【2023年最新】チャットボットとは?チャットボットの実用性や活用事例を解説

こんにちは、AI研究所の三谷です。
LINEやネットショップで続々と導入され始めている「チャットボット」。
みなさんもチャットボットツールの作成を試してみたり、ネットショップの窓口にチャットボットの導入を考えたりしたことがあるのではないでしょうか。
今回は、チャットボットの機能や作成方法・チャットボット開発のポイントについて、導入事例を交えながら解説していきます。
チャットボットはマーケティングや顧客獲得の文脈でも、とても大事になるサービスです。
マーケティングを担当している方や、企業の経営者の方はこの記事をぜひ参考にしてください。

チャットボットとは

チャットボットとは

「チャットボット」とは、「チャット(chat)」と「ボット(bot)」という言葉が組み合わさった造語です。
「チャット(chat)」はご存知の通り、文字を入力して2人または複数人がメッセージなどで会話をすることです。
「ボット(bot)」は「ロボット」の略で、処理を自動的に実行するプログラムのことです。
つまり、チャットボットはテキスト(音声)を通じてユーザーとの会話を自動的に行うプログラムのことです。

2016年頃から盛り上がりを見せており、Webサービス上での顧客からの問い合わせ対応や時間短縮、CVR向上のために導入を始めている企業も増えてきているため、具体的な活用事例も探しやすくなってきています。

チャットボットは人工知能ではなく人工無能?

ちなみに、英語の”chatbot”を直訳すると”人工無脳”となります。
この後にも出てきますが、人工無能とはGoogleアシスタントやAmazonアレクサといった、会話をシュミレーションするプログラムを搭載した、AIアシスタントのことを指します。
このプログラムを機械学習で設定し育てていくことで、より具体的な会話をすることもできるようになります。
チャットボットはいろんなWebサービスやアプリケーションに導入され始めているので、自分のスマホやPCからチャットボットとの会話を試してみることができます。

実際の開発や導入方法についても、AI研究所のセミナーで詳しく解説をしているので興味のある方はぜひ参加してみてください。
チャットボットについて動画での解説が見たい方は下記動画をご覧ください。

チャットボットのサービス活用事例

最近では、アプリケーションやWebサービスの中でもチャットボットを活用した様々なサービスが提供されています。
では、各種のサービスは、どのようのにチャットボットを活用しているのでしょうか。
実際にチャットボットを導入している事例をサービス別にご紹介します。

  1. OSに搭載されているチャットボット
  2. LINEの公式アカウントや企業のアプリで利用されているチャットボット
  3. スマートフォンアプリ
  4. Webサイトのチャットボットサービス
  5. 自治体のチャットボット実証実験

①OSに搭載されているチャットボット

実は、ほとんどの人が持っているiPhoneやAndroidのスマートフォンにはチャットボットを利用したサービスが搭載されています。
具体的な事例は、SiriやGoogleアシスタント・CORTANAのことです。
「チャットボット」と呼ばれていない場合も多いですが、私たちにとって一番身近なチャットボットですね。
音声での会話形式、検索ができるのが大きな特徴です。

1:Siri

OSに搭載されているチャットボット①Siri

Apple社が提供しているiPhoneを始めとするiOSや、mac OS Sierraに搭載されているチャットボットです。
「へい!SIRI!」と話しかけることによって、音声で情報を検索できます。
簡単な会話も楽しめます。

2:Googleアシスタント

Google社が提供している「Google Home」やAndroid端末に搭載されているチャットボットです。
「OK!Google!」と話しかけると、ユーザーの質問などに回答してくれます。

3:Cortana

OSに搭載されているチャットボット③Cortana

Microsoft社のWindows 10を始めとするOSに搭載されているチャットボットです。
パソコンを使用している方は、キーワード入力以外でもサイト検索や情報検索できる機能です。

②LINEの公式アカウントや企業のアプリで利用されているチャットボット

最近では、コミュニケーションアプリ・LINEの公式アカウントなどに実装されているチャットボットも多くあります。
ちょっとした問い合わせをアプリのLINEで聞けたり、簡単な会話までできたりします。
導入事例は年々増えており、企業や自治体での活用はもちろん、ラグジュアリーブランドのお問い合わせにも使われるようになってきています。
LINEのアカウントを友達登録するだけで、簡単にチャットボットを試すことができますので、実際のチャットボットと会話をしてみてください!

