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公開日:2020.10.20 

機械学習による売り上げ予測の仕組みを徹底解説

機械学習

未来の売上を予測する。これは、商品を販売する小売業やECサイトでは、ぜひとも取り入れたい技術の一つです。
先が全くわからない未来に向けて商売をするよりも、大まかでも道筋が見えていたほうが作戦も立てやすいですよね。販売のための戦略や、人員配置も考えやすくなりますので、よりスマートな経営が可能となります。
機械学習による売上予測とはどのような仕組みとなっているのでしょうか。売上予測のメリットや、現在の状況を元に使われているモデルを紹介しつつ、記事にしてみたいと思います。

売上予測のメリット

小売業やECサイトにおいて、機械学習による売上予測はとても大きなメリットがあります。精度が高ければ高いほど個人の嗜好に向けたピンポイントな案内ができますので、増々メリットは大きくなります。具体的にどのようなメリットがあるのか、順番に見ていきましょう。

商品の在庫管理

小売業にとって、最も大事な事は適切な在庫管理です。少なすぎてもだめですし、多すぎると余剰在庫を抱えて値下げ販売を強いられることもあります。
劣化する商品を扱っている場合、売上予測の重要性はさらに増します。適正な予測ができれば、商品をロスする可能性を減らすことができます。
この点から、正確な売上予測ができると得られるメリットは以下の通りです。

  • 在庫リスクが減り、適切な値段で販売を継続できる
  • 適切な仕入れと、販促を行うことで売上アップが狙える

人員の配置

小売店の場合は、正確な売上予測をたてることで人の配置を適正化することができます。忙しいと思われる時とそうでない時に適切な人員配置を行うことができます。機械学習を使う売上予測では、例年のデータを参考にするよりも不確定要素に対応しやすいです。
また、在庫管理の大変な業務を簡略化できるので、従業員の配置を変えることができサービスの向上につなげる事ができます。
人員について得られるメリットは以下の通りです。

  • 人員配置の適正化
  • 人員配置を見直すことでサービス向上につながる

購入動機まで探ることも可能

NECは機械学習を使って予測型意思決定最適化技術を開発しました。これは客が買った商品を元に、来店の目的を予測するものです。
甘いもの中心に買う、健康食品メイン、特売品メインなど購入品目によって店舗に求めているものを予測します。これによって客それぞれのイメージを形成することができます。購入品目の傾向から、特別コーナーの設置を検討することもできます。

  • スイーツと特売品の併売
  • 特売をしないプレミアムスイーツコーナーの設置

このようなアイデアは、来店する客の行動や、購入の動機がわかっている場合に効果的です。わかっていない段階で設置するのは、リスクを伴います。的確にニーズを把握することでハズレのすくない施策を行うことが可能です。
並べてみないとわからない、という状況から一歩すすんである程度の予測の上で施策を展開できることが他店との差別化となり、強みとするこができます。

売上予測のアプローチ手法

機械学習によるアプローチ方法はどのようなものがあるのでしょうか。
まず、従来から行われてきた方法から、最新の方法に至るまで、アプローチ手法を見ていきたいと思います。

関連記事:機械学習とは?機械学習の仕組みを徹底解説

統計学に基づいた手法

回帰木、重回帰など統計学的な予測アプローチが中心となっています。時系列データ、過去の実績からおおよその予測を立てる方法です。
この方法はエクセルにも採用されており、簡単な予測をすることができます。予測を行うとグラフに売上の予測が表示されます。
この予測は過去の売上のデータに基づいた予測です。従来の手法では、過去2年分の時系列データがあればおおまかな予測をたてることができます。
しかし、従来の統計学的なアプローチは複雑化するマーケットに対応しきれない面もあります。従来のモデルの崩壊や、細かく分かれている個人の嗜好、個別化していく商品戦略などの分野にはそぐわないとも言われています。これから来るトレンドの変化には、後追いで追従することになります。

機械学習を取り入れた手法

機械学習を取り入れた予測に必要とされるものは、自社のCRMやPOSなどのデータツールとの連携です、データツールのデータが膨大であればより精度の高い結果が得られます。
さらに、外部情報との連携も進めていきます。例えば、

  • 天気予報
  • 財務データ
  • マーケティングデータ

などを連携することで、多角的に予測をたてることができます。
天候の変化は様々な売上に影響を及ぼします。水着や、傘、毛皮のコートなどの季節商品や、化粧品、車、食品など大きな影響を及ぼす可能性があります。ECサイトでは特に天気の影響をうけます。
真夏や真冬、天気の悪い日は在宅率が高まるので需要も高まりますが、過ごしやすい気候になると在宅率の低下により売上は減少します。
色々なデータを連携させることで、これから起こるかもしれないトレンドの予測も可能となります。

こちらの動画で機械学習を使った売上予測について、詳しく解説されています。

新商品の需要予測にも活用

従来の手法は、過去2年分の時系列データを必要としますが、機械学習ベースの売上予測では必要ありません。
統計学を元にした売上予測では、市場調査や専門家の意見を集めたり、類似商品の傾向を掴んで、参考値にしていました。
機械学習ベースの売上予測を使うと過去の売上データがない、新商品の予測も可能です。
ファッション業界は年に数回新しい商品を販売しますが、ファッションのトレンド、季節性などのデータを参考に予測を試みます。
新しいトレンドに対して先手が打てるのは、ファッション業界においてとても強みとなります。

機械学習を使った売上予測の注意点

機械学習を取り入れた売上予測は、従来の予測に比べて精度や内容の面でより詳しい分析を行うことが可能です。
時系列の過去データが必要ない、という点がメリットの一つで、他のデータツールと組み合わせることで、より詳しい予測をたてることができます。
機械学習を運用するにあたって重要な点は、人間による確認です。機械学習は、スタートすると人間の助けなしに予測を続けることができますが、正しい挙動を維持するためには人間による確認を必要とします。
また、データの投入も大事です。高度なシステムを運用するには、AI人材の確保も必要となってきます。

機械学習を使った売上予測は販売の形を変える

機械学習を活用した売上予測は販売の形を変えることになります。
ユーザー側から見ると、気の利いたお店が増える、ということになります。今後は個人の嗜好にピンポイントでマッチするようなお店や、売り場が増えていくのではないかと思われます。
精度の高い売上予測ができることで、在庫や人員コストを見直し、適正な予算をたてることができるようになります。また、適材適所を見直すことでサービスの向上にもつながります。最新の技術では、購入動機を探ることまで可能となっており、ユーザー側からみると増々お買い物が便利で楽しいものとなりそうです。
売上予測のアプローチは、従来の統計学に機械学習の運用を合わせたものです。自社の顧客データと、天気予報やマーケティング調査などを組み合わせることでより精度の高い予想が可能となりますが、精度の高い予測を維持し続けるにはAI人材の確保が必要となります。
日々進化するAI技術ですが、AIを支える人材育成も急務となっています。テクノロジー分野に興味がある方は、勉強を進めていきましょう。


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