小学生の自由研究は学びを深める貴重な機会であり、興味を持ちやすいテーマを見つけたうえで楽しく取り組めるコツを掴むことが重要です。とはいえ、どんなテーマを選ぶべきか迷ってなかなか着手できない小学生は少なくありません。
小学生が自分の好奇心を活かしてどのような研究を進めるのが良いのか、具体的なアイデアや効果的な進め方について知っておくと自由研究はより充実したものになります。今回の記事では小学生のおすすめのテーマや効率的に進めるコツについて解説します。
小学生の自由研究は何をする?
小学生の自由研究は、低学年か高学年かによって多少変わってきます。低学年の自由研究では、身近な自然や簡単な観察が適しています。
たとえば自宅や近所の庭で育てた植物の成長を記録したり、昆虫を観察してその生態を学んだりするのが良いでしょう。また、お菓子や食品を使った実験、簡単な工作などといった、視覚的に分かりやすくて周囲の興味を引きやすいテーマがおすすめです。
工作としては、身近な素材を使った手作りのモデルやアート作品を作り、その作り方や完成した作品を紹介するのも楽しいでしょう。
一方、高学年の小学生の自由研究では、より深い観察や実験が求められます。たとえばより踏み込んだ科学実験や仕組み考察、複雑でロジカルで頭を使うような工作、CADをはじめとする技術ソフトを用いた制作などが挙げられます。
小学生の自由研究はテーマを決めるのが最も難しい
小学生の自由研究で最も難しいのは、「テーマ選び」といっても過言ではないでしょう。とくにゼロからイチを生み出すクリエイティブ思考が苦手な方は、この傾向が顕著になります。
自分の興味を反映しつつ、手に入りやすい材料や情報が揃っているテーマを選ぶのがポイントです。たとえば自然観察や簡単な実験は比較的興味を持ちやすく、かつ家で取り組みやすいのでおすすめといえます。
そしてテーマが決まったら具体的な方法や目標を設定し、計画的に進めるのみとなります。自由研究はまず日頃から身近なものに興味を持つことが原動力となるので、日常生活の中で疑問をもったりアンテナを張っておくことがカギとなるでしょう。
低学年の小学生の自由研究におすすめのテーマ4選
この章では、低学年の小学生の自由研究におすすめのテーマを、以下の通り4つご紹介します。
テーマ | 概要 |
①お菓子・食品づくり |
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②植物や野菜の栽培・観察 |
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③工作 |
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④PhotoshopやIllustratorでイラスト・画像作成 |
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テーマ①お菓子・食品づくり
小学生が自分でお菓子を作る過程を通じて、科学的な原理や調理の手順を学ぶことができます。たとえばクッキーやマフィンのレシピに基づいて実際に作ってみると、材料の違いがどのように仕上がりに影響するかを体験できます。
また簡単な実験としてパン生地が膨らむ様子を観察したり、食品の保存方法について調べることもできます。また、アイスクリームやマシュマロなどを選んでも面白いでしょう。
こうした活動は、料理の楽しさを学びながら、計量や混ぜる作業などの基本的なスキルを身につける良い機会となります。
テーマ②植物や野菜の栽培・観察
このテーマは、成長する過程を観察することで自然や科学への興味を深めるテーマと言えます。身近なもので例えると小さな鉢に豆やアサガオの種を植え、毎日水をやりながら成長の様子を記録することで、植物の育つ仕組みを学ぶことができます。
また葉や根の違って成長の速度、花が咲く過程などを観察し、図や写真に記録することも楽しめます。小学生は自分が育てた植物がどう変化していくかを見守ることで達成感を感じることができ、自然界への理解を深めることができます。
テーマ③工作
小学生の自由研究において、工作は楽しくて教育的なテーマとしておすすめです。かんたんな例として万華鏡がありますが、これは創造力を発揮しながら物理的な原理も学べる絶好の機会となります。
万華鏡を作るためには、筒状の容器、鏡の破片、カラフルなビーズやセロファン紙などを用意します。これによって小学生は光の屈折や反射について学ぶことができ、工作を完成させるという「目に見える過程」で達成感を得ることも可能です。
