語のパーツを組み合わせて1つの文章を作成します。
基本的に文脈解析を正確に行うにはコーパスや機械可読辞書の域を超えて、機械に多くの知識を覚えさせないといけません。
例えば機械学習やニューラルネットワークといった技術も駆使します。

自然言語処理とは?まとめ

自然言語処理を利用すれば曖昧な自然言語を的確に捉えて、自然な文章を作ることができます。
例えばスマートスピーカーや予測変換、翻訳機能などの精度がアップするのでより快適な日常生活を送れます。
自然言語を行うにはコーパスや機械可読辞書が必須です。またPythonなどの知識も必要なので基礎部分を学習する必要があります。
是非Pythonをある程度学んだ方は自然言語処理についても学んでみてください。

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