AIを作るために必要なパソコンスペック

AI開発が進み、個人でもできるように独学用の書籍や紹介サイトなどが出回っていますが、実際にAIを作ろうと思うと開発環境が必要になります。
こちらでは、AI開発に必要なパソコンのスペックを、レベルごとに見ていきます。

個人でAIについて学ぶ場合のパソコンスペック

AI開発の初心者で、個人で学ぶ目的の場合は、市販の10~20万円程度で販売されている、ミドルクラスのパソコンでも問題ありません。普段使っているパソコンがそこそこのスペックならば、そのまま開発に使っても良いでしょう。とは言え、ある程度の性能は必要です。中でもより高度なプログラミングをするときにはGPUが必要不可欠ですが、初心者が学習するためならばCPUがメインとなるので、快適に処理できるレベルのグレードを選びましょう。

具体的には、Intelであれば最新の世代のCore-i5以上で特に問題なく作業が可能です。また、AMDの場合には、Ryzen5以上を選ぶのがおすすめです。メモリに関しては、学習に必要なデータを展開する際に影響するため、データセットが多い場合には十分な物理メモリが必要です。8GBでも動作はしますが、最低でも16GB、できれば32GBを搭載していると快適に使うことができるでしょう。

ディスク容量は、初心者が開発するのであれば512GBあれば他のツールが入っていても問題なく開発できます。必要最低限のソフトしか入れておらず、常にディスク容量を空けるようにしている習慣があるなら、256GBでも問題なく使えるでしょう。なお、ディスクは容量の他に種類を選ぶ必要があります。従来からある安価なHDDと、割高にはなるものの動作が軽快なSSDがありますが、AIを作るならストレスがたまらず動作が早いSSDを選ぶのがおすすめです。振動や衝撃にも強いため、ノートPCで開発をする場合には特に、SSDを入れておいた方が不要なトラブルを避けられるでしょう。

個人で多くのAIデータセットを使用する場合のパソコンスペック

基礎的な学習を終えて、本格的に個人でAIを作りたいと考えるなら、ミドルスペックのパソコンではパワーが足りないと実感するでしょう。AIの性能を上げるためには、多くのデータセットを使う必要があります。これに伴い、処理能力と共に速度や記憶量も向上させなければならず、ハイスペックのパソコンに切り替えることになります。市販のパソコンでは役不足だと感じられるなら、自作してみるのも良いでしょう。パーツは比較的簡単に入手できますし、自分で好みの性能のパーツを選び、組み合わせるだけで作成できるベアボーンキットもたくさん販売されていますので、初心者でも安心です。

具体的なスペックとしては、本格的なAI開発をするならGPUを導入しましょう。自動的に学習を行うディープラーニングには機械学習を得意とするCPUよりもGPUの方が適しており、これがなければ順調な開発はほぼ不可能です。GPUは多くのディープラーニングのフレームワークに対応しているNVIDIAの製品が良いでしょう。個人で開発する場合には価格が安いGeForceで充分です。一方、CPUはCore-i5以上あれば問題ありませんが、Core-i7以上を入れるとさらに快適な使い心地になります。もちろん、同グレードのRYZENでも問題ありません。

メモリは最低限16GB以上を搭載しましょう。ただし、データセットを多く使う場合には、さらに増やす必要があります。後から追加できるパソコンの場合は、実際にAIを作りながら増やすのも良いでしょう。また、ディスク容量は512GB以上のSSDがおすすめです。

企業でAI開発をする場合に必要なパソコンスペック

企業で開発をする場合には、当然様々な高性能なAIを要求されます。そのため、膨大なデータを素早く処理できるだけのスペックを搭載しなければならず、ハイパフォーマンスな専用のパソコンを求められることがほとんどです。企業の場合は自社向けにカスタマイズしたものやハイスペックなエンジニア用のパソコンをレンタルすることもあります。いずれにしても、個人よりもさらに高性能なパソコンを必要とするため、通常はワークステーションタイプで拡張性が高いものが人気です。スペックによっては100万円を超えることもあるので、コストパフォーマンスも重視されます。

企業の場合は求められるAIの機能が幅広いため、それに合わせたオリジナルのパソコンを使うことが多いですが、ディープラーニングに合わせたスペックを意識すると良いでしょう。例えば、並列処理を得意とするGPUはNVIDIA製を使うのが一般的ですが、企業ではディープラーニング用の専用コアを持ったものを使うところもあれば、プロフェッショナル仕様のRTXやQuadroを使うところもあるなど、様々です。GPUメモリが大きいほど大規模なネットワーク処理ができるので、コストとの兼ね合いと言えるでしょう。

また、企業の場合は学習処理にCPUの性能も重要になるため、マルチコアでクロック周波数やIPCも高性能なものを入れていることがほとんどです。インテルならばコア数の多いXeonやCore-i7以上などを導入します。メモリはディープラーニング中の他の作業量を増やせることもあり、時間との勝負になりがちな企業向けのパソコンでは少なくとも64GB以上を積んでいます。さらに、ディスク容量も余裕を持たせる必要があるので、1TB以上が基本です。

GPUとは

AI開発において、パソコンのスペックの中でも特に重視されがちなGPUとは、グラフィックボードのことです。一度に複数の計算を行う並列処理を得意としており、ディープラーニングに必要不可欠です。ディープラーニングは機械学習を発展させたもので、より多角的な視野から独自に学習を行うため、多くの場所で取り入れられています。例えば、自動運転技術で信号や通行人、障害物などを認識して学習していく機能もディープラーニングによるものですし、スマートフォンやタブレットなどに搭載されている顔認証や音声認識機能も該当します。また、医療現場ではがん細胞の発見に役立っているなど、今やなくてはならない存在です。

気づかないうちに日常生活の中でも取り入れられているディープラーニングですが、多くの情報を認識して自動的に処理するためには、その情報を提供できるだけのメモリが必要です。そのため、ハイスペックなGPUを搭載した場合には、物理メモリも多く積む必要が生じます。もちろん、CPUやストレージも優れたものを用意しなければなりませんが、AI開発の場合はGPUとメモリ選びから始めると良いでしょう。

なお、手持ちのパソコンにGPUが搭載されているのか知りたい場合には、Windowsアイコンを右クリックしたときに表示される検索を選び、dxdiagと入力するとDirectX診断ツールが起動します。チップの種類と書かれているところがGPUのスペックで、メモリ合計と書かれているところがGPU専用の独立したメモリの容量です。自分のパソコンでチェックしてみましょう。

コストとスペックを見ながら検討

このように、同じAIを作るためのパソコンと言っても、最終目標や用途によって必要なスペックは大きく異なります。
当然、性能が高いパーツは価格も高額になるので、コストと必要とされるスペックを比較しながら適切なものを選ぶと良いでしょう。
後から追加できるパソコンにしておくと、スペックの向上もやりやすくなります。

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