機械学習とプログラミングの違いについて

最近はAIの話題が持ち上がることが増えています。AIといえば機械学習によってトレーニングを行い特定の事柄を実行できるようになるというイメージを持っている人は多いでしょう。しかし、機械学習とプログラミングにどのような違いがあるのか正確に理解している人は少ないです。

この記事ではAIにとって大切な機械学習とプログラミングの違いについて説明します。

機械学習とは

機械学習とはコンピュータに学習させるための手法です。そんな機械学習の特徴についてまとめました。

データに基づいて学習して特定のタスクを実現すること

機械学習とはプログラムに対してなんらかのデータを与えると、それに基づいて性能が改善され、特定のタスクを実現できるようになることです。

タスクとは課題のようなものと考えましょう。

たとえば、売上データを渡して、明日の売上を予測することなどです。

プログラムに与えられるデータは訓練データや学習データと呼ばれます。

機械学習で活用されるデータ全体のことをデータセット、あるいはデータ集合といいます。

機械学習の種類は2つ

機械学習に与えられるタスクは大きく分けて下記の2つの種類があります。

  • 教師あり学習
  • 教師なし学習

教師あり学習とは入出力データを用いて訓練することです。教師なし学習は入力データのみを活用します。

教師あり学習の代表例は回帰と分類です。たとえば、パンの販売個数を学習して、将来のパンの売上を予測するのは回帰にあたります。迷惑メールの過去のデータから新しく届いたメールが迷惑メールかどうか判断するのは分類です。

教師なし学習は正解を与えないで学習させる点が教師あり学習とは異なります。正解を与えていないため、教師なし学習で得られた結果は人間が解釈しなければいけません。

ディープラーニングは機械学習の発展型

機械学習に加えて近年注目されているものがディープラーニングです。ディープラーニングは機械学習の発展型と考えましょう。ディープラーニングは情報やデータを扱う際の枠組みが機械学習とは異なります。人間の神経を参考にしてデザインされたニューラルネットワークという仕組みを用いているのがディープラーニングの特徴です。

基本的にはディープラーニングは機械学習の一部であると考えて良いでしょう。従来の機械学習にはない新しい枠組みを用いてコンピュータに学習させる仕組みとして生まれたのがディープラーニングです。

プログラミングとは

プログラミングとはコンピュータに特定の指令を出すことです。コンピュータはプログラミングで指示されたタスクを順番に実行します。

コンピュータに出す指令を記述する際にはプログラミング言語が用いられているのが特徴です。本来、コンピュータは機械語しか読み取れないのですが、機械語は人間には理解しにくいものでした。そこで、より人間が理解しやすい形の言語としてプログラミング言語が生まれたのです。

現在、さまざまなプログラミング言語が存在していますが、コンピュータへの指令を記述するための言語という点で共通しています。

機械学習とプログラミングの共通点

機械学習もプログラミングも特定のタスクを解決するために用いられる手段という意味では共通しています。これまでに人間の世界に存在しているさまざまな問題を解決するために力を発揮してきたのが機械学習とプログラミングです。

現在、さまざまな場所で使われているソフトウェアの多くはプログラミングによって生まれたものです。ただし、機械学習を活用したソフトウェアも増えており、どちらも現実の問題解決のために役立っているという点で共通しています。

機械学習とプログラミングの違い

機械学習とプログラミングは具体的に何が違うのか説明します。

タスクを解決するためのアプローチが異なる

機械学習とプログラミングの大きな違いは、与えられたタスクを解決するためのアプローチが異なる点です。

プログラミングはタスクを解決するための手順を一からすべて記述します。そして、その手順を順番にコンピュータに実行させるのです。「もし〇〇だったら△△する」といった条件分岐に従って動くため、プログラマーが指定した条件に従って動作します。よって、正確な状況や未来を予測できて、不測の事態が滅多に起きなく、それを条件分岐で定義づけできるようなタスクについては、プログラミングによる指令が効果を発揮します。

一方、機械学習は過去のデータを元に未知の事柄に対応するためのものです。過去の膨大なデータを与えてコンピュータに学習させることで、未知の出来事に対処します。更には、条件分岐できないような事柄、例えば自動車の自動運転のようなタスクと機械学習は相性が良いです。

従来のプログラミングで解決できないタスクに機械学習は対処できる

機械学習が注目されている理由は、従来のプログラミングでは解決できないタスクに対処できるからです。プログラミングの場合は基本的に人間がコンピュータにさせる動作をすべて記述しなければいけませんでした。機械学習はデータを入力することで最終的には従来のソフトウェアでは到達できないサービスも実現します。近年成果を上げている機械学習の一手法のディープラーニングでは、画像や音声、自然言語などの認識ができるようになりました。例えば、ネコの画像を読み込ませて「ネコ」を当てるには、プログラミングでどの様にルールを記述すればよいか想像がつかないと思います。機械学習では、大量のネコの画像を読み込ませることでタスクを解決することができるようになりました。音声や自然言語についても、すべてのルールを入れることは不可能ですので、機械学習が適しています。

機械学習の活用事例

現在、日常のさまざまな製品の中にAIチップが組み込まれています。たとえば、スマートフォンのカメラは、機械学習によって写真を自動加工する機能や人工的な画像を組み込むAR機能などが実現しているのです。

コールセンターにも機械学習が活用されています。膨大な音声データを与えて機械学習させることで、問い合わせの音声を認識して、相手の求めている回答を表示させるサービスが登場しているのです。

マーケティングにも機械学習は活用されています。たとえば、店舗に設置されたカメラから顧客の動向をチェックして、顧客について分析するのです。その結果から、顧客にとって快適な導線や効果的な商品配置などを導き出してくれます。

このように従来のプログラミングでは不可能だったことが機械学習で実現されているのです。

機械学習がプログラミングに与える影響

コンピュータが人間の仕事の領域を侵食していることが話題になっています。機械学習が進展すれば、人間が従来行ってきた仕事の多くをコンピュータに代替できるようになるからです。そして、今後はプログラミングの領域も侵食されるのではないかとされています。

従来のプログラマは、コンピュータに出す指令を一から記述していました。しかし、機械学習が発展すれば、必要なプログラミングの量は減ります。問題を解決するためのコードを細かく記述する必要がなくなり、それよりもデータを集めることの方が重要になるからです。

したがって、これからの時代のプログラマには、従来とは異なる仕事が求められるようになります。従来はロジックを構築することが大切でした。しかし、これからはコンピュータの教師としての役割や学習データの収集・整理、機械学習の結果の分析といった仕事がプログラマに求められるのです。

このようにプログラミングという領域に大きな変化が起きています。

まとめ

コンピュータに特定の問題を解決するためにプログラマがプログラミングを行いソフトウェアを作成してきました。それが近年になって機械学習が発展したことで、最低限のプログラミングをすれば、後はデータによってコンピュータが学習してタスクを解決するようになったのです。

機械学習によって不可能と思われていた領域にコンピュータが達しようとしています。人間がプログラミングをするのが不可能なことも機械学習が判断することができるのです。今後も発展すると予想されるこの分野にこれからも注目しましょう。

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