また完成した万華鏡を使って家族や友達に自分の作品を見せることも、楽しみの一つといえるでしょう。筆者も自由研究テーマとして選んだことがありますが、シンプルな工作でありながら強い興味を惹きつけることが可能なのでおすすめです。
テーマ④PhotoshopやIllustratorでイラスト・画像作成
小学生の自由研究においてPhotoshopやIllustratorを使ったイラストや画像作成は、デジタル技術に触れられる機会として最適のテーマです。
Photoshopを使えば写真の編集や合成ができ、自分だけのオリジナル画像を作ることができます。一方Illustratorを使用すると、ベクターグラフィックスを用いて鮮やかでクリーンなイラストを描くことができます。
例えば好きな動物やキャラクターのイラストをデジタルで描き、それをポスターやカードに仕上げることがも可能です。このテーマを通じて、小学生はデジタルツールの使い方を学びながら、自分の創造力を形にする楽しさを体験できるでしょう。
IllustratorとPhotoshopを深堀りしたい方には、BIZROADが運営する以下2つのセミナーの受講がおすすめです。
いずれも2日間の短期集中講座となっているので、スピーディーな習得が可能。自由研究としてイラスト・画像を作成する用途としても最適です。
基本的な使い方、そして効率的にデザインする方法までも理解できるため、自由研究の結果をきれいにまとめるのにも最適でしょう。
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なおPhotoshopやIllustratorでなくとも、現代ではAIがイラストや画像を生成するプラットフォームが多数存在します。以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご一読ください。
高学年の小学生の自由研究におすすめのテーマ5選
この章では、高学年の小学生の自由研究におすすめのテーマを、以下の通り5つご紹介します。
テーマ | 概要 |
①生成AIを使ってオリジナルデザイン作成 |
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②科学に基づいた実験 |
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③偏光および3Dの仕組みの考察 |
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④ロジカルな工作 |
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⑤3DCADを使った3Dプリンター作品つくり |
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テーマ①生成AIを使ってオリジナルデザイン作成
生成AIを使ってオリジナルデザインを作成するこのテーマは、生成AIの実用性とクリエイティブな可能性を体験しながら学べる、興味深い内容です。特に、画像生成AIツールを使って簡単なロゴやアイコンを作成することは、AI技術の理解とデザインスキルの両方を向上させる絶好の機会といえるでしょう。
実際にAIツールを使って自分だけのオリジナルロゴやアイコンを作成し、そのプロセスを通じてデザインの基礎を学びます。生成AIは、わずかな入力から高品質なデザインを作成する能力を持っているので、AIが生成するデザインの特徴を理解し、それをどのように活かして独自の作品を作れるか掘り下げると良いでしょう。
また、生成AIの出力結果は、入力するプロンプト(指示文)によって大きく変化します。どのようなプロンプトが最適な結果をもたらすのかを試行錯誤しながら進めるのも生成AI技術の理解を深めるのに役立つでしょう。
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1日目に画像生成AIの操作方法やプロンプトの書き方など、実践的なスキルを習得できるため、生成AIを使ってオリジナルデザインを作成する自由研究の準備として最適といえるでしょう。
テーマ②科学に基づいた実験
小学生高学年の自由研究において科学に基づいた実験は非常に楽しく、学びが多いテーマです。
たとえば「熱で空き缶を潰す」実験では、空き缶の内部を加熱してから冷やすことで、空気の圧力変化を観察できます。また、「チーズや豆腐が固まる仕組み」についての実験では、加熱や酸を加えることで液体が固まる過程を観察し、凝固や化学反応の原理を理解することにつながります。
