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【2022】DX戦略とは?導入企業の事例と立案・策定のポイント

DX推進のためには、戦略が必要不可欠です。しかし、DX推進の基礎知識やポイント、具体的な手順などはわからないという方は少なくありません。

今回は、DX戦略の意味やメリット、ポイントなどについて解説し、具体的な手順や企業での事例を紹介します。

DX戦略とは

DXは、「デジタルトランスフォーメーション」の略称です。簡単にいえば、これまでデジタルをうまく活用できていなかった業務などにデジタル技術を応用し、生活やビジネスをより良くすることです。

では、「DX戦略」とはどういう意味なのでしょうか?DXを活用したビジネスは、既存の仕組みに対して大きな変革をもたらすものです。その変革を成功させるためには、ある程度のマイルストーンを設定し、計画的に実行するような進め方が必要です。つまり、「DX戦略」とは、そういった計画的なロードマップを描くことをいいます。

DX戦略が必要である理由

DX戦略が必要とされるようになった背景には、近年のユーザーや市場の変化が関係しています。ここからは、DX戦略が必要になった理由について説明します。

全社的に取り組むべきプロジェクト

DXでは、これまでに実現できなかったユーザーへの新しい価値提供が必要になります。さらに、経営方針や売り上げにも影響するため、トップを巻き込んだ活動が必要不可欠です。

このような大規模なプロジェクトの実行のためには、個人や小規模なグループに任せるよりも専門のチームが組まれることがほとんどです。そういった全社的に大きな活動においては計画や戦略は重要になるため、DX戦略が必要になります。

「手段」を「目的」にしない

単にDXを推進しているだけでは、方向性やプロジェクトメンバーの意識統一も困難です。結果的に、「言われたことをやっているだけ」や「DX推進する(手段)ということが目的にすり替わってしまう」など、実行力やモチベーションの低下にもつながりかねません。

DX戦略があれば、進捗管理や共通認識がうまくできるようになり、作業一つひとつの質が高まり、高いモチベーションで計画を実行に移すことができます。

DX戦略を立案する上でのポイント

DX戦略を行う上では、DXを成功させやすくなるポイントがあります。ここからは、DX戦略のポイントについて解説します。

目的を明確化する

DXは、「売り上げアップ」や「業務効率化」といった最終的な目的に対しては「手段」であり、「デジタル技術の導入」が目的にならないよう注意が必要です。DX戦略においては、そういった目的を明確にした上で、システム導入に関して優先順位をつける必要があります。

また、DXは経営陣を巻き込んだ活動になることはもちろん、業務システムを利用する関係部署を含めた全社から活動を理解してもらう必要があります。そういった社員一人ひとりの理解を得るためには、目的を明確化して見えるようにしておくことが効果的です。

スモールスタートする

DXを成功させるためには、一気に既存のシステムを新規一掃してしまうのではなく、徐々に改変していくような方法がおすすめです。

社員全員のITリテラシーが高いわけではありません。そのため、システムが少しでも変化することでストレスに感じたり、トラブル対応などで一時的に業務負荷が上がったりすることが予想されるため、小さなステップを踏む必要があります。

また、導入したシステムに欠陥が見つかった場合には、修正や変更の手戻りが大きくなってしまうため、少しずつシステム導入を進めていく方が作業効率も高いといえます。

したがって、DX戦略においては小さなステップを踏んでいくような、短期的な計画から中長期的な計画も必要になります。

一貫性のあるシステムを構築する

DX推進が必要とされている職場では、既存システムの老朽化により不便になっているといった課題があり、その解決手段としてデジタル技術を活用した新規システムを検討している場合がほとんどです。社内で連携を取らずに一部の部署でDX推進を行った場合、他の部署が同じようにDXを推進した際に、別のシステムを導入してしまう可能性があります。

こうなってしまうと、複数部署にまたがる業務などでは、複数のシステムを使う必要があるため、かえって不便になってしまいかねません。そのため、全社的に連携を取り、一貫性のあるシステム構築を目指すことをDX戦略に織り込んでおく必要があります。

IT人材を育成する

DX推進を行うためには、プログラミングなどのIT技術に詳しい人材の確保が必要です。外注やコンサルタントでも良いですが、継続的なDX推進のためには、IT人材を育成する環境づくりも必要です。

社内でのIT人材を育成する環境が整っていれば、高額な費用が必要な外注やコンサルタントが必要なくなることに加え、徐々にノウハウを蓄積してレベルの高いシステム構築ができるようになります。したがって、長期的なDX戦略においては、IT人材の育成も組み込んでおくと、よりDXの効果が高まります。

DX戦略を策定することで得られるメリット

DX戦略の実施によって、一体どのような効果があるのでしょうか?ここでは、DX戦略の導入メリットについて解説します。

業務の効率化・生産性向上

DXの基本は、アナログデータをデジタル化して蓄積・活用することです。

デジタル化する過程で業務が棚卸しされ整理され、無駄な業務が露見することがあります。その結果、業務の自動化が進み、効率化や生産性向上といった効果につながります。

DX戦略を導入することで、より短期的で具体的な業務の改善ポイントが見つかり、DX推進による成果を最大化することができます。

新しいビジネスモデルの創出

DX戦略の導入により、今までに見出せていなかった経営戦略や商品・サービスを生み出すことができます。

インターネットが普及し誰でも情報を手に入れられるようになった現代では、データを活用した取り組みをいかにスピーディに行うかが生存戦略として重要になっています。DX戦略をしっかり立てることで、DX推進自体のスピード感を上げられ、迅速な戦略と実行により、競合他社との差別化を図ることができます。