1:ヤマト運輸のチャットボット

ヤマト運輸 公式LINEアカウント

こちらはヤマト運輸が導入している、お問い合わせのチャットボットです。
これまでは、慣れないホームページでの操作を嫌って電話で問い合わせをする人が多くいました。
チャットボットは、配達状況の確認や日時変更など、LINE公式アカウントを追加するだけで利用可能になります。
友達と会話するかのように完結するので、顧客満足度の向上が見込まれています。
また、チャット内に”にゃ”と打ち込むと、ヤマト側からも語尾に”にゃ”の付く猫語で返って来るようになるなど、遊び心も満載です。

2:ライフネット生命 公式LINEアカウント

ライフネット生命 公式LINEアカウント

「ラネットくん」は、ライフネット生命がLINEとfacebook Messengerで導入しているチャットボットです。
人間が必要ない簡単なFAQや、決まりきった業務の部分はチャットボットに任せて、ユーザーがより詳細なサポートを必要とした時にオペレーターに切り替わる、いわゆる「ハイブリッド型」対応のサービスです。

3:NAVITIMEのチャットボット

NAVITIME公式LINEアカウント

NAVITIMEが導入している、電車の乗換案内チャットボットです。
友達に聞くのと同じようにLINE上でチャットするだけで、時刻表や運行情報を知ることができます。
わざわざ他のアプリを開く必要もなく、手間がかからずに知りたい情報を受け取れます。

4:Reluxのコンシェルジュ

「コンシェルジュ」は高級旅館、ホテルの宿泊予約サービスの「Relux」が導入している、宿泊施設の相談をすることができるチャットボットです。
公式LINEアカウントとfacebookメッセンジャーでサービスを提供しており、メールよりもチャットボットのCVR(コンバージョンレート:顧客転換率)が3倍程度高いという結果が出ているそうです。

5:パン田一郎(ぱんだいちろう)

パン田一郎は、リクルート(fromA Navi)から出されているキャラクターです。
fromAで取り扱っているバイトの情報を会話形式で教えてくれたり、キャラクターと日常的な会話が楽しめるチャットボットです。

6:りんな

りんな

「りんな」は日本マイクロソフトが開発した女子高生です。
チャットボット内で雑談やしりとりができたり、 ユーザーの問いかけに対して回答をしてくれます。

③スマートフォンアプリ

チャットボットは、LINE内のサービスだけで利用されているわけではありません。
多くの企業がスマホアプリでチャットボットを活用しています。
ここからは、スマホアプリで利用されているチャットボットを紹介します。

1:UNIQLO IQ

UNIQLO IQ

『UNIQLO IQ』は、ユニクロがAIを活用したお買い物アシスタントサービスです。
チャットボットを活用したサービスで、チャット画面からおすすめのコーディネートやトレンドワード、店舗の在庫などを案内してくれます。
実際に店舗へ行く前に利用することで、買い物に手間をかけず有意義にするメリットがあります。

2:ペコッター

ペコッター

オススメのご飯スポットを教えてもらえる、グルメQ&Aアプリです。
チャットボットが希望に合ったお店を紹介してくれるだけではなく、ペコッターを利用している一般ユーザーがおすすめのお店を教えてくれます。
人工知能だけではなく、本物の人間も情報提供や知りたい情報への高騰をしてくれる機能を持っているのが特徴です。

④Webサイトのチャットボットサービス

Webサイトのサービスで使用されているチャットボットは下記のようなものがあります。

 1:マナミさん

マナミさん

アスクルが運営している通販サイトの「LOHACO」で活躍している、カスタマーサポートの問い合わせチャットボットです。
2014年から導入され、2016年時にはで全問い合わせの3分の1が対応可能となり、結果として6.5人分の人件費削減につながったそうです。
現在は、「IBM Watson」の対話システムも導入されています。

2:マカナちゃん

マカナちゃん

日本航空(JAL)がIBMの「IBM Watson」を使って開発した、旅をサポートするチャットボットです。
第1弾が2016年12月から2カ月間提供されており、第2弾として2017年7月から2018年3月までサービスを提供していました。

