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【2022】DX人材とは?必要なスキル・不足している背景と採用のためのポイント

DX人材とは、DXの推進に必要とされるスキルや適性を備えた人材を指します。

多くの企業がDXの推進に取り組み始めていますが、成功の可否を握るのは何よりも人材です。自社のDX化推進に必要な人材像を明確にし、採用や育成に取り組んでいくことが重要なのです。

今回は、DX人材の概要や必要とされるスキル、心構えについて紹介していきます。DXを推進する担当者の方や、企業の人材育成に関わる方は、ぜひ参考にしてみてください。

DX人材とは

DX人材とは、どのようなスキルや知識を持った人を指すのでしょうか?「DX人材」ということばには明確な定義はありませんが、まずは経済産業省における定義を確認しましょう。

経済産業省による定義

経済産業省による「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」では、DX人材について次のように定義しています。DX人材は、単にデジタル技術に精通しているだけでは務まりません。DX化に対する正しい理解や、プロジェクトの推進を統括できる人材が必要とされるのです。

  • DX 推進部門におけるデジタル技術やデータ活用に精通した人材
  • 各事業部門において、業務内容に精通しつつ、デジタルで何ができるかを理解し、DXの取り組みをリードする人材、その実行を担っていく人材

DX人材の不足

DX人材はDXの推進に必要不可欠ですが、その数は全国で不足しています。

令和3年版 情報白書」によると、不足しているDX人材に関して次のようなポジションを挙げています。いずれのポジションにおいても「大いに不足している・不足している」と回答した企業が約7割であり、人材不足の深刻さが伺えます。

  • DXの主導者
  • 新たなビジネスの企画・立案者
  • デジタル技術に精通している者
  • UI・UXに係るシステムデザインの担当者
  • AI・データ解析の専門家

人材不足が課題

DX人材の不足を解決するには、人材市場からDX人材を確保するだけではなく、企業が自ら育成する必要もあります。アウトソーシングのように外部リソースを活用する方法もありますが、長期的に見るとコストが高く、自社にノウハウが蓄積されないという可能性も懸念されます。

企業が自社のDX人材を増やすには、新卒だけではなく中途採用も積極化する方法があります。既にスキルや実績を持つ人材を採用することで、これからDXに取り組む企業にとって即戦力となるでしょう。

また、既存社員の配置転換によりDX関連業務を習熟させる方法もあります。既存社員が持つスキルを洗い出し、DX業務に適性のある社員を見極める必要があります。

その他、OJTや社外研修を活用して育成する方法もあります。社員がじっくりと学ぶことのできる機会を設けることで、全社的なDX知識を底上げすることが可能となるでしょう。

DX人材に求められるスキル・能力・知識

DX人材にはどのようなスキルや知識が求められるのでしょうか?ここでは、代表的なものについて6つ紹介していきます。

プロジェクトマネジメントスキル

DX人材には、高いプロジェクトマネジメントスキルが求められます。

DXは、新たなITツールを導入すれば完結するような単発的な取り組みではありません。これまでのビジネスモデルや、ビジネスプロセスにまで変化を及ぼすような大きな改革が起きるため、必然的に利害関係者も多くなります。

そのため、プロジェクトマネジメントに必要な戦略策定や問題分析、予算管理、スケジュール管理、折衝能力などのスキルが重要になってくるのです。また、ウォーターフォール開発のような1サイクルで開発を進める手法とは異なり、アジャイル開発によるPDCAを繰り返しながら、細かいサイクルで開発を進めるケースが多いでしょう。

新規事業の企画・構築力

DX人材には、全体の戦略に沿って具体的な企画を立案する「企画力」や、企画に基づいて実際のビジネスモデルやスキームを構築する「構築力」が求められます。企画を立案する上では、実現したいことや目的・課題を明確にし、「やるべきこと」「やらなくても良いこと」を切り分けて進めていくことが重要です。

また、企画に基づいてビジネスモデルやスキームを構築する上では、ビジネスプロデューサーだけではなく、現場とも密に連携を取りながら進めていく必要があります。

IT関連の基礎知識

DX人材には、IT関連の基礎知識も求められます。ビジネスプロデューサーやデザイナーは、直接的にIT技術を利用することはありませんが、技術職との共通言語として基礎知識を兼ね備えている必要があります。

また、技術的な知識だけではなく、業界内の最新知識をアップデートすることも重要です。最新のIT技術が国内外でどのように活用されているのかを知ることで、今後のトレンドや課題について仮説を立てることができます。

データサイエンスの知識

DX人材には、データサイエンスの知識も求められます。DXにおいては、データ分析の結果に基づいて、課題に対する意思決定を行うことが非常に重要です。

機械学習やビッグデータを活用したデータ分析は年々精度が向上しており、ビジネスにおいて与える影響度が増しています。データサイエンスをビジネスに活用できているか否かによって、企業間の競争力に大きな差が生まれています。