顧客ニーズの変化に対応

欲しい商品・知りたい情報はインターネットですぐに検索し、類似する商品やサービスを比較して最適な選択が取りやすくなった昨今、本当に必要なものにしか購買意欲が上がらないなど、顧客ニーズがよりパーソナルに変化しています。

DX戦略により、顧客データを活用したシステムにより行動予測の精度が高くなれば、よりニーズにマッチした商品の開発や見込み顧客に対する営業を増やすことができ、結果的に売り上げアップに貢献できます。

DX戦略の進め方

ここまで、DX戦略の基本知識やメリットなどについて解説してきました。では、具体的にどのような手順でDX戦略を実施すれば良いのでしょうか?ここからは、DX戦略の進め方についてお伝えします。

ゴールを明確化する

まずは、DX推進のゴールを明確にします。

明確なゴール設定とは、「2年以内に新規受注を10%増やし、売り上げを20%アップさせる」など、数値的に達成したか判断しやすい目標のことをいいます。数値として見える化することにより、中間目標や進捗確認の際にも、目標に対して順調に進められているかどうかも含めてわかりやすくなります。

自社の課題・強みを把握する

次に、自社の課題や強みを洗い出します。

DXの目的はあくまで自社の課題解決であり、その目的になるのは競合他社との差別化に他なりません。したがって、自社の課題を把握することで、どのようなシステムを導入すべきかが選びやすくなります。

また、差別化を図る上では、強みとなる部分はより洗練させていく必要があります。そのため、強みを生かせるようなDX推進を行うよう方針を決めていきます。

自社の課題に合わせてDXを推進する

最終的に、洗い出した課題やゴールに合わせた細かな目標設定を行い、そのために必要な作業や日程を計画として書き出していきます。

それらの計画の担当者や責任者を明確にし、関係部署を含めて計画に合意を取りつつDXを推進していきます。

DX戦略の導入事例

DX戦略は、具体的に企業ではどのように導入されているのでしょうか?最後に、近年話題となっているDX導入企業の事例を紹介します。

株式会社クボタ

株式会社クボタは、世界中で利用される建機・農機などの製品を開発・生産するグローバルメーカーです。

 

同社は、2020年12月に「Kubota Diagnostics」をリリースし、3Dモデル・AR機能を活用した故障診断ができるサービスの提供を開始しました。このサービスには、下記のような特徴があります。

経験や知識に頼らない故障診断フローを提供できる

データを活用し、自動的に故障診断が実行されるため、実際に担当する作業員の経験やスキルによって修理・メンテナンスの品質に影響されることがなくなりました。

ダウンタイムによる建機の稼働率低下を抑えられる

建機や農機など、商業に不可欠な機器が使えない時間が発生すると、収益に直結してしまいます。そのため、いかにダウンタイムを減らすかということが課題になっていました。

 

作業員のスキルに影響されない故障診断システムの登場により、対応できるサービスエンジニアの選択肢が増えました。そのため、より迅速にアサインされて対応できるようになり、結果的にユーザーの満足度を高めることができるようになったのです。

株式会社小松製作所

株式会社小松製作所(コマツ)は総合機械メーカーですが、DX戦略を導入した「コムトラックス」を開発しました。

コムトラックスは、全世界で稼働する約30万台あるコマツ製の建設機械にGPSを搭載することで、機械の稼働情報や警告情報、故障情報などを収集し、ユーザーの稼働管理やメンテナンス管理を支援します。このソリューションには、次のような特徴があります。

盗難防止

建設機器は非常に高価ですが、郊外での作業が多く、営業時間外にも現場に設置したままになるケースが多いため、盗難被害に遭うことも珍しくありませんでした。

コムトラックスの導入により、正確な位置情報が確認できるようになったため、盗難被害にあっても遠隔で場所を確認したりエンジンを停止したりすることができるようになりました。コムトラック導入の話題は業界でも大きな影響があったため、結果的にはそういった情報牽制によって盗難件数も減少しました。

保守費用の削減/稼働率の向上

コムトラックスを導入した建設機械は、常にオンライン上でメンテナンス情報や稼働履歴が確認できるため、メンテナンスのタイミングを正確に把握できます。これにより、メンテナンススケジュールを立てられるため、故障による突発的な保守対応の件数が減少し、結果的に保守費用の削減や稼働率の向上につながりました。

沖電気工業株式会社

沖電気工業株式会社は国内大手の情報機器メーカーですが、DX戦略として「バーチャル・ワンファクトリー」 を推進しています。この取り組みは、同社の2つの工場(本庄工場と沼津工場)を仮想的に1つの工場として融合するものです。

同社の生産体制の課題として、需要の急変による対応が不十分でした。そこで、この取り組みとして次の3つを実行しました。

部門間融合

生産・技術・品質部門の連携を強化すべく、交流会を実施し、その中でも効果のある施策を「良いとこ取り活動」として水平展開しました。

生産融合

各工場での生産状況をオンラインで見える化することにより、負荷状況だけでなく、各工場が得意とする技能も明確になりました。 これにより、生産計画の変化に合わせて工場間で連携し、生産応援を計画に取り込む体制が強化されました。

 試作プロセス融合

外注していた量産試作を自社の別工場で請け負い、試作生産の効率化と量産工程へのフィードバック体制を強化しました。その結果、新製品の生産立ち上げ期間を短縮することができました。

まとめ

DX戦略は、DXを成功に導くために必要な手段です。具体的な進め方やポイントなどをしっかりと理解し、自社の課題解決のために綿密な計画を立てて実行しましょう。

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