3:WOWOWサポートコンシェルジュ

WOWOWサポートコンシェルジュ

WOWOWが提供する、契約方法や視聴方法などのお問合せに対応するチャットボットです。
よくある問い合わせをうまく組み合わせることで、回答の精度を上げています。

⑤自治体のチャットボット実証実験

自治体の実証実験でもチャットボットが利用されています。
自治体が行ったチャットボットの実証実験を紹介していきましょう。

1:イーオのごみ分別案内

イーオのごみ分別案内

NTTドコモ(Repl-AI)と、横浜市資源循環局が共同で行う実証実験のチャットボットです。
ユーザーが、ごみの分別方法や粗大ごみの処理手数料などを聞くと答えてくれます。


このように、チャットボットを導入することで、手の届かなかったところまでサービスを行き渡らせることができるようになります。
導入のデメリットとしては、顧客の感情を汲み取ったオペレーションができないことや導入コストの問題が挙げられます。

チャットボットの開発方法とは?

チャットボットの利用方法の画像
ここまで、チャットボットの導入事例を紹介してきましたが、実際にチャットボットとはどのようなシステムで開発されているのでしょうか。
実際にある、幾つかあるチャットボットの開発におけるシステムを見てみましょう。

プログラム型・辞書型

「プログラム型・辞書型」のチャットボットは、ユーザーとの想定される単語や質問と、それに対する答えをあらかじめ人が登録(プログラミング)しておくことで、会話ができているように見せているものです。
すべてのパターンを入力しておく必要があるのと、表現のゆれに対応するために膨大な入力が必要になります。
表記のゆれとは、例えば「チャットボット」と「chatbot」と「チャットbot」を同じ意味として捉えられるかどうかです。
参考記事:AI(人工知能)同士は会話できるのか!?

機械学習型

「機械学習型」は、ユーザーが入力した文章に対して、適切な返信文章を確率的に計算し、返信文を自動生成するシステムです。
最も簡単なアルゴリズムとしては、マルコフ連鎖が有名です。
ただし、マルコフ連鎖には限界があるため、最近ではニューラルネットワークの一種で時系列を考慮できる、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を用いる場合が増えてきています。

複合型

「複合型」はプログラム型と機械学習型を混合して、会話を表現するものです。
特定の質問に対する答えや回答はあらかじめ人間がプログラミングしておくことで正しい回答を行ない、表記のゆれや雑談などは機械学習を利用して回答することで自然な会話を表現します。
また、ここに更に人が介在するパターンも多く見られます。
チャットボットで自動的に回答できなかった場合に、チャットが人間に引き継がれたり、通常の電話によるサポートセンターにつないだり、といったシステムを組み込んでおくことで、人件費を削減しつつ顧客満足度を向上する取組みがなされています。

チャットボット作成ツール・サービス8選

活用することで多くのメリットがあるチャットボット機能ですが、どのように作成し、導入すれば良いのでしょうか。
何もない状態からチャットボットシステムを作ることは非常に大変なため、チャットボットを作成するためのツールサービスを利用することが多いです。
ここからはチャットボットのツールサービスを紹介していきます。

1.Watson

Watson

IBMから提供されている人工知能で、医学論文を読み込ませて病気の診断をしたり、クイズ王に勝利したりという実績を持っており、自然言語処理に強いと言われています。
WatsonはIBM Cloud (旧:IBM Bluemix)の中の一つの機能で、Watsonの中の「Conversation」でチャットボットを作成できます。
また、同じくWatsonの中の「Natural Language Classifier」では自然言語の分類ができたり、「Speech to Text」や「Text to Speech」を使用することで、音声をテキストにしたりテキストを音声にする事もできます。

参考記事:IBM Watsonとは?世界で知られるAIの活用事例やその仕組みを大公開

2.DialogFlow(旧:api.ai)

DialogFlow

Googleが提供しているチャットボット作成サービスです。
チャットボット作成初心者でも、無料でプログラミングも不要で、簡単にチャットボットが作れますので、まずはチャットボットでどんなことができるのかを理解したい方におすすめです。

参考記事:【プログラミング不要】Siriのように会話ができるAI(人工知能)の作り方

3.AI-Q

AI-Q

IBMのWatsonを使用したサービスです。
質問や回答をブラウザから簡単に登録することができ、フィードバックや回答精度の向上、回答内容の確認や管理などもブラウザから簡単に行なえることが特徴です。
初期費用200万円、月額使用料24万円から使用できます。