また、データサイエンスだけではなく、収集したデータの活用方法を決定するデータマネジメントのスキルも重要視されています。

最先端技術に関する知識

DX人材には、最先端技術に関する知識も求められます。

企業のDXは一過性の取り組みではなく、プロジェクト終了後も最先端技術に合わせてビジネスを変革し続けることで優位性を保つことができます。そのためには、最先端技術に関する知識を常にアップデートし続ける必要があるのです。

AI(人工知能)・ディープラーニング・ブロックチェーンなどのデジタル技術は目まぐるしく進化しています。最先端技術を積極的に取り入れることで、新たな製品やサービス、革新的なビジネスモデルの誕生につなげることができるのです。

UI・UXに関する知識

DX人材には、UI・UXに関する知識も求められます。最先端技術を取り入れたサービスやシステムであっても、ユーザーの利便性が悪ければ利用率は低下してしまい、普及することはないでしょう。

ユーザー目線でニーズを把握し、優れたユーザーとの接点(UI)と、ユーザーが得られる体験(UX)を提供することで、ユーザー満足度の高いサービスを提供することができるでしょう。

DX人材に必要な心構え

DX人材には、どのような心構えが必要なのでしょうか?ここでは、DX人材に必要な心構えのうち、代表的なものを4つ紹介していきます。

社内全体で取り組む

DXの成功は、一部の経営層や社員だけが取り組むのではなく、全社で一丸となって取り組むことが重要です。そのため、DX人材には周囲の人を巻き込み、部門間・社員間の熱量を無くしていく心構えが必要です。

経営層の意見だけではなく、現場の意見もしっかりと取り入れ認識乖離を防ぐことで、全社が真剣にDX化に取り組み真価を発揮します。

課題を正しく設定する

最先端のデジタル技術をいくら駆使しても、課題の設定に誤りがあれば、DXによる価値は生み出せません。DX人材には、DXによって解決すべき課題を正しく設定する心構えが必要です。

明確な課題を設定し仮説検証を行い、DXによる課題解決までの道筋をしっかりと立てる必要があります。

主体性を持って取り組む

デジタル技術の進歩は非常に速度が速いため、最新の情報をキャッチアップするためには主体性を持って取り組む必要があります。

DX人材には、主体性と強い好奇心を持って取り組むという心構えが必要です。また、単純に最新の情報を収集するだけではなく、「最先端のデジタル技術が自社のどのような課題を解決できるのか」「新たなビジネスモデルの構築にどう寄与するのか」といった視点で物事を見ることも重要です。

IPAが掲げるマインド

独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」では、DX人材には次に挙げるマインドが重要であると述べています。

  • 不確実な未来への想像力
  • 臨機応変/柔軟な対応力
  • 社外や異種の巻き込み力
  • 失敗したときの姿勢/思考
  • モチベーション/意味づけする力
  • いざというときの自身の突破力

DXは既存事業に対する変革であるため、これまでのビジネスとはまったく異なる不確実な取り組みであるともいえます。IPAが掲げるマインドは、そのような取り組みを進める上で不可欠な心構えであるといえるでしょう。

DX人材が担う主な職種

続いては、DX人材が担う主な職種を7種類紹介していきます。

  • ビジネスプロデューサー
  • ビジネスデザイナー
  • AIエンジニア
  • データサイエンティスト
  • エンジニア・プログラマー
  • 先端技術エンジニア
  • アーキテクト
  • UXデザイナー

ビジネスプロデューサー

ビジネスプロデューサーとは、DXやデジタルビジネスを推進するうえでリーダー的な役割を担う存在です。企業全体のDXを統括する立場であるため、大局的な視点を持つことが必要とされます。

そのため、デジタル技術のトレンドだけではなく、自社を取り巻く経営環境・戦略・戦術までを理解している必要があります。また、DXを推進する過程では、ビジネスモデルやビジネスプロセスの変革まで必要となるケースもあります。ビジネスプロデューサーは責任が非常に重く重要な役割であるため、経営層がCDO(最高デジタル責任者)としてその立場を担う場合もあります。

ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、ビジネスプロデューサーが策定した戦略に基づき、より具体的な企画立案・推進の役割を担います。実際のビジネスモデルやビジネスプロセスを立案する立場であり、利害関係者との調整や、プロジェクトを円滑に進めるための折衝能力が必要とされます。

AIエンジニア

AIエンジニアは、DXに関するデジタル技術(AIやIoT)に精通し、AIのビジネスモデルへの活用などを扱う役割を担います。機械学習を扱う高度な技術的スキルや知識が求められます。

また、DXの推進は企業全体で取り組むものであるため、事業部側と共同で進めていくためにはビジネスに対する理解も必要不可欠です。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、事業や業務に精通し必要なデータの分析・解析を担います。

DXにおいては、ビッグデータの分析・解析から事業に必要な情報を引き出すケースが多いです。データサイエンティストには、データの分析・解析に必要な統計知識に加えて、データ分析ソフトを扱うためのスキルや、数学的知識、ITに関する幅広い知識が求められます。