また酸性の液体で10円玉をきれいにする実験も王道で、酸化や化学反応の基本を学ぶことができます。
テーマ②偏光および3Dの仕組みの考察
小学生の自由研究において、「偏光および3Dの仕組みの考察」は興味深く、視覚的にも楽しめるテーマです。偏光とは光が特定の方向にだけ振動する現象で、偏光フィルターを使うことでその効果を簡単に観察できます。
たとえばサングラスのレンズは偏光フィルターの役割を果たし、反射光を減少させて視界をクリアにしています。これを使って、異なる偏光フィルターを重ねると、どのように光の透過が変わるかを調べる実験もおもしろいでしょう。
そして3Dの仕組みについては、視覚がどのように立体感を認識するかを学べるものです。赤青メガネを用いた簡単な3D画像や、立体視ができる絵を作成することで、どのように異なる視点から物体を認識するかを体験できます。
テーマ③ロジカルな工作
「ロジカルな工作」として小学校高学年が挑戦できるテーマとして、カプセルトイや自販機のモデル作りがあります。これらの工作は、単なる制作活動にとどまらず、機械の基本的な動作原理や構造を理解するための良い学習機会となります。
たとえばカプセルトイの模型を作る際は、カプセルがどのようにして出てくるのかを考えながら、仕組みを再現します。内部の仕組みを理解し、回転する部分やトレイの設計に挑戦することで、メカニズムの基本を学ぶことができます。
自販機も同様でボタンを押すと飲み物が出てくる仕組みや、コインを投入する部分を組み立てることで、機械的な動作や制御の基本を体験できます。このようにロジカルな考え方を養うと同時に、物事を段階的に考える力を育てるのに役立ちます。
テーマ④3DCADを使った3Dプリンター作品つくり
3DCADを使うことで、小学生は自分のアイデアを立体的に形にする体験ができます。たとえばTinkercadなどの初心者向けソフトを使った簡単な立体モデルの用いれば、簡単な操作で楽しく立体モデルを作成できるでしょう。
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なお、生成AIで作成したイラストやキャラクターを3Dで再現するのも、小学生、とくに高学年の自由研究として最適と言えます。以下の記事では画像生成AIの概要やおすすめサービスを紹介していますので、気になる方はぜひ参考にしてください。
小学生の自由研究を効率的に進めるコツ
小学生の自由研究を効率的に進めるコツは、以下の通りです。
- 身近なもの・興味があるものに着目する
- あらかじめ制作や観察の計画を立てておく
- まとめ方にこだわる
それぞれ解説します。
コツ①身近なもの・興味があるものに着目する
小学生の自由研究を効率的に進めるためには、身近なものや興味があるテーマを選ぶのがポイントです。興味を持てる対象だと調べる過程も楽しく、取り組みやすくなるからです。
例えば自宅の植物や家庭で使う道具について調査することで、実際の体験と結びつけながら学べるので、研究の進行もスムーズになるでしょう。
コツ②あらかじめ制作や観察の計画を立てておく
小学生の自由研究を効率的に進めるためには、あらかじめ制作や観察の計画を立てておくことが重要です。研究の目的や手順を具体的に決めておくことで、作業の流れがスムーズになり無駄な時間を省けるからです。
あらかじめどの材料を用意し、どのような手順で実験を進めるかを事前に書き出しておくと、作業中のトラブルも減少します。計画を立てることで、研究が一貫性を持ち、完成度が高まります。
コツ③まとめ方にこだわる
小学生の自由研究では、まとめ方にこだわることが大切です。研究内容やテーマがしっかりしていることはもちろんですが、発表の仕方にも気を配りましょう。
たとえば図やグラフを使って分かりやすく説明したり、発表用のポスターやプレゼンテーションを工夫することで見た目が整い、理解しやすくなります。結果を整理しポイントを押さえて説明できれば、観る人に強い印象を与えられるでしょう。
小学生の自由研究まとめ
小学生の自由研究では、自身および周りの興味を引くテーマを選ぶことが成功のカギです。たとえば身近な自然や科学に関する実験、植物の観察、3Dをはじめとする工作などが好まれます。
テーマ選びの際にはなるべく簡単で実施しやすいものを選び、実験の準備や方法をシンプルに保つことが重要です。研究結果は絵や写真を使ってわかりやすくまとめると良いでしょう。
自分のペースで楽しく自由研究を進めながら、しっかりと知見・学びを深めていくことが大切です。