4.hiTTO

hitTO

IBM Watsonと連携しているAIチャットボットサービスです。
株式会社大京が、不動産業界で初めて社内のITヘルプデスク業務に導入したことで話題になりました。
外部サービスとの連携が可能なので、自社専用に自由にカスタマイズされたチャットボットが簡単に作成できます。
初期費用75万円、月額50万円から使用できます。

5.サポートチャットボット

サポートチャットボット

LINEやFacebookメッセンジャー、Webサイトなどで利用できるチャットボットサービスです。
SNS上の数十億件のデータを学習しており、サポートも充実しているサービスです。

6.hitobo

チャットボットサービス

LINEやFacebookメッセンジャー、Webサイトなどで利用できるチャットボットサービスです。
自動的に返信するボットと人の対応を瞬時にスイッチできる機能があるのが特徴で、カスタマーサポートのやりやすいチャットボットになっています。
無料期間の後、月額33,900円(税別)から使用できます。

7.hachidori

hachidori

LINEやFacebookメッセンジャー、Webサイトなどで利用できるチャットボットサービスです。
LINE BOT AWARDSのパートナーに選ばれています。
表記ゆれも認識できる言語解析機能を有しているのと、アナリティクス機能や人力サポートを併用することで、運用を見据えたサービスとなっています。
月額20万円/月から使用できます。個人は無料プランからあります。

8.GENIEE CHAT

GENIEE CHAT

GENIEE CHATはLINEやFacebookメッセンジャー、Webサイトなどで利用できるチャットボットサービスです。
オンラインで最適な接客をしたい、お問い合わせ対応を減らしたいといったお悩みにコミットできるのが特徴です。
人が回答する通常のチャット応答や、ダイレクトメッセージを自動配信して回答する機能などがついています。
費用は完全成果報酬型となっており、無料相談で見積もりが必要です。

簡単なチャットボットの作り方

上記で書いたように、チャットボットには

  • プログラム型・辞書型
  • 機械学習型
  • 複合型

と複数の種類があります。
機械学習型や複合型のチャットボットを作成するには、Pythonなどのプログラム言語を利用してプログラミングをする必要があります。
例えば、マルコフ連鎖やRNNを使って、会話を通して機械学習をするチャットボットを作成する場合は、ユーザーから入力された情報を辞書に登録し、その情報を入力データとして機械学習するようなプログラムを作成します。
複合型の場合は、プログラム型と機械学習型の分岐をプログラミングすればいいだけなので簡単ですが、分岐をどのタイミングでするかの設計が重要になってきます。
プログラム型・辞書型の場合は、上記で紹介したサービスを利用して簡単に作成することができます。

もし、「プログラミングはできないけど簡単なチャットボットを作成したい!」という方は、AI研究所の過去の記事で作り方を紹介しておりますので、記事を見ながらチャットボット作成を体験してみてください。

【2022】チャットボットの作り方は?2種類の方法とポイント

チャットボットについてよくある質問

それでは、チャットボットについてのよくある質問を分かりやすく回答していきます。

チャットボットとは分かりやすく言うとなんですか?
チャットボットはサイトなどに設置する、お客様からのチャットに自動応答するAIロボットのことです。
チャットボットの例は何がありますか?
一番分かりやすいのは各社のLINE公式アカウントです。
友達に追加したり、話しかけると自動で返信メッセージが到着します。
チャットボットを導入するメリットはありますか?
チャットボットを導入するメリットにはお問い合わせに自動で応答でき、人件費の削減が見込めます。
また、冷やかしのお問い合わせにも自動でAIが対応してくれるので、きちんとしたお客様のお問い合わせにのみ反応することができます。

チャットボットについてまとめ

最新のチャットボット活用事例を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
規模を問わず様々な企業が、自社のWebサービスとしてチャットボットを導入し始めています。
チャットボットを活用することで、お問い合わせなどのカスタマーサポートがしやすくなることで、業務の効率化を測ることもできるため、お客様からの信頼感も得ることができるようになるのではないでしょうか。
もちろん、感情的な会話まではできないので全てをチャットボットに任せることはできませんが、人工知能のことを理解することで、それぞれのニーズに合わせた開発ができるようになります!
ぜひこの機会にチャットボットを導入して自動応答を試してみてください。

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