また、その他にもデータベース・プログラミング・自社のビジネスモデルへの理解も重要となります。

エンジニア・プログラマー

エンジニア・プログラマーは、アーキテクチャの設計に基づいて、システムの実装やインフラ構築を担います。

機械学習用では「Python」、統計解析では「R」と呼ばれるプログラミング言語を使用するケースが多いでしょう。一般的なエンジニア・プログラマーと比較して、店舗や製造現場などの現場のデジタルシステムが存在するケースが多いため、ソフトウェアだけではなくハードウェアに対する知識も幅広く求められます。

先端技術エンジニア

先端技術エンジニアは、AI(人工知能)や機械学習、ディープラーニング、ブロックチェーンなどの先端技術を取り扱う役割を担います。

アーキテクト

アーキテクトは、DXを実現するためのシステムを設計する役割を担います。デジタル技術を具体的にどのようにビジネスに落とし込むのかを策定します。

ビジネスにおける課題を分析し要件を定義し、設計・開発サポートまで行います。実装や構築は行いません。アーキテクトの仕事は、デジタル技術に精通しているだけではなく、時として経営的な視点も求められることがあります。

UXデザイナー

UXデザイナーは、システムやサービスのユーザーインターフェースをデザインする役割を担います。この場合における「デザイン」とは、審美性だけではなく操作性も大きく求められます。

優れたデザインによって与えられるユーザー体験は、顧客満足度に大きく寄与します。提供するサービスの利用率や継続率にも大きく影響する重要なポイントであるといえるでしょう。

DX人材を確保する方法

DX人材を確保するには、新卒・中途採用によって確保する方法と、社内育成によって確保する方法とに大別されます。ここでは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。

新卒・中途採用によって確保する

新卒採用によってDX人材を確保する場合、即戦力となる人材を確保できるケースは稀ですが、長期的に自社にとって大きなメリットをもたらします。

近年の若い世代は情報技術に日常的に接しており、これらを使いこなす地盤が十分にあります。即戦力レベルの情報技術を持っているケースは稀であっても、将来的に貴重なDX人材に育つ可能性は高いでしょう。そのため、新卒採用によってDX人材を確保する方法は、長期的な期間でDXに取り組む場合に効果的な手法であるといえます。

また、中途採用によってDX人材を確保する場合、自社のDXを推進する上での即戦力を確保することができます。自社の事業について理解してもらう期間は必要ですが、これまでの経験を生かして早期に戦力となることでしょう。

ただし、DX人材は採用市場において需要が非常に高まっており、優秀なDX人材を確保するためには非常にコストがかかります。

社内育成によって確保する

社内育成によってDX人材を確保する方法は、自社のノウハウや既存システムの利点・問題点を深く理解した上で、システムの構築ができるメリットがあります。

DX人材の育成方法には、DX関連の講座受講や資格取得が挙げられます。これらの学習を通じてDXの方法論やマインドセットを体系的に身につけることができるでしょう。

DX人材を採用する際のポイント

最後に、DX人材を採用する際のポイントについて解説します。

DX人材の市場における需要は過熱化しており、優秀な人材を確保することが難しくなっています。求職者から見て魅力的と感じるような職場環境を整えることが重要です。

必要な人材像を明確にする

DX人材の役割はさまざまです。IPAによる分類だけでも、先ほど紹介した「プロデューサー」「ビジネスデザイナー」「アーキテクト」「データサイエンティスト・AIエンジニア」「UXデザイナー」「エンジニア・プログラマー」と数多くあります。

企業ごとに必要となるDX人材は異なるため、求人募集の前にどのような人材を採用したいのかを明確にすることが重要です。

求める人材像が明確でない場合、応募者側も自身のスキルを活かせる企業なのかがわかりづらく、採用後のミスマッチにつながってしまう恐れもあります。自社に必要なスキルやノウハウをしっかりと検討し、募集する人材のターゲットを明確化しましょう。

労働環境を整備する

DXの推進には、組織体制や環境整備も重要です。

DX人材として応募する側にとって魅力的な職場と感じてもらえるように変革していく必要があります。IT業界の企業では、フレックス制度やテレワークが普及している割合が高く、会社の環境を柔軟に変化・対応させ、DX人材が働きやすいような環境を整えることも重要だといえるでしょう。

まとめ

DX人材の概要や必要とされるスキル、心構えについて解説しました。

DX人材には、デジタル技術の知識だけでなく、さまざまなスキル・知識・マインドが求められます。また、DX人材は深刻な人材不足という課題があるため、企業がDX人材を確保するためには求める人材像を明確にし、応募者から魅力的に見える組織を作り上げる必要があります。

DXの推進はDX人材だけで行うのではなく、経営者から従業員までが一丸となって取り組むことが重要です。組織のコミュニケーションを密にして、組織全体の情報リテラシーを高めることで、DXによる組織改革が行いやすい企業となるでしょう。

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